天才投資家ジム・ロジャーズとは?経歴や名言を初心者向けに解説

最終更新日: 2022/12/12 公開日: 2021/10/28

投資に興味のある人の多くが、ジム・ロジャーズという名前を一度は耳にしたことがあるでしょう。
世界三大投資家の1人として知られる人物です。

しかし、次のように問われると明確に答えるのは難しいと感じるかもしれません。

  • ジム・ロジャーズの経歴は?
  • 投資家としてどのようにして成功した?
  • 彼の教えから学べることとは?

そこで、本記事ではジム・ロジャーズの経歴やマインドを知る上でのポイントを解説します。

次のように感じている方は、ぜひ参考にしてください。

  • 投資に興味がある
  • 著名な投資家の思考やマインドを知りたい
  • 成功した人物の考えに触れたい

ジム・ロジャーズとは?

ジム・ロジャーズはしばしば「世界三大投資家」の1人として挙げられます。
世界三大投資家とは、次の3名の人物を指します。

ウォーレン・バフェット
ジョージ・ソロス
ジム・ロジャーズ

ジム・ロジャーズの投資対象は多岐にわたり、個別株から商品先物まで幅広く投資している点が特徴です。
その投資手法は古典的なBUY AND HOLDではなく、状況に応じてロング(買い)とショート(売り)のポジションを臨機応変に使い分けるスタイルとなっています。

このような投資スタイルには、世界各国の金融政策、社会情勢、経済状況に関する複合的な調査・分析を行い、大きな流れを俯瞰的に捉えることが求められます。

商品先物指数としてRICI(ロジャーズ国際商品指数)が世界中で利用されていますが、この指数を1998年に発案したのは他でもないジム・ロジャーズです。
世界経済にも影響を与え続けている、まさに大御所といえるでしょう。

経歴について

ジム・ロジャーズはなぜ投資家となることを志し、成功を収めるに至ったのでしょうか。
その生い立ちから投資家としての成功までの軌跡を確認していきましょう。

幼少〜学生時代

ジム・ロジャーズは1942年、米国アラバマ州に生まれました。
父親は化学工場の経営者で、母親は専業主婦でした。
5人兄弟の長男だったジム・ロジャーズは、子育てに追われる母親をよく手伝い、弟の面倒も見ていたとされます。

初めてビジネスに携わったのは5歳のときで、ピーナッツを売り歩いたエピソードが有名です。

イェール大学に進学したジム・ロジャーズは、歴史学を専攻します。
経営学や経済学ではないのが意外に感じる人もいるでしょう。
しかし、マネーを動かす歴史観・文明観を身につけるにあたって、歴史学の教養は大いに役立ったのです。

大学を卒業後はオックスフォード大学の修士課程に進学し、哲学・政治・経済を並行して学びました。
こうした幅広い教養が、のちに世界の政治情勢や経済動向をマクロで捉える上で生かされたことは想像に難くありません。

投資家として

ジム・ロジャーズと投資の出会いは、学生時代のアルバイトだったとされます。
夏休みにウォール街で働いたロジャーズは、投資の世界の興味を持つようになったのです。

26歳でドミニク&ドミニク社にて働き始め、ウォール街でのキャリアが始まります。
働き始めた当初は見習いアナリストであり、株式と債券の違いさえも分からない状態だったといいます。

仕事にのめり込んでいったジム・ロジャーズはその後、投資銀行への転職を通じて投資家としての経験を積んでいきました。

クォンタム・ファンドを設立

投資家として頭角を現しつつあったロジャーズに「一緒に投資ファンドを始めないか?」と声をかけたのがジョージ・ソロスでした。
こうして1973年に「クォンタム・ファンド」を設立します。

クォンタム・ファンドでの活躍は、ジム・ロジャーズの名声を一気に高めました。
ファンド設立から10年間のリターンは3,365%と、前代未聞の成果を挙げることに成功したからです。

同期間中のダウ平均株価はわずか20%の上昇に留まっていたことを踏まえると、いかに驚異的なリターンだったかが分かるはずです。
ジム・ロジャーズはジョージ・ソロスとともにヘッジファンドの先駆者として、また伝説の投資家として世界中に知られるようになりました。

37歳にしてリタイア

飛ぶ鳥を落とす勢いのクォンタム・ファンドでしたが、内部では不和が生じていました。
人員の増強を目指すファンドの運営方針にロジャーズが反対し、意見が対立するようになっていたのです。

両者の溝は埋まることはなく、ロジャーズは1980年にクォンタム・ファンドを去ります
同時に、仕事からリタイアすることを決意したのです。

当時、ロジャーズは37歳。
世界中に名声をとどろかせた伝説の投資家ジム・ロジャーズの実績は、わずか7年の間に成し遂げられたのです。

冒険投資家へ

投資の最前線から身を引いたジム・ロジャーズは、テレビ番組の司会者を務めるなどメディアに活躍の場を移し、世界的な有名人となります。
また、世界中をオートバイやカスタムカーで旅行し、世界の変化を肌で感じることに注力していきました。
走破した距離は、ギネス記録に2つも認定されています。

