- 「リッツカールトンのクレドの意味を知りたい」
- 「リッツカールトンのクレドにおける成功事例を知りたい」
リッツカールトンのクレドは企業理念のひとつです。
今回はリッツカールトンのクレドにはどんな意味があるのか、また具体的な事例や、知識を深めるための本をご紹介しましょう。
この記事を読めばリッツカールトンのクレドについての理解が深まります。
ぜひ最後までご覧ください。
リッツカールトンの成功の秘密
リッツカールトンの成功の秘訣は、このクレドがあったからにほかなりません。
リッツカールトンはマリオット・インターナショナルが創業するホテルチェーンです。リッツカールトンに行けば、誰もが最高のおもてなしに感動します。
クレドについて詳しくご紹介する前に、リッツカールトンの成功のもと言われる企業理念についてご紹介します。
「ゴールドスタンダード」が企業スタンダード
リッツカールトンは独自の価値観を持っています。そして、その企業理念が「ゴールドスタンダード」というものにまとめられていることをご存じでしょうか。
リッツカールトンの企業理念であるゴールドスタンダードの根底にあるのは「ホスピタリティ」です。ゴールドスタンダードは主に6つの事柄から成り立っています。
- クレド…お客様への心のこもったおもてなしと快適さを提供することをもっとも大切な使命とこころえています。
- モットー…「紳士淑女をおもてなしする私たちもまた紳士淑女です」をモットーとしています。
- サービスの3ステップ
1.あたたかい、心からのごあいさつを。
2.お客様をお名前でお呼びします。一人一人のお客様のニーズを先読みし、おこたえします。
3.感じのよいお見送りを。さようならのごあいさつは心をこめて。お客様のお名前をそえます。 - サービスバリューズ
1.私は、強い人間関係を築き、生涯のリッツ・カールトン・ゲストを獲得します。
2.私は、お客様の願望やニーズには、言葉にされるものも、されないものも、常におこたえします。など全部で12個の項目があります。 - 第6のダイヤモンド(ミスティーク、エモーショナルエンゲージメント、機能的)
- 従業員との約束(リッツ・カールトンではお客様へお約束したサービスを提供する上で、紳士・淑女こそがもっとも大切な資源です。 信頼、誠実、尊敬、高潔、決意を原則とし、私たちは、個人と会社のためになるよう持てる才能を育成し、最大限に伸ばします )
参考:リッツカールトンホームページ
リッツカールトンは、企業理念はとても綿密に作られていて、お客様や従業員を第一に考え、一人一人が輝けるような素敵な理念を持っていることが分かります。
従業員の心の支えとなっている
リッツカールトンのクレドは、初代社長のホルスト・シュルツが中心となって作り上げました。ある講演会でこのように聞かれたとのことです。
と聞かれたとき、いつも懐からクレドを取り出してこう答えたそうです。
「成功の秘密はこれしかない。このクレドカードが全てだよ。」
(※1)
クレドはそれほど社長にとって特別なものでした。従業員はゴールドスタンダードの内容が書かれた「クレドカード」を常に携帯しています。
クレドとは
クレドとは、ラテン語で「Credo」が由来で信念や信条という意味です。
リッツカールトンのゴールドスタンダードの理念の概要について触れたところで、次にクレドの意味について掘り下げていきます。
クレドの考え方は、現在さまざまな企業で取り入れられています。経営者の方は参考になる部分が多いのでぜひご覧ください。
クレドの意味
企業におけるクレドとは、「企業内で共有されている価値観や信念」という意味があります。
クレドを企業で取り入れている社員はクレドに書かれた価値観を中心に働くこととなります。働いている中で自分の目指す信念が分からなくなったり、つまずいたりした時にクレドの考え方を中心に行動します。
クレドを作るメリット
クレドを作成するメリットは以下の通りです。
- 社内で共通の価値観ができるため、コミュニケーションが取りやすくなる
- 社内の主体的な行動を促し、仕事への満足度が上がる
- 社員の労働満足度が上がり、労働会社の業績も上がる
リッツカールトンにおけるクレドとは?
