
企業や事業が生き残っていくためには、優れた経営者や管理者がリーダーシップを発揮して部下を率いていく力は重要なものになります。
ただ、「今までリーダーになったことがないから、リーダーシップなんて持っていない」「リーダーシップを発揮するにはどうすれば良いかわからない」という人もいるでしょう。
この記事では、リーダーになるために必要な資質やリーダーとしてやるべきこと、そして、これからリーダーになるにはどうすれば良いかを詳しく解説していきます。
ビジネスにおけるリーダーシップとは?

デジタル大辞泉によると、リーダーシップの意味は、以下のように書かれています。
1 指導者としての地位・任務。指導権。
コトバンク デジタル大辞泉「リーダーシップ」の解説より引用
2指導者としての素質・能力。統率力。
ビジネスシーンにおいては、リーダーシップとはチームの目標を設定し、部下あるいはチームメンバーを目標達成に導いていく力のことです。
リーダーシップのある人は、個人ではなく、チーム全体を目標に向かって引っ張っていけるので、会社でも重要な仕事を任せられていることが多いのです。
リーダーシップに必要な7つの資質

リーダーシップを持っている人の主要な資質は以下の7つです。
- 傾聴力
- 観察力
- 行動力
- 判断力
- 計画力
- 責任感
- 寛容性
これらを身につけることによって、理想のリーダー像に近づいていけるでしょう。
リーダーとして成長していきたいと考えている人は、ぜひ意識してみてください。
1. 傾聴力
傾聴力とは、相手の話をしっかりと聴き、理解する力です。
メンバーの話に耳を傾けることで、メンバーの悩みを理解し、解決に向かわせます。
傾聴力は重要なコミュニケーションスキルの1つで、真摯に相手の話に耳を傾けることで、共感を生み、信頼関係を築くことができます。
傾聴力を養うには、以下の方法が効果的です。
- 相手に体を向け、相手が話している間は顔や目を見て、相手に自分は聞いていると態度で示す。
- 適切なタイミングで相槌を打つ。
- しぐさ・声のトーン・話すスピード・表情などを相手に合わせる。
- 相手が話すことを繰り返す。言い換える。
- 相手の話を途中で遮らない。
毎日のコミュニケーションで訓練できるので、常日頃から意識しておきましょう。
2. 観察力
観察力は物事を観察して、状況や変化に気づく力です。
ミスを発見して大きな失敗を回避したり、メンバーの表情が曇っていることに気づいて声をかけたりできるリーダーは、観察力が高いと言えます。
観察力を鍛えるには、人や環境、出来事に興味を持つのが効果的です。
メンバーの一人が髪の毛を切ったことや、通勤電車の吊り広告が差し変わったことなど、小さな変化に目を向けてみましょう。
日ごろから変化を意識することで、観察力が向上していきます。
3. 行動力
行動力とは、周りが遠慮や躊躇して動けないでいるときに自ら率先して動くことができる力のことです。
行動力のあるリーダーは、チームの中の誰よりも早く行動に移し、メンバーを引っ張っていきます。
誰よりも早く行動することで、それを見た人たちが、リーダーがやっているのだから、自分も行動しようと考え、実践していきます。
行動力を持つためには、スピード感を持って動き、言い訳をしないことが大切です。
行動しない言い訳ほど不要なものはありません。何か良いアイデアがあれば、すぐに試してみましょう。
4. 判断力
判断力とは、物事を冷静に見極め、正しく評価できる力のことです。
リーダーはデータや過去事例などを分析し、決断に迷う場面であっても、判断を下さなければならないときがあります。
いつでも適切な判断ができるように、常日頃からアンテナを広げ、情報収集を行うことが必要です。
自分が判断をした結果、失敗をしてしまうことを恐れてしまうこともあることでしょう。
しかしながら、仕事に失敗はつきものだと割り切る姿勢も大切です。
成果を上げてきたビジネスパーソンで、まったく失敗しなかったという人は、一人もいないといっても過言ではありません。
もちろん、失敗をしないことが最善ですが、失敗をしたあと、なぜ失敗をしたのかを分析することで、判断力が磨かれていきます。
