
ブランディングには様々な媒体が活用されますが、動画でアピールできるYouTubeをおすすめします。
老若男女を問わず利用されているYouTubeは、幅広い顧客層に自社、商品のイメージを浸透させることが可能です。
この記事では、YouTubeのブランディング方法についてご紹介します。
ブランドイメージを定着させるためのポイントにも触れているので、ぜひ最後まで読んで御社のブランディング戦略にお役立てください。
ブランディングとは「イメージ戦略」

そもそもブランディングとは、企業独自のブランドを形成する活動を示す言葉。「○○といえば▲▲」と、真っ先に思い浮かべてもらうための仕掛け作りです。
企業や商品とイメージを合致させ、企業が提供できる価値、競合他社と比較したときの強みを明らかにする目的で行われます。
企業や商品、サービスにおいて競合他社との差別化を実現し、イメージしてもらうための戦略です。
YouTubeブランディングすることで、コンテンツや雰囲気が統一されターゲットに発見してもらいやすくなります。
動画は静止画や文字だけのブランディングよりも、訴求効果が期待できます。ユーザーの視覚と聴覚を刺激することで、多くの情報を短時間で伝えることが可能です。
ブランディングは商品イメージを作り出すだけでなく、企業の人材採用にも活用できます。採用ブランディングに関しては、こちらの記事を参考にしてください。
YouTubeはブランディングに有効!5つの理由

YouTubeがブランディングに有効な理由は、主に以下5つが挙げられます。
- Webマーケティングとの相性がよい
- YouTube内の「ブランディング機能」が活用できる
- 効率的に情報を伝えられる
- 従来の広告よりもコストが抑えられる
- たくさんの顧客層にアプローチできる
近年はコロナ禍の影響を受け、YouTubeなどの動画サービスの利用者が増加しています。
Googleが開催するマーケターの祭典「Brandcast」の調査では、コロナ禍の外出自粛の呼びかけに応じてYouTube、動画サービスのユーザーの74%が「利用が増えた」と回答しています。
2020年は、日本におけるYouTubeの視聴人数が飛躍的に増加。9月のYouTube月間利用者数は6,500万人を超えました。
参照元:Think with Google|月間 6,500 万ユーザーを超えたYouTube、2020年の国内利用実態──テレビでの利用も2倍に

18~64歳のユーザーがYouTubeを利用していることから、幅広い年齢層に向けたアプローチが可能です。
詳しく見ていきましょう。
Webマーケティングとの相性がよい|YouTubeアナリティクス・TrueView
YouTubeでのブランディングは、Webマーケティングとの親和性が高い特徴があります。
たとえば、YouTubeアナリティクスの活用。これは視聴者の属性、動画の視聴回数、流入経路などが把握できるYouTubeの分析ツールです。
またTrueViewと呼ばれる動画広告を、YouTubeに掲載することも可能です。コメントしたユーザー、チャンネル登録者向けに、広告を出稿するシステムがあります。
TrueViewはGoogle広告から簡単に設定できるため、マスメディアで広告を打ち出すよりも敷居が低いといえます。
YouTube内の「ブランディング機能」が活用できる|画像・ロゴの透かし
YouTube内の「ブランディング機能」として、動画再生中に画像、ロゴの透かしが右下に表示されるシステムがあります。
これは視聴者が、手軽にチャンネル登録できる機能です。動画再生中に表示できるため、企業名、ロゴを覚えてもらう効果も期待できます。動画の盗用予防にも有効です。
ロゴ、透かしに関する詳しい内容は後述します。
集客数の低下が防げる
ブランドロイヤルティの高い顧客は、自分が惚れ込んだ商品、サービスを他者に伝える傾向があります。ブランドロイヤルティとは、特定のブランドに対する忠誠心のことです。
商品・サービスに愛着や信頼を抱く人が増加することで、自然と集客につながります。
たとえば、SNSなどの口コミ。「この商品がよかった!」という口コミを見たユーザーが、同一の商品を購入することになれば、顧客が顧客を呼ぶシステムが構築されます。
YouTubeはブランディングだけでなく、集客にも活用可能です。詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
効率的に情報を伝えられる
YouTubeは、視覚と聴覚で情報を伝えるコンテンツです。自社の魅力をアピールできるだけでなく、文字だけの資料よりも、ユーザーの認知度や理解度を高める効果が期待できます。
米国「Forrester Research(フォレスター リサーチ)」のJames McQuivey(ジェームズ マッキービー)博士は、以下のように発表しています。
参考元:idea rocket
動画であればテキストを読む労力を軽減するため、文字だけで情報を伝えるよりも、効果的に情報が伝えられます。
従来の広告よりもコストが抑えられる
YouTubeのチャンネル開設、動画投稿は基本的に無料です。動画制作を外注する場合は人件費がかかりますが、多額の費用をかけて広告を打つよりも、低コストといえます。
ブランドの告知、イメージ戦略は費用対効果がわかりにくいため、あまりにも高額な手法は取り入れにくいでしょう。
テレビやラジオのCMであれば、放送期間、時間帯が制約されます。どれだけ費用を投じたとしても、ターゲットに届いているのか不明瞭です。
その点、動画広告の出稿はいつでも広告の停止、修正ができ、従来のマス広告よりも広告費が抑えられます。1ヶ月の予算設定も可能であるため、気苦労なく開始できるでしょう。
参考元:動画広告の費用-YouTube広告|YouTube Advertising
さまざまな顧客層にアプローチできる
YouTubeは10~60代まで、様々な年齢層に利用されています。以下の表をご覧ください。
この結果から性別や年齢を問わず、多くの人がYouTubeを利用していることがわかります。
YouTubeであれば幅広いユーザーにアプローチでき、自社や商品のブランドイメージをしっかりと根付かせることが可能です。
YouTubeでブランディングを行う4ステップ

