
自社でセミナーを開催することになり、どのような内容のセミナーにするべきか悩んでいませんか?
- どうすれば受講者に「聞いて良かった」と思ってもらえるだろう?
- 引き込まれる伝え方をするにはどうすればいいか?
- セミナー全体をどのような構成にするべきか?
上記のようなことで悩んでいる方に、神話の法則で構成する魅力的なセミナーの作り方を解説します。
本記事を読めば、セミナーの満足度を高めるコツがつかめるでしょう。
ぜひ参考にしてください。
神話の法則をセミナーに活用するメリット

神話の法則(ボグラーモデル)と聞くと、映画やドラマなどのシナリオを連想するかもしれません。
たしかにエンターテイメントの世界において、神話の法則を活用した魅力的なストーリーの数々が誕生してきました。
一方で、神話の法則はセミナーをいっそう魅力的なものにするためにも活用できます。
セミナーの構成に神話の法則を散りばめることによって、次に挙げる3つのメリットを得られるのです。
聞く価値のあるセミナーとして認識してもらえる
神話の法則を活用することによって、受講者に当事者意識を持ってセミナー内容を捉えてもらうことできます。
人は自分に関わりの深い事柄ほど緊急度・重要度の高いテーマと捉えがちです。
たとえ有益な情報を提供しても、受講者が「自分には関わりの薄い内容のようだ」と感じると価値を感じられなくなってしまいます。
当事者意識を持ってセミナーを受講してもらうことにより、聞く価値のあるセミナーと認識してもらうことができるので、神話の法則を活用しない理由はありません。
長丁場でも飽きにくい
セミナーの企画や内容によっては、長丁場での開催となる場合もあるでしょう。
成人の集中力が持続する時間は約50分間であり、15分おきに集中力が途切れる瞬間が訪れるといわれています。
言い換えると、少なくとも15分間に一度は印象深く興味を惹かれる内容がなければ、集中力が途切れてしまうのです。
神話の法則はストーリーに緩急をつけ、セミナー内で印象に残るポイントを作ることに役立ちます。
最後まで受講者を飽きさせることがなく、長丁場でも集中して聞いてもらえるセミナーにすることができるでしょう。
未来の自分自身をイメージしやすい
セミナーを受講するモチベーションの1つに「変わりたい」という欲求が挙げられます。
受講者の多くは未知の情報を得たり、諦めていたことができるようになったりする体験を求めています。
セミナーを受講し終えて帰路につくとき、未来の自分自身をイメージできていれば有意義な時間だったと感じるでしょう。
神話の法則をセミナーに取り入れることで、次への成長ステップを示し受講者自身に課題を与えることができます。
セミナーの場だけでストーリーは完結するのではなく、受講者自身の課題を提示できるのです。
神話の法則に基づくセミナー構成

神話の法則をセミナー構成に活用する具体的な方法について解説します。
セミナーの各パートにおいて伝えるべきメッセージに、神話の法則を重ね合わせるのがポイントです。
神話の法則における8つのステージを、セミナーの随所に散りばめていきましょう。
日常生活
セミナー冒頭では唐突に本題へと入るのではなく、受講者を惹きつける工夫をしましょう。
最もオーソドックスな手法は自己紹介です。
セミナー講師自身のプロフィールや過去の経験を語り、受講者に親近感を抱いてもらう必要があります。
身近な話題や共感できる悩みを盛り込み、セミナー内容が「自分に関わりの深いテーマ」であることを実感してもらいましょう。
私は現在、トップセールス育成セミナーを毎週のように開催していますが、かつては売れない営業マンでした。
必ず売れると確信して商談に臨んでも、なぜかお客様は最後の最後に「最も聞きたくない一言」を発してしまうのです。
聞きたくない一言とは……、ふだん営業活動をされいる皆さんならもう分かりますね?
