
新入社員研修は、社員のスキルアップや職務遂行能力の向上に向けて重要な役割を果たします。
しかし、研修の目的が明確でないまま実施されてしまうと、効果が薄れてしまうことがあります。
- 新入社員が基礎的な知識スキルを習得
- 現場で即戦力となるように育成
- 企業理念の浸透
- 将来のリーダー候補の発掘・育成
新入社員研修は、このような様々な目的が挙げられます。
本記事では、新入社員研修の5つの目的とは?目的達成のためのポイントを詳しく解説します。
新入社員研修の5つの目的

まず、新入社員研修の5つの目的をご紹介していきます。
企業の考え方や価値観の共有
1つ目の目的は、企業の考え方や価値観の共有です。
新入社員が企業の考え方や価値観を浸透させることで、企業の方向性に沿って自発的な行動ができるようになります。
つまり、企業の考え方や価値観、行動基準など『企業理念』を浸透させることで自身の意思で行動する土台をつくります。
企業理念は、一回の研修で完全に浸透はしないでしょう。
定期的に繰り返し段階的に理解を深め、行動に落とし込むことが重要です。
業務の基本的なスキル・知識の習得
2つ目の目的は、業務の基本的なスキル・知識の習得です。
各部署ごとに必要とされるスキルや知識は異なりますが、ビジネスマナーやコミュニケーション能力などは全ての業務に必要なものです。
新入社員が業務の基本的なスキルを習得することで、すぐに業務に取り組むことができるようになります。
- ビジネスマナー
- PCスキル
- コミュニケーションスキル
- プレゼンテーションスキル
- 報連相(報告・連絡・相談)
このような、さまざまなスキルや知識を習得することも目的の一つです。
会社のルール・規則の理解
3つ目は、会社のルール・規則の理解です。
会社のルール・規則の理解を研修で学ぶことで、新入社員が会社で働く上で必要なルールを理解し、適切な行動を取ることができるようになります。
- 労働基準法の労働時間
- 休憩時間のルール
- 社内でのマナー
上記を正しく理解することで、道徳的な行動や法令遵守に意識を向けることができるようになります。
先輩社員とのコミュニケーションの促進
4つ目の目的は、先輩社員とのコミュニケーションの促進です。
このような取り組みは、業務に必要な知識やスキルだけでなく、実務で生じる問題や課題に対する解決策やアドバイスを先輩社員から受け取ることができます。
同時に、先輩社員も新入社員に対して業務や企業理念を教えることで、自身の仕事や企業の使命感を再確認することができます。
また、相互的のコミュニケーションを通じて、新入社員と先輩社員の相互理解を深めることができるため、より良い職場環境を実現することができます。
新入社員のモチベーション向上
5つ目の目的は、新入社員のモチベーション向上です。
新入社員研修で先輩社員や上司との交流を促すことは、新入社員のモチベーション向上につながります。
先輩社員や上司からアドバイスやエールをもらえることで、新入社員は自分の役割や貢献度に自信を持つことができます。
また、研修内容や進め方によっては、新入社員が会社や業務に対する印象が変わります。
研修が退屈だったり内容が実践的ではなかったりすると、新入社員のモチベーションが低下する可能性があります。
そのため、新入社員が自身のスキルアップや成長を実感できるようにすることが大切です。
新入社員研修の目的を決める4つのポイント

ここまで新入社員研修の5つの目的を解説してきました。
新入社員研修の目的を整理したら、自社で新入社員研修行う目的を選定していきます。
これは、新入社員研修の目的は、企業によって実施する目的が大きく異なるからです。
「自社がなぜ、新入社員研修を実施するのか」という目的を選定する際に意識して欲しい4つのポイントを紹介します。
研修後の振り返り方法を同時に考える
新入社員研修での目的を決める際には、研修後の振り返り方法も一緒に考えましょう。
研修をただ行うだけでは目的を達成できません。
新入社員が基礎的なスキルや知識を身につけ、実践に活かせるようにするために、以下のような研修の効果を検証する方法を決める必要があります。
- 研修の効果が出たかどうかを確認
- 改善すべき点やフォローが必要な問題の洗い出し
例えば、販売や営業の場合は電話応対や名刺交換、挨拶の仕方などのスキルを数値化し、採点するスコア表を作成するなどが挙げられます。
このように、PDCAサイクルを回して研修の精度を高めることで、社員のスキル向上することが可能です。
研修後にどうなって欲しいのか明確化
新入社員研修の目的を決まる際は、研修後に新入社員にどのようなスキル・知識を身につけてほしいのかを明確にすることが重要です。
具体的な習得レベルや必要な基礎知識、スキルをイメージし、未来の姿から逆算することで研修プログラムの内容が明確になります。
ただし、新入社員研修は基礎学習の場であるため、応用力を養うためには継続したフォローアップ研修が必要です。
将来、自社で活躍できるように段階的に指導するために、初めの研修プログラムを慎重に構築しましょう。
「今」すべき内容かを見極める
新入社員研修の目的を決める際は、そのカリキュラムは「今」すべき内容かを見極めることが重要です。
新卒採用の社員は社会人経験がないため、短期間で完璧に習得することは不可能です。
あまりにも多くのことを詰め込み過ぎると研修の効果が薄れてしまうため、優先度の高いものに集中し、段階的に目的や目標を達成できるように研修内容を構築しましょう。
フォローアップ研修の必要性を認識する
新入社員研修はあくまでも基礎を学ぶ場であり、応用力を養うためには継続的なフォローアップ研修が必要です。
研修後にすぐに応用することができなくても、定期的なフォローアップ研修で復習や応用力の向上を図ることができます。
フォローアップ研修を実施することで新入社員が自社のビジネスや文化に馴染みやすくなりますので、社員定着率の向上にもつながります。
よって、新入社員研修を実施する際には、フォローアップ研修の必要性を認識し、その計画も含めた研修プログラムを構築することが重要です。
よく行われる新入社員の研修内容