YouTubeチャンネルを作るための4ステップを紹介します。
- 競合・トレンド・市場のリサーチ
- チャンネルのテーマ・コンセプトを明確にする
- チャンネルを設計する
- 動画を作成する
自社や商品、サービスのイメージに合ったチャンネル作りにお役立てください。
1.競合・トレンド・市場のリサーチ
ブランディングを開始するのなら、自社の現状を知る必要があります。これは媒体を問わず、ブランディングに欠かせない段階です。
リサーチの内容は、以下を参考にしてください。
- 商品・サービスの市場規模
- ターゲットの属性
- 競合他社の動向
- トレンド
市場には類似した商品、サービスが溢れています。
ユーザーに選んでもらうためには、いかに差別化するのかが大切です。競合他社にはない、自社ならではの価値、強みを見出しましょう。
このとき、ターゲット層も再確認しましょう。ターゲット層が異なれば、その後の戦略方針も変化します。
「ターゲットの需要」と「自社の商品・サービス」をぴったりとかみ合わせるなら、ブランドポジショニングが有効です。
ブランドポジショニングとは、ブランドイメージのポジションを確立させるためのマーケティング施策。自社だけが提供できる商品・サービスを武器に、「戦わずして勝つ」状況を作り出す戦略です。
詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
2.チャンネルのテーマ・コンセプトを明確にする
YouTubeチャンネル全体のテーマ、コンセプトを決定する段階です。コンセプトの明確化は、固定のファンの獲得に繋がります。
チャンネルのコンセプトを決める際のポイントは、以下の3点です。
- ターゲットに持ってほしいブランドイメージを反映させる
- 長期的に一貫性を保持できるコンセプトにする
- 競合との違いを打ち出す
他にはない独自性のあるイメージは、競合他社との差別化に効果的です。
一貫性を保つことが、チャンネル登録や評価に影響します。ブランドイメージを定着させるために、コンセプトから外れた動画にならないよう注意しましょう。
もしコンセプトが定まらない場合は、チャンネルのキャッチコピーから考えてみてはいかがでしょうか。
キャッチコピーに関しては、こちらの記事で紹介しています。ぜひご参照ください。
3.チャンネルの設計
コンセプトに合わせてチャンネルを設計します。ブランディングに活用するYouTubeチャンネルは、全体の世界観を統一させることが大切です。
チャンネル設計は主に、以下6つの要素で構築します。
- チャンネル名
- チャンネルのアイコン
- チャンネルアート(バナー)
- チャンネルを紹介する動画
- 画像の透かし・ロゴ
- 概要欄
詳しく紹介します。
チャンネル名|短く覚えやすい言葉を使う
チャンネルの名付けのポイントは、短く覚えやすいことが前提です。
企業のYouTubeチャンネルでは、「社名+公式」を名前にするケースが目立ちます。ユーザーに社名を覚えてもらいやすく、企業としての信頼性が高まることがメリットです。
しかし社名だけでは、視聴者の印象に残りにくいでしょう。
YouTubeでブランドを確立させるのであれば、以下の2つを名付けに取り入れてみてください。
- ユニークな造語
- チャンネルのコンセプトを連想させる言葉
聞けば耳に残るユニークな造語は、ブランディングに役立ちます。
