サイバーエージェントの社員教育とは|若手が自走する抜擢の方法

最終更新日: 2023/11/10 公開日: 2023/11/10

サイバーエージェントはabemaTVなどのメディア事業やCygamesなどのゲーム事業、広告事業などを展開している会社です。

2020年にエン・ジャパンが調査した「20代の成長環境」がある企業ランキングで4位になるなど、若手が活躍している会社としても有名です。

多くの企業が若手社員の教育に苦慮している中、サイバーエージェントの若手社員を抜擢する教育が注目されています。

この記事では、以下の内容について説明します。

  • サイバーエージェントの社員教育の基本方針
  • サイバーエージェントの若手教育方法
  • サイバーエージェントの人事施策

若手社員をどう育てていけばよいのかがわからない人事担当者はぜひ参考にしてください。

サイバーエージェントの社員教育に対する基本方針

サイバーエージェントでは新卒社長や入社数年で会社役員を務める若手がたくさんいます。若い社員がどんどん活躍する背景には、サイバーエージェントの社員教育に対する考え方があります。

それは「育てる」のではなく「育つ」ということです。

役員や人事担当だけでは多くの若手を育てることができませんが、若手が育つ環境を作ることはできます。

ここでは、社員教育の基本方針として「業績向上のための育成」と「決断できる人材の育成」を紹介します。

業績向上のための育成

サイバーエージェントでは、社員教育を社員個人のためだけではなく、会社の業績を上げるために社員教育があると考えています。なぜなら、人材は経営資源として重要なものだからです。

そのため、チームの目標を決める際には、チームメンバー全員が参加するプロジェクトリポートを実施し、目標に合意するという流れをとります。

これにより、社員は自分の所属するチームでの役割がわかり、チームの目標と個人目標が同じ方向を向きます。

決断できる人材の育成

決断できる人材を育てるには、仕事を任せる必要があります。

サイバーエージェントでは、若手が育つ環境作りとして自走サイクルという仕組みを取り入れています。

自走サイクルとは抜擢・決断・失敗・学習の4ステップを繰り返すことで、若手が育つというものです。

  • 抜擢:若手に期待して仕事を任せること。若手は責任感を持つ。
  • 決断:若手が覚悟を決めること。自分で意思決定をする。
  • 失敗:経験や知識の少なさから失敗する。
  • 学習:先輩からのフィードバックを受けて失敗から学ぶ。

学習した若手は以前よりステップアップしているため、また期待をかけられるというように自走サイクルを回していきます。

若手社員の時代から能力に合わせた仕事を任せられて自分が決断するという経験は、自分で考え実行する力を生み自走につながるのです。

サイバーエージェントの若手教育

サイバーエージェントの若手に対する教育は内定した段階から行われ、自分で考え発表する力が養われています。

ここでは、以下の3つの若手教育を紹介します。

  1. 新卒社員研修
  2. 20代の社員対象のYoung Man CyberAgent
  3. 内定者でも参加できる社内コンテスト

自分が手を挙げれば挑戦できる機会が多く、たくさんの若手社員がマネージャーや子会社の社長になって活躍しているのも、自走できる環境があるからだといえるでしょう。

1. 新卒社員研修

新卒社員研修は全体研修の後に、ビジネスコース・エンジニアコース・クリエイターコースという3つの職種に分かれた研修が行われます。

全体研修は4日間、職種別の研修はコースによって1週間から1か月実施されます。

2023年の全体研修では、サイバーエージェントのカルチャーを学び、同期とのチームワークを構築する内容でした。

数人の新卒社員で構成されたチームでプレゼンテーションを行い、上位チームは執行役員の前で最終プレゼンをすることができます。

サイバーエージェントでは新卒社員研修から自分で考えたことを形にして発表する機会が与えられており、自分のやりたいことに手を挙げる経験をさせています。

2. Young Man CyberAgent

5,000人以上いるサイバーエージェントの社員の40%が20代ですが、組織が大きくなればなるほど若い社員の活躍が埋もれたり、発言がしにくくなったりという弊害が生じます。

