
リスキリング(reskilling)は、専門知識を持った人材不足の解消や、生産性の向上ができるため、多くの企業で取り組まれています。
これからもリスキリングを実施する企業が増えると予想され、実施を検討している方も多いのではないでしょうか。
しかし、リスキリングは2020年に発表された新しい取り組みであるため、不安を持つ経営者も多いようです。
「リスキリングで何を学べばよいのか」
「リスキリングをどのように実施すればよいのか」
「リスキリングを取り組む上での注意点は何か」
このような悩みを持つ経営者に向けて、この記事ではリスキリングで学ぶおすすめのスキルやメリット、リスキリングの注意点などをオススメのサービスと合わせて解説していきます。
リスキリングを実施したい経営者や、人事担当者はぜひお読みください。
リスキリングで学ぶべきおすすめのスキル10選

リスキリングは、従業員に新しい知識やスキルを習得させ、業界の変化やニーズに対応できるようにすることです。
特に、人材が不足しやすいIT系などの専門知識が必要なスキルに、注目が集まっています。
リスキリングで学ぶ内容は様々ですが、その中でもおすすめのスキルを紹介します。
1. デジタルマーケティング
デジタルマーケティングとは、WebサイトやSNS、スマホアプリなどを使うマーケティング手法のことです。
スマートフォンやタブレットの普及により、消費者はWeb検索による個人の口コミを重視し、自分のほしい情報を得ていくようになりました。
消費者の価値観の多様化に対応するために、利用履歴などのデータから顧客の心理を理解することが求められています。中でも、分析するスキルやオンラインでのセールスなど、ユーザーへの訴求方法をリスキリングで学ぶ人が増えています。
2. プログラミング
プログラミングは、多くの企業が専門の会社に委託している業務です。
自社の社員がプログラミングのスキルを持てば、委託費用が必要なくなり、緊急時にもすぐに解決できるようになるため、自社のDX化を進められます。
プログラミングスキルを身につけることで、ITの知識が増えるとともに、論理的思考力や問題解決能力を高められます。
3. データ分析
データ分析は、顧客のニーズ分析やターゲット分析など、企業が持つ様々な課題に対して改善点を見つけ出すことができるスキルです。
データを分析することで、業務の効率化や生産性の向上を期待できます。
また、データ分析のスキルを身につけることで、データという客観的な数値に基づいた思考力や、先入観を持たずに物事を判断する力が養われます。
4. AI活用
AI技術はまだ発展途上ではありますが、積極的に取り入れようとする企業が増えています。
AIを導入すれば、人件費の削減や業務の効率化、生産性の向上が期待できます。
しかしながら、AIの活用には専門知識が欠かせません。
従業員がAI活用のスキルを持つことで、顧客行動の分析やトレンドの予測などのマーケティングにも活用できるでしょう。
5. Web制作
Web制作には、ホームページやECサイト、ランディングページの作成などがあります。
自社のホームページを制作する際は、Web制作会社に依頼することが多いです。
新商品の発売に合わせてランディングページも新しく作成するため、自社でWeb制作ができる社員を育てる方が、金銭的コストも時間的コストも少なくて済みます。
6. 動画編集
デジタルマーケティングにおいて動画での発信は、多くのユーザーの目に留める「興味付け」に役立ちます。
YouTubeやTikTokなどの動画配信プラットフォームで公式チャンネルを持つ企業も増えており、今後、動画コンテンツの需要はますます高まると予想されます。
ただし、動画配信プラットフォームを使う場合は定期的に動画を配信し続ける必要があります。
自社で撮影から編集、配信までを一括してできるようにしておくと、配信スケジュールの変更などにも対応しやすいです。
7. マネジメント
企業の課題として、マネージャー候補となる中堅社員の離職率を改善することが挙げられます。
中堅社員が辞めた後は穴を埋めるための中途採用も難しく、採用できたとしてもすぐに職場に馴染めるかは分かりません。
いきなり部下を束ねるのは至難の業。
リスキリングでマネジメントを社員に学ばせることで、社員のキャリアアップにつながり、自社への忠誠心も増すため、離職率が減り、組織力が強まるでしょう。
8. グリーントランスフォーメーション
グリーントランスフォーメーション(GX)とは、地球温暖化や気候変動の原因となる温室効果ガスを削減し、脱炭素社会を目指すための取り組みです。
日本は2050年までに温室効果ガスの排出量をゼロにする目標を掲げており、多くの企業がカーボンニュートラルを目指しています。
グリーントランスフォーメーションの知識を持つ人材を育てることで、自社の光熱費などを削減でき、GX推進企業としてのブランディングを確立させることができます。
9. コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルは、どの企業、どの職場、どの階層の社員にも必須のスキルです。
コミュニケーションスキルは、同僚や上司、部下との信頼関係構築のほかに、プレゼンテーションやヒアリングなどの意思疎通力の向上にも役立ちます。
また、テレワークの普及に伴い、オンラインでのコミュニケーションスキルも求められています。
10. 語学
日本人は語学力が低い傾向にあり、英語ができる日本人は諸外国に比べてまだ少ない現状です。
EF English Proficiency Indexが発表した「第2022版 世界最大の英語能力指数 ランキング」では、日本は世界111か国中80位、アジア圏24か国中14位でした。
(参照:第2022版 世界最大の英語能力指数 ランキング)
今後もオンラインで海外との取引が増えると見込まれるため、企業はグローバルな人材の育成が急務となっています。
リスキリングで社員に外国語を学ばせ、海外とのコミュニケーションを円滑に行えるようにすることで、ビジネスチャンスが広がります。
業績の向上も期待できますので、取り入れてみる価値は十分にあるといえます。
企業がリスキリングに取り組む3つのメリット

