チームビルディングを強化!活用できるフレームワークを紹介

最終更新日: 2024/01/15 公開日: 2022/09/01

「チームの成果がなかなか上がらない」
「業務に対する意欲のバラつきが気になる」

このような悩みを抱える経営者、人事担当者の方は多いのではないでしょうか。

組織にはビジョン、ミッション達成などの目的があるもの。チームメンバー1人ひとりが最大限のスキル、能力を発揮できなければ、目標を達成し成果を挙げることは難しいでしょう。

成果を挙げるためには共通の課題を解決し、同じ目標達成に向けて進むチームを作ることが重要です。

この記事では、チームビルディングの重要性を解説。活用できるフレームワークを紹介します。この記事が「限られた人材リソースを最大限に活用して、生産性を向上させたい」と考える方の一助となれば幸いです。

チームビルディングとは「目標を達成できる集団」を作ること

チームビルディングとは、個人のスキルや経験を最大限に引き出し、目標達成を可能にするチームを作り上げるための取り組みです。

組織には達成すべき目標があるもの。チームビルディングを取り入れることで、生産性の向上、社員のモチベーション維持などの効果が期待できます。

チームビルディングの目的|組織の成果を最大化させる

チームビルディングの目的は、組織の成果を最大化させることです。

組織の成果は、社員1人ひとりの能力が発揮されてこそ結果につながるもの。仮に1人のスキルが優れたものであっても、メンバー同士の関係性が構築できていなければ、成果を挙げることは困難です。

目標が定まっていなかったり、メンバー同士の関係性が構築されていなければ、最大限のパフォーマンスを発揮できません

掲げた目標を達成し、成果を最大化させるためには、メンバー全員が同じ目標を認識し、足並みを揃える必要があります。

近年は多様性を尊重する時代。スキルや個性の異なるメンバーでチームを形成し、どのようにしてパフォーマンスを最大化させるのか考えることが重要です。

「グループ(個人の集まり)」を「チーム(協働する集団)」に変える

「チーム」と混同しがちな言葉には、「グループ」があります。しかし2つの言葉は、似て非なるものです。

  • グループ:仕事を調整し合う個人の集団
  • チーム:共通の目標に向かって協働する集団

グループとチームは、どちらも共通の目的を持った集団です。しかしメンバーが進む方向、成果の表れ方に違いがあります。

グループとチームの違い

グループとはメンバーがそれぞれ独立し、目標に向かってそれぞれ進む集団です。メンバーの進むバラバラな状態では、パフォーマンスを最大化させることができません。その成果は、単純に個人の貢献を足して合わせたものといえるでしょう。

一方チームとは、同じ目標を掲げ、達成に向けて協働する集団のこと。その成果は、メンバーのスキルを掛け合わせた相乗効果をもたらします。いわばかけ算です。

メンバーが出した成果を繋ぎ合わせるだけの足し算よりも、相乗効果を生むかけ算の方が最終的な成果が大きくなります

成果を挙げるためには目標と課題を共有し、同じ方向へ進む「チーム」を作ることが重要です。

グループからチームへ変化させるためのポイント

グループをチームへ変えるために必要なのは、以下3つの要素です。

  • ベクトル:メンバー全員が同じ目的を共有
  • プロセス:業務手順・役割が明確になっている
  • ヒューマン:目標達成可能なスキルを持った人材

これらの要素が揃ったとき、メンバー同士の信頼関係、相互補完関係が構築されます。結束が固まり、チームとして機能する状態になるでしょう。結果としてパフォーマンスが最大化され、企業に成果をもたらすのです。

チームビルディングがもたらす効果

チームビルディングには、以下の効果が期待できます。

  • パフォーマンスの向上
  • コミュニケーションの活性化
  • モチベーションの維持
  • 生産性の向上

チームビルディングは、チームとして機能するように行う取り組みです。メンバーが共通の目標を認識し、お互いを尊重し合うチームを作ることで業務の効率、生産性が向上します。

メンバー同士の信頼関係も構築可能です。チームのコミュニケーションが円滑になれば、報・連・相のミスも減少します。目標に向けて他のメンバーをフォローしながら行動できるようになるため、チーム全体のパフォーマンスがアップするでしょう。

