
- テレワーク環境で社員教育をどう進めればいいのだろう?
- 対面での社員教育とどのような点が異なるのか?
- どうすればテレワーク時の社員教育の課題を解決できる?
上記のような疑問を抱えていませんか?
今回は、テレワーク環境で社員教育を進める際の課題と解決策を紹介します。
テレワーク環境下での社員教育を成功させるポイントもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
テレワーク環境の社員教育で発生しやすい課題

テレワークに特有の環境では、社員教育にもさまざまな課題が発生することが考えられます。
特に発生しやすい3つの課題を整理しておきましょう。
コミュニケーションの機会が減る
テレワーク環境下では社員が各々異なる場所で働くため、コミュニケーションの機会が少なくなりがちです。
国土交通省の調査では、テレワーク実施後に感じた悪い点として次の回答が上位を占めていました。
- 仕事環境を整えるために自己負担が生じる:61.4%
- 意思疎通が取りづらいなどの理由で仕事に支障をきたす:61.2%
- テレワークに必要な機器がそろっていない:44.9%
- 自宅だと家族に気兼ねする:41.6%
参考元:国土交通省「令和3年度テレワーク人口実態調査—調査結果—」
コミュニケーションの機会が減ることで、業務に支障をきたすケースは決して少なくないことが分かります。
社員教育においても、コミュニケーションに関する課題が生じる可能性は十分にあるでしょう。
教育効果を測定しにくい
社員教育に取り組む大きな目的として、業務効率の向上やスキルアップなどが挙げられます。
実際に業務効率が改善されたか、スキルが身についたかが分かるのは実務で効果が見られた場合でしょう。
テレワーク環境下においては、社員各々がどのように働いているのか、お互いの様子が見えにくくなりがちです。
教育効果が表れているかどうかに関しても、効果を測定するための手段を確保しづらくなることは十分に想定できます。
モチベーションの維持が困難
対面で行う研修等では、周囲の社員がどのように取り組んでいるのか容易に確認できます。
熱心に取り組んでいる社員がいれば、自然と周囲の社員も触発されて前向きに取り組むこともあり得るでしょう。
テレワーク環境下の社員教育では、お互いの取り組み方が分からない状況で進めることになります。
モチベーションを維持するのが難しく、社員によって取り組み方に温度差が生じがちです。
どのように社員のモチベーションを維持していくのかは、テレワーク環境下の社員教育における課題の1つといえます。
対面とテレワークにおける社員教育の違い

対面で行われる社員教育とテレワーク環境とでは、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
両者を比較しながら、具体的な違いについて整理していきましょう。
人間関係の「距離感」
- 対面:人間関係の距離感が分かりやすく、信頼関係を築くきっかけが豊富
- テレワーク:画面越しのため人間関係の距離感が把握しにくく、信頼関係を築くのが容易ではない
社員教育に求める効果が高いものであればあるほど、時には厳しく指導する場面も出てくるでしょう。
あらかじめ信頼関係が築かれていれば、指導や助言の意図を理解するのは難しいことではないはずです。
一方、テレビ会議上でのコミュニケーションが中心の場合、信頼関係を築くのは容易ではありません。
結果として、指導や助言を受け止められずネガティブな捉え方をしてしまう可能性があります。
コミュニケーション不足の問題は、人間関係の「深さ」にも影響を及ぼす恐れがあるのです。
個々の状況の見やすさ
- 対面:社員が何に困っているのか、どこでつまずいているのかを間近で見ることができる
- テレワーク:社員の状況が見えにくいため、適切な助言・指導をするのが難しい
とくにOJTにおいては、普段から社員の仕事ぶりや様子を観察し、本人の行動や考え方の傾向を把握しておくことが大切です。
テレワーク環境下では社員の様子が見えにくくなるため、個々の社員がどのような状況で働いているのかが掴みづらくなります。
1人1人が克服すべき課題や伸ばすべき資質などを把握できず、適切な助言・指導をするのが難しくなる恐れがあるのです。
結果として画一的な指導・助言になりやすく、社員教育の効果が挙がりにくくなる可能性があります。
個々の状況が見えにくくなることによって、「誰に何を身につけてもらうべきか」が判断しにくい状況に陥りやすいのです。
現場の臨場感
- 対面:見て覚える・真似をするといったチャンスを得やすい
- テレワーク:物理的な距離があるため臨場感が乏しく、見て覚える・真似をするのが困難
戦時中、連合艦隊司令長官を務めた山本五十六氏は、部下の指導について次の言葉を残しています。
実際に手本を見せた上で社員に任せ、課題を適宜フィードバックしていくことは、社員教育において重要な要素といえます。
現場の臨場感が伝わりにくいテレワーク環境下では、「実際に見て覚える」機会が少なくなりがちです。
対面とテレワークで同じように指導しているつもりでも、社員に伝わっている情報量は大きく異なることが考えられます。
テレワーク環境下の社員教育で発生しやすい課題の解決策