たとえばユニークな造語を社名として掲げる大手企業は、以下の2社が挙げられます。
- カルビー:カルシウム+ビタミンB1
- ユニクロ(UNIQLO):ユニーク・クロージング・ウェアハウス(UNIQUE CLOTHING WAREHOUSE)
どちらの企業も、印象的な造語に意味を含めることによって、ブランドイメージを確立しています。
知って欲しい内容を連想してもらうために、自社や商品に関連するキャッチコピーを盛り込むことも効果的です。
名付けの際は、他に似たチャンネル名がないかどうかをチェックした上で決めましょう。
チャンネルアート(トップページのバナー)
チャンネルアートとは、チャンネルのトップページ上部に表示されるバナーのことです。
YouTubeが公式で推奨している画像最小サイズは、2,048×1,152ピクセルです。デザインソフトを使用してサイズを設定する際、参考にしてください。
参照元:チャンネルのブランディングを管理する|YouTubeヘルプ
チャンネルのアイコン
アイコンはYouTubeチャンネルの顔です。チャンネルのトップページ、動画再生時の概要欄、コメント投稿時などに表示されます。
視聴者にとって有益な情報が得られる動画だとしても、アイコンが設定されていなければ信頼性を欠いてしまいます。アイコンは必ず設定しましょう。
アイコンにおすすめの画像は、企業のロゴです。わかりやすい画像に設定すると、視聴者に「あのチャンネルだ!」と思い出してもらえます。
チャンネル紹介動画|新規視聴者にアピール
チャンネル登録していないYouTubeユーザーが、自社チャンネルの訪問時、トップページに表示される動画です。
すでにチャンネル登録している視聴者には注目動画が表示されます。
引用元:YouTubeヘルプ|チャンネル レイアウトのカスタマイズ
紹介動画は、チャンネルの看板です。どのような動画を配信しているチャンネルなのか、ユーザーにアピールしましょう。
画像の透かし・ロゴ(ブランディング設定)
画像の透かし・ロゴは、前述したYouTube内のブランディング機能です。
ブランディング機能の設定は、YouTube Studioにログイン後、以下の順で行います。
- 設定
- チャンネル
- ブランディング
- 表示のタイミングを選択
- 画像を選択
YouTubeのブランディング機能は、一度設定するとチャンネル内の全動画に反映します。自社の動画が再生されたとき、視聴者に「あのチャンネルの動画だ」と気づいてもらえます。
透かし、ロゴ画像のサイズは150×150ピクセル、1MB未満の正方形であることが設定条件です。
参考元:チャンネルのブランディングを管理する|YouTubeヘルプ
チャンネルの概要
YouTubeには動画の概要欄とは別に、チャンネルについて文章で説明する概要欄があります。
チャンネルの概要欄には、以下のように視聴者に対してのメッセージを記載しましょう。
- 自社がどのような企業なのか
- 何の情報を提供するチャンネルなのか
この他、メールアドレス、ホームページのURLを書き込むことも可能です。
4.ブランディング動画を作成する
YouTubeでブランディングを成功させるためには、動画に統一感を出すことが重要です。
ハイクオリティーな動画を求めるのなら、編集技術が必要になります。場合によっては、動画編集のプロの手を借りることも検討しましょう。
YouTubeでブランディングを成功させるポイント

