新入社員が入社して最初の業務とも言える「新入社員研修」は、ただ単にビジネスマナーを身につけるだけではありません。
新入社員の会社に対する貢献度や業務の効率にも直結しています。
そのため、新入社員に「面白い」と思ってもらえる研修を実施するのが得策です。
今回は面白い新入社員研修とはどんな内容なのか、また新入社員研修に最適なゲームやグループワークについても解説しています。
新入社員が「参加してよかった」と実感できるような研修を実施し、大切な機会を有効活用していきましょう。
新入社員研修の目的
新入社員研修の内容を考えている企業の担当者は、その目的を把握しておきましょう。
目的をもって新入社員研修を行うと、社員のスキルアップやモチベーションアップにつながりやすくなります。
新入社員研修の主な目的は、以下の通りです。
- ビジネスマナーの習得
- コミュニケーション能力の向上
- 生産性の向上
それぞれ順番に解説していきます。
ビジネスマナーの習得
新入社員研修の目的のひとつは、ビジネスマナーの習得です。ビジネスマナーは社会人にとって必須のスキルです。
ビジネスマナーがなければ、取引先や顧客に失礼にあたる行動や言動をしてしまう可能性があるためです。
また、他社から教育が行き届いていないと思われる可能性もあり、取引が失敗することにもつながるかもしれません。
このため、新入社員研修ではビジネスマナーの習得を目的にすることが望ましいです。
たとえば、後述するマナー研修を行えば、最低限のビジネスマナーを身に付けられるでしょう。
コミュニケション能力の向上
新入社員研修の目的のひとつは、コミュニケーション能力の向上を図ることです。
ビジネスにおいて、コミュニケーション能力はもっとも求められる能力です。
厚生労働省によると「採用時に重視する能力」のアンケートで、85.7%の企業が「コミュニケーション能力」と回答しています。
そのため、新入社員研修ではコミュニケーション能力をアップさせることを意識させるとよいでしょう。
新入社員研修でコミュニケーション能力を向上させられると、営業での成約率アップや業務の円滑化につなげられます。
生産性の向上
新入社員研修を有効活用すれば、社内のコミュニケーションが活性化するだけでなく、生産性アップにもつながります。
研修を「面白い」と感じてもらえば、「この会社に入ってよかった」というポジティブな意識や、研修後の業務への期待値の向上効果が期待できます。
新入社員にとって、右も左も分からない入社直後はストレスや不安を感じやすい時期でもあります。
そのため、新入社員の緊張を解き、モチベーションをキープしてもらうことで積極的に業務に取り組めるようになるでしょう。
面白い新入社員研修にするコツ
研修の内容を少し工夫するだけで、新入社員に面白いと感じてもらえます。
会社の第一印象とも言える新入社員研修を「面白い」と記憶に残る内容にして、新入社員のやる気を高めていきましょう。
各自が積極的に参加できる内容にする
参加者が発言する機会が多い研修は緊張感が出るため、新入社員の集中力が切れにくくなります。
たとえば、座学のみの研修は新入社員が常に受け身の姿勢になるため、集中力が切れやすく飽きてしまうケースが多いです。
ビジネスマナーやコミュニケーションの研修であれば、ロールプレイングやグループワークなど、実践のパートを多く設けるなどの工夫が有効だと言えます。
また、企業理念やルールなど、座学がメインになりやすい研修では、アイスブレイクとしてゲームを取り入れたり、休憩を挟んだりしてメリハリをつけるのがおすすめです。
飽きがこない面白い内容を取り入れる
堅苦しい内容の研修でも伝え方を工夫すれば、参加者の集中力を途切れさせることはありません。
たとえば、ビジネスマナーをクイズ形式で身につけるなど参加型の座学にすると、答えを考える機会が生まれるため、記憶に残りやすいでしょう。
また、トラブル解決の方法をグループで話し合ってプレゼンテーションしてもらうなど、グループワークと組み合わせるのもおすすめです。
ゲーム感覚で学べる研修を意識すると、面白いと感じてもらいやすいでしょう。
新入社員研修を作成する際の3つのコツ
新入社員研修のプログラムを作成する際のコツは、以下の3つです。
- 研修の目的を明確にする
- 目的別に研修内容をカスタマイズする
- 新入社員の参加者意識を損なわないようにする
新入社員研修のプログラムを検討するときは、まずは研修の目的を明確にします。
どんな社員になってほしいのか、どんなスキルを身につけてほしいのかという視点から研修のゴールを明確にすると、ブレのない研修プログラムが作れます。
