今回は、有名な「ビジョナリーカンパニー」シリーズの集大成であると同時に、原点でもある本『ビジョナリー・カンパニーZERO』から4つのポイントを解説していきます。
ジム・コリンズは、どんなに最高のビジョンを掲げていたり、カリスマ的な存在の社長がいたとしてもリスクは必ずありますし、完璧な人はいないです。
なので、ビジョナリーカンパニーで何度も書かれていることは、「完璧にこなす」ことは不可能なため最高の人材を選別して、助け合いながら最高のビジョンに向かっていくことが最重要と語られています。
そして、偉大な企業を作るための地図についても詳しく解説していきます。
ビジョナリーカンパニーZEROのポイント①:最高の人材
前回の記事で、ビジョナリーカンパニーになるにはビジョンが全てですと解説してきました。しかし、著者は、
“最高の人材がいなければ、最高のビジョンに意味がない”
と提唱しています。
要は、どれだけいい社長や、いい哲学、いいビジョンを掲げていても最高の人材がいないと意味がないのです。
カリスマ的存在の社長がいたとしても、宝の持ち腐れにならないようにまずは最高の人材があってこそ最高のビジョンが実現していきます。
✖︎ 優秀な人材、能力がある、頭がいい
◯ あなたにとって最適な人材、会社に適している人材
誰をバスに乗せるか?
最高の人材について解説してきましたがここで重要なのが、誰をバスに乗せるのかがポイントになります。
わかりやすい例で言いますと、有名アニメ・漫画の「ONE PIECE 」です。ワンピースは、船に乗せる人をただ強い能力を持っているからというだけで選んではいません。
志が同じ仲間、熱い想いがある、その想いが共通している人をルフィ達は選び海賊王を目指しています。
このように、そういう仲間を集めて、その仲間たちと一緒に「どこに向かうか?」という方向性を定めていくことが大切です。
カリスマ的存在の人が、「次はここにいく」「あの島に向かうぞ!」など指示するのではなく、最高の人材を集め、その人材をバスに乗せ「次は何をする」「この方がいいかな?」など話し合いながら一緒に立ち向かっていきましょう。
・理念やビジョンは変えず、ハンドルをどっちにきるのかが重要
・バスに乗せた各部署(マーケティング部・営業部・経理部etc..)で話し合い方向性を決めていく。
ビジョナリーカンパニーZEROのポイント②:リーダーシップ
次に、重要ポイントとなりますのが「リーダーシップ」です。
リーダーシップとは、一般的に目標などを設定し、チームや組織を導いていく能力のことをさします。
会社や組織の結束を高める役割、また業務などの生産性や効率的に進めていくためには欠かせない存在になります。
ビジョナリーカンパニーⅡで、提唱されていた【第五水準のリーダーシップ】が重要といわれています。
理由は、一時的な成果を出すだけではなく、偉大さを持続できる企業を作り上げるからです。
次章で【第五水準のリーダーシップ】について詳しく解説していきます。
第五水準のリーダーシップとは
第五水準のリーダーシップ = 個人としての謙虚+職業人としての意志の強さ
→規律を守りながら、これだけは譲らないものを持っている人材
第五水準のリーダーシップは、画像のように3つのタイプに分かれていますのでそれぞれ解説していきます。
【プレイヤータイプ】
- 第一水準
- 自分が優秀、なんでもできる人材のこと。
- 第二水準
- 自分も優秀でありながら周りのために動ける人材のこと。(組織・会社のために動ける人材)
【マネージャータイプ】
- 第三水準
- 仲間を使って組織の結果を出せる人材、自分ではなく組織として仲間を使いながら成果を出せる管理者のこと。(一般的に管理職の人)
【リーダータイプ】
- 第四水準
- 自分の専用分野以外でもプレイヤーやマネージャーを使い、力を発揮できる人材のこと。
この第四水準で、結果・成果をしっかりと発揮できる人材になります。一般的に有能な経営者(カリスマ的な存在)と呼ばれる領域になります。
ここまででもかなり優れている経営者・人材と呼ばれますが、これだけではなく第五水準を目指すことで偉大な企業になれると語られています。
- 第五水準
- 個人としての謙虚さと職業人としての意思の強さという矛盾した性格を持っている人材のこと。
第五水準のリーダーシップは、個人としてはあまり前に出ようと思わないし譲ることもできます。
しかし、職業人としては「ここは、やるといったらやる!」「今季の利益だけは絶対成果を出す!」といったような厳しい部分も持っている人材のことです。
基本的な理念は土台におき、【変えない部分(理念)】を理解しながら【変える部分】は謙虚さを持ち、改善していくことができる人材が第五水準のリーダーシップです。
ビジョナリーカンパニーZEROのポイント③:ビジョン
次に、重要ポイントとなりますのが「ビジョン」です。
何度もビジョンが重要だと解説していますが、言葉の定義などにこだわらずに、3つの要素を理解し明確にしていきましょう。
下記より3つの要素について詳しく解説していきます。
3つの要素
①コアバリューと理念
理念とは、組織全体を導く哲学のことです。
価値観(コアバリュー)とは、各企業によって変わってきます。
例えば、「スピード重視」「正確さを重視」などが挙げられます。もしも、この2つの価値観が違う人が一緒に仕事をした場合、「早く終わらせて」「いや、仕事は正確に丁寧にするものだ」とぶつかり合ってしまいます。
このように、価値観の違いが生まれると同じ方向に向かっていくのは難しく、互いにストレスになってしまいます。
ここで、自社にとっての価値観はどっちが大事なのか?なにが大事なのかをはっきり明確することで前に進む力になります。
②パーパス
パーパスとは、なぜあなたの会社は存在するのか?といった「存在理由」を言葉にしましょう。
例えば、自社ラーニングエッジにおいては教育を通じて、“人の幸せ”に貢献することです。つまり、この【人の幸せに貢献するため】ということが会社の存在理由になります。
どんな企業においても、この存在理由がないとただの金儲けになってしまいます。
自社が社会において、どんな存在なのかを明確にして言葉することで組織全体に一体感が生まれます。
③ミッション
ミッションとは、具体的に役割として何を成すべきなのか?ということです。
ラーニングエッジにおいての役割は「教育の流通」になります。このように、自社それぞれの役割を明確にしましょう。
この3つの要素を組み合わせて質の高いビジョンを組織全体に共有し、共感してもらえる人材のみをバスに乗せて向かっていくことが重要です。
コアバリューと理念 = How(どうやって?)
