【影響力の武器】セールスで役立つ6つの心理学を紹介

最終更新日: 2022/12/14 公開日: 2021/09/28

「セールスで役立つ影響力を与える心理学を知りたい」

「影響力の武器を使用して、方法を鍛えていきたい」

「セールスで売り上げをアップしたい」

セールスで、思うように売り上げが伸びない、お客さんの心に届くようなセールスができないと悩んでいる方は多いのではないでしょうか。また、消費者側となりセールスを受けた際、その商品に本当に価値があるのかについて、知りたい方も多いでしょう。

この記事では、影響力の武器を使って、セールスの売り上げアップにつながる知識を得られます。今回は、影響力の武器(著者:ロバート・B・チャルディー二)の内容を6つにわけ、セールスに役立つ内容をご紹介します。これを読めば、以下の事柄が分かります。

  • 「影響力の武器」の内容を使って、セールスで力を発揮できるようになる
  • 科学的に実証された人間心理を用いて、売り上げを伸ばす方法が分かる
  • 人間心理を利用したセールスに惑わされない価値観を形成できる

ぜひ、最後までご覧ください。

影響力の武器とは?

「影響力の武器」は、アメリカで有名な社会心理学者であるロバート・B・チャルディーニにより書かれました。世界中のビジネスパーソンから読まれています。

心理的に、人の行動を変えてしまう影響力を6つの項目に大きく分けて書かれています。相手に影響を及ぼす人間の心理の変化が、科学的根拠のある研究結果や、具体的な事例を交えて書かれていて、実践しやすいでしょう。

447ページもあり、読み応えのある本ですが一読する価値はあります。ここでは、この本のセクションを6つに分けて、ご紹介しましょう。

影響力の武器を読んで学べること

影響力の武器を読んで学べることは、以下の項目がありますので、ぜひ参考にしてみてください。

行動心理学をセールスに活用したいと考える方から、消費者側でセールスを受ける際に、相手の行動に惑わされず正しい判断をする際にも役立つでしょう。

■ セールスをする側
・お客さんに好感を持たれる方法が分かる
・人間の心理を利用して、売り上げを伸ばす方法が分かる
・人間の心理を学び実生活で実際に使用できるものが分かる
■ セールスを受ける側
・商品を売る側の心理を知って、賢い選択ができるようになる
・人間の心理を知って、悪徳なセールスから身を守る方法が分かる
・セールスの方法を知ることにより、物を買う際に冷静に判断をし、より良い選択ができるようになる

影響力の武器で紹介される6つの項目について

影響力の武器では、6つの項目が大切であると言います。

  • 返報性の法則
  • コミットメントと一貫性の原理
  • 社会的証明
  • 好意
  • 権威
  • 希少性

6つの法則について、セールスに役立つ情報を例を上げてご紹介しましょう。

1.返報性の法則

返報性の法則とは、相手に何かをしてもらったら、その恩に対して何かを返さないと気が済まなくなるというもの。

アメリカの社会学者であるアルビン・グルドナーは、人間社会のすべてがこの返報性の法則を利用していると語るほどです。それほど、この法則は強力な力があることを示します。

実際にセールスで使える例を上げてみましょう。

試供品を配る方法事例

試供品を配るという行為には、顧客に対して2つの効果があります。

  1. 製品を使ってもらい消費者に商品の良さを知ってもらう
  2. 贈り物をもらったら恩を返さなければならないという返報性の法則の効果

アメリカのあるスーパーの経営者は、一日のうち数時間のみ、試供品のチーズを顧客に提供することにしました。試供品として、顧客に自分でチーズをスライスして食べてもらい、実際に一日で450キロのチーズを売り上げた記録があるそうです。

2.コミットメントと一貫性の原理

コミットメントと一貫性の原理とは、自分の考えや、信念を一貫させようとするものです。

コミットメントと一貫性の原理は下記の3つの原理から成り立ちます。

  1. 一貫性を保つことにより、社会的に良い評価を受けられる。
  2. 日常生活にとって有益なものである。
  3. 選択権の多い複雑な現代社会を生活するのに役立つ。

コールセンターで働くセールストレーナーの事例

ある保険の販売会社では、実際に売り上げが伸びず困っていました。特に、悩まされていたことは、電話予約をして、営業所に来ないお客さんが多かったことです。

対策として、お客が保険の予約を取った際に、電話の最後に以下の言葉を付け加えるように指示しました。「最後にお尋ねをしたいのですが、当社の保険をお選びになった理由をお聞かせいただけませんか?」

結果として、最後に言葉を付け加えた人は、言っていない人より2割近く売り上げを伸ばしたのです。

顧客に自分が選択している理由を答えさせ、よりコミットメントの力を促し、一貫性の法則を働かせることにつながっていきました。

3.社会的証明

社会的証明とは、他の人が正しいと感じている方向を基準に、自分自身が物事の判断をするというもの。ある特定の状況で、行動を行う人が多いほど人々はそれを正しいものであると思います。

社会的証明がより発揮されやすい状況は以下の2つの状況です。

  1. 自分の行動が正しいと確認できない不確かな状況であること(不確かであること)
  2. 自分と異なる人よりも、相手が自分と似ていると感じる人の行動を見ている時に影響されやすいこと(類似性の法則)

