- フロイトについて学んでみたいけれど、何から読めばいいか分からない
- フロイト心理学を学ぶ入門書としておすすめの本を知りたい
この記事は上記のように考えている方におすすめです。
フロイトとは、オーストリアの心理学者、精神科医であり心理学の礎を築いた人物です。フロイトは、ユング、アドラーとともに、「心理学の三大巨匠」と呼ばれています。
フロイトは、人の行動の動機にはほとんどの部分で無意識の領域が影響していると述べました。意識は「氷山の一角」に過ぎず、無意識に本能や記憶が隠されているというのです。
フロイト心理学を学ぶことで、人間の心の仕組みや構造を学ぶことができ、自己理解や他己理解につながります。
また、無意識の構造について学ぶことで、人々の心のビジネスやマーケティングにも活かすことができるでしょう。
今回は、フロイトの心理学を学び始めたいという方におすすめの本を5つ紹介します。概要とおすすめのポイントを解説しますのでぜひご覧ください。
フロイトとは?
ジークムント・フロイトとは、オーストリアの心理学者、精神科医であり、精神分析学を提唱した人物です。神経症や心的外傷(PTSD)を心理学的側面から追究しました。
フロイトの心理学で有名な理論には、構造論と局所論、防衛機制などがあります。
構造論と局所論について、フロイトは人の心の構造を2つの面から提唱しました。構造論では、心の構造を「エス・自我・超自我」に、局所論では「意識・前意識・無意識」からなると考えます。
人間の心はこれらの3つの機能が調和することで正常に保たれると提唱しました。そしてこれらのバランスが崩れると、調和させるために「防衛機制」という行動が起きるとします。
例えば、防衛機制の「投射」は、受け入れたくない自分の感情が他の人にもあると考えることで心の調和を取ることです。
フロイトの心理学を学べば、私たちの心の構造や、様々な行動が起こるメカニズムを深く学ぶことができます。
フロイトを学ぶためのおすすめ本5選
次に、フロイト心理学を学ぶためにおすすめの5冊の本を紹介します。
フロイトを初めて学ぶ方に向けて、上から読んでいただくことによって理解が深まっていくように習熟度順にまとめました。下に行くほど習熟度が高い人向けになっています。
どれから読むべきか判断に迷う方は、本の並びを参考にしながら選んでみてください。
ご紹介する本は以下の通りです。
- 図解 ヒトのココロがわかるフロイトの話
- 精神分析入門(上・下)
- 新訳 夢判断
- フロイトとユング
- メタサイコロジー論
概要と内容について見ていきましょう。
図解 ヒトのココロがわかるフロイトの話
出典元:Amazon
『図解 ヒトのココロがわかるフロイトの話』は、山竹伸二によって監修された本です。
フロイト心理学を初めて学ぶ人で、文字より図から視覚的に分かりやすく学びたいと考える方におすすめします。
基礎の基礎として学びたいフロイト心理学の内容が網羅されています。
興味のある項目を深掘りするより、まずは全体的にフロイトが提唱した理論について把握したい方はチェックしてみてください。
構成
本書の構成は、全部で8章に分かれています。詳細は以下の通りです。
- 1 フロイトってどんな人?