そのような問題が生まれることを防ぐため、Young Man CyberAgent(ヤングマンサイバーエージェント、略してYMCA)は立ち上げられました。

YMCAでは20代のリーダークラスの社員が役員となり、同じ20代のほかの社員のために様々なプロジェクトを実施しています。

フレッシュマネージャー研修

フレッシュマネージャー研修はYMCAが主催しているマネージャー研修で、直近1年間でマネージャーとなった20代の社員が対象です。

マネジメントを行う姿勢を座学やケーススタディを通して学ぶことができます。

マネージャーとしての姿勢で大事なことは、以下の5点です。

当事者意識事業成果/組織コンディションに対して、高い当事者意識をもつ
自責の念発生した現象は、「全て」マネジメントの責任
信頼と信用メンバーを信頼/信用し諦めない。
メンバーから信頼/信用される人である
感謝と反省「ありがとう」と「ごめんなさい」を言える人である
責任感メンバーの人生を背負う覚悟を持つ。
メンバーの人生を考える
CyberAgent Way『サイバーエージェントの若手マネージャーが育つ仕掛け「フレッシュマネージャー研修」』より引用

ケーススタディでは実際に感じている悩みをテーマにして、解決策を自分で考え共有する方法がとられています。

  • リモートワークでの業務進捗の把握方法
  • 年上のチームメンバーのマネジメントの仕方
  • チームメンバーへの仕事の任せ方

研修を受けている人が感じている悩みのためリアリティがあり、いつか自分も同じ悩みを持った時にどうすべきかと自分事として解決策を考えられます。

次世代経営幹部候補育成プログラム

次世代経営幹部候補育成プログラムはYMCAの取り組みの1つで、選抜された8名を経営幹部候補として1年間育成するカリキュラムです。

新卒入社4年目まで、もしくは25歳以下の中途入社の社員を対象に、公募と推薦で選ばれます。

月に一度役員の前でのプレゼンテーションや、若手時代に経営幹部となった社員の講義など、実施されるプログラムは毎年変更されます。

1年後には新事業を起こしたり、新会社の社長に就任したりする社員もいて、視座を上げられるプログラムです。

3. 社内コンテスト

サイバーエージェントの社内コンテストは、社員はだれでも参加できるイベントです。内定者でも手を挙げれば参加できるため、入社前からサイバーエージェントの文化に触れることができます。

所属や入社年度などを気にせずチームを組めるため、アイデアを形にするだけでなく、所属部署以外の社員との関係構築に役立っています。

新規事業創出プロジェクトCycom

新規事業創出プロジェクトCycom(サイコン)は、サイバーエージェントの社員と内定者が新規事業を代表の藤田晋氏に直接提案できるコンテストです。

参加する内定者は、正式に入社する前から同期と話し合って新規事業案を作り上げるため、配属後の仕事に対する真剣度が変わるでしょう。

プレゼンテーションの模様は社内に動画配信され、審査ポイントなどを共有できるようになっています。

CA PoCMOCK CONTEST

CA PoCMOCK CONTEST(サイバーエージェント・ポックモック・コンテスト)とは、サイバーエージェントのクリエイターやエンジニア向けのモック制作のコンテストです。

PoC(ポック)とは「Proof of Concept」の略語で、新規事業やアイデアを実現できるか検証をする概念実証という意味です。モックとはモックアップの略語で、試作品や模型を意味します。

つまり、商品化する前の見本を作りフィードバックをもらえるコンテストがCA PoCMOCK CONTESTです。

コンテストと言ってもチームが競い合うものではなく、作ったものに価値があるという評価をしています。課題も与えられないため、社員が自らテーマを決めクリエイティブな活動を楽しめるように工夫がされています。

