
「いきなり大きな事業を始めるのは不安」という方におすすめなのが、スモールスタートで始められる「ゆる起業」です。
無理せず始められる「ゆる起業」は、セカンドライフを充実させたいシニア世代や、働きながら週末の時間を有効活用したい若年層に指示されています。
そこで今回は若年層からシニア層まで、それぞれにおすすめの「ゆる起業」の方法や成功例を紹介します。
長い人生を長期的な視点で考え、将来を見据えた「ゆる起業」にチャレンジしてみてください。
「ゆる起業」は大きく2種類に分かれる

「ゆる起業」とはその名の通り、自分の生活や本業を軸に置きながら、ゆとりを持って起業することを指します。
大きな資金を投入して始めるのではなく、ゆるく始めることができるため、ハードルが低い「ゆる起業」を目指す人も増えているのです。
「ゆる起業」はさまざまなケースがありますが、おもに次の2種類に分かれています。
- 定年後にシニア世代がスモールスタートで起業する
- 若年層の会社員が週末の休日を活用して副業を行う
では、それぞれの「ゆる起業」の特徴を見ていきましょう。
定年後にシニア世代が起業する「ゆる起業」
2021年より定年が70歳に引き上げられましたが、60代からのセカンドライフとして起業するシニア世代も増えています。
シニア世代が「ゆる起業」に向いている理由は、退職金や貯金などまとまった資金や、長年培ったキャリアがあるなど、起業するために有利な要素をたくさん持っているからです。
また、小さくビジネスを始めれば、ワークライフバランスを取りながら、老後の生活を楽しみながら働けるのも「ゆる起業」がシニア世代から支持されるポイント。
また「人生100年時代」と言われる昨今、60代から起業すれば定年もなく、元気な限りずっと働くことができるのです。
週末起業で始める「ゆる起業」
政府が進める働き方改革の影響で副業可能な企業が増えたこともあり、会社が休みの週末を別のビジネスの時間に充てる「週末起業」する人も増加。
とくに場所や時間を選ばないインターネットを使ったビジネスが普及したこともあり、週末起業の選択肢が大幅に増えました。
週末起業のメリットは、週末の空いた時間を有効活用して新たに収入の柱ができるほか、本業を辞める必要がないため、低リスクでゆるく起業できるところ。
事業が軌道に乗ってから本業を退職することもできるため、無理なくやりたいことに挑戦できるのも週末起業の魅力の一つです。
セカンドライフを充実させる|シニア世代の「ゆる起業」ガイド

シニア世代が「ゆる起業」を目指すときは、正しい情報を選択して行動することが大切です。
では「ゆる起業」の具体的なステップをチェックしていきましょう。
老後の資金を考慮した上で起業資金を決定する
シニア世代は退職金や貯金、年金など、まとまった資金があるケースが多いため、大きくスタートしたり、銀行などから融資を受けたりなど、資金面で有利に進められるというメリットがあります。
しかしその反面、資金を注ぎ込みすぎると老後の資金がなくなってしまうケースもあるので、ライフプランを立てた上で起業にかける予算を決定するのがおすすめ。
また、資金面に余裕があるからといって、リスクの大きい起業にチャレンジするのは避けるのが無難です。
たとえば飲食店をオープンする場合、
- まずは店舗を持たないデリバリーから始める
- レンタルスペースで店舗をオープンする
など、初期費用を削減できる部分はないか慎重に検討しましょう。
専門家のアドバイスを受けたりセミナーに参加したりする
資金の余裕があるシニア世代が、誤った情報を信じて起業すると失敗して資金を失うケースも少なくありません。
なかにはシニア世代の資金を狙って高額な情報商材を売りつけたり、怪しいビジネスを持ちかけてきたりする業者もいます。
正しい情報を収集し、万全の体制を整えてから「ゆる起業」にチャレンジしましょう。
うまい話や怪しい話には乗らないようにするのはもちろん、起業プランを専門家に確認してもらう、セミナーで情報収集するなど、情報収集と確認を繰り返すのがおすすめです。
セミナーに参加して情報を収集する場合、セミナーの質を見極めることも大切です。
ゆる起業の業種を決定する
情報を収集したら、「ゆる起業」の業種を決定しましょう。
シニア世代に人気の業種は次のとおりです。
- 飲食店
- 教室
- 不動産・賃貸業
お客さんとコミュニケーションを取って楽しみながら起業できる飲食店は、シニア世代に人気の業種です。
古民家をリノベーションしたカフェや、地方に移住して自家製の作物を使ったレストランを開くシニア世代も増えています。
また、シニア世代は長年のキャリアで培ったスキルを活かし、教室を開いたり、コンサルタントとして活躍したりする人も多いです。
セカンドライフを思いっきり楽しみたい人は、実務が少ない不動産・賃貸業もおすすめです。
スモールスタートで「ゆる起業」する|週末起業のアイデア

