- 従業員のモチベーションを上げる方法が知りたい…!
- 上司として、部下の能力を引き出してあげたい…!
- あと一歩のところで、目標達成できずいつも失敗に終わってしまう…!
上記のような悩みを抱えている方は、人がどのようなときにモチベーションがあがるかを知ることで解決することが可能です。
今回は、山崎拓巳さんと平本あきおさんの共著による『引き出す力 あなたの中の「宝」を掘り起こす』の一部内容を紹介します。
この本は、日頃モチベーションが湧かず目標を掲げるもののそれが達成できない人におすすめの一冊。
また、人材育成に力を入れているけれど従業員のモチベーションが引きだせていないと感じる人にもおすすめします。
『引き出す力 あなたの中の「宝」を掘り起こす』とは
『引き出す力 あなたの中の「宝」を掘り起こす』とは、山崎拓巳さんと平本あきおさんの共著です。
本書は山崎氏と平本氏の対談形式によって進められ、構成は6つの章に分かれています。
- 本当の答えは「動物の脳」から生まれる(第一章)
- 未来と過去を見える化する(第二章)
- モチベーションと行動を引きだす(第三章)
- チームの潜在能力を引きだす(第四章)
- どうしても前に進めない人をどうするか?(第五章)
- ライフ・チャートの使い方(第六章)
第一章では、個人の能力を最大限に引きだすためのコーチングの方法について書かれています。そのなかで、相手のモチベーションを引き出すために人を二つの性質に分けていきます。
そして、その二つのそれぞれの特徴やモチベーションの引きだし方について述べます。そのうえで第二章以降は、いくつかの実践例とその解説について詳しく紹介しています。
- ジョギングを習慣化したい人の話
- 目標達成を加速したい起業家の方の話
- リーダーとして、まとまりがないチームをまとめたい人の話
さまざまな悩みを持つ人の目的を達成させるために、著者があらゆる方法を用いてゴールに導きます。
実現したいことがある人はもちろん、周りのモチベーションを高めて相手の行動を変容させたい経営者の方はぜひ読んでみてください。
この記事では主に第一章の部分を解説しています。実践例について詳しく知りたい方は書籍をご覧ください。
目標設定でモチベーションを上げることは正しいの?
「自分自身の行動を変えられたら、もっとよい人生になるのに」と考えたことはありませんか。
目標や夢をかかげることで、私たちはモチベーションを高めたり行動を促したりします。誰かに対して行動を促そうとするときも私たちはコーチングをおこなうでしょう。
しかし、平本氏はこの考え方が当てはまらない人もいるといいます。人はモチベーションを上げる方法について2つのタイプがいると述べるのです。
次にそれぞれの人の特性を確認していきましょう。
2割が「ビジョン型」8割が「価値観型」
平本氏は、目標を掲げることでそれがやる気となる人を「ビジョン型」と呼びます。
そして、約9万人のコーチングをおこなったなかで分かったことは、その割合は2割程度であるというのです。
この法則にあてはめると、ほとんどの人は目標を立てても行動は変化しないことになります。
では、残りの8割はどのような人なのでしょうか。
残りの8割は、自分自身が持つ価値観が満たされればよいと考える「価値観型」であると言います。
例えば、個人が持つ価値観には以下のような事項がありますのでご覧ください。
- 人とのつながりを感じていたい
- 人に感謝されるのが好きだ
「ビジョン型」と「価値観型」の思考の違いが分かる具体例
平本氏は、ビジョン型と価値観型の思考の違いを比較して述べていますので、引用して紹介します。
わかりやすく言うと、「10年後、介護ビジネスで、全国に100の事業所を持つ会社の社長になる」という目標を立ててがんばれるのがビジョン型の人。
『引き出す力 あなたの中の「宝」を掘り起こす』(著者:山崎 拓巳, 平本 あきお)P.19より引用