聖書の訪問販売の事例

聖書の訪問販売での出来事です。対策として、訪問販売をして商品紹介をする際に、すでに本を購入している人の名前を出すようにしました。

例えば以下のように言います。

「○○さんが、この本を購入したいと思ったのは、○○さんの子供に読んであげたいと感じたからだ」という具合に。

結果として、上記の言葉を言うことで62パーセント売り上げが増加しました。

4.好意

好意の法則とは、自分が相手に好意を持っていると、イエスと言いやすくなるというもの。

好意に関連する法則に下記の3つが上げられます。

  • 身体的魅力を持つ人は、ハロー効果(望ましい特徴を1つ持っているだけで、その人に対する影響が良いものになること)で要求や、他人の要求を承諾することや、態度を変化させる力が強くなる(身体的魅力)
  • 自分と似た人に好意を感じやすくなる(例えば、意見、性格特性、経歴、ライフスタイルなど様々な領域で効果がある)(類似性の法則)
  • 過剰でないお世辞は、好意を引き出しやすくする(お世辞)

郵送に関する調査の事例

ある郵送に関する調査の例では、依頼文書の文面を変更し、調査に応じる人の割合を増やすことにつながりました。

それは、調査を依頼する人の名前と、調査に応じる人の名前を類似させることです。

例えば、

  • シンシア・ヨハソンから、シンディ・ジョンストンに依頼する。
  • ロバート・グレアーから、ボブ・グレガーに依頼する。

といった具合にです。

結果として、調査に応じる人の割合は、類似性を活用する前と比べて2倍になったとのことです。

5.権威

権威ある人への要求は、従ってしまう傾向にあること。

権威ある人への服従は、時として、実際のその人自身ではなく、権威のある実体となることがあるそう。

研究で実際に権威の効果が認められている物は下記の3つです。

  • 肩書き
  • 服装
  • 自動車

この他に権威性のあるものを持っていなかったとしても、上記のうち、どれか1つを持っていれば、より多くの相手に言うことを聞いてもらえるとのことです。

また実際に相手の言うことを聞き入れた人たちは、その人の影響力を過小に評価していました。(=無自覚に影響力に従っている)

医者の服装に表れる権威性の事例

あるフロリダ州の医者が、服装の持つ権威性に気付いた例をご紹介します。

最初は、白衣をして仕事をするのが嫌で仕方がなかったそうです。しかし、仕事をするうちに、服装の権威性についてを知るようになりました。

そこで出勤先の病院が変わる際に、出勤初日から必ず白衣を着るようにしたとのこと。その一つだけで、物事が順調に進むのを感じているそうです。

6.希少性

希少性とは、人は機会を失うと分かると、その物事に価値を見出すようになるというもの。

希少性がセールスに優位に働く理由には主に以下の2つの理由があります。

  1. 手に入れることが難しい商品は、市場で手に入りにくい貴重なものであることが多いから。
  2. 商品や経験を入手するのが難しいことがその物自体の価値を判定する基準になりやすいから。

また、希少性がより効果的になる具体的な場面があります。それは以下の通りです。

  • 新たに商品が品薄になった場合。(すでに品薄が続いている商品よりも、新らしく、品薄になった商品に人は価値を見出しやすいから。)
  • 他人と品物を手に入れるために競い合っている場合。

病院で定期健診を受けさせる方法事例

ある程度の年齢になると、さまざまな定期健診を受けることをすすめられます。しかし、定期的には行っていないという方もいるでしょう。

定期検診をより多くの人に受けてもらうには、何を得るかよりも何を失うかに焦点をあてて説明をすると良いとのこと。

例えば、若い女性へ乳がんの検診検査を勧めるパンフレットには、病気によって失うものを記載したほうが検診を受ける確率が上がるとのことです。

まとめ

人の行動を変えることができる心理学的な事柄について書かれている「影響力の武器」がセールスの場面でどのように作用するかについてご紹介しました。

影響力の武器に書かれている6つの作用は以下の通りです。

  • 返報性の法則
  • コミットメントと一貫性の原理
  • 社会的証明
  • 好意
  • 権威
  • 希少性

6つの概要について簡単にまとめましたので、下記をご覧ください。

  1. 返報性の法則…相手に何かをしてもらったら、その恩に対して何かを返さないと気が済まなくなる法則
  2. コミットメントと一貫性の原理…自分の考えや、信念を一貫させようとする原理
  3. 社会的証明…他の人が正しいと感じている方向を基準に、自分自身が物事の判断をする法則
  4. 好意…自分が相手に好意を持っていると、イエスと言いやすくなるという法則
  5. 権威…権威ある人への要求は、従ってしまうこと
  6. 希少性の法則…人は機会を失うと分かると、その物事に価値を見出すようになるというもの

影響力の武器には、セールスに参考になる心理学的法則が事例を交えて多く書かれています。ここで、ご紹介した事例は一部にすぎません。

本には、実例や各事柄についての詳細が多く書かれているため、とても参考になるでしょう。ぜひ、読んでみてください。

■ 参考書籍
影響力の武器(著者:ロバート・B・チャルディーニ 訳:社会行動研究会)

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