
商品を売り、会社を成長させていくためには多くのことを考える必要があります。商品の開発や製造の効率化、人事制度や組織文化などの人間関係、もちろん資金調達やコスト削減といったお金のこと…。
そんな中、
「本を読んで勉強しても、なかなか集客できない…」
「どうやって社員のモチベーションを上げたらいいの?」
「行動しても全然結果が付いてこない…」
などとお悩みではありませんでしょうか?
実はその多くは、事業を成長させていく上で「会社がどの段階にいるか」と「何にフォーカスすべき」かが明確化されず、現状で必要なアクションと、実際の行動にズレが生じていることが原因で起きているのです。
本記事では、マーケティング施策を適切に実行する上でも重要な、コーポレートライフサイクルについて分かりやすく解説します。
コーポレートライフサイクルを理解して「今やるべきこと」が明確になれば、無駄な費用・リソースを割かずに最短距離で事業拡大を進められるようになります。
コーポレートライフサイクルとは
コーポレートライフサイクルとは、事業が生まれ、成長してピークに至り、そこから衰退を始め、最終的にどのように終焉を迎えるかという一連のプロセスを、段階ごとに分けて体系化した考え方です。
マーケティングにおけるプロダクトライフサイクルの概念を、商品から事業全体に置きかえたものと考えれば、想像しやすいかもしれません。
コーポレートライフサイクルでは、このプロセスをより明確にするために、段階を9つのステージに分けて考えます。
ステージを細分化することで、より具体的に現状を把握できるので、現在抱えている課題や、それに対して必要なマーケティング施策や営業活動、社内の組織化などもより具体的に考えられるようになります。
9ステージついて解説
それでは、コーポレートライフサイクルの9つのステージを、1つずつ見ていきましょう。
シード
まずは事業の種まきを行う段階です。シードで何よりも重要なのは、「勝ちパターンの言語化」になります。
勝ちパターンとは、試行錯誤を繰り返して商品を売る力、上手くいくマーケティング方法を作りあげることです。集客や収益向上の原理原則を学び続けることで、顧客にとって何が価値があるのかを理解していくのがこの段階です。
スモール
勝ちパターンの言語化の次に重要なことは、これさえ売っていれば儲かるという「中核商品」に集中することです。
スモールの段階では、「誰に、何を、どのように売るかという流れ」を改善し、ビジネスプロセスを最適化することで、勝ちパターンを強化していきます。中核商品の言語化ができれば、社内のメンバーのやるべきことへの道筋も明確になるので、モチベーションの向上にも繋がりますね。
逆にこれができていない状態でいくらマネジメントや、組織の自動化に注力をしても、中々成果には繋がらないでしょう。またミッションやヴィジョンといった経営理念を持ち、どの方向に進むかをしっかり考えておくこともスモールにおいて大事なポイントになります。
グロウ
グロウは最適化された勝ちパターンを、いよいよ最大化させていく段階です。
ここで必要なのは「強いリーダーシップを発揮する」ことです。そのためには実行不全を解消することが重要になります。
やると言ったことをやらなければ、メンバーの信頼や士気も下がってしまいますよね。そうならないためにも、グロウではミッションとヴィジョンに基づいてやるべきことを徹底的に実行することで、売上と収益を限界まで最大化することが求められます。
マネージ
リーダーシップを発揮して勝ちパターンが最大化されたら、次のステージはマネージになります。マネージでは、社内のメンバーそれぞれが同じ理念に基づいて行動するための組織化を行います。
ここで特に重要なことは、人間関係と人事制度を両立するための理念を浸透させる影響力です。一人ではなく、組織全体のベクトルが同じ方向を向いていれば、そのエネルギーは絶大です。
これまで売上・収益の向上に注力していたところを、業務プロセスやマニュアルなどを整備をすることで、組織的に利益が出る体質づくりに移行していくことが必要になります。
ピーク
ここまでの流れがうまくいけば、事業は一度ピークを迎えます。しかしこの段階には、あとは右肩下がりに落ちていくだけという危険性も多分に含まれています。
そうならないために重要なのが、「道徳による経営管理」です。絆徳経営、すなわち経済的な合理性と道徳的な理念を組み合わせることで、モラルによってお互いを支え合うような組織を構築することで、経営者は事業を社員に任せて新しい事業の創出に注力できます。