テレワーク環境下で社員教育を行う場合に、しばしば発生する課題の解決策を紹介します。
対面で実施する社員教育との差をできるだけ埋めるためにも、次の解決策を試してみましょう。
1on1ミーティングを導入する
テレワークの社員教育で課題が発生しやすい原因の1つとして、コミュニケーション不足が挙げられます。
コミュニケーションの機会を意識的に増やすことで、信頼関係の下地ができるでしょう。
接点を増やす工夫の1つが1on1ミーティングです。
10分程度で良いので、定期的に1on1ミーティングを設定してざっくばらんに話してみることをおすすめします。
1on1ミーティングでは、教育担当者側から話すよりも指導を受ける社員側から「話してもらう」ことを心がけてください。
仕事の近況や現在困っていることなど、ささいなことでも相手の状況を知るヒントになるはずです。
eラーニングを活用する
教育効果が測定しづらい課題を解消するために、eラーニングを取り入れるのも1つの方法です。
多くのeラーニングサービスには、教材コンテンツとLMS(学習管理システム)が搭載されています。
どの社員がどの教材コンテンツを閲覧したのか、学習時間はどの程度かをLMSで把握できるのです。
学習状況に応じて適宜フォローを入れたり、学習が進んでいる社員により高いレベルのコンテンツを勧めたりすることもできます。
個々の学習状況をデータで把握することで、お互いの状況が見えづらいテレワークの問題点を解消しやすくなるでしょう。
社内SNSを取り入れる
社員のモチベーションを維持するために、社内SNSを活用するのも有効な方法です。
他の社員が今どのようなことを学んでいるのか、何を感じているのか、社員同士のやり取りを通じて掴みやすくなります。
オンラインでの交流の場ができることで、質問会なども気軽に開催しやすくなるでしょう。
社員教育の効果が表れ始めた社員に触発され、周囲の社員もモチベーションを高めていく可能性があります。
社員同士が自主的に勉強会を開催する雰囲気が醸成されれば、社員教育の効果もいっそう高まっていくはずです。
ナレッジ管理ツールを導入する
社員教育においては、社員ごとに習熟度や成果の差が開きがちです。
対面時のように複数の社員を一度に指導するといったことも容易ではないため、社員の知識量に差が生じる可能性があります。
社内ナレッジを蓄積・共有できるナレッジ管理ツールを導入することで、習熟度の差を埋めていくのも1つの方法です。
FAQや社内Wikiを設置しておけば、不明点や疑問点を自己解決できる場面が増えていくでしょう。
結果として社員が自発的に課題を解決する姿勢が身につき、知識やノウハウを共有し合う文化が醸成されていくはずです。
テレワーク環境下での社員教育を成功させるポイント

テレワーク環境下での社員教育を成功させるには、いくつか押さえておくべきポイントがあります。
テレワークに特有の状況をメリットに変えていくためにも、次の3点を押さえておきましょう。
ツールの使い方や環境整備のサポートを実施する
在宅勤務では、通信環境や活用できるツールの範囲が社員によってまちまちになる可能性があります。
オンラインツールの扱い方に不慣れな社員がいることも十分に想定されるため、事前にレクチャーしておくことが大切です。
ツールの操作方法などに不安を抱えている場合、社員教育プログラムを用意しても積極的に活用しないことが想定されます。
動画コンテンツを配信する場合も、自宅の通信環境で快適に閲覧できないようでは前向きに取り組むのは難しいでしょう。
必要に応じてWi-Fiルーターを支給するなど、環境面による差異ができるだけ生じないよう配慮する必要があります。
明確な目標を設定する
社員教育は漠然と実施するのではなく、明確な目標を設定した上で進めていくことが大切です。
一例として、資格の取得や検定試験の合格を目指すことは、具体的な目標として共有しやすいでしょう。
社員教育を実施すること自体が目的ではなく、スキルや業務知識の習得を図ることが社員教育の主旨です。
目的が達成できるのであれば、必ずしも社内で全ての教育プログラムを作成・構築する必要はありません。
場合によっては社外のセミナーや研修機関など、外部のリソースを有効活用することも大切です。
定期的にフォローやフィードバックを行う
社員教育で避けるべき状況の1つに「やりっぱなし」になってしまうことが挙げられます。
レクチャーをしただけ、eラーニングを提供しただけで満足してしまうケースは少なくありません。
教育プログラムがスタートしたら、1週間・1ヶ月・3ヶ月といった頻度で定期的にフォローやフィードバックを行いましょう。
フォローやフィードバックを行うことで、社員は自分自身の現在位置と今後の課題を把握しやすくなります。
学んできたことの成果が表れ始めている場合に、社員は自分自身の良い変化に気づいていないこともあるでしょう。
客観的な視点からフォローやフィードバックを受けることにより、社員教育の効果を実感しやすくなることもあるのです。
まとめ
テレワークにはメリットとデメリットがあるため、社員教育においても課題が表面化する可能性があります。
コミュニケーションのあり方や就業環境のように、テレワーク特有の課題が隠れていることもあるのです。
今回紹介したポイントを参考に、ぜひテレワーク環境下での社員教育を効果的に進めてください。
社員教育のあり方を考えることは、働き方や社員育成全般の課題を再発見することにも繋がるはずです。
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