チームビルディングは、モチベーションの維持にも有効です。1人ひとりの主体性が向上し、成果に近づくほど貢献意欲も高まります。結果的に業務の生産性が向上し、成果につながるでしょう。

チームビルディングに活用!代表的なフレームワーク

チームビルディングに活用できる2つのフレームワークを紹介します。

  • GRPIモデル
  • タックマンモデル

さっそく見ていきましょう。

GRPIモデル|課題の特定・優先順位を明確にする

GRPIモデルとは、チームにおける課題、優先順位を明らかにするフレームワークです。

以下の4項目に基づき、チームを評価することで課題の特定が可能になります。

  1. Goal:目的・目標
  2. Roles:役割
  3. Interpersonal Relationship:人間関係
  4. Process:手順・段取り

GRPIモデルは体系全体を壊すことなく、チームの構造を合理的に分解できるフレームワークです。

1.Goalから順番に合意形成を行うことで、組織が健全に機能しているのか、どこで問題が生じたのか明確になります。チームの課題が浮き彫りになることで、効率的な軌道修正、改善が可能です。

メンバーがそれぞれの役割を自認しやすくなるため、各自が持っているスキルを最大限に活かすことができるでしょう。さっそく紹介します。

Goal|目的・目標

最初に行うのは目標を掲げること。リーダー1人がきめるのではなく、メンバー全員で話し合い、適切な目標を設定しましょう。数値、期間を明確にした上で、メンバーが共通の目標を意識することが大切です。

このときのポイントは、達成が難しい目標を設定しないこと。無理な目標設定は、メンバーのモチベーション低下につながる恐れがあります。1人ひとりが納得し、目標を認識することが重要です。

Roles|役割

目標を達成するために必要となる、メンバーの役割を決めていく段階です。それぞれ割り当てられた業務をメンバー全員で共有し、明確にしましょう。

もし人材リソースが不足している場合は、補完することも視野に入れる必要があります。

Process|手順・段取り

目標達成までの段取りを決定する段階です。業務、意志決定の手順を明確にしましょう。最終的な目標だけでなく、中間目標を設定することで段取りがスムーズに決められます。

このとき、問題が生じた場合の解決策も考えることが大切です。変更になる際の手順を決め、共有しましょう。

Interpersonal Relationship|人間関係

チームが一丸となって業務に取り組んでいるのか確認しましょう。

この段階のチェック項目は以下のとおりです。

  • メンバー同士のコミュニケーションが頻繁に行われているのか
  • 信頼関係が築けているのか
  • 事業戦略・作戦が作り込まれているのか
  • 問題発生時は解決のために話し合いができるのか

特定のメンバーだけが意見するのではなく、全員が自主的に意見を出しているのか確認する必要があります。認識やズレが生じていないかどうかも大切です。

タックマンモデル|チームの成長段階を把握する

タックマンモデルとは心理学者のブルース・W・タックマンによって提唱されたフレームワーク。チームの成長段階を示すモデルです。

5段階に分類されたプロセスに従うことでチームの状態を確認し、機能させるために何が必要となる施策を検討、把握できます。

タックマンモデルにおけるステージは、以下の5つです。

  1. 形成期
  2. 混乱期
  3. 統一期
  4. 機能期
  5. 散会期

チームは形成後に意見の相違、対立などの段階を経て、理想的な組織へと成長します。チームの状態に応じてリーダーが適切な施策を打ち出すことで、企業が求める以上の成果を出すことも可能です。

形成期

チームメンバーがお互いのことを知る段階です。形成期ではチームが結成したばかりのため、ぎこちなさや緊張感があるでしょう。

そのため、まずはリーダーやマネージャーが主導し、課題の洗い出しからスタートさせることが重要です。早期の段階でチーム全体の目標、メンバーそれぞれに役割を与えましょう。

目標について共通認識を持ち、達成されたときのイメージを全員で共有することが大切です。

混乱期

混乱期ではメンバー同士の意見が衝突し、軋轢が生じるでしょう。チームとしての活動を進めるにつれて、メンバー1人ひとりの業務に対する考え方の違いが浮き彫りになります。

このとき意見が割れることを恐れず、メンバー同士が議論を交わすことが大切です。それぞれが持つ価値観や方針を共有し、各自が納得するまで話し合いを続けることで、相互理解が深まります