一方、別に大きな会社の社長でもサラリーマンでもいいし、仕事が介護だろうと飲食だろうとエンターテイメントだろうと関係ない。とにかく「人に感謝される」という価値観が満たされる生き方ができればいい、というのが価値観型の人。
ビジョン型の人にとっては、価値観型の人の考え方に驚くのではないでしょうか。逆もしかりです。
このように見ると、ビジョン型の人は具体的な目標や夢を立てることで、今自分が何をするのが適切かを考えられ行動を変容できます。
一方、価値観型の人は目標を立てることが行動変容につながることはありません。では、価値観型の人が行動を変容させるにはどのようなコーチングをおこなうのがよいのでしょうか。
ビジョン型の人は未来に目を向け、価値観型は過去に目を向ける
価値観型の人が行動を変えるためには、ビジョン型の人と価値観型の人が物事のどこに目をむけるのかを知っておきましょう。
ビジョン型の人は、未来に目を向けます。理想の姿を思い描くことが目標や夢へつながっていきます。そして、逆算してやるべき計画を立てるのです。
一方で価値観型の人は、過去に焦点をおきます。
価値観型の人は、過去の体験によって生まれたよい感情を把握してそれを目指すことがモチベーションとなるのです。
たとえば、過去で幸せに感じたことを考えて鮮明に思い浮かべてもらってください。
- あの出来事は楽しかったなあ
- 友だちと過ごした時間がとても楽しかった
そして、このような自分が楽しかった、幸せに感じた理由を深掘りすることで、その人の価値観が明確になるといいます。
具体例
ここでは、価値観型の人自身が持つ、具体的な価値観を見つけ出すヒントを紹介します。
過去の体験から未来への目指したい姿を見つけ、モチベーションを上げるヒントを感じ取ることができるはずです。
山崎 (省略)たとえば部活でがんばって、大会で優勝したとき最高に幸せだった。なんで幸せだったの? と考えると、「みんなとの一体感を感じられたからだ」みたいなことですよね?
『引き出す力 あなたの中の「宝」を掘り起こす』(著者:山崎 拓巳, 平本 あきお)P.21より引用
平本 そう。そこで、この人の価値観は「みんなとの一体感を感じられる」ということだとわかるわけ。
そうやって価値観が出てきたら、次の段階。
その価値観が満たされている今日って、どんな今日? その価値観が満たされている明日って、どんな明日? その価値観が満たされている1週間って、どんな1週間だろう。1ヶ月では? 1年だと?……とやっていくと、どこかでポーンと1年後、2年後、5年後のイメージが出てくるんです。
ビジョン型と価値観型のモチベーションの上げ方まとめ
価値観型の人は、今日明日と直近での幸せに感じた価値観の源を考えて、それを段々未来へと広げていくことで未来の夢が分かります。
一方ビジョン型の人は先に目標を立てるのです。その後、その目標達成をすることが自社にとって何がよいのかを感じることでその人の価値観が分かります。
相手を言葉で説得するより、感情で感じてもらう
私たちは、相手の行動を変容させようとするとき言葉で説得しようとします。
しかし、実際にコミュニケーションにおいて言葉が作用する割合は7%ほどであると言われているのです。
人のモチベーションを高めて行動を変えるためには、過去と未来に目を向けて、論理でなく感情で感じてもらうことが重要となります。
そして、未来と過去を想起する際にはネガティブとポジティブの感情に分けて考えましょう。
ポジティブな感情を感じるとき思い浮かべるもの
まずは、ポジティブな側面を考えます。
未来へのポジティブさは、思い浮かべる最高の未来であり「目標・夢」です。
一方、過去へのポジティブは、良い思い出、楽しい、幸せな思い出であり「原体験」を考えましょう。
ネガティブな感情を感じるとき思い浮かべるもの
次にネガティブな側面を確認します。
未来へのネガティブは、絶対になりたくない将来の姿などのことです。
過去は、最悪な思い出、二度と体験したくない出来事であるといえます。
未来過去へネガティブ・ポジティブな思いを想起して感情を強く感じることがモチベーションを引き出すことになるのです。
