
絶え間なく変化し続ける社会や環境に適応し続け、会社経営を成功させることは簡単なことではありません。
経営者の能力や考え方は、今後の事業継続や発展に大きく影響します。
そのため、次のようにお考えの方も多いのではないでしょうか。
- 経営者として十分なスキルを持っているのだろうか
- どういう能力が求められているのか知りたい
- 経営者のスキルを磨くことはできるのか
本記事では経営者に求められるスキルと知識はもちろん、スキルの磨き方についてご紹介します。
経営者としてやるべきことについても触れています。これから経営者を目指す方もぜひ参考にしてください。
経営者の役割とは

企業規模によって多少の違いはありますが、経営者の役割は主に次の5つです。
- 事業における意思決定
- 資金配分の決定や資金調達
- 人材の配置
- 社内の環境づくり
- 事業の推進
経営者は、顧客や自社の従業員、そして社会に対して自社の価値を提供しつつ会社を進化成長させなくてはいけません。
中小企業の場合は広く管理することを余儀なくされることが多いです。
経営者自身が得意先周りなど営業活動を行ったり、直接人材採用を行ったりなど幅広い業務を行うこともあるでしょう。
日々の忙しい業務に加えて、重要な決定も行う必要があります。
トラブルや課題が発生した場合には課題解決のために状況をしっかり把握し、必要なプロセスを経て会社と従業員を守らなくてはいけません。
経営者に必要な7つのスキル

経営者には年齢や学歴などの条件はありません。しかし、次のようなスキルはどうしても求められてくるスキルだといえます。
経営者に求められるスキル7つについて解説します。
先見の明
経営の神様とも呼ばれる松下幸之助氏は、経営者が持つべき先見性について次のように語っています。
「先見性を持てない人は指導者としての資格がない」
優れたリーダーは先見の明を養うことを心がけています。
常に変化に敏感になり、物事を先読みする能力が求められるのです。
特に現代社会においては、過去に類を見ないくらい急激に技術革新やグローバル化などが進んでいます。
2020年からは世界規模の新型感染症が拡大し、先行きが読めない時期が長く続き先を見通す力がなければ生き残ることが難しくなっているのです。
このような社会の中で、企業を維持・発展させるためには先見力は欠かせないスキルでしょう。
松下幸之助のリーダー論について詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
論理的な考え方
経営者に限らず、ビジネスパーソンにとって論理的思考力を身につけることは非常に重要です。
かつては力のあるトップによる感覚的な判断でも成功する事例は数多くありました。
しかし、時代の流れが速く、さまざまなことが複雑に絡み合っている現代では「複雑なものを整理して体系的かつ合理的に考えること」が求められます。
状況を冷静に判断し、分析を行って的確な判断を下さなくてはいけません。
経営者は常に現場を直接見ているわけではありません。社員からの報告やデータを基にロジカルに考え整理する必要があるため、高い論理的思考力が求められるでしょう。
判断力と決断力
経営者の判断と決断が企業の成長と衰退を左右します。リーダーが迅速に的確な判断を下すことで、社員も積極的に動くことができるでしょう。
会社を成功に導くためにはスピード感のある判断と決断が求められます。
正しい方向に判断するためには基準を持つことも重要です。基準がなければ適切な判断を行うことができず、周囲を動揺させることにも繋がるからです。
基準を持つ上で考えるべき点は次の2点です。
- 論理的基準
- 非論理的基準
論理的基準とは、数字や事例など合理的に目に見える形で理解できる基準のことです。
非論理的基準とは、目に見えない道徳的なものを基準にすることです。
カリスマ経営者であった稲盛和夫氏は「人間として正しいこと」を判断基準としていたと言います。
お客様と道徳的な絆を結べるかどうかは企業にとっても非常に重要な判断基準と言えるでしょう。
究極のマーケティング「絆徳経営」については次の記事を参考にしてください。
実行に移す行動力
リーダーに行動力がなければ事業は停滞し衰退することになります。
経営者の実行力が高ければアイデアを形にすることもでき、結果が出るのも早くなります。
出た結果の検証も迅速に行えるため、次の行動にも素早く移ることができるでしょう。つまり、PDCAを速く回し、よりよい成果を出すことにつながります。
会社の課題や問題が発生した際もすぐに対策を講じることが可能ですので、積極的に取り組んでみてください。
トップとしてのヒューマンスキル
ヒューマンスキルとは、周囲と良い人間関係を作り上げ、円滑なコミュニケーションを実現する能力のことです。
ビジネス上でも「コミュニケーション能力」が重要と考えられていますが、ヒューマンスキルはより多くの能力が求められます。
ヒューマンスキルは次の7つの要素によって構成されていると言われ、組織の中でマネージャー層にとっても非常に重要です。
・リーダーシップ
引用元:グロービス経営大学院
・コミュニケーション能力
・ネゴシエーション能力
・プレゼンテーション能力
・コーチング能力
・ヒアリング能力
・向上心
これらの能力を高いレベルで習得していれば、次の内容がスムーズに取り組んでいけます。
- 部下の育成
- 周囲との協働
- 社員のモチベーションアップ
- 社外との交渉や協力関係の構築
結果として会社の繁栄に結びつくことになるでしょう。
資金調達力
企業経営に資金は欠かせません。経営者の大切な仕事の一つが「資金調達」です。
新しい商品の開発にもお金が必要ですし、優秀な人材も資金力がなければ獲得できないのです。
資金を集める方法は、「自己資金」「銀行からの融資」「出資を受ける」などがあります。
国や自治体などからの補助金や助成金など、資金を集めるために必要な情報収集も重要です。
資金調達が必要かどうかを検討し、最適な方法での調達を判断しなくてはいけません。
変化への柔軟性
経営者は固定観念にとらわれず、柔軟な考え方と対応能力が求められます。
時代とともにビジネスも大きく変化します。その流れに対応することが事業を発展させることにもなるのです。
経営者自身が常に学び、新しい情報をインプットすることもとても大切でしょう。
会社全体が柔軟であることも重要です。そのためには、企業文化として次の風土を取り入れるのも有効です。
- 自己啓発や学習のプログラムを取り入れる
- アイデアを出しやすい環境を作る
- 新しい挑戦を奨励する文化を作る
経営者が身に着けておくべき知識