目標を再認識し、課題解決につなげる足がかりとなるでしょう。

統一期

業務の進め方、考え方による意見の食い違いを経て、目標達成に向けてメンバーの意識が統一される段階です。メンバー全員が共通の目標、役割を認識できるようになり、安定感が生じます。

混乱期を乗り越えたチームは、メンバー1人ひとりの役割が確立し、チームの一体感が強くなります。メンバー全員が自主的に行動するようになり、適切な役割分担ができるようになるでしょう。

統一期では、メンバーそれぞれの得手不得手の分野が共有されます。チーム内でメンバーの短所をサポートできる体制を整えましょう。

このとき、リーダーはメンバーが誤った方向に進まないように注意を払うことが大切です。ときには軌道修正することが求められます。

機能期

機能期はチームとしての機能が発揮され、成果が生じる段階です。それぞれが役割分担しながらも、自主的にフォローし合う関係性が構築されます。同じ目的を達成するために全体的な一体感が増し、結果の兆しが見え始める時期です。

この状態を維持するには、メンバーに対するリーダーの配慮が重要なカギとなります。細かな指示やアドバイスは控え、メンバーがオーバーワークにならないようにリフレッシュを促すこともリーダーの務めです。

散会期

目標達成やプロジェクトの終了、メンバーの異動などにより、チームが解散する時期です。メンバーが形成期から機能期まで向上させてきたスキルを、別の場所で発揮するタイミングともいえるでしょう。

チームビルディングの成否は、散会期で判明します。チーム解散時に抱くメンバーの感情が、チームビルディングの評価です。お互いの功績を称え合い、感謝の声が飛び交うような姿が見られるのなら、チームビルディングは成功したといえるでしょう。

チームビルディングを成功に導く3つのポイント

チームビルディングを成功させるためのポイントを紹介します。

  • コミュニケーションを取る
  • 各メンバーの役割を明確にする
  • 心理的安全性の確保

前述したGRPIモデル、タックマンモデルを活用しながら取り入れることをおすすめします。

1. コミュニケーションを取る|メンバーの意思疎通・情報共有

チームが最大限のパフォーマンスを発揮するには、コミュニケーションが重要です。結果を出すチームは意思の疎通が取れ、情報が共有されているもの。

コミュニケーションが不足しているチームは問題が生じた際、対応が遅れたり誤った対応を行う可能性が高まります。効率的に業務を進めることが難しくなるでしょう。なかでも報・連・相のミスは、コミュニケーション不足から生じます。

始業、終業時の挨拶や定期的なミーティングなど、日頃からコミュニケーションを取ることがチームの質に直結するのです。

2.メンバーの役割を明確にする

チームの目標を達成するためには、メンバー1人ひとりが担う役割を明確にする必要があります。1人ひとりの役割が曖昧なままでは、チームとしてのパフォーマンスの最大化が期待できません。

メンバーが存分にパフォーマンスを発揮するには、リーダーによる適切なタスクの振り分け、人員配置が重要です。メンバーのスキルを把握し、目標達成に向けてプロジェクトを進行させましょう。

3.心理的安全性の確保

心理的安全性とは、「対人関係にリスクのある行動を起こしても、拒絶されることなく安心できる」という状態を指します。

リーダーの役割は、メンバーが協働しやすい環境を作ること。メンバー1人ひとりを意志決定に参加させ、発言する機会の隔たりがなくなるように配慮する必要があります。

メンバー同士の相互理解を深めるためにも、質問、提案しやすい状況を作り、オープンに話せる環境を整えましょう。

自走可能なチームをビルディング!最高の成果につなげよう

チームとしての成果を挙げるためには、メンバーのスキル、パフォーマンスを最大限に引き出すことが重要です。自分の役割を自認したメンバーが実力を発揮することで、成果に相乗効果が生じます。

共通の目的意識、協働精神を養うチームビルディングは、組織をマネジメントするために欠かせない取り組みといえるでしょう。

円滑なコミュニケーションと心理的安全性の確保によって、メンバーのモチベーションが向上し貢献感が生まれます。

チームビルディングは組織のリーダーに求められるマネジメントスキル。有能なチームを作ることができれば、効率的に事業展開を図ることも可能です。

チームビルディングによって限りある組織の人材リソースを存分に活かし、企業に利益をもたらす最高のチームを作り上げましょう。

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