「あなたから買いたい」を増やす|営業力が上がるNLP活用方法3選

最終更新日: 2023/04/21 公開日: 2023/04/28

ビジネスで売上を増やすためには、当たり前のことですがお客様に自社の商品やサービスを買っていただかなくてはいけません。

そのために必要不可欠なのが営業力の向上です。

とはいえ「営業が好きじゃない」という方も少なくありません。

  • 「営業は得意ではない」
  • 「コミュニケーションが苦手」
  • 「話は得意だが、購入に至らない」

このような悩みを持つ人は、ぜひこの記事からNLPを学んでみてください。

適度に取り入れやすい事例や手法を解説しつつ、お客様の心をとらえ、よりよい関係を構築しながら売上を伸ばす実践方法について解説していきます。

NLPとは

NLP はNeuro-Linguistic Programming(神経言語プログラミング)の略で、「現代の魔法」とも呼ばれています。

1970年代にアメリカの言語学者ジョン・グリンダーと数学者リチャード・バンドラーによって提唱されたパフォーマンス向上ツール、それがNLPです。

心理療法の分野で天才と言われていた3人の手法を基に、「言葉の使い方」や「非言語の使い方」「無意識やイメージの活用方法」を科学的に分析し、体系化した実践型の心理学となっています。

NLPを使うことで、高い能力を発揮する人がどうやって成果を上げているのかがわかるようになっていきます。

うまくいく人といかない人の違いを知ることが大切だということです。「成功パターン」を客観的に学び取り、自分に落とし込むようにしていきましょう。

NLPでは、人間の五感を刺激する方法が身につきます。

  • 視覚
  • 聴覚
  • 嗅覚
  • 味覚
  • 触覚

これら五感について学んで脳の仕組みの理解を深めることで、人間の中に組み込まれているプログラムや習慣を書き換えることも可能になります。

ビジネスマンがNLPを学ぶメリット

NLPを学ぶことで次のようなことが可能となります。

  • 自他の感情や思考、行動のコントロール
  • 相手のパフォーマンスやモチベーションの向上
  • 良質な信頼関係の構築
  • 成功者の共通点の分析・実践
  • 心の仕組みが理解が深まる
  • 問題解決の時間短縮

さらに、ビジネスで重要な「目標設定と目標達成」「コミュニケーション力の向上」にも役立ちます。

この2つについて詳しく解説します。

目標設定と目標達成

NLP式目標設定は次のように行います。

  1. 肯定的な表現をつかう
  2. 自分でコントロールできる範囲で考える
  3. 達成した感覚を五感で表現する
  4. 数字を入れて具体的に
  5. 目標を達成した先に得られる価値や可能性を見出し設定する
  6. 目標達成による周囲との良いバランスを考える

目標設定でのポイントは「肯定的な表現」という点です。達成したイメージを感覚的に行うことで、セルフイメージ(自分に対する思い込み)を高めることができるでしょう。

セルフイメージが上がると目標達成能力が高まるとも言われています。

コミュニケーション力の向上

ビジネスにおいて他者とのコミュニケーションは欠かせません。特に営業の場合はお客様と直接話す場面も自ずと増えることでしょう。

コミュニケーションスキルの向上により、成果もあげやすくなります。

NLPを学ぶことで、相手を観察する力が身に付きます。観察力が上がると、次にどういう行動をとればよいのかがわかり、相手との対話をスムーズに進めることができるでしょう。

コミュニケーションが苦手な人は相手に意識を向けず、言葉にならない感情や態度に気づけないことがあります。

相手の世界観を尊重し、柔軟に対応できれば非常にスムーズなコミュニケーションが取れるようになります。

NLPで営業マインドを整える

NLPはセラピーやメンタルトレーニングにも使われる手法なので、自分自身のモチベーションを上げることにも役に立ちます

NLPを活用して考え方やセルフイメージを整えられると、営業活動においてお客様に対しても前向きに臨めるようになるでしょう。

ここではマインドを高める方法を2つご紹介します。

理想の営業マンになりきる「モデリング」

モデリングとは、結果を出している人や理想とする人の真似をすることを言います。

自分が望む結果を既に出している人の行動パターンや考え方などを真似て、同じような結果を得ようとするものです。

モデリングすることで次のような効果が期待できます。

  • 発言力が高まり効果的なプレゼンができるようになる
  • やる気が出て、行動力が身につく
  • 問題が発生した際も冷静さや柔軟性を発揮することができる
  • リーダーシップや指導力がつく

