松下幸之助『指導者の条件』を解説|優れた指導者であるために

最終更新日: 2024/04/04 公開日: 2024/04/04
  • 松下幸之助が部下を指導するにあたり大切にしていたことを知りたい…!
  • 松下幸之助が指導者で大事にしていたことを知りたい…!

この記事は上記のように考えている方におすすめします。

今回は、松下幸之助の『指導者の条件』のPHPビジネス新書 松下幸之助ライブラリーの内容を紹介しましょう。

『指導者の条件』は、PHPの研究員が古今の優れた指導者の特徴を調べ、その中で102の事例を選んで書籍にまとめたものです。

そして、その事例には、松下幸之助の考えや感想が添えられています。

102の項目のなかから7つの内容を抜粋して紹介しますのでご覧ください。

経営者や事業責任者の方は、自分自身の行いや指導者としての正しいあり方ができているかの振り返る機会としてご活用いただければ幸いです。

『指導者の条件』とは?

出典元:Amazon

PHPビジネス新書 松下幸之助ライブラリー出版の『指導者の条件』は、松下幸之助(以下、著者)が執筆した書籍です。

本書は、指導者が備えるべき事項について、著者の経験から得た解釈やエピソードを交えながら書かれました。

PHPの研究員が古今の優れた指導者に見られる特徴を収集して、その中から著者が102の事例を選んだものです。

本書の内容について、著者は部下を指導する上での教科書として、自身も活用していきたいと考えていたといいます。

(前略)本書は一面、いわば自分の勉強のための教科書のようなものでもあり、私自身これを座右におき、日々自分を正す資としていきたいと考えています。同時に、その意味において、政治の衝にあたる人びとから会社の班長、組長にいたるまで、世の指導者の人びと、また将来指導者たらんとする人びとにできるだけお読みいただければ幸いだと思います。すぐれた先人の業績に私同様必ずや教えられるものがあると思いますし、そうしたものをそれぞれのお立場で生かしていただくならば、それは国家の発展はもちろんのこと、さまざまな集団なり企業なりの発展を生み、多くの人びとに幸せをもたらすことになるでしょう。

『指導者の条件』(著者:松下幸之助,2014年3月,PHPビジネス新書 松下幸之助ライブラリー,P13より引用)

『指導者の条件』の内容を紹介

『指導者の条件』の内容を一部紹介していきます。

自分自身の心構えや部下との接し方を振り返るきっかけとしてご参照ください。

あるがままにみとめる

著者は、人間に元々備わっている性質をあるがままに認めるべきであるといいます。

この説で紹介される私たちの本質とは、人は必ず徒党を成して派閥を作るというものです。

経営者の方で、組織内での派閥が健全な組織運営の弊害となっていて、悩んでいる方がいらっしゃるかもしれません。

本書では党を組むという人間の性質は、本来備わっているものでありのままを認めてしまうことをすすめます。

変えることのできないものを認識したうえでどのように行動するのかを考えることで、適切な指導が生まれるというのです。

例えば、指導者として組織を束ねる際、大小少なからず組織内で派閥ができることがあります。組織改革として派閥への解消策を実践しても、効果は見られないのです。

(前略)指導者たるものは、できるかぎりとらわれを排して、ものごとをあるがままに見るようにつとめなければならない。そうしたあるがままの認識があって、はじめて適切な指導も生まれてくることを銘記すべきだと思う。

『指導者の条件』(著者:松下幸之助,2014年3月,PHPビジネス新書 松下幸之助ライブラリー,P23.24より引用)

先憂後楽

経営者は、先憂後楽の精神を持つことが重要です。

先憂は、その名の通り「先だって憂う」という意味で、すぐ先の物事に対しては悲観的に考えることをいいます。


物事に対して先憂することで、未来に起こり得るリスクを回避したり難題に直面したときも乗り越えられたりするのです。

著者は、先憂を経営者に必要な意味として広くとらえました。

他の人より物事を素早く考えてそれに対する手立てを発案し、実行していくことであるといいます。

そして、先憂することで難題が起こることを事前に防ぐことが大切であると述べました。

先が読めない世の中であるからこそ、経営者は常に現状や未来に起こり得るリスクを把握してリスクになり得る事象は先んじて潰しておくべきです。

(前略)企業の経営者でも、そのように人びとに先んじて発想し、手を打っていくことが求められている。そういうことの責任を自覚しない人は指導者として不適格だといえよう。

『指導者の条件』(著者:松下幸之助,2014年3月,PHPビジネス新書 松下幸之助ライブラリー,P127より引用)

最後まで諦めない

著者は、一度や二度の失敗で心を砕かれてしまっては物事を成すことはできず、最後まで諦めない心を持つことの大切さを唱えます。

人びとが失敗する主な理由には、単に成功するまで実行しなかったというところにあるといいます。

「継続は力なり」というものの、私たちの多くは失敗や挫折を繰り返すうちに挑戦してもどうせ失敗するのではないかと考えるかもしれません。

非常にもったいないことであり、あと一回でも挑んでいたら飛躍していたかもしれないのです。

著者は、失敗しても地道な困難を続けることで、そのうちに情勢が変化して続けたことが有利になることがあるといいます。

一方で、頑なに一つのことに固着するべきではないとも述べました。

人は心を込めた事象にかけた時間に比例して、それを手放すことが難しくなることがあると思います。

しかし、時代の流れは常に変化しているため、柔軟性を持って対応していくことの重要性についても言及しました。

(中略)ひとたび大義名分を立て、志をもって事にあたる以上、指導者は、一パーセントでも可能性が残っているかぎり、最後の最後まで諦めてはいけないと思う。

『指導者の条件』(著者:松下幸之助,2014年3月,PHPビジネス新書 松下幸之助ライブラリー,P79より引用)

