
オンラインでたくさんのデータやファイルを保存できるストレージサービスですが、提供している会社によってその機能やストレージ容量は異なります。
様々な機能がついているので、「自社に合うオンラインストレージサービスはどれなのだろう?」と、悩んだ担当者の方もいるのではないでしょうか。
今回は、2008年にサービスを開始したDropboxのメリットやビジネスに役立つ機能を解説します。
Dropboxはファイルの保存だけでなく、楽に共有できる機能やチームで効率よく業務を進められる機能など、チームで使うことを前提とした機能がたくさんあります。
ぜひオンラインストレージを選ぶ際の参考にしてください。
Dropboxとは?

Dropboxはオンラインストレージの老舗サービスです。世界180か国以上で6億人以上が使っています。
Dropboxはブラウザ版とアプリの両方があり、スマートフォンやタブレット、パソコンなど、様々なデバイスに対応しているため、自宅でも職場でも、外出中でも保存しているデータにアクセスすることができます。
Dropboxのプラン

Dropboxは個人利用、家族利用、ビジネス利用などの用途に合わせたプランがあります。
Basic、Plus、Professionalは個人利用のため、Standard、Advanced、Enterpriseはチームで使うために適したプランです。
なお、Enterpriseはチームの環境などに応じてカスタマイズできるもので、料金はセールス担当に見積もりを出してもらう必要があります。
プラン名 | 料金 | ストレージ容量 ユーザー数 |
Basic | 無料 | 2GB 1ユーザー |
Plus | 【月間払い】 1,500円/月(税抜) 【年間払い】 1,200円/月(税抜) | 2TB 1ユーザー |
Professional | 【月間払い】 2,400円/月(税抜) 【年間払い】 2,000円/月(税抜) | 3TB 1ユーザー |
Standard | 【月間払い】 1,800円/月/ユーザー(税抜) 【年間払い】 1,500円/月/ユーザー(税抜) | 5TB 3人以上のユーザー |
Advanced | 【月間払い】 2,880円/月/ユーザー(税抜) 【年間払い】 2,400円/月/ユーザー(税抜) | 5TB/1ユーザー 3人以上のユーザー |
Enterprise | セールス担当に見積り要 | 必要に応じた容量・ユーザー数 |
Basic
- 2GBのストレージ容量
- 接続できるデバイスは3台まで
- 30日以内であればファイルの復元可能
- Dropbox Transferで100MBまでのファイルを送信可能
Basicは無料プランとなります。
基本的な機能はほぼ使えますが、ストレージ容量が2GBまでしかないため、ビジネスには使いづらいでしょう。
Dropboxの友達紹介を使うと、1人紹介するごとに500MBずつ無料容量が増え、最大16GBまで使うことができます。
Plus
- 2TBのストレージ容量
- 接続できるデバイスの数は無制限
- 30日以内であればファイルの復元可能
- Dropbox Transferで2GBまでのファイルを送信可能
- 遠隔操作でデータを完全に消去可能
- ドキュメントの全文検索が可能
- 回数無制限の署名と月3回までの署名依頼が可能
Plusは有料プランの中で最安のプランとなります。ストレージは2TBの容量がありますが、デバイスの容量を圧迫しないようにスマートシンク機能がついているので安心です。
保存しているファイルが増えてくると、フォルダ分けで整理してもどこにファイルがあるのか見つけづらくなってしまいます。そのため、ドキュメントの内容で検索できる全文検索が可能です。
Professional
- 3TBのストレージ容量
- 接続できるデバイスの数は無制限
- 180日以内であればファイルの復元可能
- Dropbox Transferで100GBまでのファイルを送信可能
- 遠隔操作でデータを完全に消去可能
- ドキュメントの透かし
- メールとライブチャットで優先的なサポート
- 回数無制限の署名と月3回までの署名依頼が可能
Professionalは、個人利用の最上位プランです。ストレージ容量も送信できるファイルの大きさも個人利用なら十分な内容になっています。
Professionalでは、ドキュメントに透かし(ウォーターマーク)を入れることができ、ファイルを共有した相手に無断で利用されることを防げます。
Standard
- 5TBのストレージ容量
- 3人以上のユーザーで利用
- 接続できるデバイスの数は無制限
- 180日以内であればファイルの復元可能
