- 「解約率を下げたい...」
- 「継続的に利用してくれる顧客を増やしたい!」
- 「リテンションモデルってそもそもなに?」
このように思われている方はいませんか?
あらゆるビジネスにおいて、利益を安定させるための顧客維持率や、継続して購入してくれる顧客数を増やすことは重要ポイントです。
特にSaaSビジネスは、継続利用率が利益に大きく関係してきます。そのため、“リテンション率向上”はビジネスを成功させるための必勝法といっても過言ではないです。
今回の記事では、リテンションモデルの重要性や計算方法から向上ポイントまで徹底解説していきます。
リテンションモデルとは?
リテンション(retention)とは、英語で「保有」「維持」といった意味があります。
近年では上記の意味にプラスして、人材を定着させるための人材戦略や人事戦略においての「離職率低下対策」のことを指すようになってきています。
またマーケティング対策では、継続的に顧客に商品やサービスを利用してもらうための対策のことをいいます。
つまり、企業が一定期間、顧客を維持する力(能力)のことをさしています。
リテンションモデルとは、その能力を発揮させるためのビジネスモデルということになります。
下記の4つの項目に当てはまるビジネスモデルが、リテンションモデルに該当します。
①日常的・継続的にサービスを利用しモノの所有に対してではなく、コト(効果・成果)に対して報酬を払う
②顧客がいつでも利用を停止する選択権を持ち、また初期投資(費用)が極力少なくていい
③利用者が、そのサービス無しでは生活や仕事が「不便になる」「使い続けたい」など、明らかにサービス自体が必要不可欠な存在となっている(更新・最新化され続けている)
④顧客自身が嬉しい効果を得られるのであれば、自身の個人データをプロバイダーが取得することを許可する
分かりやすいリテンションモデルの例を挙げると「音楽ストリーミングサービス」などがあります。
音楽を聴くときにCD・CVDの概念から、インターネット経由でのiTuneやApple Musicといったサブスクリプションモデルが主流になってきています。
では、この例がリテンションモデルに該当するのか上記の項目に沿って解説してみます。
①時間・場所問わずに手持ちのデバイスで簡単にダウンロード可能。→手軽に楽しめるコトへの報酬(会員費)を支払う
②いつでも解約が可能、会員資格をキャンセル、3ヶ月無料体験可能。月額980円と低価格のサービス。最大6人のファミリー月額1480円で入会も可能。→初期投資が低コスパ
③オススメのプレイリストやこれから好きになる曲を選定してくれる。Siriとの連携可能で手間をかけることなく最新曲を聴くことができる→常にサービスが更新・最新化され続けている
④Apple Musicを楽しむ代わりに、いつ・何を聴いたかの利用データをAppleが保有することを許可している。→個人データをプロバイダーが取得することを許可
上記のように、音楽ストリーミングサービスはリテンションモデルに該当しているといえます。
リテンション率の求め方
上記の式でリテンション率を求めることができます。
例えば、期間開始時に30人の顧客がいたとします。その一定期間の中で3人が解約し、新規顧客を5人獲得しました。期間終了時には顧客が33人いたとなります。この場合、下記のようなリテンション率になります。
リテンション率(%)= (33 - 5 ) ÷ 30 ×100 = 93.3%
上記のように、リテンション率を計算することは既存の顧客を維持している自社の能力を数値で把握することができます。
リテンションモデルの重要性について
リテンションは「顧客の維持」を表すことは分かりましたが、なぜリテンションモデルが重要なのか解説します。
- 日本人の人口自体が減少傾向なので、新規顧客の獲得が難しくなっているため
- SaaS企業などビジネスモデルがサブスクリプション型へと変わり始め、継続的に利用してもらえないと収益を伸ばすことが難しくなっているため
このような理由が挙げられるので重要視されています。
また、他に大きく分けて3つあります。
「1:5の法則」「5:25の法則」
新規顧客を獲得するためのコストは、既存顧客に再び購入してもらうためのコストの5倍かかるという法則
■ 5:25の法則
顧客に対しての離脱率を5%改善すると最低25%の利益改善が期待できるという法則
リテンションモデルが重要視される1つ目の理由は上記の法則から分かるように
- 「新規顧客の獲得」にはコストがかかる
- 収益を伸ばすためには「既存顧客の維持」が重要
ということがお分かり頂けるかと思います。
