起業や募金など、さまざまな目的でクラウドファンディングに取り組む人が増えました。
しかし、クラウドファンディングはどのような事例があるのか、成功するにはどんなことに気をつければいいのか気になっている方も多いでしょう。
そこで今回は、クラウドファンディングの成功事例を企業と個人に分けて紹介します。
- クラウドファンディングを成功させる方法が知りたい
- クラウドファンディングの成功事例から学びたい
- クラウドファンディングの成功率が知りたい
クラウドファンディングを成功させる方法についても解説しているので、ぜひ参考にしてクラウドファンディングを成功させましょう。
クラウドファンディングの成功率は?
支援者の心を掴めば、融資や補助金のように審査を受けなくても資金調達ができるクラウドファンディングです。
目標金額を大きく上回る金額を達成しているケースもあるため、クラウドファンディングに期待する人も多いでしょう。
では、気になるクラウドファンディングの成功率や、クラウドファンディングの成功とは何を指すのか、その前提などについてもくわしく解説します。
クラウドファンディングの成功率はそこまで高くない
クラウドファンディングの成功率は平均20〜40%程度といわれており、少なくとも60%は失敗するため、決して高い数値ではありません。
クラウドファンディングに取り組む人のなかには、無名の個人や中小企業だけでなく、インフルエンサーや有名企業も含まれます。
ある程度の知名度がある人や企業がクラウドファンディングに取り組んでも、確実に成功するわけではないので、クラウドファンディングを成功させるのは簡単ではないといえるでしょう。
おすすめのクラウドファンディングサイトや選び方を知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
クラウドファンディングは資金が集まっても成功とはいえない
目標金額を達成したからといってクラウドファンディングが成功したとはいえません。クラウドファンディングは資金調達がゴールではなく、資金調達をして目的を達成することがゴールであるためです。
たとえば、新しいプロジェクトを立ち上げて売上や認知度アップを目指して、クラウドファンディングに挑戦する企業があったとします。
資金調達に成功したとしても、プロジェクトが失敗したり、自社にとって不利益を被った場合、クラウドファンディングが成功したとはいえません。
また、クラウドファンディングにおける支援は投資という形に近いため、支援者にリターンを提供するのが一般的です。
そのため、プロジェクトが延期や中止になったり、公言していた支援者へのリターンが提供できなくなったりすると、返金対応や謝罪しなければいけません。
対応次第では、自社のイメージや信頼度を下げることになりかねないため、クラウドファンディングに取り組むときは、資金調達を目的とするのではなく、プロジェクトの成功をゴールとして達成する必要があります。
クラウドファンディングの成功事例:企業編
企業や団体がクラウドファンディングを成功させるためには、ストーリーに共感してもらうことが大切です。
では、クラウドファンディングに成功した企業や団体は、どのようなプランでアプローチを行ったのか解説します。
貸切乗車団CFプロジェクトチーム
このプロジェクトは、京急の顔として活躍した初代の1000形を復活させることを目的としてスタートしました。
初代1000形は2010年に二代目1000形が登場したことによって引退しましたが、見た目を変えて高松琴平電気鉄道で走り続けていました。
この車両に初代1000形のラッピングを施し、伝説の名車の復活を目指したのが、貸切乗車団CFプロジェクトチームです。
プロジェクトページには初代1000形が走っている写真やプロジェクトのPV動画を掲載し、初代1000形の魅力を存分にアピールしたこともあり、もともとの鉄道ファンをはじめ、新規ファンの心を掴むことに成功しています。
プロジェクトの目標金額は1,500万円と莫大な金額だったのにも関わらず、目標金額を大きく上回る1,600万円以上の金額を集め、プロジェクトを成功に導きました。
超音波洗浄機「SONIC SOAK」のプロジェクト
超微細な泡で汚れを落とす超音波洗浄機「SONIC SOAK」は、革新的な技術が結集して完成した商品をアピールするため、プロジェクトを立ち上げました。
このプロジェクトの特徴は、非常に魅力的なリターンを設定している点です。
商品自体をリターンに設定し、支援金額によって40〜60%と割引率を決定するリターン設計にしました。
商品の機能性はもちろん、割引率の大きさが話題となり、SONIC SOAKのプロジェクトは、総額1億1,774万5,500円もの支援が集まっていました。
HUG COFFEE
静岡県にある地域密着型のコーヒーショップである「HUG COFFEE」は、新型コロナウイルスの流行により存続の危機に陥っていました。
この危機を脱するため、クラウドファンディングで支援を募り、公開たった1日で目標金額である300万円を達成しています。
「HUG COFFEE」の成功要因は、プロジェクトページで地域貢献やお客様への思いをストーリーとして効果的にアピールした点です。
また、オンラインだけでなくオフラインで直接呼びかけた効果もあり、お店のファンからたくさんの支援が集まりました。
クラウドファンディングを成功させるためには、信頼や共感が重要であると再認識できる事例です。