あした会議

あした会議とは、執行役員が選抜した社員とチームを組んで、サイバーエージェントのあした(未来)に繋がる新規事業を提案し、決議する会議です。

現場で活躍する社員と事業の責任を持つ執行役員が組んでいることで、事業課題やアイデアを様々な視点から考えることができるのです。

サイバーエージェントでは、役職が上がるほどよく働くといわれていますが、社員は自ら事業創出に専念する役員を見て奮い立ち、モチベーション高く仕事をするきっかけも生んでいます。

あした会議には代表の藤田晋氏をはじめとした経営陣が全員出席し、社員も参加しながら意思決定がされるため、役員だけの決議よりも納得感があります。

今のサイバーエージェントの中心事業であるゲーム事業など、あした会議で提案し設立された子会社は30社です。累計売上高約3,259億円を創出し、事業拡大に貢献しています。

サイバーエージェントの人事施策

CyberAgent『適材適所を叶える仕組み』より引用

サイバーエージェントの人事組織にキャリアエージェントという部署があります。キャリアエージェントは、社員の適材適所を目的に立ち上げられました。

社員の状況を把握し、異動機会の創出や情報提供を行いながら、社員や役員に異動の提案しています。

社員が異動すると元の部署は人材を取られたと考えることもありますが、役員から合意を得て、会社と個人の両方に必要な異動と認めることで、元の部署からの納得が得やすくなります。

GEPPO

GEPPO(ゲッポウ)とは、社員の仕事に対するコンディションを把握するために開発された簡単なアンケートです。

毎月1回アンケートは実施されており、回答率は約100%です。質問の回答方法は快晴・晴れ・曇り・雨・大雨の天気で表現します。

天気はメンタルにも影響するため回答しやすく、キャリアエージェントも社員一人ひとりを把握しやすいことがメリットです。

社員がGEPPOに書いたコメントには、社内ヘッドハンターや役員が必ず返事をしています。上司がちゃんと見てくれていることがわかるため、アンケートの回答率が上がるのです。

キャリアチャレンジ制度

キャリアチャレンジ制度(キャリチャレ)は社内異動公募制度です。同じ部署で1年間勤続すると自分の行きたい部署への異動にチャレンジできます。

年に2回写真付きの求人票が公開され、それに基づいて応募します。毎年約100人の応募があり、その中で異動が果たされるのは7割くらいです。

昔は応募すると今いる部署にばれるのではないかという不安がありキャリチャレはあまり活用されていませんでしたが、秘密厳守を周知することで応募が増えています。

キャリバー

キャリバーは、各部署で人材が必要なポジションを掲載する社内版求人サイトです。サイバーエージェントには多くの子会社があり、各部署の空席をキャリアバーで一括管理しています。

求人情報には部署の仕事内容や雰囲気、どんな人を必要としているのかが書かれており、自分の興味がある部署を検索することができます。

異動を公募するキャリアチャレンジ制度があっても、どんな部署があるのかを知らなければ応募する社員はいません。キャリバーがあることによって他部署の理解が進み、より手を挙げやすくなっています。

キャリテレ!

キャリテレ!は各部署の仕事内容を伝える動画コンテンツです。キャリテレ!もキャリバーと同じように、ほかの部署についての理解を目的として始められました。

動画の内容はインタビュー形式のため、実際に働いている人の声を聴くことができます。

サイバーエージェントの社員教育は若手を抜擢して自走させる教育

この記事では、サイバーエージェントの社員教育と人事施策について説明しました。

サイバーエージェントでは自走サイクルという若手が育つ環境を作り、活躍できる機会を与えています。最初は何をやりたいのかわかっていない社員も多いですが、期待をかけて仕事を任せることで自信がつき成長していくのです。

サイバーエージェントの社員教育の方法をそのまま取り入れるのは難しいですが、自走サイクルという考え方を取り入れ、若手社員の自発的な行動を促してみてはいかがでしょうか。

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最終更新日: 2023/11/10 公開日: 2023/11/10