リテンションモデルを取り入れて、どのくらいの顧客を維持することができるかでビジネスの成果が左右するということです。
また現代では、既存顧客に再び購入してもらう(リピーターを獲得する)ことも難しくなっているため、“収益維持・向上”においても「リテンション率向上」は重要視されています。
アップセル・クロスセルを狙える
リテンションモデルが重要視される2つ目の理由は、アップルセル・クロスセルを狙えるということです。
これは、収益の向上や顧客単価アップにつなげることができるためです。
既存顧客が企業の商品やサービスをすでに使用しているということは、商品やサービス自体、また企業のことを気に入ってもらえているということになります。
アプローチの仕方によっては、上位モデルのプランに変更(アップルセル)や、別の商品とのセットの購入(クロスセル)を狙える可能性が高いので重要視されています。
ロイヤルカスタマーの増加につながる
リテンションモデルが重要視される3つ目の理由は、ロイヤルカスタマーの増加につながることです。
ロイヤルカスタマーとは、他社を利用することなく自社の商品やサービスを利用してくれる「忠誠心が高い顧客」のことをさします。
自社製品を愛してくれて、友人・知人に良さを伝えてくれる顧客のこと。
企業側から広告などを打ち出さなくても、良いクチコミや紹介をしてもらえると、新規顧客から信頼されやすくなり企業価値の向上にもつながります。
このように大きく分けて3つの理由から、リテンションモデルが重要視されています。
リテンションモデルを向上させる5つのポイント
ここからは、リテンション率を向上させる5つのポイントを徹底解説していきます。
顧客データの分析
まずは、顧客データを徹底的に分析することです。
既存顧客のデータを集めて正しく活用し、顧客の動向や関心事について理解を深めていきましょう。これはリテンション率を向上させるための見極めポイントになります。
そこから顧客一人ひとりに対して最適化した対策をとっていきましょう。
顧客にとっていらない情報を排除し、望んでいる効果を得てもらうための必要情報や顧客の動向に合った対策をとることは、リテンション率を向上させるための重要な対策となります。
顧客ロイヤリティ向上の対策
2つ目は、顧客ロイヤリティ向上の対策をすることでリテンション率の向上が期待できます。
これは、顧客に「特別感」を提供することで、企業に対して深い信頼感を持ってもらえるからです。
「自分は他の顧客とは違う」と特別な気分を感じてもらうことは、リテンション率の維持や向上に大きく関係します。
CX向上対策
3つ目は、CX(顧客体験)の向上対策をすることです。
CXの向上対策をすることで解約率の低下が期待できるからです。
顧客にとっていい体験や経験をすると、「特別感」を感じることができます。それが競合との差別化にもなり、商品やサービスの継続率UPも期待できます。
カスタマーサクセスを行う
「顧客の成功(期待した成功を手に入れた状態)」という意味。企業が顧客を成功に導くための取り組みのことをさします。
4つ目は、「自社のサービスが顧客に提供できる価値はなにか」「顧客の最終的な目標達成にどのような貢献ができるのか」を考察したあと、カスタマーサクセスを実施することでリテンション率の向上が期待できます。
顧客が望んでいるサポートや情報提供を積極的に行うことで、顧客との関係性・信頼性を維持することもできます。
また顧客の理解を深めると同時に、顧客の契約解除・離脱を防ぐための重要ポイントです。
サポート力の向上対策
5つ目は、アフターサポートやカスタマーサポートなど顧客からの問い合わせの対応といったサポート力の向上対策をすることで、リテンション率の向上が期待できます。
自ら問い合わせをするということは、顧客にとっての「不安な部分」「迅速に解決したいこと」「重大なトラブルに見舞われた」などの原因が考えられます。
そのため、必要な対応を迅速に行うことで顧客満足度を向上させることにもつながるため、サポート力を向上させることは最も重要といえます。
まとめ
リテンションモデルとは、企業が一定期間、顧客を維持する力(能力)を最大限に発揮できるようなビジネスモデルのことです。
「1:5の法則」「5:25の法則」からお分かりいただけるように、新規顧客の獲得や収益を向上させるため既存顧客の維持は最も難しいと言われているため、リテンションモデルは重要視されています。
また、ビジネス界全体がサブスクリプション型へと移行しているためリテンションモデルの理解を深め、取り入れていきましょう。
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