経営幹部とは?年収や必要なスキル、育成する方法などを紹介

最終更新日: 2024/10/25 公開日: 2024/10/18

経営幹部とは、会社の業務を執行する権限をもつ人材のことです。

経営幹部は会社の方向性を決定する役割を担っているため、経営において欠かせない人材です。

本記事では、経営幹部の年収や必要なスキル、育成する方法などを紹介します。

経営幹部とは

経営幹部とは、会社の業務執行権をもっている人材で、主に社長、役員、部長などの決裁権限を持つ役職の人

経営幹部とは、会社の業務執行権をもっている人材を指します。

会社の規模が大きくなると、経営者ひとりが事業のすべてを管理することは難しくなります。

経営幹部は事業の状況を分析し、より成果が出るように経営者をサポートすることが求められるのです。

では、具体的に経営幹部にはどのような役職があるのでしょうか?

本項では、以下の基礎知識について解説します。

  • 経営幹部としてみなされる役職
  • 経営幹部と役員の違い
  • 経営幹部と管理職の違い

それぞれ順番にご覧ください。

経営幹部とみなされる役職

経営幹部は会社のトップ層として、意思決定や戦略立案を行う立場の人間です。

そのため、経営幹部には、以下のような役職が挙げられます。

役職役割/立場
専務取締役代表取締役の補佐を担う取締役
常務取締役日常業務の管理・監督する役割を担う取締役
執行役員取締役が決めた計画に従って業務を遂行する事業の責任者
本部長企業の本部を統括する部長
事業部長ひとつの事業部を統括する部長
CEO(最高経営責任者)会社経営の最終的な責任者。
COO(最高執行責任者)会社の業務執行に関する責任者
CFO(最高財務責任者)会社の財務に関する責任者

このうち専務取締役と常務取締役は、会社法で定められた役職ではないため、登記上は取締役として登録されます。

また、CEOとCOO、CFOも会社法で定められた役職ではなく、企業の判断で導入されるケースがあります。

経営幹部と役員の違い

経営幹部と役員の違いは、以下の通りです。

まずは役職から見ていきましょう。

経営幹部・専務取締役
・常務取締役
・執行役員
・本部長
・事業部長
・CEO・COO・CFO
役員・代表取締役・取締役
・会計参与・監査役

どちらも会社の経営層という点においては同じです。

また、代表取締役がCEOを担うことが多いように、役員と経営幹部を兼任するケースも多くあります。

経営幹部と役員が同じ役職だと考える人も少なくありません。

しかし、経営幹部が会社法による規定がないのに対して、役員には規定があります。

そのため、両者には法律上の違いがあるといえます。

経営幹部と管理職の違い

経営幹部と管理職では、その仕事範囲が異なります。

たとえば、経営幹部が事業間を横断して経営判断を行うのに対して、管理職は部署内のマネジメントや管理などを行うことが仕事です。

また、管理職には以下のような役職があります。

  • 本部長
  • 部長
  • 次長
  • 課長
  • 係長
  • マネージャー

本部長や部長に関しては、事業を俯瞰的に見て最適な経営判断を行う必要があるため、管理職と経営人材のどちらにも含まれます。

企業によっては本部長を取締役に任命することがあります。

経営幹部の年収

経営幹部の年収は、会社の事業規模や売上によって異なるため、一概にいえません。

役職が専務取締役でも、大手A社では3,000万円、ベンチャーのB社では700万円というケースもあります。

その上で、各機関が調査した経営幹部の年収を紹介します。

役職年収
専務取締役3,337万円
常務取締役2,560万円
執行役員1593万円
本部長1,000〜1,200万円
事業部長1,000万円
CEO(最高経営責任者)5,586万円
COO(最高執行責任者)1,400万円〜2,500万円
CFO(最高財務責任者)1,000〜2,500万円