たとえば人間関係構築を目的とした研修にするのであれば、コミュニケーションの活性化を図るため、ゲームやグループワークをメインとした研修がおすすめです。
業務への取り組み方を把握することを目的とした研修では、企業理念の共有や目標を発表するグループワークなど、業務の知識とモチベーション向上を目指す研修が最適でしょう。
いずれの研修においても、アイスブレイクのゲームやグループワークを取り入れて、参加者意識が損なわれないよう、工夫する必要があります。
中でも特に参考になるのが、世界規模でホテルを展開するリッツ・カールトンの人材育成です。こちらの記事も参考にしてみてください。
新入社員研修に取り入れるべきゲームのネタ7選
新入社員研修でコミュニケーション活性化やアイスブレイクとして盛り上がる、おすすめのゲームを7つ紹介します。
- NASAゲーム
- 共通点探しゲーム
- 漢字自己紹介ゲーム
- 似顔絵当てゲーム
- 謎解き脱出ゲーム
- 財務の虎
- マナーストーリー
オンラインで実施できるゲームもあるため、研修の形式や内容に合わせて取り入れてみてください。
NASAゲーム
NASAゲームは、チームのメンバーと協力し問題解決を目指す合意形成ゲームです。
チームメンバーは宇宙飛行士という設定で、宇宙船で月面に着陸しようとしているところからゲームが始まります。
機械の故障により、月面から離れたところに不時着してしまった宇宙船には、15のアイテムが残ったというストーリーです。
以下の15のアイテムを駆使し、母船にたどり着くことを目標にチームで合意形成を図ります。
- マッチの入った箱
- 宇宙食
- ナイロン製ロープ(15m)
- 落下傘の布(パラシュート)
- ソーラー発電の携帯用暖房器
- 45口径ピストル(2丁)
- 粉ミルク(1箱)
- 酸素ボンベ45kg(2本)
- 月からみた星座表
- 救命いかだ(救命ボート)
- 磁石コンパス
- 水(19リットル)
- 信号用照明弾
- 注射器入りの救急箱
- ソーラー発電式FM送受信機
ゲームのやり方は次のとおりです。
- 4〜6人のグループに分かれる
- 個人で考える時間を取る(5〜10分)
- チームで考える時間を取る(15分〜20分)
- グループごとに発表を行う
- NASAの模範解答を発表する
- 模範解答に近いチームの勝利
NASAゲームはオンラインでも実施できるので、オンライン研修を行う際にもおすすめです。
参考:56点以上は失格!生存力が試される問題にチャレンジ!!|YouTube
共通点探しゲーム
共通点探しゲームは、チーム内で自己紹介をしてメンバー同士の共通点を見つけるゲームです。
自己紹介でお互いの趣味や性格を知ることができるほか、共通点を見つければ仲間意識も生まれやすいというメリットがあります。
共通点探しゲームのやり方は次のとおりです。
- 3〜4人のチームに分かれる
- 1人1分程度で自己紹介する
- チームメンバーの共通点を見つける(5分〜10分)
- もっとも面白い共通点を1つ選ぶ
- 選んだ共通点と選んだ理由を発表する
- もっとも面白い共通点をあげたチームの勝利
紙とペンがあればできる手軽なゲームなので、オンライン研修でも実施できます。
漢字自己紹介ゲーム
漢字自己紹介ゲームは自分という人間を漢字で表現し、参加者に自己紹介を行うゲームです。
なぜその漢字を選んだのかという理由を加えることで、参加者の性格だけでなく考え方まで把握できるのが特徴になります。
漢字自己紹介ゲームのやり方は次のとおりです。
- 紙とペンを用意し、それぞれ自分を表す漢字を一文字書く(選んだ漢字の理由も添える)
- 順番に発表を行う
自己分析力やプレゼンテーション能力の向上にもつながるので、入社後の業務においても役立つゲームと言えるでしょう。
似顔絵当てゲーム
似顔絵当てゲームはチームに分かれて、代表者がメンバーの似顔絵を描き、誰の絵を描いているのか当てるゲームです。
ゲームとして盛り上がるのはもちろん、似顔絵を描いたり見たりすることで、ほかの社員の顔を覚えやすくなるのが似顔絵当てゲームのメリットになります。
ゲームのやり方は次のとおりです。
- 3〜6人ほどのグループに分かれる
- 代表者(絵を描く人)を決める
- 代表者は似顔絵を描くメンバーを決め、絵を描く(制限時間3分〜5分)
- チームメンバーが誰の似顔絵を描いているの当てる
- 正解者の多いチームが勝利
男女のグループになる場合は性別でわかってしまう可能性が高いので、目だけ、鼻と口だけなど、顔のパーツだけで絵を描いてもらうのもおすすめです。
謎解き脱出ゲーム
謎解き脱出ゲームは、参加者が主人公となり仲間と協力しながら謎を解いて、決められた時間内に空間からの脱出を目指すゲームです。
