
経営者の皆さんの中には、次のような悩みや疑問を抱えている方はいませんか?
- 良い商品を作っているのに業績が伸びないのはなぜ?
- うまくいっているように見えるが、課題はどこにある?
- どのマーケティング施策を試しても効果が薄いのはどうしてか?
もし上記のような悩みを抱えているなら、経営者としてもう一段高いステップへと進む時期に来ているのかもしれません。
今回は、経営者の方に向けて書かれた『史上最強のCEO』を紹介します。
本のタイトル通り、経営者の方にとって新たな発見が得られる1冊です。
トップコンサルタントの金言に触れて、ぜひ経営思想を新たなステップへと進めてください。
『史上最強のCEO』はどんな本?

はじめに、『史上最強のCEO』がどのような本なのか、著者がどんな人物なのかを紹介します。
2019年1月に発刊された同書が、なぜ経営者にとって必読書と言えるのかが分かるはずです。
「優秀」ではなく「最強」であれ
本のタイトルにある通り、『史上最強のCEO』が説いているのは「最強の」経営者になるためのマインドです。
勤勉で優秀な経営者は日本国内にも数多くいます。
かつては世界に名をとどろかせたメーカーをはじめ、ポテンシャルが高い企業も少なくありません。
にも関わらず、日本国内の賃金は過去20年にわたって上昇していないのが実情です。
日本企業、さらには経営者が抱えている課題は「勤勉かどうか」「優秀かどうか」ではないことが明らかになりつつあります。
優秀ではなく「最強」であれ、という同書のメッセージは現代のビジネス環境を生き抜く経営者への鮮烈なメッセージといえます。
著者ジェームス・スキナーとは?
著者ジェームス・スキナーはアメリカ人ですが、同書は日本語で書かれています。
翻訳書ではなく「著者本人が日本語で書いている」ことが大きなポイントです。
ジェームス氏は、かつてNECや日本経済生産性本部、財務広報コピーライターなどを歴任した人物として知られています。
ビジネスパーソンなら誰もが知る『7つの習慣』を日本に紹介した人物でもあるのです。
各業界の経営者がこぞって参加する「ビリオネア塾」の創始者であり、現在もトップコンサルタントとして活躍中のジェームス氏。
『史上最強のCEO』は、日本と深い関わりを持つジェームス氏が30年以上にわたるコンサルタント経験を凝縮した1冊といえます。
なぜ「史上最強」を目指すのか

『史上最強のCEO』の第1部・2部では、現代の経営環境が従来とは大きく変わったことが示唆されています。
ジェームス氏は、勤勉・優秀ではなく「史上最強」の経営者を目指すべき理由として、主に次の4点を挙げているのです。
変化が加速している
世界の人口が増え続けていることは、多くの方がご存知のはずです。
では、具体的にどのくらいのペースで増加しているのでしょうか?
1950年時点で25億人だった世界の人口は2019年に78億人に達し、2050年には97億人に達すると予測されています。
過去150年間で世界の人口は5倍以上増加したことになるのです。
人口の増加は、人間の知識量が格段に増えたことを意味しています。
300年前であれば、国内の名著を全て読破することは難しくありませんでした。
一方、現代の名著を読破しようと思ったら、一生かかってもとても読み切れません。
変化が加速し、人々の知識量・情報伝達速度が飛躍的に向上しているのです。
競合の時代から協力の時代へ
かつての企業経営は、モノ・ヒト・カネといわれる経営資源を活用して競合に打ち勝つことを目指していました。
自社内でいかに多くのことをこなし、成果を挙げるかを各社競っていた状態といえます。
現代においては、すでに競合の時代から協力の時代へと移り変わりつつあることにお気づきでしょうか?
自社内で世界レベルでできないことがあれば、世界レベルで取り組める企業に外注することできるということです。
Airbnbが自社で建物を所有することなくホテル経営を実現しているように、協力によってどんなことでも可能になります。
自社だけで解決・完結するという発想をやめるべきなのです。
「普通」は悲惨
「普通」という考え方が通用しなくなっているのも、現代社会の大きな特徴の1つです。
日本人の年収の中央値は、すでに400万円を切っています(国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査」より)。
生活習慣病が死因の約6割を占め、3組に1組の夫婦が離婚し、開業から2年以内に8割の会社が廃業するのが「普通」です。
「普通はどうするだろう?」と考えたところで、思い描くような好ましい結果は得られないでしょう。
多くの人が考える「普通」は、すでに悲惨なものになりつつあります。
普通では話にならないからこそ、従来の基準ではなく「最強」を目指すべきなのです。
企業組織の唯一の問題点は「経営者」
冒頭で触れたように、企業は商品・組織・施策・社会情勢などさまざまな問題を抱えているように思えるでしょう。
実際のところ企業が抱えている問題はただ1つ、「経営者自身」であるとジェームス氏は断言しています。
(『史上最強のCEO p.46より)
経営者が「史上最強」になれば、経営も激変するはずである、とジェームス氏は述べているのです。
自分以外の何かが問題だと経営者が考えている限り、経営課題を抜本的に解決することはできないでしょう。
業績を改善し組織を立て直すなら、まず経営者自身が変わらなくてはなりません。
経営者が果たすべ4つの役割