週末起業で「ゆる起業」する場合、費用や時間など、できるだけコストを抑えてスモールスタートするのがおすすめです。
とくに週末起業は起業に充てる時間が少ないので、業種や働き方を工夫する必要があります。
週末起業する際に必要な手続きや、注意点を解説します。
副業した場合の手続きを知っておく
そもそも本業で副業が禁止されている場合、週末起業で「ゆる起業」するのは難しいでしょう。
会社に副業していることがバレると、就業規則違反で処分される可能性があります。
また、副業の所得が年間20万円(売上から経費を差し引いた額)を超える場合、確定申告をしなければいけません。
青色申告する場合は税務署に開業届と青色申告承認申請書を提出する必要があり、電子申請を行うならマイナンバーカードを保有していなければいけないなど、細かい手続きが発生します。
確定申告の時期になってから焦ることがないよう、副業の所得が年間20万円を超えそうな場合は、事前に必要な手続きを調べておきましょう。
初期投資の少ない事業を選択する
週末起業は時間的リスクや本業に影響を与える可能性があるため、初期投資の少ない事業でスモールスタートするのがおすすめです。
初期投資の少ない事業は、おもに次のような事業です。
- 店舗を持たない
- 少人数で行うことができる
- 大型の設備や機材が必要ない
物件にかかるコストは運営費用の大部分を占めるため、物品の販売を検討している場合、物件費用がかからないネットショップ運営がおすすめです。
また、事業が軌道に乗るまではできるだけ1人で運営を行い、人手が足りなくなった時点で人の雇用を検討すると失敗したときのリスクが少ないでしょう。
効果検証を行って限られた時間を大切にする
週末起業で「ゆる起業」する場合、限られた時間をいかに有効活用するかが成功のカギと言えます。
というのも、本業として事業を行っている人と比較すると、リソースが圧倒的に不足しているからです。
少ない時間で事業を軌道に乗せるには、売上やターゲットのデータを収集し、効果検証を繰り返すのが重要です。
また定期的に業務フローの見直しを行い、無駄を省いて効率化していく、ツールを活用して時間を有効に使うなどの取り組みも検討してみてください。
60代からのシニア起業の成功例

「シニア世代で起業するのは遅い」と思う人もいるかもしれません。
しかし、60代以降に起業し、成功した例は多数あります。
今回は60代以降に起業して成功した大手企業の例を2つ紹介します。
株式会社JTL「愛犬のお散歩屋さん」
株式会社JTLの創業者である古田弘二さんは、化粧品会社に勤務していましたが、早期退職後に「愛犬のお散歩屋さん」を立ち上げました。
愛犬との散歩中、ほかの犬の散歩を頼まれたことをきっかけに、犬の散歩やしつけ、癖の矯正などを請け負うサービス「愛犬のお散歩屋さん」を開始したそうです。
愛犬の散歩をしながらの地道なポスティング活動から始めた事業でしたが、現在ではフランチャイズ契約で加盟店が増加し、全国に約70店舗を展開する大きな事業となっています。
ライフネット生命保険
ネットで手頃な値段から保険が契約できる「ライフネット生命保険」の創業者である出口治明さんは、保険会社で勤務したスキルを活かし、60歳で会社を設立しました。
保険会社で長年勤務したことによって人脈が広がったこともあり、KDDIなど大手6社から80億円にものぼる出資を受けて「ライフネット生命保険」を創業。
少子高齢化によって結婚・出産する人が減少するなか、保険料を半額にすれば安心して赤ちゃんを産める社会になるのではないかと出口さんは考えました。
その結果、人件費や物件費を最小限に抑えることができるネット生命保険が誕生したのです。
出口さんは「40代後半〜60代は起業に適したリスクのない年代」だと言います。
また、パートナーは自分とまったくバックグラウンドが違う人を探すなど、型にはまらない柔軟な発想で、社長から退き会長の座についた現在でもライフネット生命保険は進化を続けています。
週末起業で成功例が多いケース