多くの一流といわれる経営者は「モデリング」を大切にしています。

モデリングのやり方

モデリングのやり方を簡単に解説します。

1.得たい結果を設定する

例)「プレゼンがうまくなりたい。自信をもって話せるようになりたい」などのビジョンを設定します。

2.モデリングする人を設定する

成果を出している人や目標を達成している人を探します。

3.モデルとなる人に入り込むイメージ

モデルとする人を徹底的に観察し、実際にその人の中に入り込むイメージをします。

着ぐるみに入るような感じで、モデルになり切って五感を使って感じてみましょう。

5.イメージの通り動いてみる

実際の場面を想定して動いてみましょう。価値観や言葉遣い、姿勢などを徹底的に真似してください。

例えば、プレゼンで成功したいのであれば、その場面を想定して実際にお客様に話しているようにリハーサルしてみると良いでしょう。

3と4を繰り返し、自身の中にロールモデルとなる人の行動を染み込ませていきます。

モデリングにより短期間で得たい結果を得ることができると言われています。

物事の捉え方を変える「リフレーミング」

リフレーミングとは、フレーム(枠組み)を変えることです。つまり、物の見方や考え方を変えていきます

有名な例え話をご紹介します。

リフレーミングの例

コップに水が半分入っているとします。

「半分しか入っていない」と捉えるか、「半分も残っている」と捉えるかで状況の見え方は違ってきます。

人は何かネガティブな出来事に遭遇した際、悪い面ばかりを見てしまいがちです。結果的に行動力が落ちることもあるでしょう。

しかし、捉え方を変えて学びとすることができれば、自分自身の成長につなげることができるのです。

自身の能力を引き出すこともでき、結果を出すための原動力にもなりますので、ぜひ意識してみてください。

営業力が上がるNLP活用方法

実際に営業の場面で活用できるNLPの手法をご紹介します。

好意を持たれるためのNLP

営業で成果を上げるためにはお客様から共感を得ることが大切です。

嫌いな人からモノを買いたくないという心理が働くからです。

ではどうすれば好意を持ってもらえるのでしょう。

非言語コミュニケーションを重視する

メラビアンの法則を意識してみてください。

対人コミュニケーションにおける法則を表したもので、コミュニケーションをとる際に聞き手に深く印象を与えるものの割合を表しています。

  • 言語情報 話す内容など 7%
  • 聴覚情報 声のトーンや口調、テンポなど 38%
  • 視覚情報 外見、表情やしぐさ、話す態度など 55%

多くの人がこの法則を無視したコミュニケーションをとる傾向にあり、相手とのミスコミュニケーションを起こしています。

人は言葉以上に相手の状態や文脈から多くの情報を取り入れ判断します。相手に伝えたいことがある場合、「話の内容」を改善しようとしますが、メラビアンの法則を見ても効果的ではありません。

