人付き合いが苦手で、自分本来の姿をさらけ出せず悩んでいませんか。それはネガティブな自己概念が原因かもしれません。
自己概念とは、自分自身のイメージ像です。自分に対する価値が低い人は、コミュニケーションが不得意な傾向があります。
ポジティブな自己概念をもつと、仕事やプライベートが充実。豊かな生き方が実現できますよ。
本記事では、自己概念についてわかりやすく解説します。
自己肯定感を高めるコツについて触れていくので、「ネガティブ思考を改善したい」「良好な対人関係を築きたい」という方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
自己概念とは「自分のイメージ」
あなたは自分自身に対して、どのようなイメージを抱いていますか?
自己概念とは、誰もがもっている自分自身のイメージ像。得手不得手の認識、周りの人からどのように見えているのかなど、自分で自分を位置づける思考です。
たとえば「私は努力家だ」「私は人付き合いが苦手だ」など、「私は〇〇な人だ」と決めつけ、思い込むこと。
自己概念は、過去の経験や身につけた知識など、自分に対する認識から生まれます。
自分自身のイメージには多面性があるため、自分にどのような自己概念があるのか考えながら読み進めてくださいね。
自己概念にはさまざまな側面がある
あなたは「自分の言葉が矛盾している」と感じた経験はありませんか?
私たちは状況によってさまざまな「自分」をもっています。自己概念は人の数だけ存在し、さまざまな側面があるものです。
人は自分が置かれている状況によって、考えや記憶など特定の自己概念が活性化します。
そのため人や立場が変わったとき、発言に一貫性がなくなり矛盾が生じやすくなるのです。
たとえば休日。在宅中は時間にルーズでだらだらと過ごしている人がいるとします。このとき活性化する自己概念は「のんびり」「自由気まま」。
しかし会社に出勤したときは、「真面目」「丁寧」などの自己概念があらわれ、時間に正確でこまかな気遣いを発揮します。
このように、人には多面性があるものです。
状況によって自己概念の一部、つまりあなたの一面が活性化されることを、心理学では作動的自己概念といいます。
あなたが本来の自分と感じている面も、いつもとは違う自分も、すべて自分の姿。 |
自己概念は、経験や歳を重ねるとともに変化し続けます。どのようなあなたも、あなたの一部であることを忘れないでください。
自分から見た自分
「あなたはどのような人ですか?」と聞かれたときに、あなたは何と答えるでしょうか。
おそらくあなたは、自分の容姿や性格など、自分が認識している自分について答えるでしょう。
しかしその内容は状況によって異なる場合があります。なぜなら、自分のなかにはさまざまな一面があるからです。
たとえば、会社の上司であるAさんには「私は時間を守る人です」と伝え、会社の同期であるBさんには「私は時間にルーズな人です」と話したとします。
- 仕事中の自分:時間に正確
- 休日の自分:時間にルーズ
これは、どちらも嘘ではありません。仕事中と休日では、表に出る自己概念が異なるため、矛盾したような答えになるのです。
自分の価値(自尊心)
「自分には〇〇の価値がある」と認識している要素です。
自分の価値といっても他人からの評価ではなく、自分自身が評価している自分のこと。すなわち自尊心です。
自尊心とは、自分を尊重し大切にする気持ち。プライドのようなものです。自尊心は考え方や言動などに影響します。
理想の自分
人は理想を掲げて生きています。「こんな人になりたい」「こんなことができたらいいのに」と思うことはありませんか。
しかし、実際の自分と理想の自分は異なる点が多いもの。重ね合わせたり比べたりしてしまうでしょう。
現実と理想がかけ離れているほど、自尊心が低くなる傾向があり、ネガティブな自己概念が生じやすくなります。
ネガティブな自己概念をもつのはなぜ?
ネガティブな自己概念をもつのは、自分に自信がない人が多いのではないでしょうか。
自己概念は、育った環境や関わった人などの影響を受けて形成されます。自信を失った出来事がきっかけとなり、自分の殻に閉じこもるとネガティブな自己概念があらわれやすくなるでしょう。
また本来の姿をさらけ出すと「嫌われるのではないか」という気持ちが湧き、思うように行動できなくなります。
育った環境・交流した人の影響を受けている
自己概念は、育った環境や交流した人に深く関係するといわれています。自己概念が形成されるのは、おもに幼少期から18歳頃まで。
家庭環境だけでなく、どのような友人と一緒に遊んでいたかなども関係します。
幼少期に印象的な出来事を経験すると、大人になってからも思考や認識に影響が出るでしょう。
過去の経験からネガティブ思考がクセになっている
自己概念は過去の経験から形成されます。
あなたがネガティブな自己概念をもっているのは、自分の内面や外見にコンプレックスを抱き、自分の価値を認めていないことが原因かもしれません。
たとえば学生時代。あなたが恋愛対象の相手に告白したとします。
【告白が成功した経験をもつ人】 「自分は異性を惹きつける魅力をもっている」と自信をもつ。 大人になっても、異性に対しオープンな態度で接することができます。 |
【告白が失敗した経験をもつ人】 「自分は異性に受け入れてもらえる魅力がない」と自信を喪失。 「また同じことが起こるのではないか」と臆病になる傾向があります。 |
これは極端なたとえ話ですが、後者の場合は過去に失敗した経験から、自信を失います。
「自分には価値がない」と感じてしまい、心をオープンにして他人と会話ができなくなり、対人関係に影響が出るでしょう。
良好な対人関係を築けなければ、仕事がうまくいかない状況に。仕事で報連相が滞り、ミスをすると自己肯定感の低さにつながります。
こんな悪循環を打破するためにも、自己概念を高めることが大切です。
ポジティブな自己概念のポイント|生きやすくなるコツ
自己概念をネガティブからポジティブに移行するために大切なポイント。それは、あなた自身が好きだと思える自分を発見することです。
まずは、あなたが理想とするゴール地点を明確にしましょう。実際におこった出来事をもとに、リストに書き出す方法もおすすめ。
また、ポジティブ思考をもった人の言動を真似ることも効果的です。
理想像を固める
どのような自分を理想としているのかを具体的に考えてみましょう。
たとえばダイエットなら「〇月までにマイナス〇kg」、仕事なら「プレゼンのアイデアを〇個考える」などが挙げられます。できれば数字を出して、具体性を高めましょう。
ただし、あまりにも高い理想はNG!