経営者は幅広い分野の知識を習得することも大切です。
すべてにおいて精通している必要はありませんが、最低限の基本的知識は必要となるでしょう。
財務・会計知識
経営者にとって会社の財務状況を把握することは不可欠です。そのためには、会計の知識を持っていることは必須となります。
優秀な会計士や経理担当者がいたとしても、最終的な決定をするのは経営者の役割です。知識がない状態で、スタッフに丸投げすることは絶対に避けなくてはいけません。
ただし、細かい実務で使うような簿記知識を習得する必要はないでしょう。
決算書を読み解き、自社の経営課題を把握できるように、次の「財務三表」は理解しておくことが必要です。
- 貸借対照表(B/S) 資金の推移を理解する
- 損益計算書(P/L) 収益性の確認
- キャッシュフロー計算書 現金の流れを把握する
財務と会計を理解し、自社の状況を客観的に把握することで的確な経営判断を下さなくてはいけません。
幅広い経営知識
役割分担されている社員とは違い、経営者には経営に関する幅広い知識が求められます。
企業運営にかかわる基本的な知識としては、経理や財務、人にかかわる人事関連、契約にかかわる法務関連などです。
戦略を組むためのマーケティング知識も必須になりますので、現代社会においては情報リテラシーも欠かせないといえます。
そのため、基本知識に加えてリーダーとしてのスキルも必要となります。
- 経営者としてのマインドセット
- リサーチ力
- リスク管理
- 事業計画の策定
それぞれの分野において専門の人材がいるかもしれませんが、経営者自身が広い視点で経営を理解することがとても重要です。
自社知識
会社を運営するにあたって自社のことを深く知っていなくてはいけません。
提供している商品やサービスのことを理解しつつ、会社全体のことを包括的に認識することも重要です。
- 会社の強みや得意分野
- 自社の苦手な分野や改善点
- 成長発展の可能性、チャンスのある市場
- 競合や市場環境の脅威
自社のことをより深く知るために、SWOT分析を行うことが非常に有効です。
詳しく解説している記事をご紹介しますので、ぜひご覧ください。
経営者スキルの磨き方

前述したスキルが不足していると感じている場合、磨く必要があります。また、既に持っていたとしても磨き続けることが大切でしょう。
スキルを磨くために大切なことを2つご紹介します。
コミュニケーションを大事にする
うまくいっている経営者は周りとのコミュニケーションをしっかり取っています。
コミュニケーションを取る目的は、円滑に仕事を進めるためだけではありません。
- 経営者のビジョンや目標を社員に共有する
- 課題を早期に発見する
- お互いに理解を深める
- モチベーションを上げる
コミュニケーションを活性化させることで会社全体がフラットになり、同じ目標に向かうことができます。より高い成果を出すためにも経営者自らが率先してコミュニケーションをとることがとても大切です。
コミュニケーションの中で会社や自分自身に足りないことも見えてくるということです。
常に自己変革を図る
自己変革とは、現状に留まるのではなく積極的にチャレンジして生き方や考え方を変えることです。
変化の早い社会の中で、同じ状況が続くことはあり得ません。変化に対応していくためにも困難な状況を受け入れ、自分自身が変わる勇気を常に持ち続けることが必要です。
経営者自身が変化を恐れない姿勢を示すことで、会社全体に自己変革の波を起こすこともできるでしょう。
時代に会社を合わようとするだけではなく、変化を見越してさらに発展させようと前進していく姿勢を常に問われます。
社の中で先陣を切って自己改革をしていく意欲を持ち続けましょう。
経営者がやるべきこと

経営者は会社の方向性を決める重要な役割を持っています。
社員が主体的に仕事をするためにも、経営者がリーダーとして示すべきものがあり、実行するためにも周りとの良好な関係を作ることが非常に重要です。
経営理念・ビジョンを明確にする
経営者は会社が目指している方向を示さなくてはいけません。理念がなければ社員が何に向かって行動すればよいかわからなくなるからです。
理念やビジョンがはっきりしていれば、何か問題が発生した時にもやるべきことが明確になりやすいでしょう。
会社が「何をしようとしているのか」、そして「なぜそれをするのか」この2つをはっきり示すようにしましょう。
周囲との信頼関係を構築する
企業のトップとして周囲と信頼関係を築くことはとても大切です。
お互いに信頼できなければ仕事を任せることもできませんし、新しい分野への挑戦や難しい課題に取り組むこともできないからです。
社員が経営者の考えを支持していない場合、社員のモチベーションや士気の低下につながり、円滑な企業活動が難しくなります。
かつての日本企業のように力のあるリーダーの考えだけで経営を行うのではなく、周りと協力関係を築いていくことが求められます。
まとめ

経営者は実践的なスキルに加え、経営に関する知識を持つことも求められます。
今はまだ足りないと感じるものもあるかもしれませんが、企業発展のためにも学び続けることが重要です。
どうしても苦手な分野があるという方もいるでしょう。しかし、自己変革を恐れず積極的に挑戦していく姿勢や考え方が、会社全体に良い波を起こし、企業の発展に繋がるはずです。

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