YouTubeでブランディングを成功させるためのポイントは、以下の5点です。
- 印象に残るサムネイルを使う
- 再生リストを作成する
- ユーザーが満足するクオリティ・量の動画をアップする
- チャンネルやコンテンツ名はSEO効果を意識する
- 視聴者とコミュニケーションをとる
- 他のSNSと組み合わせる
前述したステップに加えて、これから紹介するポイントを押さえ、YouTubeブランディングを成功させましょう。
印象に残るサムネイルを使う
YouTubeのサムネイルとは、検索画面、チャンネル内の動画一覧などに表示される画像のことです。
動画の内容は重要ですが、サムネイルは視聴のきっかけになります。クリックしてもらえるように、サムネイルにも工夫を施しましょう。
たとえば、以下のような工夫が挙げられます。
- 雰囲気を統一する
- ひと目で内容がわかる言葉を入れる
- 記憶に残りやすいオリジナリティ
YouTubeのサムネイルは、動画とは別の画像を使用できます。ユーザーの視線を奪うような目立つ画像を作成し、視聴に繋げましょう。
再生リストを作成する
再生リストとは、動画をリスト化するYouTube上のシステムです。複数の動画が1つのプレイリストとしてまとめられ、視聴者は自社がどのような動画を投稿しているのかひと目でチェックできます。
再生リスト作成のポイントは、ジャンル、カテゴリごとに設けること。視聴回数の多い動画のリスト化もブランディングに有効です。
再生リストの役割は、ユーザーに動画の視聴を促すこと。動画を投稿し続けていると、過去の動画が埋もれていきます。どんなに素晴らしい動画でも、視聴される機会が減少するのはもったいないことです。
そのため再生リストを作成し、ターゲットが動画に辿り着けるように道筋を整える必要があります。
ユーザーが満足するクオリティ・量の動画をアップする
YouTubeでブランディングを成功させるためには、ユーザーが満足するコンテンツであることが前提です。
ありふれた情報ばかりの動画では、魅力が感じられません。ユーザーの関心を引く内容でなければ、ブランドイメージの確立は難しいでしょう。
加えて関連動画を視聴してほしいのなら、投稿動画の数を増やすことも重要です。チャンネル内に魅力的な動画が充実していれば、「次の動画も見てみよう」と思ってもらえます。
チャンネル・コンテンツ名にSEO対策を施す
YouTube動画は、GoogleやYahooなどの検索結果画面に表示されます。
チャンネルやコンテンツの名前に検索キーワードを含め、SEO対策を施すことで検索エンジン経由の流入も期待できます。
ユーザーがどのような悩みを解決するために検索するのか考え、名前を付けると良いでしょう。
視聴者と交流する
YouTubeには、ユーザーとコミュニケーションを取るためのシステムがあります。
たとえば以下のようなシステムです。
- コメント・いいねに返信する
- チャンネルメンバーシップを活用する
- コミュニティ投稿を行う
- Super Chat・Super Stickersを利用する
コメント・いいねに返信する
動画に寄せられたコメントに返信したり、「いいね」を付けたりすることでユーザーとコミュニケーションが取れます。
動画配信者から反応があると、ユーザーは愛着を抱きやすくなります。ファンが増えやすくなるため、積極的に交流しましょう。
チャンネルメンバーシップを活用する
チャンネルメンバーシップとは、YouTubeの有料コンテンツ提供システムです。チャンネルが設定した毎月定額の料金を支払ったユーザーに、特別な有料コンテンツを提供できます。
チャンネルメンバーシップは、以下の条件で利用できます。
- チャンネル登録者数が3万人以上いる
- YouTubeパートナープログラムに参加している
メンバー限定のコンテンツを提供することで、よりファンとの絆が深まるでしょう。
コミュニティ投稿を行う
コミュニティ投稿はチャンネル内のコミュニティタブに投稿し、動画以外でユーザーとコミュニケーションを取る方法です。
たとえば、以下のような内容の投稿が可能です。
- アンケート
- テキスト
- GIF
- 画像
- 動画
コミュニティ投稿は、チャンネル登録者数が500人以上という条件を満たすことで利用できます。
動画の宣伝はもちろん、今後どのような動画を求めているのかなど、ユーザーの声を聞くことができます。
Super Chat・Super Stickersを利用する
ライブ配信やプレミア公開の動画に有効な、投げ銭システムです。
ユーザーが任意の金額を購入することで、チャット上部に一定時間表示されます。メッセージが目立ち、配信者の目に留まりやすくなります。
Super Chat、Super Stickersの利用条件は以下のとおりです。
- チャンネル登録者数が1,000人以上
- YouTubeパートナープログラムに参加している
購入してくれたユーザーには、配信中にお礼を伝えたり、メッセージを送信したりしてコミュニケーションを取りましょう。
他のSNSと組み合わせる
ブランディングを成功させるのであれば、YouTube以外のSNSを組み合わせることも有効です。
たとえば、以下のようなSNSをおすすめします。
SNSを活用する場合は、YouTubeコンテンツと一貫性のある内容を心掛けて発信しましょう。YouTube動画の内容と無関係な発信では、ユーザーの心に響きません。
動画の告知だけでなく、ユーザーの関心を引くような内容を意識し、ファンを増やしましょう。
SNSの運用方法に関しては、こちらの記事で紹介しています。ぜひ参考にしてください。
≫ SNSマーケティング!Twitter活用の特徴と重要ポイントとは
≫ SNSマーケティングでFacebookを効果的に活用するには?
≫ Instagram集客方法のポイント!投稿や運用で意識すべきこと
YouTubeブランディングで自社のファンを増やそう!

ブランディングは、ユーザーの第一想起を獲得するための仕掛け作りです。
どのようなイメージを抱いてほしいのかを考え、覚えてもらうための工夫がブランドイメージの確立に繋がります。
YouTubeブランディングでは、ユーザーの記憶に残るコンテンツを提供することが重要です。
動画で自社や商品の価値や魅力を効果的に伝え、着実にファンを増やしていきましょう。
ブランディングが成功し、ファンを獲得した後は、購買に繋げるための効率的なマーケティングが必要です。

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