そうです、「検討します」と言われてしまうわけです。
皆さんの中には「つい最近、まさに同じことをお客様から言われた」という方もいるかもしれません。
安心してください、おそらく私のほうがずっと多くの「検討します」を言われてきましたから(笑)
はじまり
身近な悩みを共有した受講者は、セミナーを聞く体勢になっているはずです。
受講者が抱えている悩みはセミナーを通して解決できること、これまでの日常が変わることを示しましょう。
受講者はすでにセミナーに参加しているものの、本当に自分自身が変われるのか半信半疑のケースも少なくありません。
いよいよ本題に入っていくことを告げ、受講者を惹きつけておくことが大切です。
常々「検討します」と言われてしまう営業担当者の多くはこう考えるでしょう。
「クロージングをもっと練習しなければ」「即決してもらえるコツをつかまなければ」と。
でも、実は問題の本質はクロージングではありません。
たった1つのことに気づけば、クロージングなどしなくてもお客様は自分から「今すぐ申し込みたい」と言ってくれます。
特別な人だけができることではなく、本当に「気づくかどうか」だけの違いです。
もちろん皆さんも、たった1つのことに気づけば成約が次々と挙がるようになりますよ。
理解の土台
セミナーの本題を理解してもらうには、前提となる知識や情報をあらかじめ与えておく必要があります。
基本的な知識や本題を理解する上で必要な情報を提示し、理解の土台を築きましょう。
土台をしっかりと固めておくことで理解が深まり、セミナーで発信するメッセージの重要性を実感できるのです。
課題がどこに隠れているのか、受講者自身に考えてもらう意味でも重要なフェーズといえます。
ところで、営業活動には基本的な流れがあります。
まず信頼を構築し、ニーズの把握、ニーズを踏まえたプレゼン、クロージングへと歩を進めるわけです。
さきほどクロージングを改善しようと試みる方が多いと言いました。
なぜなら、クロージングは一連の流れの最終段階に位置づけられており、最も断られやすい部分だからです。
実はクロージングに苦心する場合、たいてい前段階ですでに顧客の心をつかむことに失敗しています。
お客様が「検討します」と言ってしまうのは、お客様にとっては提案が唐突だと感じるからなのです。
混乱
受講者にとっての小さなつまずきや「難しい」と感じる瞬間を提示するパートです。
通常の理解ではうまくいかないなど、受講者の予想や期待を裏切るシーンを意図的に作ります。
受講者にとって現状では理解が及ばない壁を作ることで、受講者は本心から「知りたい」「教えてほしい」と感じるでしょう。
壁を乗り越える方法を提示する前段階として、セミナーの中でも重要なパートといえます。
クロージングで唐突に提案されたと思われないためには、どうすればいいと思いますか?
クロージングで一気に勝負に出るのではなく、小さなYesを積み上げていけばいいと考えた人もいるはず。
ところが、小さなYesを積み上げる方法には1つ重大な欠点があります。
商品に関わる話題が出た瞬間、顧客は「売り込まれる」と感じて身構えてしまうのです。
小さなYesを積み上げているつもりがNoを積み上げているために、ますます売りにくくなっていく。
気付き・発見・変化
「混乱」で提示した壁を乗り越えるための解決策があることに気付いてもらうパートです。
意外性のある事実や見過ごしがちな情報を提示して、受講者の意識に変化をもたらしましょう。
受講者自身が日常的に感じていることや、具体的な事例を挙げるといっそう信憑性が増します。
問いかけや質問を駆使して、受講者に「なるほど、たしかにそうだ」と納得してもらうことが重要です。
なぜ商品の話になると顧客は「売り込まれる」と感じ、身構えてしまうと思います?
売り込まれるという心理は、要するに「お金を取られる」と感じて警戒するということです。
顧客は、あなたのことを「take」のために来た人だと感じています。
giveがなくtakeばかりの人と関わると自分が損をしそうだと感じるのは、皆さんも同じですよね?
売れない原因はクロージングのスキルではなく、そもそも「売ろうとしていること」にあるのです。
現実の課題
前のパートで提示した解決策を、実際に活用するにはどうすればよいかを示します。
行動レベルで具体的に何をするべきかを解説し、受講者が取るべき行動を伝えましょう。
新たに得た気付きを自分自身の行動に反映させられることを知ってもらい、自分にもできそうだと実感してもらうのです。
受講者は気付きを行動へと移す様子をイメージし、自分自身が何をすれば良いのかを把握していきます。
では、どうすれば「売ろうとしている人」「takeのために来た人」から脱却できるか?