- 2 無意識を知る
- 3 夢のしくみ
- 4 心の発達を知る
- 5 心を守る働き
- 6 心を治す方法を知る
- 7 役に立つ精神分析
- 8 フロイトが本当に伝えたかったこと
本書は、フロイトがどのような人物であったのかから始まります。
その後、心の構造から夢、防衛機制や精神分析により心の病や症状を治す方法などが図解と共に明快に書かれているのです。
本書を読んだ後に、より深く知りたいと感じた分野の本を読んでみるとよいでしょう。また参考文献が多く書かれています。
興味を持った項目があったけれど次に何を読むべきか迷う場合には、参考文献を辿っていくこともおすすめです。
精神分析入門(上・下)
出典元:Amazon
『精神分析入門(上・下)』は、執筆者がフロイトで翻訳者が高橋義孝氏、下坂幸三氏です。
本書は、1915年から1917年の間でウィーン大学で行われた一般向けの講義内容をまとめています。
無意識が基となる神経症を解明するため奮闘したフロイトは、自由連想法をもとにした精神分析学を打ち立てました。
本書を読めば精神分析学について知ることができ、またフロイトの苦悩や精神分析にかける情熱を垣間見ることができるでしょう。
構成
本書の構成は、大きく4つに分かれています。詳細は以下の通りです。
- 第一部 錯誤行為
- 第二部 夢
- 第三部 神経症総論
- 精神分析入門(続)
第一章では、錯誤行為について深く読み解きます。
錯誤行為とは、物忘れや言い間違いなどやり遂げたいことと実際の行為が追いつかないことです。実際に疲れや不注意から来る場合も多いですが、中には無意識の中で拒否していることが錯誤行為に表れるケースがあるといいます。
その後第二章では、夢について判断の技法や象徴的表現、分析例について探ります。
第三章では、神経症総論について精神分析と精神医学の関係や症状の意味、分析療法などを読み解いていく流れです。
また、第三章の後には精神分析入門として、夢理論の再考や不安と欲動など講義の補足を目的とした内容が収録されています。
新訳 夢判断
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『新訳 夢判断』は、執筆者がフロイトで翻訳者が大平健氏です。
翻訳者の大平健はフロイトと同じ精神学者です。フロイトの理論を知り尽くして、現場にも従事して40年以上患者と無意識について向き合った経験があります。
これらの経験から本書はより現代人にとって馴染み深い言葉で分かりやすく書かれていることが特徴です。
夢判断は元々1900年に出版された本であり、フロイトが心理学的な観点から夢について追究した成果が書かれています。フロイトは無意識の中に蓄積した記憶が夢となって表れると述べ、多くの場合は願望が夢となって表れるといいました。
本書は心理学的な側面から夢を学びたい方や、自分が見た夢がどのように無意識から取り出されるのかについてメカニズムを知りたい方におすすめです。
具体例を挙げながら夢の内容が無意識とどのような関係があるのかについてかみ砕いています。
構成
構成は7つに分かれています。詳細項目は次の通りです。
- 訳者まえがき
- 第1章 夢に関する学術的文献
- 第2章 夢判断の方法――実例の分析を通して
- 第3章 夢は望みを叶える
- 第4章 夢は歪曲されている
- 第5章 夢の材料と源泉
- 第6章 夢の仕事
- 第7章 夢過程の心理学
- 夢のあとに――訳者あとがきに代えて
本書を読むことで、フロイトの無意識と夢の関係について基礎から応用までをおさえることが可能です。
各章では実際にあった患者の夢を題材に出しながら、無意識の中で感じていることを読み解いていきます。
例えば、計算や数字が出てくる夢、途中で場面が変わったり途切れたりするなどして夢などが題材にあります。
様々な細かい現象のものを例にあげるため、自分が見たことのある夢を当てはめながら学ぶことができるはずです。
この本を読めば人はなぜ夢を見るのか、夢から分かる無意識の構造を理解できます。
また、私たちの無意識を反映させる夢を未来にどのように活かすかまで知ることが可能です。
フロイトとユング
出典元:Amazon
『フロイトとユング』は小此木啓吾と河合隼雄により執筆され、フロイトとユングの思想を学べる本です。
ユングはスイスの精神科医であり心理学者であり、フロイトとともに心理学の礎を築いた人物として知られています。
フロイトとユングは、ユングが担当していた患者の一人を接点にして関わりを持つようになりました。初対面の際には13時間も対話を重ねたと言われ、すぐに意気投合したユングとフロイトは師弟関係になります。
