【例題】次の文章を読み、問題文に対して回答してください。
鬼滅の刃という漫画がヒットしているらしい。学校でも、とにかく子供達がその話題でもちきりだというので、思い切ってその作品を読んでみることにした。なるほど、確かに戦闘シーンの描写は迫力があり、そして仲間同士が助け合い、悪(鬼)をやっつけるという展開は少年漫画としては非常によく出来た話だと思う。
だが、私が最も興味をもったのは戦闘シーンよりもむしろ、そのストーリーだった。主人公は「鬼」と呼ばれる存在に家族を殺され、唯一生き残った肉親である妹も、鬼に噛まれた結果、鬼。即ち「人間以外の存在」となってしまう。そして、それを助けるために、鬼を倒すという物語である。
たった一人の肉親である妹のために、兄が命を懸けて困難に挑む。
勘のいい方ならば既にお気づきかもしれない。そう、これは太宰治の『走れメロス』とストーリーの展開が非常に酷似しているのである。
メロスはたった一人の肉親である妹のために、王に命乞い、もとい「死刑の猶予」を願い出る。そして、そのために自ら「死刑になるため」王の下へと約束の時間内に戻った結果、本来は身代わりとして死刑になるはずだった親友はもちろんのこと、メロス自身も命を助けられ、さらには王も人間としての心を取り戻すという物語である。
そして、何よりも重要なのは、妹は兄の困難を知らないということ。走れメロスにおける妹は、兄の運命を知らずに結婚式を終えた。そして鬼滅の刃においても同様、鬼となったことで人間の心を失っていた妹は、兄が鬼を倒すことで、自らが人間に戻るまでの過程を知らない。
偶然の一致なのだろうか?それとも「盗作」なのだろうか?私はそのどちらでもないと思う。実は、このストーリー展開。即ち「両親を失った兄妹がいて、その妹を守るために兄が命を懸ける」という話、実は非常に古典的なプロットとして、長く親しまれているものではないかということである。
だとすれば、鬼滅の刃がヒットした原因は、この古典的なストーリー展開を多くの人が、無意識の内に受け入れてきた結果だといえるのではないだろうか?そして、この漫画がいずれ「古典」として語られるようになった時、その時の子供たちはもしかしたら、また別の作品でこの古典的、そして王道的なストーリーに出会うのかもしれない。
【問 本文の内容と一致するものを選べ】
1.小説よりも、漫画にすることによってその面白さが分かるようになる
2.鬼滅の刃がヒットした原因は、優れた戦闘描写にある
3.仲間が助け合う話は古くから存在していた
4.鬼滅の刃のストーリーは極めて王道的である
【選択肢で学力が分かる】
上記の問題の正解は"4"です。
すんなりと解けたでしょうか?もし3を選ばれた場合、それはケアレスミスです。ただ、問題文の内容自体は理解されています。おそらくあなたが学校や塾の先生であれば、特に問題なく正解。あるいは理解できるのではないでしょうか?
しかし、問題は国語が出来ない子が何番を選ぶか?です。ちなみに国語の学習で躓いた生徒の場合、2を選びます。
何故だか分かるでしょうか?もしそれを説明できるのであれば、おそらくあなたは非常に優秀な先生です。おそらく担当されているクラスにおいて、生徒の多くは国語を理解されているでしょう。
しかし、
「何故2番なんて選ぶんだ?あり得ないじゃないか」
このように思われた方は要注意です。何故なら、この状態でむやみに本を読ませたり、あるいは基礎力の強化と称し、むやみに漢字の書き取り等の課題を出した場合、国語力が身につくどころか逆効果になるからです。
【いくら勉強しても「努力が足らない」】
私自身、高校最後の模試の偏差値は32でした。そして、おそらく上記の問題を出された場合、2を選んだでしょう。
勉強そっちのけで部活に打ち込んでいたわけでもなく、あるいは非行に走っていたわけでもありません。自分で言うのも何ですが、普通の子よりも一生懸命勉強していたし、それなりに本も読んでいました。
しかし、模試の結果を見た教師からは「努力不足だ」と言われ、また模試を盗み見た他の生徒により、私の偏差値が発覚すると、以前からあったいじめや嫌がらせが更にエスカレートするようになりました。
それを教師に相談すると、
「あいつ(=いじめの加害者)はちゃんと勉強している、それに比べてお前は…」
と、まるでいじめを擁護する。あるいは偏差値が高い人間は低い人間をいじめても構わないといった言い方をされました。
結果、予備校で偏差値が30以上アップし、無事大学に合格することが出来ました。しかし、
・もし、別予備校だったら?
・もし、偏差値の低い大学で妥協していたら?
おそらく一生、劣等感に苛まれる人生だったかもしれません。あるいは「国語はセンス、勉強のできる奴には適わない」と、諦めていたのかもしれません。
【現代文の教え方は存在するか?】
「いくら教えても生徒が理解できない」
「結局、国語ってセンスの問題ではないか?」
実際、このようなことをおっしゃる先生は少なくありません。しかし私自身がそうであったように、国語はセンスではない。実は国語にはちゃんとした教え方があります。
また、国語が出来ない生徒に対し、間違った勉強を教えてしまっている先生方、あるいは保護者の方が多いのも事実です。
では、国語が出来ない生徒やお子様に対し、一体何を教えればよいのか?その方法についてお伝えします。
【講座内容】
・何故国語の問題が解けないのか?
・偏差値32→65
・国語は「連想ゲーム」である
・生徒に出題者の気持ちを理解させる方法とは?
国語を理解することで、問題文の内容を理解する能力が養えるようになります。国語はもちろんのこと、英語の長文読解。さらには数学(証明問題)の理解にも繋がっていきます。
主夫/主婦
その他
人事/教育/総務
その他
このような方におすすめです
・生徒が授業についてこれない学校、塾の先生方
・子供の勉強相談をしたいが、教え方が分からない保護者の方
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