- Dropbox Transferで2GBまでのファイルを送信可能
- 遠隔操作でデータを完全に消去可能
- 回数無制限の署名と月3回までの署名依頼が可能
Standardは小さなチーム向けのプランで、チーム全体で5TBのストレージを使うことができます。料金が1ユーザーあたりの月額金額となるので、人数が多くなると、費用もかさみます。
管理者向けの機能として、メンバーがデータにアクセスできる期間を設定するなどの権限設定やメンバー追加などが可能となります。
また、チームで利用していると、端末の盗難や紛失があるかもしれません。その場合でも、遠隔削除する機能がついているので安心です。
Advanced
- 必要なだけのストレージ容量を購入
- 3人以上のユーザーで利用
- 接続できるデバイスの数は無制限
- 180日以内であればファイルの復元可能
- Dropbox Transferで100GBまでのファイルを送信可能
- 遠隔操作でデータを完全に消去可能
- 回数無制限の署名と月3回までの署名依頼が可能
- ユーザーの代理ログインが可能
Advancedはチームの状況に応じて、ストレージ容量を購入するシステムです。
管理者はチームメンバーのDropboxアカウントに代理でログインできるため、メンバーが急病で休んだときなどでも業務を進めることができます。
セキュリティはより高度なものになり、ランサムウェアなどを検出した際には、アラートが立つため、すぐに対策することが可能です。
Dropboxのメリット

Dropboxには様々なプランがありますが、共通したメリットとして、ファイルのアップロードやダウンロードが簡単で、アプリをインストールしておけば、どこでもファイルを取り出すことができることが挙げられます。
この章では、5つのメリットについて解説していきます。
ファイルを安全に保管できる
Dropboxでは、ファイルを保管中も転送中も高度な暗号化が施されているため、第三者に内容を知られることはありません。
Plusからはデバイスにデータを残さずDropboxに保存でき、遠隔削除で端末を紛失したときの情報漏洩も防げます。
Dropboxに保存していたファイルを誤って削除してしまっても30日以内であれば復活させることができます。
外部の脅威からも自分のミスからも、Dropboxはファイルを安全に保管しているのです。
スマートフォンの写真を自動保存できる
Dropboxには、カメラアップロードという機能があります。
カメラアップロードとは、スマートフォンで撮影した写真を自動的にDropboxに保存される機能です。
スマートフォンにDropboxのアプリをインストールし、カメラアップロード機能を有効化するだけなので簡単に保存でき、スマートフォンの容量を気にする必要がなくなります。
大きなサイズのファイルを共有しやすい
Dropboxでは、ファイルを共有するためのリンクを発行することができます。
共有リンクを発行すると、動画などの大きなサイズのファイルもリンクを教えるだけで共有することが可能です。
なお、共有リンクを教えると、Dropboxのアカウントを持っていない人でもファイルを共有することができます。
社外のクライアントや外注先へ大きなファイルを送る際にもリンク1つを送れば済むので、メールが重くてなかなか届かなかったり、開けなかったりすることもなくなるでしょう。
Microsoft Officeをオンラインで使える
DropboxはMicrosoft Officeと連携しているため、WordやExcel、PowerPointをパソコンにインストールしていなくても、Dropboxに保存しているファイルなら、その中で編集することができます。
会社のパソコンで作業をする場合はOffice製品はインストール済みで配布されていることと思います。
在宅ワークをする際に、自宅のパソコンにOffice製品は入っていなくても、オンライン上で業務を行うことが可能となります。
多くの他社サービスと連携できる
DropboxはMicrosoft Officeだけでなく、多くの他社サービスと連携することができます。代表的なものをいくつか紹介しましょう。
- Zoom
- Slack
- Trello
- Microsoft Teams
- Canva
- Adobe Acrobat DC
- Auto CAD
- Notion
- Gmail
- MindMeister
- Miro
連携できるアプリは、プロジェクト管理やマーケティング、生産性の向上にかかわるものなど、業務に必要な内容は網羅されています。
自社でよく使うアプリがあれば連携しておくと、業務効率化に役立ちます。
ビジネスに役立つDropboxの機能

