「将来起業したいけど、会社経営なんて全然理解してない……」
「会社を経営してるけど、どうやって組織って発展させればいいんだろう……」
「人事部門に異動になったから組織についても学ばないと……」
このように悩んで、ビジネス書を調べる人も多いのではないでしょうか。
調べてみたけど種類が多すぎる。
できれば世界的に有名な本から学びたい。
そんな人に「ジム・コリンズ」の本がおすすめです。
ジム・コリンズの著書は、世界各国での累計部数が1,000万部以上と、世界中で愛されています。
では、なぜ世界中で支持されているのか。
この記事ではジム・コリンズという人物、有名な本、学べることを紹介します。
ジム・コリンズとは
ジム・コリンズは1958年生まれの、アメリカのビジネスコンサルタントです。作家、講師としても活躍しています。
企業が長期間存続する要因を分析した著作、「ビジョナリー・カンパニー」で一躍有名になりました。
「マネジメント」で有名なドラッカーの教え子であり、後継者とも言われる世界的経営学者です。
これまでの経歴
スタンフォード大学で数理科学の学士号を取得後、同大学で経営学修士号を取得。マッキンゼー・アンド・カンパニー社、ヒューレット・パッカード社などの有名企業で活躍しました。
企業勤めを離れた後は、アスリートの妻をサポートします。スポンサー交渉を含めたスポーツマネジメントの仕事をしていました。
妻がアスリートを引退した後、スタンフォード大学経営大学院教授として採用されます。
1995年に故郷のコロラド州ボルダ―に経営研究所を設立し、企業や非営利団体の幹部らに研究と教育を指導しています。
実績について
ジム・コリンズはスタンフォード・ビジネス・スクールの教授として、研究と教育のキャリアをスタートさせます。
1992年には優秀教授賞を受賞しました。
ジム・コリンズが講師として教えてきた企業は100を超えています。
また、下記のような社会部門の組織などに対し仕事をしてきました。
- ジョンズ・ホプキンス大学医学部
- ガールスカウトアメリカ連盟
- アメリカK-12校長教会
- 教会リーダーシップ・ネットワーク
- アメリカ海兵隊
研究に基づいた本は、著者、共著を含めて7冊発表しています。
中でも有名なのが、「ビジョナリー・カンパニー」シリーズです。
1作目の「ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則」は1994年に発表。ベストセラーとなり、25の言語に翻訳されました。
その後発表された「ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則」は、32の言語に翻訳されました。
「ビジョナリー・カンパニー」シリーズの世界各国での累計部数は、1,000万部以上となっています。
学べること
世界中のビジネスパーソンから愛されるジム・コリンズ。
書籍が有名ですが、どんなことが学べるのでしょうか。
代表作ビジョナリー・カンパニーとは
有名な著作「ビジョナリー・カンパニー」は、世界的に有名な企業の共通点を調査し研究した本です。
業界トップ企業の地位を何十年も維持する未来志向(ビジョナリー)の超一流企業のことを、ビジョナリー・カンパニーと呼んでいます。
本書では、アメリカの700社のCEOにアンケートして、ビジョナリー・カンパニーを18社選出。選出した18社の創業から現在までの歴史を6年間かけて調査し、基本原則と共通パターンを調べた結果をまとています。
1994年に1作目が発表され、2020年1月には最新作が発表されました。
「ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則」
「ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則」
「ビジョナリー・カンパニー【特別編】」
「ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階」
「ビジョナリー・カンパニー4 自分の意志で偉大になる」
「ビジョナリー・カンパニー 弾み車の法則」
最初に実践するべき内容は2だとジム・コリンズ自身が指摘しています。
ビジョナリー・カンパニーから学ぶこと
「時代を超えて生存する企業のビジョンやビジネスの仕組みを理解する」ことが「ビジョナリーカンパニー」の一貫しているテーマです。企業を経営するということについて学べるでしょう。
そして、「ビジョナリーカンパニー」はシリーズごとにテーマが少し異なります。
「ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則」のテーマは、「ビジョナリーカンパニー」になるためにはどうしたらいいのか。
「ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階」のテーマは、会社はなぜ衰退するのか、しないためにはどうしたらいいのか。
「ビジョナリー・カンパニー4 自分の意志で偉大になる」のテーマは、厳しい環境にも負けないリーダーシップ及び行動パターンについて。
など、1作ごとに新しい学びが得られます。
また、「働く側」としてではなく「経営側」の視点で、自分の所属する企業を見てみると視野が広がるでしょう。
名言
ジム・コリンズの名言はたくさんありますが、今回は3つ紹介します。
(1)適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、その後にどこに向かうべきかを決めている
企業には「人材」が重要ですが、その中でも「適切な人材」が大切だということを説いています。
今のビジネスを偉大にするためには、適切な人を選び、不適切な人を排除することが必要だとジム・コリンズは考えます。
ビジョナリー・カンパニーとして選出した18社は、「基本理念を貫き通している」という共通点があります。
基本理念に共感できる人は、同じ目標を目指せる「適切な人」となるでしょう。
(2)胆に銘じておくべきことは、将来の予測は事実上不可能だということです
企業存続でも、日々の生活でも、ずっと今と同じ状態ということはほとんどないでしょう。
ジム・コリンズはこのような言葉も残しています。
「危機がどれだけ長引くのかわからないし、危機の後に何が訪れるのかもわからないのです。しかし、予測不可能な世界にいるのなら、その制約の下でどう対応すればいいのかを冷静に考えるべきです。」
不安定なご時世では、変化の連続になります。
その中で、冷静に今できることを考えることが大切だとジム・コリンズは言っています。
(3)超一流になるために欠かせないのは、純真さと勤勉さである
勤勉さなくして、超一流になることは難しいでしょう。
そして、純真さがあることで、学んだことを素直に吸収できます。
純真さというと、「子どものこころ」をイメージしますが、正に子どものように好奇心を持ちながらチャレンジできる力とも言えるのではないでしょうか。
ビジネスパーソンに支持される理由
ビジネスパーソンに支持される「ビジョナリーカンパニー」は、古典的名著と呼ばれています。
なぜここまで支持されるのでしょうか?
その理由として、
- データに基づいた内容である
- ジム・コリンズの考え方や視点を学べる
などが挙げられます。
こんな人におすすめ
ジム・コリンズの考え方を学ぶのがおすすめなのは、主に以下の人です。
- 将来起業したいと考えている人
- 会社を経営している人
- 組織開発のコンサルタントや企業で働いている人
- 人事や採用部門で働く人
- 会社経営、組織を学びたい人
超一流企業の経営、及び組織とは何かを学ぶことができます。また、上記にあてはまらない人でも、読むことで新たな発見があるでしょう。
まとめ
ジム・コリンズの経歴や著作、そして学べることを紹介しました。
代表作の「ビジョナリーカンパニー」は世界中で愛され、多くのビジネスパーソンのバイブルとされています。
世界的に有名な企業はなぜ生存し続けられるのか、データから共通パターンが読み取れます。
ビジョナリーカンパニーは起業したい人や経営者向けと思われがちですが、ジム・コリンズの考え方や視点は多くのビジネスパーソンにとって大きな学びとなります。
経営に関する幅広い視野を身につけたい人は、ぜひジム・コリンズから学んでみてはいかがでしょうか。