「会計」と言えば「決算書」と思い込んでいる大いなる誤解。
書店に行けば「決算書の読み方」の類の書籍が山のようにあります。
経営者なら、ビジネスマンなら、「決算書くらい読めなければ…」と多くの経営者らが勉強する。
しかし、それが間違った経営判断につながっていることに気が付かなければなりません!
なぜなら、そもそも決算書は何故作られるのか?
それは企業の外部者である税務署や銀行などに提出することが義務付けられているからです。
それは、経営者の成績表であることは間違いありませんが、あくまでも”過去”のことです。
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経営は”止まれない車”の運転に似ています。経営者は企業の運転手です。
当然、前(これから先の”未来”)を向いて運転しなければ危険極まりありません。当然のことです。
迫る障害や危機を如何に回避するか? 状況判断して、ハンドルとアクセルとブレーキを使って乗り切り
目的地になるべく早く、燃費良く到着することを目指します。
この時、決算書はどんなイメージになるかと言えば、バックミラーに写る景色(情報)です。
さっき通った道で何かにぶつかって散乱している光景が写り、バンパーに傷が出来たとしても戻れません。
その情報(決算書)を受け入れつつ、先に進むしかないのです。
さしずめ決算書は、経営者たる運転手の助手席で「前期の売上は…」と報告を受けるようなものです。
経営者が「これから、どうする」とハンドリングという意思決定の際の参考程度のモノです。
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つまり「決算書は役に立たない!」のです。
その証拠に、決算書には、どの商品を何個、売ったかは分かりません。
幾種類もある商品の合計の売上と、合計の売上原価が1行づつ書かれるだけです。
ビジネスは単価×個数の掛け算なのに損益計算書は引き算ばかりです。
貸借対照表も同様に決算書による弊害があります。
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進んだ企業では、決算書とは別に経営計画を作り、意思決定の方向を決めています。
しかし多くの企業では作っていません。何故でしょう?
それは、決算書のように作ることを法律で強制されていないからです。
人は弱いもので、強制されていないモノに力を注ぐことは後回しになるものです。
そして売上アップを目指すことに日々血眼になってしまうのです。
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しかし、ちょっと待って下さい。それが既に「決算書病」なのです!
決算書の損益計算書は売上ー経費=利益で出来ているので、
ついつい売上アップと経費節減を目指してしまいます。
それが、既に「決算書病」に感染している証拠です。
何故なら同じ売上高であっても、利益は何倍も異なることはいくらでもあります。
また、利益が出たとしても、資金がなければ倒産です。
資金がなければ…といたずらに借入金に頼れば企業体質はどんどん弱体化します。
これらを読み取ることは決算書では至難の技です。
このように、進んだ経営者は、決算書を当てにせず、意思決定のツールとしての経営計画を
たとえ強制されなくとも、学んで会計(数字)でつかんでいるのです。
この講演では、経営者の意思決定のプランである経営計画では、
どのように考えて売上や利益、顧客を創造してゆくかを学びます。
具体的には単価×個数を「利益感度分析」から何をどう優先するのか?
何を優先しなければならないのか?が分かります。
或る意思決定をした瞬間、損益と貸借はどう変化するかを理解して、
会計の初心者でも出来る基礎知識が学べます。
経営者/役員
2代目経営者
士業
その他
●経営者や役員の方には
会計が苦手な経営者の方は多いものです。苦手だから税理士任せではダメです。
税理士は会社が行った取引を集計して…とあくまで過去を担当して決算書や申告書を作るのが仕事の中心です。
税理士の受験科目に、未来の意思決定を学ぶ科目はありません。法人税も消費税も全て後処理の過去会計です。
●2代目経営者の方には
創業者は、経営計画などの力が弱くても天性のカリスマ力で社員を引っ張ってゆく力があります。
次の経営を担う貴方には、多くの場合それはありません。
より数字に基づく判断が求められます。先代を説得するにも、社員たちを率いていくにもそれが力となります。
●士業の方には
特に税理士の方には、私もそうでしたから良く分かります。
30数年の決算書を作成して、経営者から涙を流して本当に感謝されたことは一度たりともありません。
貴方に払う報酬で売上や利益が増える訳ではありません。
だからPCやクラウド、AIに代わられる付加価値のない仕事はやがて駆逐されます。
納税猶予の要件として経営計画を提出することを架け橋に経営計画が事務所の仕事のエリアが増えるのです。
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