しかし、無意識の部分で意見が割れたことにより二人は決別し、互いに別々の独自理論を打ち立てていきました。
本書ではフロイトとユングの生涯と思想を学べるため、両者の理論を比較しながら心理学を学びたい人におすすめします。
著者の紹介
また、本書の著者である小此木啓吾と河合隼雄は日本の心理学の権威者です。
小此木啓吾は、精神科医であり精神分析理論を世に普及させた中心人物でした。河合隼雄は、臨床心理学者であり心理学者として活躍し、日本でユング心理学を普及させた人物として知られています。
両者は心理学に関する著書を多く出版しているため、他の本もぜひチェックしてみてください。
構成
本書の構成は、全部で5章に分かれています。詳細は以下の通りです。
- 第一章 出会い
- 第二章 人間フロイト、人間ユング
- 第三章 人間の心をめぐって
- 第四章 夢を語る
- 第五章 文化と社会
第一章と第二章では、フロイトとユングが出会うまでの道のりや出会いの契機が書かれています。そして、人間像としての両者の経験や体験から作られた両者の人間像を学ぶことが可能です。
そして、第三章以降では人間の心の構造や無意識が投影される夢やその分析方法について、また日本人と心理学の関係を探っていきます。
この本を読めば、フロイトが独自の理論を打ち立てる原因となった経験や背景を理解しながら学ぶことが可能です。
メタサイコロジー論
出典元:Amazon
『メタサイコロジー論』は、著者がフロイトであり翻訳者は十川幸司氏です。
『メタサイコロジー論』は、フロイトの思想について深く学びたいと考えている方におすすめします。
本書は『メタサイコロジー序説』として1915年頃に書かれていた本でありますが、実は完成には至っていません。
フロイトはこの本に掲載する論文を途中まで書き上げて『国際精神分析雑誌』で発表しました。しかし、残りの文章はフロイトが未完成のまま意図的に破棄をしてしまったと考えられています。
本書は現存している5篇と草稿1篇をまとめたものです。
フロイトの詳しい経緯を以下で紹介します。
1900年に『夢解釈』を発表して衝撃を与えたフロイトは、その後、「ドーラ」、「ハンス」、「鼠男」、「狼男」などの症例における臨床経験を経て、包括的な理論の構築を「メタサイコロジー(メタ心理学)」の名の下に企図した。精神分析にとって大きな画期となるはずだった『メタサイコロジー序説』は12篇の論文から成るものとして計画され、フロイトは1915年3月15日から5月4日までに5篇を執筆し、『国際精神分析雑誌』で発表する。
メタサイコロジー論 (講談社学術文庫)「honto」より引用
(中略)
さらにフロイトは、3カ月後の8月9日までに残る7篇をも書き上げた。その爆発的な知的エネルギーには圧倒されるばかりだが、なぜかそれら7篇は公表されず、『メタサイコロジー序説』も幻の書物となる。「意識」、「不安」、「転換ヒステリー」、「強迫神経症」、「投影」、「昇華」、「転移神経症概要」という表題が知られる7篇はフロイト自身の手で破棄されたものと考えられていたが、しかし1983年、書物の掉尾を飾るはずだった第12論文「転移神経症概要」の草稿が発見された。
構成
本書の構成は、以下の通りです。
- 欲動と欲動の運命
- 抑 圧
- 無意識
- 夢理論へのメタサイコロジー的補足
- 喪とメランコリー
- 転移神経症概要[草稿]
- 訳者解題
- 訳者あとがき
欲動と欲動の運命から喪とメランコリーまでの項目は、『国際精神分析雑誌』で発表された5編を収録しています。そして、転移神経症概要は1983年に発見された草稿です。
『メタサイコロジー序説』は、完成されずはずであったにも関わらずフロイトによって残りが意図的に破棄された謎に包まれた書籍です。
フロイトの幻の書物を手に取ってみたい、まだ世に知られていないフロイトが書いた書籍を読みたいと言う方におすすめします。
まとめ
今回は、フロイトの心理学を学んでみたい方におすすめの本を5冊紹介しました。
フロイトは、オーストリアの精神科医であり心理学者です。主な理論には、構造論や局所論や防錆規制、夢判断や発達理論が有名であり、精神分析学の創始者として知られています。
今回ご紹介したフロイトの心理学を学ぶ際のおすすめ本を以下にまとめますのでご覧ください。
- 図解 ヒトのココロがわかるフロイトの話
- 精神分析入門(上)(下)
- 新訳 夢判断
- フロイトとユング
- メタサイコロジー論
読むべき本に迷った方は、ぜひ今回ご紹介した本を参考にしてみてください。
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