時間や費用というリソースが少ない週末起業を成功に導くなら、インターネットを活用した事業がおすすめです。
今回は週末起業の成功例が多い、インターネット事業を2つ紹介します。
ホームページ運営
ブログやメディアサイトを運営し、広告を掲載して収入を得る「ホームページ運営」は難しい知識がなくても始めやすく、初期費用が安いことから、週末起業して成功している人が多い事業の一つです。
ジャンルは問わないため、自分が本業で培ってきたスキルを活かして役立つ情報を発信したり、趣味のジャンルの情報を発信したりなど、自分の興味のある分野の記事を投稿できるので、継続しやすいのがメリットです。
また、独自にドメインを取得してサーバーを契約しても初期費用はが少ないので、失敗してもリスクが少ないという特徴もあります。
動画編集スキルがあるなら、YouTubeやTikTokなど、動画投稿プラットフォームに動画を投稿し、広告収益を得る方法もあります。
コンサルタント
コンサルタントは専門的なスキルや知識を活かして、顧客にアドバイスをしたり、戦略の提案などを行います。
本業で培ったスキルや資格などを活かせるのはもちろん、コンサルタントは活動場所や活動時間を選ばないのが大きなメリット。
時間に限りのある「ゆる起業」には最適な業種と言えます。
また、自分のスキルが商品になるので初期費用や運営費用がほとんどかからないのも、コンサルタント業の魅力です。
より具体的な成功例が知りたい人は、成功を納めている経営者の書籍をチェックするのもおすすめです。
「ゆる起業」を成功に導くコツ

「ゆる起業」を成功に導くには、限られた時間を有効に使い、計画的に事業を進めていくことが大切です。
とくに次の2つのコツを押さえて、ゆる起業を軌道に乗せていきましょう。
スキルの棚卸しを行う
「ゆる起業」は「これがやりたい」「お金が稼げそう」といった動機だけでは、なかなか成功しにくいので注意が必要です。
「ゆる起業」は一般的な起業家よりも事業にかける時間が少ないので、成功例を真似したり、競合と同じことをやっていてもなかなか芽が出にくいからです。
そのため「ゆる起業」を始めるときは、まずスキルの棚卸しを行い、ほかにはない自分の強みや活かせるポイントを見極めるのがおすすめです。
丁寧に自己分析を行い、スキルや経験など、独自性や専門性のあるポイントを見つけてみてください。
長期的な視点で戦略を立てる
「ゆる起業」は、すぐに結果を出そうとしてもなかなかうまくいきません。
焦らず長期的な視点でビジネスが続けられるよう、長期的な戦略を立てるのがおすすめです。
限られた時間で起業を成功させるには、独自性や専門性が強みとなりますが、ニーズがなければ成功しません。
そこでマーケットを分析し、小さいけれど将来的な成長が期待できる市場を土台にするのがおすすめです。
土台が決定したら、成功しているビジネスモデルを参考にし、今後の戦略を立てます。
戦略を立てる際にはデータ分析が重要となってくるので、ぜひこちらの記事を参考に、分析を行ってみてください。
まとめ

感染症や働き方改革の影響で起業する人が増えている今、無理せずやりたいことに挑戦できる「ゆる起業」の需要も高まっています。
週末起業の場合、事業に注ぎ込む時間が少ないというデメリットはあるものの、業種を慎重に選定し、効率的な運営を行えば、第二の収入の柱を形成することも可能です。
また、シニア世代から起業を検討する人も多く、起業するための助成金を儲けている自治体もあるので、年齢を問わず、起業にチャレンジしてみてください。
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