感情を動かすためには身体も使う
平本氏がコーチングをおこなううえで大切なことは、感情を強く動かすためには身体を使うということです。
感情と身体は密接に結びついています。
未来や過去をイメージする際は、身振りや手振りを大きくしながら身体を使うことで、感情を強く感じることができるのです。
例えば、未来や過去について考えたそのシーンを身体を使って忠実に再現してみることができます。
身体を使うことで、よりそのときの感情が引き起こされて、モチベーションを引き出すことにつながります。
未来過去を考えるときは「臨場感」を大事に
平本氏は、未来過去を考える際は臨場感を大事にするとよいといいます。
- 表情
- 匂い
- 声
- 味
- 声
- 周りの音
ある場面を思い浮かべる際にこのようなさまざまな要素をすべて想像してみてください。
すべてを想像したうえでそのときの気持ちを考えてみましょう。
自分の価値観を明らかにするためには、そのときの場面を臨場感たっぷりに思い出すことがポイントです。
今の現状を採点する┃どのぐらい価値観が満たされているか
価値観が明らかになったら今現在の状況でその価値観がどれぐらい満たされているかに点数をつけてみてください。
そして、それを少しでも増やすためにどのような行いをしたらよいのかまで考えます。これらを考えることで今やるべきことが見えてくるのです。
また、現状を採点する際はその状況をまた五感を使って臨場感たっぷりに感じることが大切です。
そのうえで、どうしたらさらによりよい方向に向かうのか考えてみてください。平本氏は、相手にアドバイスや助言をするのではなく、その状況を感じてもらうことで相手自身で答えを見つけることを大事にします。
すぐにできる実践方法
ここでは「5分間エクササイズ」として紹介されているモチベーションをあげる内容を一部解説します。
まずは、過去に起きた何かを突破してブレイクスルーを実現したポジティブな体験を考えてみてください。
そして、声や身体を使って臨場感をもってその場面をもう一度味わってみます。
その気持ち場面を体感したうえで、明日から何かに取り組むか、どのようなことをおこないたいかを考えましょう。これで明日から何をするべきかが明確になるのです。
また、毎朝10秒間、朝起きた時に過去や未来のポジティブな感情を思い出すのみでも効果はあるといいます。
ぜひ、皆さんも実践してみてください。
平本あきお氏が最後に述べたこと
平本氏は、引きだす技術を使ってやっていただきたいことを読者に述べています。最後にまとめの一節を紹介しますのでご覧ください。
質問をしたり、頭で考えたところで、本当はどうしたいのかがわからない。それを、身体感情レベルを通して、無意識から引き出していくのが、本書で紹介した「引き出す技術」。
『引き出す力 あなたの中の「宝」を掘り起こす』(著者:山崎 拓巳, 平本 あきお)P.179より引用
この技術を使って、まずは自分自身の「本当はどうしたい?」「自分だからこそ何ができる?」を引き出してみてほしい。そして、他人からも「本当はどうしたい?」「あなただからこそ何ができる?」を引き出してあげられるようになってほしい。
(中略)
生涯にわたって、あなた自身が成功するばかりではなく、誰かに貢献できるようになる。そして、貢献を通して、感謝され応援されるからこそ、永続的な心の平安と幸せを安定的に得ることができる。
ぜひ、この「引きだす技術」を自分のため、人のため、社会のために役立ててほしい。
まとめ
今回は、山崎拓巳さん、平本あきおさんの共著による『引き出す力 あなたの中の「宝」を掘り起こす』の一部を紹介しました。
人の物の考え方は「価値観型」と「目標達成型」に分かれ、それぞれに適したモチベーションの上げ方があるのです。
本書では、目標達成をするための具体的な方法と例が記載されていますので気になる方はぜひ手に取ってみてください。
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