Dropboxは、ファイルを保存するだけでなく、ビジネスに役立つ多くの機能が用意されています。
特に、StandardやAdvancedといったチームで契約するプランは、共同でプロジェクトを遂行するときなどに必要な管理者の機能がつき、セキュリティ面にも配慮されています。
この章では、Dropboxの機能の中でも、業務で活用できるものを6つ紹介します。
ファイルの復元機能
Dropboxでは、誤って削除したり、上書きしたりしたファイルなどを期間限定で復元できる機能があります。
プランにより、復元できる期間が異なり、BasicとPlusでは30日以内、Professional、Standard、Advancedでは180日以内です。
チームで作業していると、気づかない間に誰かがファイルを更新してしまうことも起こりえますが、復元可能期間であれば、バージョン履歴が保存されているので、更新前の状態に戻ることもできます。
スマートシンク
スマートシンクとは、パソコンのハードドライブの容量を節約する同期機能です。
スマートシンクを使うと、ファイルをDropbox上でのみ使えるようになり、パソコンのハードディスクには保存されません。
以前は、ファイルを保存するためには、クラウドストレージとパソコンのハードディスクに同じ容量が必要でしたが、最下位の有料プランであるPlusでも2TBのストレージ容量です。
パソコンにはそれ以上の容量が必要となるため一般的に使いやすいと言えません。
スマートシンクを使うことで、パソコンの容量が少なくても、Dropboxに多くのファイルを保存することができるのです。
選択型同期
チームでDropboxを使う場合、追加されたメンバーに共有されたフォルダが、メンバーのパソコンに自動的に同期されます。
共有したフォルダのうち、必要なフォルダのみを同期できるのが選択型同期です。
選択型同期は個人でも使える機能で、ローカルディスクと同期したいものとオンラインのみの保存で良いものを選んで設定することができます。
ファイルリクエスト機能
ファイルリクエスト機能とは、依頼した人にファイルをDropbox上の指定のフォルダにアップロードしてもらえるものです。
依頼された人は、指定されたフォルダにアップロードすることはできますが、中を閲覧したり、ほかのフォルダを開けたりすることはできません。
ファイルリクエスト機能を使うと、Dropboxのアカウントを持っていない人でもアップロードできるため、社外の人からファイルを送ってもらいたいときなどに使えます。
チームフォルダ機能
チームフォルダとは、アカウント管理者が作成し、チーム内で共有するフォルダのことです。
チームフォルダとは別に、共有フォルダがあります。違いは、共有フォルダは誰でも作成し管理できることです。
ある社員が共有フォルダを作り、そこに重要な資料などを入れていても、退職などでアカウントを削除してしまうと、共有フォルダも消えてしまうため、管理が難しいと言えます。
チームフォルダは個人アカウントではなく、Dropboxのシステムに紐づいているので、管理者が異動や退職してアカウントがなくなってしまっても、チームフォルダは残り続けます。
Dropbox Paper
Dropbox Paperは共同作業をするためのワークスペースを提供するツールです。
ドキュメントやTo doリスト、タイムラインを作成することができ、資料作成だけでなく、タスク管理にも役立ちます。
ドキュメントの作成は、Microsoft WordやGoogleドキュメントでもできますが、Dropbox Paperで作成し、保存をDropboxでまとめることで、一元管理がしやすくなります。
Dropboxにはビジネスに役立つ機能が多い
この記事では、Dropboxのメリットや、業務で活用したい機能などを説明しました。
Dropboxはパソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットにアプリを入れることで、どこからでもデータのアップロード、ダウンロードができるようになるため、出張や外出が多い会社に最適のクラウドストレージサービスです。
また、世界180か国で使われているので、海外とのやり取りを頻繁に行う部署や会社でも使いやすいでしょう。
最近は、新しい働き方としてテレワークを増やす企業もあるため、高度なセキュリティや管理者の機能が分けられているDropboxは欠かせないツールとなりそうです。
ぜひDropboxを業務に活用してみてください。役立つ機能が多いことに気づくでしょう。
年商5億円を超えさらなるスケールアップを目指す経営者必見!
あなたのビジネスをスケールアップさせる集客と組織作り、
さらに、成功事例やここだけのお得な内容をお届け致します。