クレドは、リッツカールトンのホームページによると以下のような説明があります。
リッツ・カールトンはお客様への心のこもったおもてなしと快適さを提供することをもっとも大切な使命とこころえています。
引用:リッツカールトンHP
私たちは、お客様に心あたたまる、くつろいだ、そして洗練された雰囲気を常にお楽しみいただくために最高のパーソナル・サービスと施設を提供することをお約束します。
リッツ・カールトンでお客様が経験されるもの、それは感覚を満たすここちよさ、満ち足りた幸福感そしてお客様が言葉にされない願望やニーズをも先読みしておこたえするサービスの心です。”
クレドの具体的な考え方
クレドを社内で共有する方法や、実際に業務でクレドが発揮された具体的な例をご紹介しましょう。
自社にもクレドの考え方を取り入れて、独自の価値観を作っていきたい方はぜひご覧ください。
クレドを社内に共有する方法
もしも自社でクレドを作成したとして、従業員にどのように浸透させようと考えますか。
企業理念は、社員で定期的にクレドを共有する機会があったとしても、日常の業務で常に従業員がクレドを念頭に置いていることは難しいでしょう。
リッツカールトンでは、従業員に常にクレドを意識させるためにクレドカードを携帯させています。カードにはゴールドスタンダードの理念が記載されています。
従業員全員がクレドカードを携帯することで、同じ価値観を共有しているため、常にハイクオリティな仕事が提供できます。同じ価値観が共有できると、企業全体にクレドの理念に基づき助け合う文化が生まれていきます。
従業員へのクレドの教え方
リッツ・カールトンでは、クレドを何十回や何百回と唱えて、自然とその考え方が浮かんでくるぐらいまで読みあげるようにしているそう。
心から分かったと納得ができるまで読み込むことが必要です。
リッツ・カールトンで、朝礼で「ラインナップ」という時間を設けています。
そこでは、対話方式に朝礼が行われ、 全世界の従業員がサービス・バリューについて考える時間が設けられているそうです。(※2)
クレドの概念がよく分かる例
リッツカールトンの従業員に周知されている次のような事例があります。
あるホテル従業員が海辺に並んだビーチチェアを片付けていました。そこに宿泊客の男性が近づいて、 「今夜この浜辺で恋人にプロポーズをしたい。できればビーチチェアを一つ残してくれると嬉しいです。」
従業員はにっこり笑って、チェアを一つ残しました。しかしこの従業員が行ったのはチェアを一つ残すことだけではありませんでした。従業員はこのほかに以下の行動をとったのです。
- チェアと一緒にテーブルも残した。
- そのテーブルの上に真っ白なテーブルクロスを敷いた。
- そしてそのテーブルクロスの上にお花とシャンパンを飾り付けた。
- そして他の従業員に頼んでタキシードに着替え手に白いクロスをかけた。
リッツカールトンの従業員は、男性客から求められている以上の満足を引き出しました。
リッツ・カールトンの従業員は、お客様のニーズを先回りし、また感動レベルのおもてなしをすることをモットーにしています。
クレドカードを携帯しているように、いつもクレドの内容を念頭においているからこそ、できる行動でしょう。
クレドを詳しく知りたい方向けの書籍
クレドをさらに詳しく知りたい、自社にもクレドの考え方を取り入れて生かしていきたいという経営者の方におすすめ書籍をご紹介しましょう。
読むとすぐに実行に移せるような書籍をご紹介しますので、ぜひご覧ください。
書籍:人と接するときに大切にしたい サービスを超える瞬間 実例・実践編
リッツカールトンホテル日本支社長の高野登氏による著書を紹介します。
ホスピタリティの精神をもとに、リッツカールトンの日本支社長の高野登さんを始め、ホスピタリティを実践する8人の実践例を掲載したものです。
それぞれの個々人の工夫やアイデアにより独自のホスピタリティを発揮されていて顧客の心をつかんでいることが分かるでしょう。
実際にサービス業界だけでなく以下の方の実践例を紹介しています。
- ファイナンシャルプランナー
- ライター
- 旅行コーディネーター
- 医者など
この本は以下の項目に当てはまる方におすすめです。
- さまざまな職種の方がどのようにホスピタリティーを実践されているのか知りたい方
- ホスピタリティの実践例を知りたい方
- サービス業以外でのホスピタリティの実践例を知りたい方
書籍:リッツ・カールトン 至高のホスピタリティ
引き続き、リッツカールトンホテル日本史社長の高野登氏の書籍をご紹介します。
高野登さん自身がホスピタリティの考え方について執筆された書籍です。高野さんの考え方をもっと深く知りたいと思った方に是非オススメしたい一冊です。
一流のおもてなしを観点に、気遣いの方法から人生の考え方など多方面からのアプローチ方法が記載されています。
この本は以下の項目に当てはまる方におすすめです。
- ホスピタリティの本質の考え方に触れたい方
- ホスピタリティの価値観を自社に取り入れたい方
まとめ
リッツカールトンのクレドについて、大事なポイントをご紹介しますのでご覧ください。
- クレドとは 、ラテン語の「Credo」が由来で信念や信条という意味がある。
- 企業におけるクレドとは、企業内で共有されている価値観や信念という意味がある。
- リッツカールトンのクレドは、「お客様への心のこもったおもてなしと快適さを提供すること」をもっとも大切な使命とこころえている。
- 社員はリッツカールトンのゴールドスタンダードが書かれたクレドカードを携帯している。
従業員はクレドカードを見ながら行動できるので、社員は同じ価値観に基づき、互いにチームワークを発揮できる。
企業にクレドを取り入れると、社員同士が価値観を共有しあい、チームワークを発揮できるようになるでしょう。そして、社員が主体的に動くようになり、仕事への満足度や会社の業績アップにもつながります。ぜひ取り入れてみてください。
参考文献
(※1)引用、参考:サービスを超える瞬間 P23
(※2)引用、参考:サービスを超える瞬間 P26
(※3)引用、参考:サービスを超える瞬間 P4~5
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