見方を変える

著者は、その時の状況を見ながら自由に発想の転換を行うことが大切であると述べます。

このことは多くの人にとって難しいと感じるでしょう。

柔軟な考え方ができるように、自分の心を広げることを意識するといいと言います。

物事を一方から見るのではなく、異なる方向から見たらどのように見えるかなど、様々な見方を試してみることで新たなアイデアがわいてきます。

このようなことを様々な状況で行うことによって、物事を複数の側面から見て柔軟な発想をできる練習になると述べました。

(中略)自由な発想の転換ができるということは、指導者にとってきわめて大事なことである。しかし、発想の転換ということはさかんにいわれるが、実際はなかなかむずかしい。それはみずから、自分の心をしばったり、せばめているからである。

『指導者の条件』(著者:松下幸之助,2014年3月,PHPビジネス新書 松下幸之助ライブラリー,P207より引用)

諌言(いさめごと)を聞く

指導者は部下から意見や情報を集めることが重要であり、その中でも特に、「悪いことによく耳を傾ける」ことが大切であるといいます。

人は良いことは聞こうとしても、しなければならないことや問題は指導者の元にはなかなか耳に入ってくるものではないと述べました。

問題は、早めに耳にすれば様々な方法で介入しながら素早く手を打つことができます。

しかし、事態が大きくなってからでは手を打つことも難しくなってしまうことがあるでしょう。

指導者は、日頃から部下が悪い面について臆せず言いやすい雰囲気作りをすることが重要であるといいます。

良い面よりも悪い面を積極的に耳を傾ける姿勢を大切にしていきましょう。

 徳川家康は、主君に対する諌言は一番槍よりも値打ちがあるといっている。一番槍は昔の武士にとって最高の名誉とされたが、それ以上の価値があるというわけである。いいかえれば、諌言というものは、それほど貴重でかつむずかしいものだということになる。

『指導者の条件』(著者:松下幸之助,2014年3月,PHPビジネス新書 松下幸之助ライブラリー,P47より引用)

大事と小事

小事はおろそかにするべきではないけれども、基本を押さえたら後は部下に裁量を持たせるとよいといいます。

本書では、一枚の紙を無駄にしないことについて部下を叱りつけることも時には必要であると述べました。

しかし、なんでも頭ごなしに小さなことを指導するようでは、かえって大事が見えなくなる可能性があります。

また、小事を重視しすぎることで、部下の意欲が失われたり小事の処理に追われることでかえって生産性が下がったりすることもあるでしょう。

著者が述べる大事と小事を扱うバランスとして、基本的なポイントはしっかりと伝えた上で後は自由に任せるのが適切であるといいました。

放任主義すぎるのも秩序が崩壊してしまうため、バランスが重要です。

(中略)大切なポイントだけをしっかりと押さえ、あとは自由にのびのびとやらせるということが必要だと思う。結局はそのほうが秩序も立ち、生き生きとした活動が起こり発展も生まれてくるといえよう。

『指導者の条件』(著者:松下幸之助,2014年3月,PHPビジネス新書 松下幸之助ライブラリー,P135より引用)

人の組み合わせ

各々が優秀な場合でも、人の組み合わせにより業務が円滑に進むかどうかは別問題といえます。

ウマが合うという理屈では語れない部分もあり、それぞれが持つ長所が短所を補いあえる人の組み合わせが理想であるといいます。

人の持つ特性は変えられない部分があるため、実際に仕事を進めるうえで、うまく行くか分からない場合もあるでしょう。

本書では、それぞれに優秀な3人が集まり、仕事を進めたとしてもなかなかうまくいかないケースがあったことを紹介します。

結果的に、一人を別の場所に移すことにしたそうです。すると、二人は倍以上の成果を生み出し、その一人も別の場所で大きく活躍したということがあったと述べます。

努力で変えられない部分がある部分を理解して、適切な配置の人材チームを作りましょう。

 立派な人、賢い人ばかりを集めたからといって必ずしもものごとがうまくいくとはかぎらない。反対に平凡な人たちでも組合わせよろしきを得れば、非常な成果があがる。そうした組み合わせの妙というものを指導者は知らなくてはならないと思う。

『指導者の条件』(著者:松下幸之助,2014年3月,PHPビジネス新書 松下幸之助ライブラリー, P180,181より引用)

まとめ

今回は、PHPビジネス新書 松下幸之助ライブラリー出版の松下幸之助が執筆した『指導者の条件』を紹介しました。

本書は、指導者に大切なことについて、古今の優れた指導者の例を出しながら、著者の経験を通したノウハウを提供します。

本書では、日本や世界の歴史上の人物の指導者としての手腕が発揮された具体的なエピソードとともに記載されています。

詳しい内容を知りたい方は、ぜひ本書を手に取っていただければ幸いです。

出典:『指導者の条件』(著者:松下幸之助,2014年3月,PHPビジネス新書 松下幸之助ライブラリー)
- あるがままにみとめる 部分(P.22,23)
- 先憂後楽 部分(P.126,127)
- 最後まで諦めない 部分(P.78,79)
- 見方を変える 部分(P.206,207)
- 諌言を聞く 部分(P.46,47)
- 大事と小事 部分(P.134,135)
- 人の組合わせ 部分(P.180,181)

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最終更新日: 2024/04/04 公開日: 2024/04/04