与えられた情報をチーム内で共有し、問題をうまく割り振って役割分担しながら謎を解いていきます。
そのため、謎解き脱出ゲームを行うと、チームビルディングを高められるでしょう。
また、仲間と力を合わせて謎を解くという観点からコミュニケーション能力の向上も狙えます。
謎解き脱出ゲームの種類には、戦国をテーマにした「燃え盛る本能寺からの脱出」や、仲間との協力が重要視される「ある会議室からの脱出」などがあります。
財務の虎
財務の虎は、社会人として求められる会計知識を身に付けられるゲームです。
賃貸対照表と損益決算書の関係を知ることができ、売上や粗利、営業利益、経常利益などの違いを理解できるようになるでしょう。
会社のお金がどのように流れているのかを把握できるため、新入社員ながら高い視座で物事を見ることが可能になります。
ゲームの所要時間は3〜6時間。人数は3〜40名までです。オフラインで財務に詳しい講師の下で、会社のお金の流れについて学べる貴重な機会になるでしょう。
新入社員のビジネス戦闘力を高めたいと考えている企業は、ぜひ導入してみてください。
マナーストーリー
マナーストーリーは、クイズ形式でビジネスマナーを学べるカードゲームです。
このゲームは新入社員役とゲーム進行役の2人1組で行います。企業訪問編と来客対応編の2つのゲームが用意されています。
まずは企業訪問編を行い、終わったら役割を変更して来客対応編を行ってください。
ゲーム開始時に新入社員役には3枚のチップ(=信頼)が与えられます。
ゲームで新入社員役が、誤ったマナーが記載されたカードを選択するとチップが失われます。チップが0枚になったらゲームオーバーです。
ビジネスにおいては、信頼がないと商談の席につくことさえできません。
マナーストーリーを新入社員研修に取り入れると、社外の人間と仕事をしても信頼を失わないことにつながります。
新入社員研修を盛り上げるグループワークのネタ3選
グループワークはコミュニケーションを図りながら、社員の思考やマインドを形成するのに役立ちます。
今回は数あるグループワークのなかでも、業務に役立つグループワークの例を3つ紹介します。
心理学を応用したグループワークについて知りたい人は、こちらの記事も参考にしてみてください。
課題解決ワーク
課題解決ワークはテーマとして一つの課題を提示し、グループに分かれて解決方法を話し合い、発表してもらうワークです。
テーマにする課題は「地方の過疎化を解決する方法は?」「選挙の投票率を上げる方法は?」などの社会問題でも、日常に関するテーマでも構いません。
お客様からクレームが入ったことを想定し、どのように解決するか、何をすべきか話し合うといった業務に直接関わる課題を選ぶのも一つの方法です。
課題解決ワークは新入社員が課題にどのように向き合うのかといったような業務に対する姿勢や、どんなアイデアを発表するのかといった考え方を確認することができます。
また、課題を解決するためにチームで結論を出すため、チームワーク形成にも役立つでしょう。
ディベート(討論)型ワーク
ディベート(討論)型ワークはテーマを決め、自由にアイデアを出してもらうワークです。
たとえば「自社の新商品を企画してください」「この商品の売上を倍にしてください」などのテーマを提供し、グループに分かれて考えをまとめ、プレゼンしてもらいます。
ディベート型ワークは、発想だけでなく、ビジネスを現実的に進めるために必要なデータ収集が学べる点です。
顧客のニーズやPR戦略など、マーケティングの知識向上に役立つでしょう。
チーム共同型ワーク
チーム共同型ワークは課題解決型やディベート型のワークと違い、実際に成果物を作ってプレゼンしてもらう方法が一般的です。
たとえば「新商品のCMを作ってください」「自社のキャッチコピーを作ってください」など、グループで意見を出し合いながら制作を進め、発表します。
チームで協力して形にしなければいけないため、より高いチームワークが求められるのがチーム共同型ワークの特徴です。
タスク管理や役割分担など、実際の業務に役立つスキルが身に付くでしょう。
まとめ
新入社員研修は新入社員が社会人として活躍するための基礎を身につける大切な機会です。
しかし、「面白い」と思ってもらわなければ記憶に残りにくいので、研修の内容を工夫し、意味のある新入社員研修を作ることを心がけてみてください。
アイスブレイクとしてゲームやグループワークを上手に取り入れ、記憶に残る新入社員研修を目指しましょう。
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