投資家として類を見ない実績に加え、冒険の実体験を踏まえることで「冒険投資家」というユニークなポジションを確立したのです。

今後、世界はアジアを中心に回っていくと予測し、2007年には米国を離れてシンガポールへ移住しています。
リタイア後もジム・ロジャーズの言動は世界中から注目を集め、多くの投資家に新たな視点を与え続けています。

ジム・ロジャーズから学べること

ジム・ロジャーズの驚異的な実績は多くの人を魅了し、感銘を与え続けています。
ジム・ロジャーズの思考やマインドに触れることで、新たな視点を得たいと考える投資家やビジネスパーソンは少なくありません。

そこで、ジム・ロジャーズの思考に触れられる書籍・名言について紹介します。

ジム・ロジャーズの著書・書籍

ジム・ロジャーズは幅広い分野に投資してきたことから、知識・教養も多岐にわたっています
伝説の投資家に世界はどう映っているのかが垣間見える、3冊の書籍について見ていきましょう。

お金の流れで読む 日本と世界の未来

歴史学をベースに、お金の流れから大胆に世界の未来予測を試みた本書。
これまでリーマンショックや中国の台頭、トランプ当選といった数々の歴史的な出来事を的中させてきたジム・ロジャーズが、今後の世界をどう予測しているかが分かります。

「日本再興への可能性」や「朝鮮半島のこれから」といった、多くの人が気になっている動向を独自の視点で捉えているのが特徴です。

近い将来、国際社会がどう変化していくのかを俯瞰的な視点で捉えたい人にとって必読書といえるでしょう。

日本への警告

ロジャーズの投資家としての成功を支えてきたのは、目先の動きにとらわれない優れた先見性です。
そのロジャーズが今の日本に抱いているのは「強い危機感」に他なりません。

もはや日本株は投資対象から外れたと厳しく指摘し、円の価値が今後も下がっていくと予測しています。
私たち日本人がこの危機的状況をどうすれば乗り切れるのか、新しい未来を築くための視点を与えてくれる一冊です。

日本が直面するであろう現実から目を背けず、自身の資産を守る上で多くのヒントを得られる書となるでしょう。

冒険投資家ジム・ロジャーズ世界大発見

冒険家としての顔も持つジム・ロジャーズは、「投資界のインディー・ジョーンズ」とも称されています。
特注のベンツで世界116ヶ国、24万kmにもおよぶ壮大な旅に挑んだ軌跡を記した書です。

自身の経験に凝り固まることなく、世界の「今」を自分の目で見ようとするジム・ロジャーズのエネルギーに満ちています。
戦乱や砂漠、ジャングルといった危険地帯を3年間にわたって疾走するジム・ロジャーズの姿に、多くの人が圧倒されるでしょう。

ジム・ロジャーズの名言

ジム・ロジャーズの類い希な先見性は、数々の名言にも表れています。
投資はもちろんのこと、ビジネス全般に役立つ気づきを与えてくれるジム・ロジャーズの名言を紹介します。

下調べをしないならば、あなたは決して成功しないだろう。

驚異的なリターンを記録したクォンタム・ファンドにおいて、ジム・ロジャーズはアナリスト的な立ち位置だったとされます。
分析を重視し、綿密な下調べを積み重ねてきたことが、投資家としての成功へとつながったのです。

投資判断を誤る人の多くが、「人が勧めたから」「株価が上がりつつあるから」といった目先のことを見てしまいます。
短絡的に判断することなく、地道に下調べをすることが結果につながるという基本を思い出させてくれる言葉です。

変化を認識し反応する人は利益を得るだろう。

市場は常に変化しています。
過去の常識にとらわれていては、重大な判断ミスへとつながる危険性があります。

変化の兆候を見逃さないよう、先入観にとらわれず世界を見ることの重要性を説いているのです。
自身も臨機応変に投資判断を下し、成功を収めてきたジム・ロジャーズの言葉だからこそ、非常に重みがあります。

変化を直視すること、変化に適応することがいかに大切かを思い出させてくれる名言といえるでしょう。

冒険しないと、つまらない人生になってしまう。

ジム・ロジャーズはマネーの背後にある「世界」に対して、強い好奇心を持ち続けてきました。
オートバイで六大陸を走破し、カスタムカーで116ヶ国を駆け抜けたエネルギーは圧巻と言うほかありません。

ジム・ロジャーズのように世界中を旅する冒険家になることは、多くの人にとって現実的に難しいはずです。
しかし、ここで言う「冒険」とは、冒険家になることだけを指しているのではありません。

現状に満足することなく、新しい知見を得ようと行動し続けることの大切さを伝えているのでしょう。

まとめ

伝説の投資家ジム・ロジャーズの経歴とマインドを知るためのポイントを紹介してきました。
投資やビジネスに活かせるヒントが見つかったのではないでしょうか。
本記事を参考に、ぜひ今日からの投資・ビジネスに役立ててください。

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最終更新日: 2022/12/12 公開日: 2021/10/28