リスキリングは2020年のダボス会議で発表された「リスキリング革命」により、多くの企業に広まりました。
「リスキリング革命」を企業に取り入れる目的としては、高度な教育やスキル、仕事などを習得する機会を得られるようにすることが目的です。
取り組む企業にも大きなメリットがあります。
ここでは、リスキリングのメリットを3つ紹介します。
1. 生産性が向上する
すでに自社で働いている従業員は、自社商品・サービスの特徴や業務ノウハウについて深く理解しています。
リスキリングで従業員が新しい知識を身につければ、さらなる業務の効率化を期待できます。
将来的に、リスキリングを受けさせることで、生産性の向上や業績の回復につながります。
2. 専門性の高い分野の人材不足が解消される
IT・DX分野やGX分野は専門性が高く、人材不足が深刻です。採用しようとしても希望の人材と出会えないことも多くあります。
そのため、リスキリングで従業員にIT・DX分野やGX分野のスキルを身につけさせれば、採用にかかる費用や時間を削減でき、社内の人材不足の解消につながります。
3. 従業員のモチベーションを上げられる
リスキリングにより、従業員の知識やスキルが向上することで対応できる業務も増えていきます。
リスキリングの実施は企業にとってのメリットが大きいですが、個人にとっても給料アップや、学習内容に配慮した配置転換などのメリットもあることをしっかりと伝えましょう。
学習中のモチベーションが下がることを防げるでしょう。
また、企業が学習環境を整え提供することで、従業員の学びに対する姿勢やマインドが向上します。従業員同士が切磋琢磨できるため、よりリスキリングの効果も上がるでしょう。
企業がリスキリングに取り組む際の注意点

大きなメリットがあるリスキリングですが、取り組み方を間違えてしまうと、効果が得られにくくなります。
リスキリングを実施する前には、目的や対象者、スケジュールなどをしっかりと決めておきましょう。
ここでは、リスキリングに取り組む際の注意点を2点説明します。
1. 自社の課題に合うサービスを採用する
リスキリングには様々なテーマやレベルがあります。やみくもに人気のサービスを選んでしまうと、必要のないサービスに申し込んでしまうこともあります。
自社の目的を明確にし、リスキリングが必要な分野に強いサービスを採用しましょう。
2. リスキリング達成後の従業員のキャリアを検討する
リスキリングを終えた後、従業員がリスキリングで多くの貢献ができるようになれば企業も報酬アップや昇進などで応える必要があります。
リスキリングを行っても、従業員が会社に貢献したいと思わなければ、得たスキルを持って転職してしまいます。
最大限リスキリングの効果を発揮するためにも、従業員とリスキリングの目的について話し合い、キャリアアップの検討が必要です。
IT系のリスキリングを実施できるおすすめのサービス

リスキリングで学べるスキルは数多くあります。人気のスキルはIT系が多いため、この章では、ITスキルを身につけられるオンラインサービスを5つ紹介します。
自社に必要なスキルやテーマがあり、研修の管理がしやすいサービスを選びましょう。
1. 日本リスキリングコンソーシアム