『史上最強のCEO』において、ジェームス氏は経営者が果たすべき4つの役割を「原則」として挙げています。
非常にシンプルでありながら、日々経営に奔走する中でつい見過ごしてしまいそうな原則を提示しているのです。
ジェームス氏が掲げる4つの原則に立ち返り、経営者として果たすべき役割を再確認しておきましょう。
信頼を構築する
1つめの役割は「信頼の構築」です。
ジェームス氏は、信頼の構築こそがリーダーシップである、と説いています。
経営者にとってのリーダーシップと聞くと、組織の頂点に立って力強く全体を指揮する姿を想像するかもしれません。
しかし、ジェームス氏が提唱するリーダーシップは驚くほど低姿勢で、優しさに満ちています。
ジェームス氏が提唱するリーダーシップの一端を紹介します。
- 部下に仕えるリーダー
- 従業員のストレスを解消するリーダー
- 活動の意味と意義を知る機会を与えるリーダー
- 人に仕事を委任できるリーダー
- 模範を示すリーダー
「史上最強」と銘打つからには、強烈なカリスマ性を備えたリーダー像を想像していた人もいるかもしれません。
リーダーとして果たすべき役割は非常にシンプルで、部下や組織、さらには社会のために存在している人物のことなのです。
顧客満足度を高める
顧客満足度を高めることを、ジェームス氏は「イノベーション」と表現しています。
イノベーションという言葉から、革新的な発想や斬新なビジネスモデルを連想する人も多いでしょう。
では、イノベーションを起こし、競合優位性を確保するにはどうすればよいか?
ジェームス氏は次のように述べています。
(『史上最強のCEO』 p.122より)
顧客満足度を高めるには、提供する側が独りよがりに終始することがあってはなりません。
製品の性能をやや高めることや、サービスの質を少々向上させるだけでは、顧客は満足してくれないのです。
圧倒的な1位になるにはどうすればよいか?
ジェームス氏は「競合の軸を変える」という提案をしています。
たとえば航空会社なら、すべての飛行機に免許を持つ看護師が搭乗する「メディカル」という軸を新たに作るのです。
従来はなかった着想を加えることで、今日からでもすぐに業界1位になれるでしょう。
ビジネスの軸を変えることこそがイノベーションであり、顧客満足度の向上につながるとジェームス氏は説いているのです。
慢性的黒字の確立
民間企業にとって利益の追求は非常に本質的なテーマです。
ジェームス氏は、利益性のある企業にすることを「慢性的黒字の確立」と表現しています。
慢性的黒字を確立するメカニズムを、ジェームス氏は次のように説明しているのです。
- 損益分岐点を把握する
- 固定費を極限まで抑える
- 固定売上を確保する
- 赤字があり得ない、利益が上がり続ける組織になる
固定費の削減という点では、ジェームス氏自身が会社を立ち上げた際のエピソードが紹介されています。
たとえば、社内にコピー機を置かない、ビジネス電話も設定しないといった点まで徹底して固定費を削減したというのです。
コストを削減するのではなく、そもそもコストを極力かけないようにするという発想です。
さらには、黒字が発生し続ける「仕組み」を考えるべきだ、と説いています。
多くの企業を成功へと導いてきた世界的コンサルタントの視点が垣間見える発想といえるでしょう。
世界に変化をもたらす
4つめの原則である「世界に変化をもたらす」ことを、ジェームス氏は「目的をもった企業」になることと表現しています。
顧客のニーズを満たすだけでなく、感情に変化をもたらし、思い出を作り、人生のストーリーの1章を書くのです。
顧客満足の最高レベルは「満足」ではなく「新しい世界観」をもたらすことである、とも述べています。
ディズニーリゾートが「遊園地での体験」ではなく「世界観」を提供していることをイメージすると分かりやすいでしょう。
新たな世界観の提供を目的とする企業であり続ければ、熱烈なファンがつくのは必然といえます。
究極の価値提供は「世界に変化をもたらすこと」だとジェームス氏は述べているのです。
『史上最強のCEO』の名言5選