現実的に困難なゴールを設定すると、達成までに時間がかかります。するとストレスが溜まり、「自分は目標を達成できないダメな人間だ」とネガティブな感情を招く原因に。
まずは小さな目標からスタートしましょう。
ポジティブリストを作成する
ポジティブな感情を日記として書き出す方法がおすすめです。感謝や目標、ハッピーな出来事などをリスト化してみませんか。
ポジティブリストは、現実に起こった過去の出来事を書き出すことが大切です。難しく考えず、どんなに些細なことでも書き留める習慣を身につけるとよいでしょう。
さっそく3つのリストを紹介します。
達成リスト
前述した理想像を明確にしたら、理想に向けて走り出しますね。達成リストは、あなたが目標達成のために努力した結果を可視化する目的で作成します。
達成リストのポイントは、他人と比較しないことです。
仮に誰かと比べ、あなたが秀でていた場合は、一時的に自己肯定感が高まるかもしれません。
しかし、そんな自分が「上から目線だった」とあとから自分を責め、ネガティブな感情に支配される可能性があります。
それとは逆に、人と比べることで「自分はあの人よりも劣っている」と思い込んでしまうケースもあるでしょう。
達成リストはあなただけのリストです。目標だけでなく、達成までの悩みや努力したことも書き出しましょう。
ありがとうリスト
感謝の気持ちは、誰かに大切に扱われたことの証明です。あなたが感じた感謝を文字に起こすことで、そのときの気持ちや状況を思い出せます。
ありがとうの気持ちは、自分自身を大切にするヒントに。
あなたの言葉を信じてくれたり、助けてもらったりしたことを書き出しましょう。
ハッピーリスト
嬉しかったことを書き出すリストです。仕事やプライベートなどにこだわらず、嬉しい気持ちが生まれた出来事を書きましょう。
あなたの身に起こった小さなハッピーを集めてみませんか。
「今日のランチが美味しかった」「自販機で飲みものを購入した際に、アタリが出た」でもよいでしょう。
ポジティブな人と行動をともにする
ポジティブシンキングな人と一緒に過ごして、言動を観察してみましょう。
その目的は、
自分と比較することではなく、意識的にポジティブな言動を真似て自分のものにすること |
です。
たとえば言葉。ポジティブな自己概念をもっている人は、プラスの言葉に言い換えて話す特徴があります。
以下はその一部です。
- 忙しい⇒充実している
- 疲れた⇒全力で頑張った
- ミスをした⇒チャレンジした
言葉は自分の口から出て、自分の耳に入ります。最初は違和感を覚えるかもしれませんが、真似て習慣づけると、やがてあなた自身の言葉になるでしょう。
同じ意味の言葉でも、印象を変えるだけで自己肯定感が高まります。ネガティブな言葉をポジティブなものに変換するだけで、モチベーションの変化を感じるでしょう。
またポジティブな人とともに行動することで得られるものは、自分とは異なる価値観。
他人とスムーズにコミュニケーションをとる練習にもなるため、積極的にプラスの要素を取り入れましょう。
新しいことにチャレンジする
新しいことへのチャレンジは視野が広がり、自己概念が高まります。
仕事に限らず、いままでは関心がなかった分野の趣味をもつこともおすすめです。
もしひとりで行動することが不安なら、前述したポジティブな人と一緒に挑戦してみましょう。未経験の出来事に挑戦するハードルが下がり、自分への刺激になります。
ポジティブな自己概念につなげるには、多方面に興味を向けることが大切です。
チャレンジが大切!「新たな経験」で自己概念を豊かにしよう
ネガティブな自己概念を抱きながらの日常は、生きづらいと感じる人が多いのではないでしょうか。
ポジティブな自己概念は、新たな発見やチャレンジによって形成されます。
自己概念を豊かにするためには、
他人の評価にとらわれることなく、自分の評価を向上し好きな自分の一面を見つけること |
が大切です。
もし周りに信頼できるポジティブな人がいないなら、人とのふれあいをもつことがおすすめ。
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