絆徳経営が実現すれば、進化、成長し続ける会社「ブレイクスルーカンパニー」になる道が開けるのですが、多くの会社はここで躓き、コーポレートライフサイクルの終焉へ向かうステージへと進んでしまいます。
メイズ
メイズとは迷路という意味です。事業を成功させるために必死で打ち込んできた人の多くは、ピークを超えると迷いが生まれてしまいます。
「なんのためにやっていたのか?」
「そもそも何がしたかったのか?」
こうした根源的な問いが生まれ、経営者の多くは精神世界へと傾倒を始めます。
しかし精神世界への理解を深めることは決して悪いことではありません。それにより人間理解がさらに深まれば、新たな事業や人生の方針を定められるからです。
次に向けた方針を決めることがメイズでは重要で、新たなステージに進めるかどうかのターニングポイントになります。
エイジング
事業を続けるか、閉じるか、正念場の段階です。エイジングでは、どのように会社を落ち着かせるかを決断するまでの間、負債を残さないように事業規模の縮小やリストラを行いながら、持ちこたえることが重要になります。
ただこの段階から復活できれば、大きな成長につながるので、全てをネガティブに捉える必要はないでしょう。ピンチをチャンスに変えることが大事なポイントですね。
ターミナル
もう自分一人ではどうにもならない段階、それがターミナルです。
力になってくれる支援者を探して、どのように事業を閉じるかを考えることが必要です。ターミナルでは、支援者に対していかに謙虚な姿勢で相談できるか、手を差しのべてくれる人の話をちゃんと素直に聞き入れられるかどうかが重要な鍵になります。
エンディング
法的な手続きを終えて、事業は終焉を迎えます。
しかし事業の終わりは人生の終わりではありません。これからの人生や次のビジネスに向けた新たな一歩を踏み出すこと、この段階では前に進む勇気と、未来への希望を持つことが何よりも重要になります。
成長している企業のサイクル
ここまでコーポレートライフサイクルの流れについて段階ごとに解説してきましたが、メイズから先のステージに進むにつれて、気分が段々と落ち込んでしまう人も多いかもしれません。
いくら「どのステージにいてもそれが終わりではない!」と言われても、できればエンディングを迎えることなく会社を経営していきたいですよね。
ではコーポレートライフサイクルの流れを踏まえて、具体的に何を考えて、どう対策を練ればいいのでしょうか?
成長し続けるためのサイクルとは?
実は成長している会社は、スモール→グロウ→マネージのサイクルを繰り返しています。
ピークまで到達すると、あとは右肩下がりで落ちてしまいます。なのでマネージまできたら、もう一度スモールに戻ればいいのです。
まずは「これを売っていれば儲かる」という中核商品を作り、勝ちパターンを確立します。その流れを最適化、最大化してから、自分がいなくても事業が回る状況を社内で組織すれば、自分の手が空きますよね。
そこでもう一度スモールに戻って新しい事業を考えれば、1つの事業がピークを過ぎてメイズへ進むタイミングで、新しい事業がピークを迎えられます。このサイクルを繰り返せば、会社はエンディングを迎えることなく、常に成長を続けられるようになります。
もし会社がピークを過ぎていたら…
すでにメイズやエイジングの段階にいる会社も中にはいるかもしれません。それでも諦めるにはまだ早いです。
そこからスモールに戻って、新たな中核商品ができればチャンスは残されています。もし自社で中核商品が作れなければ、他社の売りやすい商品を代理店として売ることも可能です。
例えばチラシやDMを扱っていた印刷会社が、WEBマーケティングの会社と協業して事業をWEB領域まで広げたり、フィールド営業の代行をしていた会社が、それまでの営業ノウハウを活かして、ITソリューションの販売代行を始めることもできます。
新しい事業の可能性は、アイディア次第でいくらでも考えられます。現在メイズやエイジングにいる人達は、柔軟な発想でマーケティングを行い、新たな突破口を探しましょう。
まとめ
コーポレートライフサイクルは、事業やマーケティングを成功に導くための重要な概念です。
しかし一番大切なことは、このサイクルの中で
「今自分がどの段階にいるのか」
「何にフォーカスすべきなのか」
をしっかり考えることです。
事業の現在地を把握して、どのようなチャンスや課題、問題があるのかをそれぞれ明確にすることで、今一番必要なアクションを考えられるということですね。
皆さんもコーポレートライフサイクルを正しく理解し、成長し続ける会社を創っていきましょう。
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