「二宮尊徳はどのような人なの?」
「二宮尊徳の人物について知りたい!」
二宮尊徳は薪のようなものを背負い、本を読んでいる二宮金次郎と同一人物です。成人後、名前を二宮尊徳に変えました。
二宮尊徳は勤労と倹約を行い、つつましく生活することについての報徳思想を唱え、約600もの村の財政難を救ったとされる偉大な人物です。経営者こそ、二宮尊徳の人物や仕事に対する考え方を学ぶべきです。
二宮尊徳の成し遂げた実績について解説します。また、より深く学ぶためにおすすめの本もご紹介しますのでぜひご覧ください。
二宮尊徳を学ぶメリットは?
二宮尊徳は、江戸時代後期に活躍した人物です。二宮尊徳の人物や思想について学ぶことは、現代社会を生きる私たちにも学ぶことがあるでしょう。
二宮尊徳を学ぶメリットは以下の通りです。
- 困難を乗り越える方法が分かる
- 現代の経営にもつながる経営の考え方が分かる
- 現代社会を生きるうえで参考にしたい考え方が分かる
- 自分が生きたいと思う道筋について知ることができる
二宮尊徳とは?
二宮尊徳とは、どのような人物なのでしょうか。二宮尊徳を理解するための年表や、具体的な実績のエピソードをご紹介します。
これを読めば、二宮尊徳が成し遂げたことがよく理解できるでしょう。
二宮尊徳のプロフィール(実績)
二宮尊徳は、二宮金次郎の銅像としてはよく知られていますが、詳しい実績について知らない人は多いのではないでしょうか。
二宮金次郎は成人後、二宮尊徳と名を改めましたが成人後の実績はすさまじいものがあります。ぜひ確認しておきましょう。
二宮尊徳のプロフィール(実績)は以下の通りです。
寛政3年(5歳) 洪水のため、酒匂川が氾濫し、土地が流されてしまう
寛政12年(14歳)父の利右衛門が病のため死去
享和2年(16歳)母のよしが死去し、伯父の万兵衛方に預けられる
文化8年(25歳)小田原潘家老服部家の若党となる
文化14年(31歳)中島きのと結婚
文政元年(32歳)服部家の家政治再建を引き受ける
文政2年(33歳)きのと離婚
文政3年(34歳)岡田なみと結婚、小田原藩士の五常講を創設
文政4年(35歳)下野国宇津家桜町領復興のための調査
文政6年(37歳)一家をあげて桜町に移住
文政12年(43歳)成田山に参龍
天保4年(47歳)青木村の仕法で桜川の堰を改修
天保5年(48歳)「報徳訓」「三才報徳金毛録」を著作
天保6年(49歳)谷田部藩の仕法開始
天保8年(51歳)鳥山藩の仕法開始、小田原領内の飢民を救済
天保9年(52歳)下館藩の仕法開始
天保13年(56歳)幕臣に登用
弘化元年(58歳)日光仕法受命、ひな型作成に着手、相馬仕法開始
弘化3年(60歳)日光仕法ひな型完成
嘉永元年(62歳)東郷陣屋に転居
嘉永6年(67歳)日光仕法廃業
安政3年(70歳)尊徳死去
引用:報徳に生きた人二宮尊徳(P162~165より抜粋)
武家や藩の財政復興
服部家の財政再建や、小田原藩の財政復興に貢献しました。服部家の財政で、実践したことは、収入を上回る支出をしないことという単純なことです。食事はご飯と汁物、また服が破れたら縫って再度使うなど徹底した倹約を行いました。
また、服部家の後に努めた小田原藩の財政復興には、五条講の法則を用いました。五条講とは、儒教の考え方の基本です。
「仁」…仁愛・慈愛・慈悲の心のこと
「義」…正義を貫き、筋を通すこと
「礼」…礼節を重んじること
「智」…道理・真理・真如を正しく把握する知恵のこと
「信」…誠・真心・信頼のこと
引用:報徳に生きた人二宮尊徳(P50より抜粋)
道徳的な決まりと経済的な規則を結びつけるのは、二宮尊徳の独自の指導の特徴でした。
下野国・桜町領や常陸国・青木村の立て直しなど次々に依頼が来て、村おこしを行っていきます。最終的に約600もの村の財政建て直しに携わりました。
また、青木村からの依頼で、報徳思想の考え方を確立させています。
報徳思想の実践
二宮尊徳は、村を復興させるのに、報徳の考え方を用いてきました。村を救ったのは、すべて二宮尊徳が考え出した報徳思想の考え方があったからです。
報徳思想は以下のような思想です。
真心を持って誠実に仕事を行い、また自分の仕事に誇りを持ち、仕事を高めるような働き方をすること。
また、収入の中での支出をし、支出が収入を超えないこと、また、分度で残したものを独り占めにせず、分け与えたり将来に残すことの大切さを説きました。
報徳思想について、詳しく解説した記事がありますので、併せてこちらの記事もぜひご覧ください。詳しく知りたい方向けの本や博物館などもご紹介しています。
二宮尊徳の名言
二宮尊徳は、晩年には弟子たちや次の世代への教育に力を入れていました。二宮尊徳は、著書も残し、その中で自身が経験した事柄から多くの名言を残しています。
ここでは、二宮尊徳の思想や哲学が感じられる以下の名言についてご紹介します。
- 積小為大の考え方が分かる名言
- 倹約の考え方が分かる名言
- 推譲の考え方が分かる名言