『史上最強のCEO』は、ジェームス氏の数々の名言が詰まった1冊です。
名言の中から、5つをピックアップして紹介します。
金メダルか?ドーナツか?
最強の経営以外では、もう通じないのです!
(『史上最強のCEO』 p.31より)
GAFAに代表される多国籍企業を連想した人も多いことでしょう。
現代においては、まさに「一人勝ちの経済」の様相が色濃くなりつつあります。
「業界で中の上くらいに位置していれば…」といった発想では、もはや淘汰される側に含まれてしまうのです。
なぜ「優秀なCEO」ではなく『史上最強のCEO』と題したのかが明確に述べられた一節といえるでしょう。
ビジネスのやり方にはレシピがある
(『史上最強のCEO』 p.52より)
成功している会社には必ず理由があり、理由を知ることが成功への第一歩となります。
自己流で経営して乗り切りたい、人のマネはしたくないと考えるから苦境に立たされてしまうのです。
たしかに「こうすれば美味しいクッキーが焼ける」というレシピがあれば、大半の人は参考にしながら作るでしょう。
ビジネスとなると、とたんに「成功した企業とうちの企業は違う」という発想になってしまいがちです。
料理も経営も基本は同じである、という世界的コンサルタントの言葉は経営者として理解しておくべき重要な事実を伝えています。
無能は超能力
自分でできないと、人に頼ります。相手にやってもらいます。すると、その人も育つのです。これこそが経営なのです!
((『史上最強のCEO』 p.86より)
「名選手、名監督にあらず」という言葉があるように、経営者は自分自身が動いて1人分の成果を出すのが仕事ではありません。
いかに人に動いてもらい、自分1人ではなし遂げられなかったはずの成果を出すかが問われているのです。
ジェームス氏の言葉は、自分自身の能力を過信してはいけないという経営者への戒めのようにも聞こえます。
むしろ取引先の力を借り、自分よりも実務レベルの高い従業員に仕事をこなしてもらうことのほうが重要です。
少なくとも実務レベルにおいては、経営者自身が「有能かどうか」を気にしている場合ではないということでしょう。
世の中は下手クソにできている
そうすれば、イノベーションが簡単になり、他社との差別化については悩まなくなるに違いありません。
((『史上最強のCEO』 p.106より)
すでに世の中にあるもの、広く知られているものを「そういうもの」と受け入れていては、新たな発想は生まれません。
あらゆるものに疑いの目を向け、どこかに改善の余地があるはずだと思っているからこそ、イノベーションを起こせるのです。
世の中にあるものはそもそもうまくできていない、必ず欠点や改良できる点があると捉えることの重要性を伝えています。
前例、権威、業界の常識といったものに囚われていたようなら、今こそ発想をリフレッシュしてみるタイミングかもしれません。
商品はビジネスではない
(『史上最強のCEO』 p.127より)
「良い商品を作れば売れるはずだ」という発想は、経営者にとって危険な思い込みになり得ます。
商品にこだわるあまり「売り方」や「売るための仕組み」に目が向かなくなる可能性があるからです。
経営者は良い商品を作ることではなく、ビジネスモデルを確立することに思考を傾けなくてはなりません。
もし「商品」にフォーカスし過ぎていた向きがあるようなら、今いちど「仕組み」に目を向けておく必要があるでしょう。
まとめ
世界的トップコンサルタントとして現在も活躍を続けるジェームス・スキナー。
『史上最強のCEO』は、ジェームス氏が長年にわたって培ってきた経営思想が詰まった1冊といえます。
経営者が果たすべき役割について理解を深めたい人は、ぜひ同書を手に取ってみてください。
世界最高峰の経営思想に触れることで、会社経営をいっそう高いレベルへと押し上げることができるはずです。

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