「見た目」や「話し方」を改善するだけで好印象を得られ、自分の伝えたいことが相手に伝わるようになるでしょう。

NLPでは非言語コミュニケーションを重視して効果的な対人コミュニケーションをとる方法が提唱されています。

営業活動においても、まずは見た目や話し方などに注意し、お客様に心理的に受け入れられる必要があります。

心を開く「開放性の法則」

「開放性の法則」とは、相手の心の内面などプライベートな部分に触れると親近感を抱きやすくなる心理のことを言います。

お客様から親しみを持ってもらうには、商品の話や仕事の話だけでなく、人間味を見せることも効果的です。

例えば、商品説明の際に自分の家族との事例を出してみたり、ちょっとした失敗談を織り交ぜてみたりすることで、心の距離が縮まります。

初対面や気心が知れていない人の心を開いて、親近感を持ってもらうために効果のある方法です。

NLPで「ラポール」を形成する

「ラポール」とはフランス語を語源とした心理学の言葉で、思考や感情が調和し理解し信頼しあっている関係のことを言います。

お客様と信頼関係を深めることができれば、「あなたから買いたい」と思ってもらえるようになるでしょう。

取り入れやすいラポール形成に効果的な手法をご紹介します。

相手の歩調に合わせる「ペーシング」

ペーシングは、ラポール形成のために行う方法で、相手の話すスピードや呼吸、声の調子などを合わせることです。

人は波長が合うと感じると、警戒心を解き心を開きやすくなります。相手が話しやすい雰囲気を作り、心地よさを感じてもらえれば信頼関係を構築しやすいでしょう。

ペーシングを実践するために必要な3つのテクニックがあります。

バックトラッキング

バックトラッキングは「オウム返し」とも呼ばれます。つまり、相手の言ったことを繰り返して言うことです。

効果的なバックトラッキングを行うことで、「自分の話をしっかり聞いてもらっている」と感じてもらうことができます。

相手は、自分の話が理解し受け入れられていると認識されるため、安心感や好感を生み出すことができるでしょう。

相手の話を理解していることを示すために、内容の事実を繰り返したり、長い文章は要約して繰り返すことがポイントです。

また、相手が発した感情表現(イライラ、ワクワクするなど)をそのまま繰り返すことも有効でしょう。

ミラーリング

ミラーリングは、相手のしぐさや動きを鏡に映しているように真似る方法です。

同じ動きをすることで、人は相手を自分と似た存在と認識します。相手の警戒心を解いて好意を感じさせることができるのです。

例えば、お客様が飲み物に手を伸ばしたタイミングで、自分も同じように飲み物を飲むといった動きが最も簡単な方法でしょう。

しかしながら、目に見えてわかりやすいものまねをすることは、反対に不信感を抱かれることにもなりかねません。

お客様が少し前のめりになったら、同じように上体を少し前にしてみるなど、さりげなく合わせる程度にすることが効果的です。

マッチング

マッチングは、相手の声のボリュームやトーンなどに合わせる方法のことです。

自分が話すスピードと相手のスピードが噛み合わず、何となく話しづらいと感じた経験がある方もいるかもしれません。

話す場の安心感を与えるためにも、トーンの高低、話すスピード、声の大きさやリズムなどを合わせることは重要です。

相手が心地よい状態で話してもらうためにもマッチングを意識することが非常に有効でしょう。

観察して気づく「キャリブレーション」

キャリブレーションはコミュニケーションにおいて相手の反応を読み取る方法のことです。前述したペーシングを効果的に行うためにも、相手を観察することは非常に大切です。

疲れていそう、何か悩みがありそうなど、わずかなサインを読み取って声をかけてあげることもキャリブレーションのポイントです。

人は、自分の本心に気づいてくれた相手に対して信頼感を持ちやすくなります。

ただし、キャリブレーションは初対面の人には使いづらい方法でもあります。何度か会っている相手に対し、前回とは違うサインを見つけることもラポールを築くためのコツです。

安心感を与えるNLP手法

信頼関係を構築した次の段階として、お客様の「YES」を引き出す必要があります。

提案を受け入れてもらうには、この人であれば安心して任せられると思ってもらうことが大切です。

では、どのように進めれば提案を受け入れてもらいやすくなるのでしょうか。

同意しやすくする「イエスセット」

人は投げかけられる質問やお願いごとに対して何度も「イエス」と答えていると、次の質問にも「イエス」と答えやすくなるという心理があります。

これを利用した交渉術が「イエスセット」です。

人は、それまでの行動や言動と一致した態度をとる「一貫性の法則」というものがあるため、この手法が有効となります。

クロージングを行う際、最後の段階で急にお客様の決断を迫ることは難しいでしょう。心理的な壁が立ちはだかるからです。

それを取り除くために、小さな質問からはじめて、階段を作るようにお客様の最終的な「イエス」を引き出します

イエスセットを効果的に使うためには、最終段階だけではなくお客様との話の中で一貫してイエスを取れるよう話すことが重要です。

  • 信頼関係を構築する段階
  • ヒアリングを行う段階
  • 実際にプレゼンをする段階

これらで「イエス」を言いやすい雰囲気作りをしたうえで、クロージング段階での「イエス」を引き出しましょう。

相手を導く「リーディング」

お客様との信頼関係が構築された段階で行うのが「リーディング」です。

それまで引き出した話から、相手の価値観や求めているものを見極めることが必要になります。そのため、信頼関係が出来上がる前では活用することができません。

リーディングを行う目的は、相手の固定観念を払拭して新たな可能性に気づいてもらうことです。

リーディングに入るポイントは、ペーシングによって相手のペースに合わせ、相手を尊重し、そして自分が話の方向性をリードします。

例えば、信頼関係を形成した後で、自社の商品の話を持ち出したとします。

お客様:○○さんが言うのなら、とても良い商品だと思うのだけど、うちには必要ないと思う。

あなた:ありがとうございます。そうですか、必要ないとお考えなのですね。差し支えなければ、後学のために必要ない理由を教えていただけますか?

このような場面は営業でよくみられるかもしれません。

必要ない理由を聞いた際、それを否定して自社をアピールするのは良いことではありません。

受け入れたうえで、さらにより良い未来になることをお客様にお伝えします。

商品を購入する、サービスを受けることによってどんな明るく豊かな未来が待っているのかを一緒に描くことが強く相手を導くことになります。

お客様の「必要ない理由」を聞き出した上で、その固定観念を打破してニーズに合う提案ができれば承諾に繋げられるようになるでしょう。

まとめ:NLPでお客様の心をつかむ

営業活動に活用できるNLPの方法についてご紹介しました。

心理学を応用させて営業を行うことは、お客様とよりよい関係を構築し売上を伸ばすために非常に有効です。

今回ご紹介した手法をすぐに使いこなすことは難しいかもしれませんが、一つずつチャレンジしてみてください。

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最終更新日: 2023/04/21 公開日: 2023/04/28