ここからは、よく行われる新入社員の研修内容をご紹介していきます。
- 企業理念や経営方針に関する研修
- 業務に必要なスキルや技術に関する研修
- マナーやコンプライアンスに関する研修
企業理念や経営方針に関する研修
新入社員には、研修で企業理念や経営方針について理解を深めてもらうことが重要です。
新入社員は入社前に調べた情報だけでは、実際に働いている社員の考え方や企業の深いところまでを知ることはできません。
そのため、企業理念や経営方針に関する研修が必要になります。
具体的には、以下のような内容が研修で取り上げられることがあります。
- 企業が新入社員に期待することや求める姿勢
- 信頼できるビジネスパーソンとしての心構えやマナー
- 仕事の社会的意義や責任の重要性
- 企業の存在意義やビジョンを理解する
上記を研修でしっかりと理解して自身の行動に落とし込むことで、新入社員は会社の目的や方向性に共感し、モチベーションを高めることができます。
業務に必要なスキルや技術に関する研修
業務に必要なスキルや技術に関する研修は、実践的なスキルを身に付け、すぐに業務に貢献できる人材を育成します。
内容は部署ごとに異なりますが、営業部署でのアポイントメントの取り方のロールプレイングなど、具体的な業務に必要なスキルを習得します。
また、取引先や業務フローについても学び、業務にすぐに取り組めるようにします。
技術に関する研修としては、基本的なツール(ExcelやPowerPoint)の使い方からより専門的なスキルまで、業務に必要な幅広い知識を身に付けます。
上記を行うことで即戦力となるため、早期に成果を上げることができるようになります。
マナーやコンプライアンスに関する研修
マナーやコンプライアンスに関する研修では、ビジネスにおける信頼関係を築くために必要なマナーを学び、実践することが求められます。
新入社員は、アルバイトなどで習得した最低限のマナーは学んでいますが、会社の業務に必要なマナーも全て学ぶ必要があります。
また、コンプライアンスに関する研修は、新入社員に遵守すべき規範を理解し、実践することを同時に促します。
このようなコンプライアンスを遵守することは、企業で働く上で欠かせない重要な行動です。
新入社員にとって、“当たり前”と思っていたことがコンプライアンスに反する場合もあるため、正しい理解と行動を促すためにも研修で取り入れていきましょう。
新入社員研修の目的達成のためのポイント

新入社員研修の目的達成のためのポイントをご紹介します。
- 新卒採用と中途採用は異なる研修をする
- 受け身の学習だけでなく、積極的な発信や表現を促す
- 同期や先輩と交流する機会を設ける
新卒採用と中途採用は分けて考察する
ポイント1つ目は、新卒採用と中途採用は分けて考察することです。
新卒社員には、社会人としての基本的なマナー、マインドセット、身だしなみ、敬語の使い方などの研修が必要です。また、業務に必要なスキルも身に付ける必要があります。
一方、中途採用の社員は即戦力を求められるため、目標設定や業務に必要なスキル、事業概要の理解など、実践的な内容の研修が重要です。
特に中途採用の研修では、自社の業務の進め方を理解することが重要です。
企業によっては、仕事の進め方が異なる場合があります。
中途社員は職場環境に馴染めずにいると、力を発揮できなかったりすることもあります。
そのため、業務の進め方に関する研修は分けて考えましょう。
新卒社員:社会人になるための基本的な研修
中途社員:実践的な内容の研修
アウトプットの機会もしっかり与える
ポイント2つ目は、アウトプットの機会もしっかり与えることです。
新入社員研修では、研修で学んだビジネスマナーを実践できない新入社員が出ることがあるため、アウトプットも含めたトレーニングを行うことが重要です。
とくに、研修で学んだことを実践しないまま現場に出ると、業務遂行に支障が出る可能性があります。
実践的なトレーニングを含め、新入社員が業務にすぐに適応できるようトレーニングを行いましょう。
また、研修中に「失敗」を経験することで、新入社員が現場での適応を早めることができます。
受け身の学習だけでなく、積極的な発信や表現を促していきましょう。
コミュニケーションを円滑にする場を設ける
ポイント3つ目は、コミュニケーションを円滑にする場を設けることです。
新入社員研修において、同期や先輩とのコミュニケーションを円滑にするための場を設けることはとても重要です。
新入社員は、業務に関して分からないことがあれば、先輩に相談することが必要です。
しかし、先輩とのコミュニケーションがうまくいかないと、質問を躊躇してしまう場合もあります。
そのため、新入社員研修は、同期や先輩とのコミュニケーションを深めるための良い機会です。
部署に配属された後も相談しやすい環境を作っておくことも重要で、研修中は新しいことを学ぶだけでなく、同期や先輩との交流を促し、距離を縮めることが大切です。
まとめ|新入社員研修の目的は自社について深く理解してもらうこと

新入社員研修の目的は、企業によって様々ですが、大きくまとめると自社について深く理解してもらうことです。
また、入社後すぐに業務に取り組んでもらいが故に、必要な基礎知識・スキルを習得させることだでに注力してしまいがちですが、以下の目的達成も重要になります。
- 企業の考え方や価値観の共有
- 会社のルール・規則の理解
- 先輩社員とのコミュニケーションの促進
- 新入社員のモチベーション向上
このような目的を達成するために、それに基づいた研修カリキュラムを構築することが、新入社員の育成につながります。
自社のビジネス目標や戦略に沿った新入社員研修を行い、企業の発展につなげていきましょう!

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