※すべての事業規模の会社を統一したときの経営幹部の平均年収

参考:一般社団法人労務行政研究所「役員の報酬等に関する実態調査」

経営幹部に必要なスキル

経営幹部を育成するには、どのようなスキルが必要なのかを把握しておきましょう。

経営幹部に必要なスキルは以下の5つです。

  1. コミュニケーション能力
  2. 財務の知識
  3. 専門領域の知見
  4. 先見性
  5. 決断力

それぞれ順番に見ていきましょう。

1. コミュニケーション能力

経営幹部には、高いコミュニケーション能力が求められます。

経営幹部は、会社を円滑に経営するために、管理職や取引先、株主、金融機関などのステークホルダーと信頼関係を構築する必要があります。

コミュニケーション能力がないと、ステークホルダーと良好な関係を保てず、会社経営に支障をきたす可能性があるでしょう。

たとえば、経営幹部にもなればクライアント企業に伺い、その場で重要な新事業を提案しなければいけない場面もあるでしょう。

そのようなときに、相手の信頼を得られるような会話ができないと、営業に失敗して売上につながりません。

そのため、経営人材には高いコミュニケーション能力が求められます。

2. 財務の知識

経営人材は財務知識も身につけておく必要があります。

会社経営を行うためには、会社の過去のお金の流れはもちろん、未来のお金の流れを把握することも重要だからです。

何で儲かっていて、何にいくらお金がかかっているのかを把握しないと、注力する事業がわかりませんよね。

たとえば、以下の①②のパターンを比較するとします。

  1. 売上1,000万円に対して利益200万円
  2. 売上700万円に対して利益500万円

上記の場合、①の利益率は20%ですが、②の利益率は約71%です。

利益率は②のほうが高いので、投資をすると会社の利益を大きくできる可能性があります。

その結果、企業価値の向上につなげられます。

長期的な経営戦略を練るためにも、経営幹部には財務知識が必要です。

3. 専門領域の知見

経営幹部には専門領域の知見も必要です。

経営幹部の仕事は、事業の状況を分析し、より成果が出るように経営者をサポートすることです。

事業の状況を分析するには、売上が悪化した(好転した)要因を把握するテクニカルな知識が求められます。

たとえば、人材配置を行う場合でも、専門領域の知見がないと、どのような人材に任せればよいのかわかりませんよね。

管理職から進捗報告を受ける場合でも、テクニカルな知見がなければ理解できないでしょう。

社内の事業を分析し、売上を向上させるためにも、経営幹部には専門領域の知識が求められます。

4. 先見性

先見性も経営幹部に必要なスキルのひとつです。

経営幹部は会社のトップ層として、意思決定や戦略立案を行います。

先見性がないと、参入すべきだった事業や案件へのアクションが遅れてしまいかねません。

その結果、競合他社に先を越されたり、得られたはずの利益を逃したりする可能性があるでしょう。

たとえば、暗号通貨は先見性をもって早期参入しておけば、大きな利益を得られる代表例といえます。

株式投資などでも、世界情勢や政治動向を見定めることができれば、大きな利益を得ることができます。

会社幹部は、会社の利益を上げるために、先見性をもつ必要があります。

5. 決断力

経営幹部の必要なスキルのひとつには、決断力が挙げられます。

経営幹部の仕事は、会社の方針の決定です。

ときには、大きな投資が必要になる決断をしなければいけません。会社を維持するためには人事的な大きな決断を迫られることも出てくるでしょう。

そのようなときに、感情にながされて会社にとって正しい決断ができないと、売上の低迷につながることになります。

会社を売上を伸ばすためにも、経営幹部には決断力が求められます。

経営幹部を育成する方法

経営幹部に必要なスキルがわかったら、育成する方法も把握しておきましょう。

経営幹部の育成方法は、以下の3つです。

  1. 経営幹部を育成する研修を実施する
  2. 経営幹部向けのセミナーを受講させる
  3. 重要ポジションにつかせて経験を積ませる

それぞれ順番に解説します。

1. 経営幹部を育成する研修を実施する

経営幹部となる人材に対して研修を実施しましょう。

研修は社内だけで行うのではなく、外部研修を利用するのもポイントです。

外部研修に参加すると、自社のルールや風土、文化などにとらわれない経営ノウハウを手に入れられます。

たとえば、自社研修を行うと、自社のやり方に沿った経営ノウハウを身につけることになります。

それが悪い訳ではありませんが、さまざまな経営ノウハウがある人材が集らないと、よりよい経営判断を行える人材が減るでしょう。

そのため、外部研修を利用するのがおすすめです。

人材育成会社でも経営幹部向けの研修を実施していますので、活用してみてください。

2. 経営幹部向けのセミナーを受講させる

経営幹部向けのセミナーを受講させるのもポイントです。

セミナーは社外で行われることが多く、他社の参加者とも交流できるメリットがあります。

講師は専門家や著名人であるケースが多いので、より深い知識を身につけられるでしょう。

このうち、セミナーの大きなメリットが、他社の参加者とも交流できることです。

他社の経営幹部と交流すると、自社にないノウハウを身につけられたり、新しい仕事につながったりするためです。

新しい仕事につなげて成功させると、会社の売上につながります。

人脈作りの要素も含めて、経営幹部にセミナーを受講させるのがおすすめです。

3. 重要ポジションにつかせて経験を積ませる

経営幹部を育成する方法の3つめは、重要ポジションにつかせて経験を積ませることです。

執行役員や取締役などのポジションにつかせて実務を任せると、机上の空論でないノウハウを身につけられます。

ただし、経営幹部候補に任せるときは、既存の経営幹部がパートナーとなってOJTをする必要があります。

OJTを行わないと経営幹部候補は、自分の経営戦略や判断が正しいかどうかを判断できません。

そのため、重要ポジションにつかせた上で、しっかりとサポート体制を設けることが重要です。

経営幹部に関するよくある質問

ここでは経営幹部に関するよくある質問を解説します。

  1. 会社の幹部を英語で何といいますか?
  2. 経営幹部とマネージャーの違いは何ですか?

順番に解説していきます。

1. 会社の幹部を英語で何といいますか?

会社の幹部は英語で「executive(エグゼクティブ)」と表現されます。

「executive」とは、重役や経営幹部を指す言葉です。

もっと詳細に説明すると、以下のようになります。

  • Executive Vice President(専務取締役)
  • Senior Vice President(常務取締役)
  • Executive Officer(執行役員)
  • Chief of Headquarters(本部長)
  • Chief Director(部長)
  • Chief Executive Officer(最高経営責任者)
  • Chief Operating Officer(最高執行責任者)
  • Chief Financial Officer(最高財務責任者)

海外進出を検討しているならば、英語での呼び方を覚えておくとよいでしょう。

2. 経営幹部とマネージャーの違いは何ですか?

経営幹部とマネージャーの違いは、以下の通りです。

役職役割
経営幹部事業を分析し、成果が出るよう経営者をサポートする。
マネージャー事業を運営し、携わる従業員をサポートする。

経営幹部が出した戦略や経営方針を、実行に移すのがマネージャーになります。

マネージャーは事業の進捗や関わる従業員を管理します。

まとめ

本記事では経営幹部の概要や必要なスキル、育成する方法などを紹介しました。

経営幹部の役割は、事業の分析をして、成果が出るように経営者をサポートすることです。

経営者をサポートする人材を育てるには、研修やセミナーを受けさせたり、実践を通して学ばせたりすることが大切です。

しかし、具体的にどのようなサービスを受けて、どのように育てればよいかわからない人もいるでしょう。

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最終更新日: 2024/10/25 公開日: 2024/10/18