パーパス = Why(なぜ?)
ミッション = What(何をする?)
ビジョナリーカンパニーZEROのポイント④:運
次に、重要ポイントとなりますのが「運」です。
解説してきた、ビジョンや最高の人材は重要ですがこれだけをやっていればいいわけではありません。
ビジョナリーカンパニーでは、「運」も必要と語られています。
幸運は、あきらめない者に訪れる
運は、どうやってやって来るのかと言いますと「幸運は、あきらめない者に訪れる」といわれいます。
分かりやすい例で「ストックデールの逆説」があります。
7年の拷問・監禁状況に耐えた男性(ジェームズ・ストックデール)が語っている、揺らがぬ将来への希望+確固たる現実主義と組み合わせることができた能力のことを“ストックデールの逆説”と呼ばれています。
要は、諦めない+楽観的だけではなく厳しい現実にも目を向けることができる能力を持っているかが重要になります。
運は諦めない者にやってくるが、楽観的でありながら現実的なところにも目を向けるという両面が必要になります。
偉大な企業を作るための地図
上記のポイントを踏まえて、具体的に偉大な企業を作るため①〜④ステップ(地図)を解説していきます。
①規律ある人材
規律ある人材とは、「やると言ったらやる」「注意されたことは守る」など基本理念・ビジョンに対して規律をも守る人材を集めることが第一ステップです。
②規律ある思考
規律ある思考とは、会社の行動指針などに従ってみんなで行動していこうとする思考を持っている人材のことです。
③規律ある行動
規律ある行動とは、「期限を守る」「提出するものはする」など、このような行いをしっかりと守りながら取り組むことができる人材のことです。
④永続する組織をつくる
①〜③の規律を一時的ではなく常に続けていくことです。
組織が1人の社長に依存しているのはなく二代目、三代目と引き継ぎ、幹部になっていけるような組織をつくっていきましょう。
戦略と戦術
では、ここからは具体的にどのような戦術と戦術を行えばいいのかを解説していきます。
そもそも戦略とは、ミッションを達成するためのものです。
戦略に基づいて戦術を実行していくこと徹底していくことが重要ポイントとなります。
例えば、インターネットマーケティングを使って見込み顧客を増やす(戦略)、見込み顧客に対して説明会をする(戦術)、やると決めたことを何度も実行していくということです。
ハリネズミの概念
ここで、戦略を立案していくうえで大事な概念「ハリネズミの概念」について解説していきます。
ハリネズミの概念とは、ビジネス界においては競合他社に負けない“強み”が重要とされていて、
- 情熱を持ってやれる
- やりがいを感じれること。
- 世界1になれる
- マーケットの中で1番になれることを見出す。
- 経済的原動力になる
- これをやっていれば利益が出続けることを1つ見出す。
この3つの特徴を持ち合わせているこべきだと言われています。
これは、『ハリネズミとキツネ』という古代ギリシャの童話から来ている概念です。
キツネは頭が良いと言われていて、いつでもハリネズミを襲える有力な動物です。しかし、ハリネズミは非力ではありますが、唯一の武器と言われている全身の針で自分の身を守ることができます。
要は、ハリネズミはピンポイントで「これさえあれば大丈夫だ」と分かっていることの例えから来ているということです。
数々のスキルよりも、1つの分野の知識に絞り豊富に持ち合わせている方が生き抜く術になるという考えです。
上記の3つの特徴を考察していれば、ハリネズミのように何かあれば自分(自社)を守ることが可能になります。
まとめ
偉大な企業とは、ひたすら成長と改善を繰り返しながら高みを目指している企業のことです。
そのためには、同じ志をもった最高の人材を同じバスに乗せ、同じ目的にどのようにして向かっていくか、そしてどんな方法で立ち向かっていくかが重要です。
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