5. 計画力
計画力とは、目標を達成するために計画を立てる力のことです。
リーダーは目標を設定するだけでなく、目標達成から逆算して、どのように達成していけばいいのかを考えています。
計画力には2種類あります。
1つ目は、期限までに仕事を終えられるように計画を立てることです。
2つ目は、目標を達成するための方法を複数考えて、その中から最適なものを実行するということです。
複数の方法を考えておくことで、不測の事態が起きたときに代案で対応することができます。
日ごろから情報を収集し、目標達成までの道筋を随時見直すことで、計画力をアップさせることが可能です。
6. 責任感
責任感とは、自分の言動に対する結果についての責任を果たそうとする気持ちのことです。
リーダーはチームメンバーに指示を与え、目標達成まで率いていくため、責任感が強い人が多く、メンバーがミスをしてもフォローします。
ただ、チームを発展させるためには、リーダーだけが責任を負うのではなく、権限をメンバーに与えて責任をもって業務に取り組ませることも必要です。
責任感は、約束を守ることや遅刻をしないなどのルールを守ることでも養われます。
また、何か問題が起きたときに、他人のせいにせず、自分に問題がなかったかを振り返ることも大切です。
7. 寛容性
寛容性は自分と他者との違いを受け入れることです。
自分とは異なる意見も受け入れ、議論できる雰囲気を作ることで、新しいアイデアを出しやすく、チームが活性化するでしょう。
寛容性は意見や価値観だけでなく、人の性別、年齢、外見、性的志向、出身地などでも区別せず、様々な人がいて当たり前と思うことでもあります。
リーダーであっても自分の価値観などを人に強要せず、各メンバーが認め合い、力を発揮できる職場環境をつくることが重要です。
リーダーの役割

リーダーはチームになくてはならない人です。
なぜなら、リーダーはチームの目標達成のために、メンバー全員を同じ方向に向かせて業務にあたるようまとめていく役割を担っているからです。
- 目標を設定する
- 仕事環境を整備する
- 自らが手本となる
- メンバーを育成する
以上の業務はメンバーにより良い仕事をしてもらうために必要なことです。
1. 目標を設定する
リーダーは目標を設定して、チームが進む方向を明確に示します。
目標がなければチームメンバーは何をすれば良いのかわからず、意識がバラバラになってしまいます。
設定する目標が大きすぎると、チームメンバーのやる気を削いでしまうことになるので、スモールステップを設定し、チームが小さな達成感を味わえるようにしましょう。
目標を設定する際には、SMARTの法則を念頭に置くと作りやすいです。
SMARTの法則とは「Specific(具体的な)」「Measurable(測定可能な)」「Achievable(達成可能な)」「Relevant(関連する)」「Time-bound(期限を定めた)」の5つの単語の頭文字をとって名付けられた法則で、目標を設定する際に必要な5項目を表しています。
2. 仕事環境を整備する
目標を設定しても、仕事環境が悪ければ、メンバーのモチベーションが低くなってしまいます。
愚痴が多く、働く意欲が少ない職場では、効率も生産性も低下し、目標達成が難しくなるといえます。
リーダーはメンバーと積極的にコミュニケーションをとり、メンバーに不満がないか、問題が起きていないかに気を配り、素早く解決する必要があります。
メンバーが良いアイデアを提案すれば取り入れるなど、風通しの良い職場を整えていきましょう。
3. 自らが手本となる
リーダーはメンバーから信頼されるには、自らが率先して行動する必要があります。
組織内で仕事をしない人や、熱量のない人、学ばない人は誰からも信頼されません。
目標達成のために情熱をもって行動するリーダーの姿を見て、メンバーたちも触発され、みなが同じ方向を向いて行動するようになります。
最初は手本を行動で示しても、メンバーがすぐについて来てくれるとは限りませんが、メンバーたちはリーダーを観察しています。
人を動かすにはまず自分が動くことを意識して手本となる行動をしていきましょう。