クラウドファンディングの成功事例:個人編
個人でクラウドファンディングを成功させた人は、もともと知名度のある方が多いです。
しかし、強い思いや活動内容をアピールすることによって、クラウドファンディングを成功させた事例もあるので、ぜひ参考にしてみてください。
お笑い芸人 たかまつななさん
お笑い芸人のたかまつななさんは、お嬢様芸人として人気を知名度を得ているタレントの1人です。
たかまつななさんは自身がお笑い芸人をしながら大学院に通っていましたが、この学費を支援してもらうためにプロジェクトを立ち上げました。
支援金の用途が個人的なものだったこともあり、当初このプロジェクトは一度炎上しました。
しかし、たかまつななさんは「お笑い界の池上彰になる」という目標をもとに、「笑える!政治教育ショー」を開催するなど、実際にさまざまな行動に移していたため、結果的にプロジェクトの信頼は揺るぎませんでした。
目標金額80万円に対し、大幅に上回る143万2,901円という支援金を得ることができました。
シンガーソングライター 松藤量平さん
シンガーソングライターの松藤量平さんは、活動20周年という節目の年に新型コロナウイルス感染症が流行し、ライブ活動やイベント出演がすべて中止になってしまいました。
しかし、応援してくれるファンをはじめ、たくさんの人に音楽を届けたいという思いからプロジェクトを立ち上げました。
プロジェクトのリターンには、限定グッズやスポンサー権、オリジナル応援歌作成といったファンのニーズを取り入れたユニークな特典を設定しています。
目標金額はリターン提供に必要な資金である50万円を目標としていましたが、松藤量平さんが音楽やファンに向ける熱い思いが伝わり、予想を大きく上回る943万8,900円もの支援金が集まりました。
クラウドファンディングの成功方法
クラウドファンディングを成功させるためには、支援者の心に響く目的と魅力的なアピールページが必要なのはもちろん、企画や運営において成功させるためのコツがあるのも事実です。
次の5つのポイントを参考に、計画的にクラウドファンディングに取り組んでみてください。
スタートダッシュが成功のカギ
数多くの案件を成功に導いてきたArt&Craft EntertainmentのGordon Walton氏は「Game Developers Conference 2016」において「クラウドファンディングの成否を分けるのは、最初の3日間」だと明言しています。
好調なスタートダッシュを切るためには、最初の群衆を作るのが効果的といわれています。
まずは家族や親族、知り合いなどにクラウドファンディングに取り組むことを周知し、支援をお願いするのがおすすめです。
最初の群衆を自ら作り出すことで、プロジェクトとマッチした新たな群衆を見つけやすくなります。
参考:[GDC 2016]クラウドファンディングは開始3日で成否が決まる? キャンペーンを成功に導くコミュニティ形成とは
SNSを効率的に活用する
自ら群衆を作り、好調なスタートダッシュを切ることをはじめ、SNSを効率的に活用し、プロジェクトを周知すると、賛同してくれる新たな群衆が見つかりやすくなります。
InstagramやX(旧Twitter)、Facebookをはじめ、YouTubeやTikTokといった動画投稿プラットフォームも活用すると視覚的にプロジェクトをアピールできます。
また、投稿するコンテンツはプロジェクト成功への思いやストーリーが伝わるように制作しましょう。
賛同者が増えて投稿が拡散されれば、バズが起こり、数多くの支援者が見つかる可能性があります。
代行サービスを使うのも一つの方法
クラウドファンディングの成功率を上げたいなら、プロがノウハウや経験をもとに運用してくれる「クラウドファンディング代行サービス」を活用するのも一つの方法です。
サービスの範囲は業者によって異なりますが、部分的な業務代行から、運用にかかるすべての業務を代行してくれるケースもあります。
費用は発生するものの、資金調達からプロジェクト成功までの近道となるため、費用対効果を予測しながらサービスの利用を検討してみてください。
魅力的なリターンを設定する
クラウドファンディングの支援者はボランティアで支援しているわけではないので、リターンの内容によって支援するプロジェクトを決定しているケースも少なくありません。
たとえば、金額面でのリターンをはじめ、プロジェクトにおいて支援者が優遇されるといったような特別感が味わえるリターンを設定するのが一般的です。
支援者の立場になってリターンを検討し、支援したいと思えるような内容にしましょう。
成功・失敗事例や既存のプロジェクトを分析する
成功率を上げるためには、成功事例や失敗事例を分析しながら、プロジェクトの進め方を決定するのがおすすめです。
競合となるプロジェクトの分析をして、いい部分を取り入れながら、差別化することによって注目してもらえるプロジェクトになるでしょう。
まとめ
クラウドファンディングで目標金額を達成して、プロジェクトの目的を成功させるためには、魅力的なプロジェクトページやリターン、SNSなどを活用したアプローチなどが大切です。
また、クラウドファンディングはサイトによって競合数が変わるため、掲載するサイト選びも重要な要素です。
計画的にプロジェクトを立ち上げ、成功に導いていきましょう。
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