非常にシンプルなことで、giveに徹するだけです。
純粋にお客様のためだけを思って、相手が申し訳なくなってしまうくらいgive、give、giveに徹する。
商品の提案さえも、giveの一環として提示してしまう。
うちの製品でなくてもいいが、こんな解決策がありますよ、という提示の仕方をするわけです。
行動への確信・未来への希望
セミナーで伝えた内容を実践することで、明るい未来が待っているという希望を提示するパートです。
受講者にとって本来知りたかった疑問がほぼ解決したところへ、さらに先の明るい未来があることを知ります。
自身がこれから取り組もうとしていることが正しいと確信してもらい、必ず実践するという思いを強めてもらいましょう。
人生全体に良い影響をもたらすなど、普遍性のある話題にすることで確信がいっそう強まります。
giveに徹することが結果的に契約に繋がるようになると、自分が営業をしているという実感が薄れていくでしょう。
何しろ、あなたは本心からtakeのためではなくgiveのためにお客様と接しているのですから。
giveに徹する活動は、お客様はもちろんのことあなた自身にも幸福をもたらします。
商品を売ってノルマを達成するという小義から脱却して、周囲の人々のために尽力するという大義を得られるからです。
次への成長ステップ
セミナーの内容を実践した結果どうなるのか、次への成長ステップを盛り込みましょう。
具体的な結果が出ることや、より高いレベルの課題に取り組めることなど、前向きな話題でセミナーを締めくくります。
後々の成長ステップまで見据えて話すことで、セミナーが成長過程に必要な時間だったと認識してもらえるはずです。
セミナーを通じて自分自身に良い変化があったと実感してもらうことが共感を生み、ファン作りへと繋がっていくでしょう。
今回、私からお話ししたことは明日からすぐにでも実践できることです。
売ろうとするのではなくお客様のことを第一に考え、takeは度外視してgiveに徹する。
今日を境に、皆さんの営業活動は今までとは大きく違ったものになっていくでしょう。
「giveに徹したら本当に結果がついてきたと」いったご報告を、過去に受講した方からいただいたことがあります。
次は皆さんの番です。嬉しいご報告をお待ちしています。
神話の法則をセミナーで活用する際の注意点

神話の法則をセミナーで効果的に活用するには、いくつか注意しておくべき点があります。
次の3つの注意点を意識して、共感を生むセミナーを実践していきましょう。
自己紹介に印象的なフレーズを盛り込む
セミナー冒頭で行う自己紹介は、共感をもたらす上で最初の重要なステップといえます。
単に経歴を紹介したり、実績を羅列したりするだけでは印象に残すことはできません。
「〇〇の人」と覚えてもらえるよう、印象的なフレーズを盛り込みましょう。
親近感を覚えてもらえるような、自身の失敗談や挫折の経験を紹介するのも効果的です。
人柄を垣間見ることのできるエピソードを紹介することで、受講者と目線の高さを合わせましょう。
共感を得られる事例を紹介する
セミナーでは具体的な事例を挙げることが重要ですが、事例はインパクトがあれば良いというものではありません。
あまりに極端な事例を挙げてしまうと、受講者は「自分には関係のない話だ」と感じ、興ざめしてしまいます。
むしろ受講者自身が常日頃経験しているような身近な事例や、「自分も全く同じ経験をした」と思えるような事例が良いでしょう。
共感を得られる事例を紹介することで、受講生が置いて行かれることのない一体感のあるセミナーになるはずです。
過去の受講生にもたらした変化を紹介する
過去に同じセミナーを受講して結果を出した人物を紹介するなど、信憑性のある事例を挙げることが大切です。
実際に良い変化が見られた事例を紹介することで、受講者の「自分にもできるかもしれない」という思いが強化されます。
セミナーの主人公は講師ではなく、受講者自身でなくてはなりません。
過去の受講生にもたらした変化を知ることは、自分自身に起きつつある変化を確認することに繋がるのです。
まとめ
神話の法則はセミナーの構成にも活用できます。
セミナーの各パートで伝えるべきメッセージと、神話の法則がどのようにリンクするかをつかむことが大切です。
ぜひ今回の記事を参考に、受講者を惹きつける魅力的なセミナーを作り上げてください。

年商5億円を超えさらなるスケールアップを目指す経営者必見!
あなたのビジネスをスケールアップさせる集客と組織作り、
さらに、成功事例やここだけのお得な内容をお届け致します。