物事の核心をついたするどい言葉は、今の私たちに考えさせられることが多いでしょう。
積小為大の考え方が分かる名言
大事を成し遂げようと思うものは、まず小事を努めるがよい。大事をしようとして小事を怠り、”できない、できない”と嘆きながら、行いやすいことを努めないのは小人の常である。およそ小を積めば大となるものだ。一万石の米は一粒ずつの積んだもの、一万町歩の田は、1鍬ずつを積んだもの、万里の道は一歩ずつを重ねたもの、高い築山ももっこ一杯ずつを積んだものなのだ。だから小事を努めて怠らなければ、大事は必ず成し遂げられる。小事を努めずに怠る者が、どうして大事を成し遂げることができようか。
「二宮先生語録」報徳に生きた人 二宮尊徳(P28より引用)
倹約の考え方が分かる名言
飯を炊くのは少しずつがよく、一度にたくさん炊くのは良くない。もし足りなければ、その時また炊けば良い。薪を燃やすのも、少しずつ出してくるのがよく、たくさん持ち出すのは良くない。もし足りなければ、その時また出してくれば良い。米倉に米があり、物置に薪がありさえすれば、心配はない。これが家を富ます道である。
「二宮先生語録」報徳に生きた人 二宮尊徳(P28より引用)
推譲の考え方が分かる名言
人間の手は自分のほうへ向いて自分のために便利にもできているが、また向こうのほうへも向いて向こうへ押せるようにもできている。鳥獣の手はこれと違って、ただ自分のほうへも向いて自分に便利なようにしかできていない。人と生まれたからには、他人のために押す道がある。それをわが身のほうに手を向けて、自分のために取ることばかり一生懸命で、先のほうに手を向けて他人のために押すことを忘れていたのでは、人であって人ではない。鳥獣と同じだ。なんと恥ずかしいことではないか。だから、私は、常々、奪う益なく譲に益あり。譲に益あり奪うに益なし。これが天理なのだと教えている。
「二宮先生語録」報徳に生きた人 二宮尊徳(P28より引用)
二宮尊徳についてさらに深く知るための書籍
二宮尊徳の生い立ちや、思想や哲学についてさらに深く知りたいと感じた方向けにぜひ読んでいただきたいおすすめの書籍をご紹介します。
報徳思想や、約600もの村を財政難から再生に導いたノウハウは、現代の私たちも大いに学ぶことがあるでしょう。
報徳に生きた人 二宮尊徳 著者:大貫章
二宮尊徳の幼少期から晩年までの、業績や行ったことについて詳細に書かれています。この本を読めば、二宮尊徳の生涯、どんな思想を持ちながら業務に取り組んでいたのかなどがよく分かるでしょう。
また、二宮尊徳自身の言葉を交えながら、報徳思想の考え方がつづられているので、とても興味深いです。二宮尊徳について知りたいなら、入門書としてまずは手にとってみると良いでしょう。
報徳に生きた人 二宮尊徳は以下のような方におすすめです。
- 二宮尊徳の生涯について知りたい人
- 二宮尊徳の生い立ちから思想まで幅広く学びたい人
- 二宮尊徳に関して、ほとんどの知識がない人(分かりやすく、二宮尊徳についてまったく知らない方でも楽しめるので、入門書として最適です)
人は徳のある人に従いてくる 再建王・二宮尊徳のリーダーシップとその至誠実行 著者:岬 龍一郎
二宮尊徳の生い立ちを知りながら、特に報徳思想や二宮尊徳の考え方について焦点をあてて書かれている本です。
報徳思想をビジネスで生かしたい人、経営者の方が二宮尊徳のリーダーシップについて参考にしたい場合に最適です。報徳思想の考え方は、実業家の様々な方にも影響を与えています。例えば、渋沢栄一、豊田佐吉などです。
多くの偉大な実業家の方も参考にしている報徳思想を知りたい人は、ぜひこの一冊を手にとってみてください。
人は徳のある人に従いてくる 再建王・二宮尊徳のリーダーシップとその至誠実行は以下のような方におすすめです。
- 経営者の方
- 報徳思想を実生活やビジネスにも応用したい人
- 報徳思想を実践したいが取り入れ方が分からない人
まとめ
二宮尊徳の人物についてご紹介した重要なポイントを以下にまとめますのでご覧ください。
・困難を乗り越える方法が分かる
・現代の経営にもつながる意味が分かる
・現代社会を生きるうえで参考になることがある
・自分が生きたいと思う道筋について知ることができる
二宮尊徳の実績
・600もの村の救済を行う
・報徳思想の確立
二宮尊徳の人生は、決して平坦なものではありませんでした。しかし、さまざまな経験を経て独自の思想を生み出し、そして約600もの村の財政難を救うという偉業を成し遂げました。
二宮尊徳の生涯や考え方について学ぶことは、私たちが先行き不透明な時代を生きる中での大きなヒントや指針になり得るでしょう。
二宮尊徳について、さらに詳しく学びビジネスに生かしていただけたら幸いです。
報徳に生きた人二宮尊徳 著者:大貫章
人は徳のある人に従いてくる―再建王・二宮尊徳のリーダーシップとその至誠実行 著者:岬 龍一郎
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