日本リスキリングコンソーシアムは、国や地方自治体、民間企業などが一体となって、誰にでもリスキリングの機会を提供するという取り組みを行う団体です。
リスキリングプログラムは、2023年3月の時点で700以上に上り、初心者から上級者まで幅広く網羅されています。
トレーニングプログラムを提供しているのは、AdobeやGoogle、Microsoft、HITACHI、Yahoo! JAPANなど、その分野のトップを走る企業ばかりです。
無料の会員登録をすればすべてのプログラムにアクセスでき、レコメンド機能で自分に必要なプログラムがわかるようになっています。マイページで受講履歴も管理できるため、トレーニング状況の把握も可能です。
どのサービスを使えばよいか迷ったときは、まず日本リスキリングコンソーシアムを選ぶと間違いないでしょう。
引用元:日本リスキリングコンソーシアム
2. Aidemy

Aidemy(アイデミー)は、AIスキルを学ぶならおすすめのサービスです。
無料で会員登録をすると、AIスキルに必要な数学やPythonの入門講座を受講できます。
実務でも活用できるスキルを身に着ける場合は、3種類の有料プランが企業の規模に合わせて用意されています。
10名以上の法人向けプランのAidemy BUSINESSは、初心者から上級者まで150以上のコースを受講が可能です。
受講生の学習進捗状況の把握や、カリキュラムの管理など、管理者向けの機能も充実しているので、人材育成の効率化も期待できます。
引用元:Aidemy
3. Schoo

Schoo(スクー)には、法人向けのオンライン研修サービスとして、Schoo for Businessを提供しています。
Schooが提供している7,000本以上の動画は内容も豊富なため、幅広く学べます。
- ビジネススキル
- プログラミング
- AIスキル
- DX
- 政治
- 経済
- 金融
- 哲学
内定者から管理職まで階層に分けられているため、従業員に必要なコンテンツがすぐにわかるのも特長です。
職位や職種、テーマなどに分けられた200以上の研修テンプレートを使えば、各従業員に合った研修プログラムを組むことができます。
受講状況なども管理画面で把握もできますので、リスキリングをこれから取り入れる企業は選択肢に加えてみてください。
階層別や職種別のカリキュラムがパッケージ化されているため、社員研修に活用しやすいのが魅力です。
4. insource

insource(インソース)は、年間受講者数が65万人を突破している人気のビジネス研修サービスです。
オーダーメイドでプロの講師のセミナーを受けられる講師派遣研修や、会場型の公開講座、動画教材の3種類の受講パターンがあります。
力を入れたいものは講師派遣、日々の学びには動画教材を使用するなど、使い分けも可能です。
研修内容は、IT人材の育成からビジネスマインドまで多岐にわたり、Office・OAスキルや文書・資料作成などの実務にすぐに役立つ内容があるのが特長です。
SDGsやハラスメント防止など、今クローズアップされているビジネス課題についての研修も豊富なので、自社の課題をピンポイントで解決できる人材を育てられます。
引用:insource
5. Pathfinder

Pathfinder(パスファインダー)は、Salesforce社とDeloitte社が共同で始めたDX人材育成プログラムです。
受講者は全員、Salesforce社が提供するSalesforce技術基礎トレーニングと、Deloitte社が提供するCRM(顧客管理)ビジネス基礎トレーニングを約3か月で学びます。
Salesforce認定アドミニストレーター資格試験の合格を目指します。
試験の合格者のみ2か月間の総合演習を受講し、実践力を強化することができるため、目標を持って学べるのが、大きな強みです。
基礎トレーニングから総合演習までの受講費用は無料で提供され、Salesforce認定アドミニストレーター資格試験を半額で受験できます。
引用:Pathfinder
リスキリングで従業員のキャリアアップと人材不足の課題を解決
この記事では主に、リスキリングで学ぶべきスキルや、リスキリングのメリットと注意点を解説しました。
実際に学べるおすすめのサービスについても説明しましたので、すぐに実践できるようになっております。
リスキリングはIT系人材不足の解消や生産性の向上などを期待できますが、自社の目的やビジョンに合ったものでなければ効果が薄くなってしまいます。
なぜリスキリングが必要なのかをよく考え、従業員にもキャリアアップの道が開けることを十分に伝えたうえで実施しましょう。
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