
ステップメールは、メールマーケティング手法のひとつで、ビジネス上でまだまだ活用している企業も多いのではないでしょうか?
ステップメールを有効活用すれば、自社サービスの紹介だけではなく、資料請求などで止まっていた顧客に自動的に繰り返し訴求することができます。
つまり、多くの情報を発信するだけにとどまらずに、企業の想起率をアップすることができます。
本記事では、ステップメールについて、また、制作の5ステップや成功事例もご紹介していきます。
ステップメールとは?

ステップメールとは、メールマーケティングのひとつで、顧客を指定のゴールまで誘導する段階的なメールのことです。
顧客の資料請求日、お申し込み日、初回購入日など、なんらかのアクションを起こした日から順次配信をしていく仕組みです。
ネットショップで商品を購入した際に「使い心地はいかがですか?」などのご案内がメールで送られてきたことがあるかと思います。
このような自動送信メールはステップメールの一部となります。
メールマガジンとの違い
メールマガジンとの違いは、内容や目的が大きく異なることです。
メールマガジン | ステップメール | |
配信する目的 | 企業のお知らせ (販促や宣伝等) | 自社で規定されたゴールの達成 |
配信する対象 | リスト登録している全員 | 特定の顧客 (アクションを起こした顧客) |
配信回数 | 定期配信 (週1、毎週水曜日など) | 一定期間に3〜10回程度 (2日後、6日後など順次配信) |
配信日 | 登録した日の直近の配信日 | 目的に沿った任意の設定 |
メルマガは、新情報やキャンペーンといった新しい情報を定期的に配信するツールです。基本的に退会・配信停止処理をしないと、ずっとに配信される設定になっています。
一方ステップメールは、基本的な枠組みを設計し、あらかじめ指定した内容を3~5回に分割したメールを顧客に届けます。短ければ数日、長ければ数ヵ月スパンで配信することがあります。
ステップメールのメリット

ここまでステップメールやメルマガとの違いを解説してきました。続いて、ステップメールを活用するメリットについてご紹介していきます。
顧客育成の自動化
1つ目のメリットは、顧客育成の自動化ができることです。
企業やブランドにとっては、なんらかのアクションを起こしたユーザーの心を掴み、いかに顧客にするかが課題になります。
ステップメールはシナリオに沿って配信されるので、興味関心があまりなかったユーザーが見込み顧客になる確率を高めてくれます。
つまりステップメールは、見込客を顧客へと自動的に育成する効果が期待できるということです。
各ステップで分析と改善ができる
2つ目のメリットは、各ステップで分析と改善ができることです。マーケティング施策を考える際指標となる情報になるため、とくに大きなメリットだといえます。
- 1通目のメールの反応はよかった
- 2通目から一気に反応がとれなくなっている
このような場合「2通目のタイトルや文面に何かの課題がある」と気づくことができ改善ポイントを明確にすることができます。
よって、反応率など細やかに徹底的に分析することが可能になることは大きなメリットといえます。
顧客一人ひとりに合わせたマーケティング
3つ目のメリットは、顧客一人ひとりに合わせたマーケティングが行えることです。ステップメールは、それぞれ異なった顧客行動を基点として配信することができます。
例えば、不動産会社の場合「資料請求」の顧客と「モデルハウスの見学予約」の顧客とでは、次回の配信内容が異なってきます。
このように、顧客に対して一括の対応ではなく、一人ひとりの状況に沿った対応が可能になります。
ステップメールのデメリット

続いて、ステップメールのデメリットについて解説していきます。
メール制作に時間がかかる
デメリット1つ目は、メール制作に時間がかかることです。
ステップメールは、ステップごとにメール内容や目的を考え配信するため、制作時間がかかってしまいます。
① ゴールの明確化
② ユーザーに沿ったシナリオを制作
③ 各ステップごとの配信内容を決める
④ メールの配信設定
少なくとも上記のような工程が必要なため、作成には時間が必要です。このように時間がどうしてもかかってしまう場合に、MAツールを使用することで短縮することができます。
MAツールについては、以下の記事をお読みください。
> マーケティングオートメーションとMAツールの基本を解説
ユーザーの獲得に費用がかかる
デメリット2つ目は、ユーザーの獲得に費用がかかることです。
- SEO対策を講じたネット広告費
- 運用するための人件費
まずは、自社サイトやランディングページにアクセスするユーザーの数を多く集めなければ始まりません。そのためには、SEO(検索エンジンの最適化)対策やネット広告などの出稿に費用がかかってきてしまいます。
また、ステップメールを成功させるためには、顧客リストを制作したうえで、特定の属性をもったユーザーをグループ化することはとても重要です。
そのため、グループ化したユーザーに訴求していくためには、時間や人件費など運用するために費用がかかってきてしまいます。
ステップメール自体はサービスによっては無料で始めることもできるため、コストが比較的に低いマーケティング手法ではありますが、上記のようにコストがかかってきてしまうことを覚えておきましょう。
ステップメール制作の5ステップ

