教育の場で耳にする「ADDIEモデル」という言葉。
しかし、「一体どんな意味?」「どのように教育に活かす?」と疑問に感じている方もいるでしょう。
そこで今回はADDIEモデルとは何か、どんなステップがあるのかを詳しく解説します。
またセミナーや研修などの教育に活かす方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ADDIEモデルを教育に取り入れ、より効果的、または効率的にしていきましょう。
ADDIEモデルとは
ADDIEモデルとは、教育の現場で講座を作成するフレームワークのこと。
教育を効果的、効率的にするための方法として、教育の場では有名です。
ADDIEモデルはビジネスや学びの場で言う「PDCAサイクル」のようなもの。
教育というゴールが定まらない分野で、教育の計画や教材を開発する際に用いられる「IDプロセス」(教育開発プロセス)の一種です。
ADDIEモデルのメリット
ADDIEモデルを教材やセミナー、研修に取り入れるメリットは以下の2点です。
- より良い教育を目指すことができる
- 安定的な教育にしていくことができる
ではこの2点のメリットについて、詳しく解説していきましょう。
継続してより良い教育を目指すことができる
ADDIEモデルは5つのステップを繰り返して行うことで、継続してより良い教育を目指すことができます。
つまりセミナーや教材を、より満足度の高いものにブラッシュアップしていくことが可能です。
適切なステップで開発を行い、実施後は問題点を見つけることができるので、「どう対処すれば教育を改善できるのか」が明確に分かります。
安定的な教育にすることができる
教育現場で重視されがちな「経験」は、実はとても不安定で不確かなものです。
「あのときはこうだった」という記憶は一時的なものであり、多くの学習者にとってベストな教育方法とは限りません。
ADDIEモデルでは分析フェーズを重要視するので、学習者の希望とかけ離れたセミナーや教材ができあがることはないでしょう。
また具体的なステップを踏まずに教育を行うと、余計な時間や手間がかかってしまうケースも多くあります。
その点、ADDIEモデルはステップが明確なのでやるべきことや改善点をスピーディーに把握できるでしょう。
ADDIEモデルの具体的な5つのステップ
ADDIEモデルは5つのステップの頭文字からできています。具体的なステップは以下のとおりです。
- Analysis(分析)
- Design(設計)
- Development(開発)
- Implementation(実装)
- Evaluation(評価フェーズ)
ではそれぞれのステップを確認し、セミナーや研修での教育をさらにブラッシュアップしていきましょう。
ステップ1:Analysis(分析)
まず最初のステップとして、教育内容を細かく分析していきましょう。分析するポイントは以下のとおりです。
- 教育の内容を分析:教育内容に不必要な部分はないか、本当に教育は必要とされているのか
- 学習者の情報や問題を分析:どのような学習者がいるか、学習者が現在置かれている状況や問題点はあるか
分析ステップでは綿密な計画や学習者のチェックが必要とされますが、反対に俯瞰的な視点も大切です。
分析の一環としてリサーチしてデータを収集したり、学習者にヒアリングを行うと、より高度な分析を行うことができるでしょう。
ステップ2:Design(設計)
続いてステップ2では教育の概要を作成します。以下のポイントを押さえて設計すると、後々細かい部分を設定するのが楽になるでしょう。
- ゴールを設定する:何を理解するのが目的か
- 学習者の理解度を何で判断するか:合格点や、理解度の設定
- 学習対象者や学習期間を設定する:どんな人が学ぶべきか、どのくらいの期間を設けるか
- 教育内容の大枠を作成する:講義やワーク時間・項目などの大まかな配分
分析が終わったら開発フェーズに移行したくなるかもしれませんが、まずは全体像や大まかな内容を決めておくとブレのない教材を作ることができます。
ステップ3:Development(開発)
設計をもとに、より細かい教材内容を決定していきましょう。またセミナーや研修の場合、会場手配や講師の手配、機材の準備などの具体的な環境づくりもこの開発フェーズで行います。
開発が完了したら、この段階でリハーサルやテストを行ってください。
教材の場合、再度おかしい点はないか、準備は抜かりないかを確認する必要があるでしょう。
「あとはセミナー実施するだけ」という状態まで開発、準備を行います。
ステップ4:Implementation(実施)
続いてステップ4では、分析、設計を経て開発したセミナーや教材を実施します。
ステップ5の評価フェーズにつなげるため、学習者にアンケートを行ったり、セミナー後の学習度チェックを行ったりなど、評価を測定できる情報を収集しましょう。
ステップ5:Evaluation(評価)
ステップ5の評価フェーズでは、参加者の評価や成績をもとに教育の内容を見直します。
たとえば以下のような点をチェックして、教育のブラッシュアップにつなげましょう。
- 実施したアンケートの確認:問題点や満足度をチェックする
- 理解度の判定:ステップ2で設定した理解度まで参加者の理解が進んでいるか、または参加者に対する講師の評価をチェックする
ADDIEモデルは評価フェーズがゴールではありません。
評価まで進んだら再度ステップ1の分析に戻り、何度もADDIEサイクルを回していく必要があります。
そうすることで、セミナーや教材の内容が充実し、満足度も高まっていくでしょう。
ADDIEモデルを教育に活かすためのコツ
ADDIEモデルをセミナーや教材に活かす場合、どのような点に気をつければいいのか、そのコツをご紹介します。
分析フェーズで本当に教育の必要があるのかを考える
まずセミナーを開催したり、教材を開発する前に、「本当に教育が必要なのか」を見極める必要があります。
たとえばセミナーの参加者の理解度や成績が上がらないのは、教育に問題があるとは限りません。
「十分に学べる設備がない」「学校や職場の環境が悪い」「教師や講師の質が低い」など、教育以外の部分に問題がある可能性も、十分に考えられるのです。
そのため、まずは本当に教育が必要なのか、教育を行う意味はあるのかを分析フェーズで検討しましょう。
教育で解決する問題の範囲を設定する
上記で説明したとおり、教育は全ての問題を解決できるわけではありません。
分析フェーズで教育が必要と判断したら、セミナーや教材によって問題をどこまで解決できるのかを明確にするのが大切。
たとえば、ある一部の問題解決に特化した教材なのに「全ての問題が解決できます」と謳ってしまうと、当然ながら学習者からクレームが出るでしょう。
そのためセミナーや教材で何が学べるのか、どんな問題を解決できるのかを明確化し、それを学習者に伝えておく必要があります。
まとめ
ADDIEモデルはビジネスでいうPDCAサイクルのように、教育を実施して改善点を見つけることで、より良い教育を目指せます。
またセミナーや教材などの教育開発から改善まで、回り道をせずに進むことができるのも大きなメリットです。
日々変化していく教育に適切に対応していくためにも、ADDIEモデルを活用して学習者に合った教育を行いましょう。
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