4. メンバーを育成する
メンバーの中には中堅社員も新入社員も、様々なレベルの人間がいます。
チームが成長し、大きな目標を達成していくためには、メンバーの成長が欠かせません。
チームの目標設定はもちろんですが、リーダーは個人の目標設定にも目を向け、評価や指導を行います。
経験が少ないメンバーにもチャレンジングな業務を任せ、適宜フォローして成長を促しましょう。
人がチームを作り、人の成長がチームを大きくしていくのです。
リーダーシップを身につける方法

リーダーとしてチームメンバーを引っ張っていくためには、どうすれば良いのでしょうか。
ここでは、リーダーシップを身につける方法を4つ紹介します。
- 社内の他のリーダーからノウハウを学ぶ
- 自分から率先して行動する
- リーダーシップ研修やセミナーを受講する
- リーダーシップに関する書籍を読む
リーダーシップは一朝一夕に身に付くものではありませんが、自ら学び、自ら行動していくことで、周りから認められ、リーダーとして認識されていきます。
まだ自分はリーダーの器ではないと考えている人こそ実践してみると、成果が大きく出ることもあります。
1. 社内の他のリーダーからノウハウを学ぶ
社内に尊敬するリーダーがいれば、その人の真似をしたり、話を聞いたりして積極的に学びましょう。
自分のチームの状況が良くなければ、相談にも乗ってくれるはずです。
また、チームの状況によってリーダーの役割は変化します。
社内の人間の方がチームを観察しやすく、どんなリーダー像が求められているかを客観的にアドバイスしてくれるでしょう。
2. 自分から率先して行動する
リーダーのやるべきことの1つに、自分が率先して手本を示すことがあると前述しました。
自分が誰よりも早く行動することは、メンバーたちの意識を変えますが、自分自身の成長にもつながります。
メンバーの手本となるには、業務に対する知識やスキルを誰よりも多く持ち、マインド面も強くなる必要があります。
手本となるために学び行動したことが結果的にリーダーとしての成長に繋がるのです。
3. リーダーシップ研修やセミナーを受講する
リーダーシップを養うセミナーや研修は各地で行われています。
時間の拘束はありますが、プロが話すマインドやノウハウは今後チームをまとめる際に役に立つはずです。
セミナーズでは、リーダーシップに関するセミナーを数多く開催しています。
チームビルディングや意識改革など、リーダーシップのセミナーと言っても、細かなテーマ分けがされているので、自分に必要なセミナーを受講してみてください。
4. リーダーシップに関する書籍を読む
ビジネス書や自己啓発書の中には、リーダーシップに関する本もあります。
『誰もが人を動かせる! あなたの人生を変えるリーダーシップ革命』や『[新訳]最前線のリーダーシップ――何が生死を分けるのか』は、これからリーダーシップを発揮しようとする人にもわかりやすい内容です。
また、傾聴力や判断力などのリーダーになるためのスキルに関する本も、自分が苦手とすることに特化して知識を得られるのでおすすめです。
傾聴力に関する本は『人は聞き方が9割』や『優れたリーダーは、なぜ「傾聴力」を磨くのか?――職場の心理的安全性が高まる本』などがあります。
他にも、著名な経営者の自伝や著作なども参考になりますので、ぜひ読んでみてください。
ビジネスパーソンに必須のスキル、リーダーシップを身につけましょう!
リーダーシップは社会に出るすべての人に必要なスキルです。
周りの人を引っ張っていくリーダーは特別なようにも見えますが、ここで紹介した傾聴力や観察力、判断力などの7つの資質を身につければ、誰でもリーダーシップを発揮できるのです。
まだリーダーの役割を与えられていなくても、率先して行動したり、チームメンバーと平等に接し受け入れたりすることが認められ、将来リーダーに抜擢されるでしょう。
毎日の行動の積み重ねがリーダーシップを養うことになるはずです。ぜひ明日の出社から意識してみてください。
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