ここからは、実際にステップメールを制作する5ステップをご紹介していきます。
ステップ1|目的の明確化
まずは、目的を明確化することです。「なぜステップメールを始めるのか?」を見える化することが重要です。
- リピート顧客を増やしたい
- CV率を上げたい
- セミナーに参加してほしい
このように、企業ごとに目的を明確化することで効率的にステップメールを行うことができます。
ステップ2|ニーズの洗い出しとターゲットの明確化
ステップ2は、ニーズの洗い出しとターゲットの明確化です。ステップ1で明確にした目的に沿ったターゲットを選定しましょう。
また、ユーザーのニーズを洗い出すためには、カスタマージャーニーを制作することが有効です。
カスタマージャーニーの制作方法については、以下の記事をお読みください。
ステップ3|メール内容・シナリオの制作
ステップ3は、メール内容・シナリオの制作することです。目的やターゲットに沿ったシナリオを具体的に考えていきます。
- どのような構成だとアクションを起こすのか
- どんな内容だと行動を起こしてくれるのか
- メール件名、リンクの数、画像選定
このような要素を段階的に分けてメールを制作していきます。ユーザーが本当に欲しい情報をわかりやすく目立つように工夫することが重要です。
ステップ4|配信設定
ステップ4は、配信設定することです。メール本文が完成したら、いよいよ配信設定を行なっていきます。
条件設定が適切でないとステップメールのメリットが発揮できないため、しっかりとシナリオに沿って配信していきましょう。
ステップ5|結果の分析と改善
ステップ5は、結果の分析と改善を行なっていきます。メリットでも解説しましたが、ステップメールは各メールごとに分析・改善ができるため、効率よく効果を高めることができます。
そのため、不足している点はどこなのか、またどの段階で最もアクションを起こしてくれたのかを明確にしていきましょう。
ステップメール成功事例

実際にステップメールを行い成功した事例をご紹介していきます。
HubSpot Japan株式会社|開封率65%、CTR61%を達成

HubSpot Japan株式会社は、顧客管理システムを提供しているBtoB企業です。自社サイトから資料請求したユーザーにステップメールを実施しています。
1番はじめのメールで以下のような文を送っています。
・新規顧客の獲得
・利益の向上
・営業パイプランの管理
・上記すべて
このような項目を提示し、それぞれの課題に沿った資料請求のダウンロードが表記される仕組みになっています。
結果、顧客の課題解決に沿った内容を提供したことにより、開封率65%、CTR61%を達成しています。
(参考記事:ステップメールとは?効果的に実施するポイントと成功事例3選)
株式会社ユニシア・コミュニケーションズ|開封率が40%前後、信頼関係の構築に成功

株式会社ユニシア・コミュニケーションズは、Tポイントを活用した店舗集客コンサルティング事業です。課題として、見込み客への定期的なアプローチ方法に限界を感じていました。
- 手作業でのメール配信に手間がかかっていたので、MAツールを導入し業務効率化
- ホワイトペーパーをダウンロードした顧客に「課題解決方法」の無料動画を7回に分けて提供
上記の取り組みにより、開封率が40%前後、そして成約後の信頼関係の構築にも貢献しています。
(参考記事:シナリオによる業務効率化でサービス品質がアップ。メルマガでファンを増やし、サービスの解約率ゼロを実現)
まとめ|ステップメールは自動的に顧客育成ができる
ステップメールとは、メールマーケティングのひとつで、顧客を指定のゴールまで誘導する段階的なメールのことです。
ステップメールは、シナリオに沿って配信していくため、興味関心がそれほどなかった顧客が見込み顧客になる確率を高めてくれます。
つまり、ステップメールの活用することで自動的に顧客育成ができるということになります。顧客のアクションに合わせて、ニーズに訴求できるステップメールを活用していきましょう。

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