補助金・助成金を申請するときのコツ|メリット・デメリットと注意点

最終更新日: 2022/12/07 公開日: 2022/08/17

新型コロナウイルス感染症流行に伴い、多くの企業が窮地に立たされる中、活用できる補助金・助成金はできる限り申請したいと考える人も多いでしょう。

補助金・助成金は種類によって条件が異なるうえ、申請したからといって必ずしも受給できるとは限りません。

けれども少しのコツをつかんで申請することで、受給できる可能性を高めることは可能です。

今回は、補助金・助成金を申請するときのコツや、メリット・デメリットについてわかりやすく解説します。

ポイントをしっかり押さえて、受給できる確率を最大限アップさせましょう。

意外とわかりにくい、補助金と助成金の違い

補助金や助成金にはさまざまな種類がありますが、そもそも「補助金」と「助成金」の違いがわかりにくいと感じている人も多いのではないでしょうか。

補助金と助成金の違いは、次の通りです。

  • 補助金の管轄|経済産業省や地方管轄
  • 助成金の管轄|厚生労働省
  • 共通点|労働者のための制度

一つずつわかりやすく説明します。

補助金の管轄|経済産業省や地方管轄

補助金は「経済産業省」や「地方自治体」の管轄で運営されています。

一般的には募集要項を満たした上で、申請書や事業計画書をもとに審査が行われ、受給できるかどうかが決まります。

申請期間は1か月前後の場合が多く、予算や募集件数も限られているため、必ずしも受給できるとは限りません。

補助金の受給は「狭き門」ともいえるでしょう。

経済産業省が運営している補助金には、次のものがあります。

※全国商工会連合会ならびに経済産業省ホームページより引用

また補助金は、地方自治体が独自で運営しているものがたくさんあります。

助成金の管轄|厚生労働省

助成金は主に「厚生労働省」の管轄で運営されています。

条件を満たしていれば受給できるものが多く、申請期間は補助金と比べて比較的長いのが特徴です。

支給される金額については一律で決まっている助成金が多く、基本的には後払いとなります。

厚生労働省が運営している助成金は、次の通りです。

※厚生労働省ホームページより引用

共通点|労働者のための制度

補助金と助成金の共通点は、どちらも企業のためではなく「労働者のための制度」という点です。

「従業員が働きやすい環境を整えること」「私生活と両立しながら働ける環境を提供すること」を目的とし、目的を達成するために取り組んだ企業に対して補助金・助成金が支給されます。

また新規雇用を積極的に行おうとする企業に対しても、「働きたい人に仕事を提供している」という点を評価し、補助金・助成金の支給対象としているケースもあります。

あくまでも労働者のための制度であると認識することは、補助金・助成金の申請を通すうえで重要なポイントです。

取り組むことによるメリット・デメリット

補助金・助成金の申請を行うと、さまざまなメリットとデメリットがあります。

補助金・助成金のメリット

補助金・助成金を申請するメリットは、次の通りです。

返済義務なし

補助金・助成金は金融機関からの借入金とは異なり、返さなくてもよいお金です。

数十万円の助成金から数百万・数千万の補助金も、金額に関わらず返済の義務はありません。

雑収入として処理できる

補助金・助成金は事業の売上以外の収入であるため、「雑収入」で計上します。

一般的に補助金・助成金は、法人の場合は「法人税」、個人事業主の場合は「所得税」の課税対象となりますが、消費税はほとんどの場合が非課税です。

社会的信用の向上

補助金・助成金を受給した企業は、厚生労働省や経済産業省がさまざまな要件を満たしていると判断した企業です。

したがって社会的信用が向上し、公的な融資が受けやすくなるという恩恵もあります。

繰り返し給付権利

補助金・助成金の要件を満たす制度や環境を整え維持すれば、繰り返し給付を受ける権利があります。

たとえば、キャリアップ助成金やトライアル助成金などは、対象者がいることで毎年申請可能です。

補助金・助成金のデメリット

補助金・助成金を申請するデメリットは、次の通りです。

廃止は簡単にはできない

補助金・助成金は、労働者にとって働きやすい環境を整えるための制度なので、簡単には廃止できません。

受給までに時間がかかる

各補助金・助成金は、申請から受給までに時間がかかります。

申請

審査

事業の実施

事業の報告(申請したとおり正しく実施されたかどうか確認される)

受給

通常は上記のような流れとなり、おおよそ数か月〜1年以上かかるケースが多いです。

要件や期限が厳しい

不正受給防止の観点やより公平な審査を行うために、要件や期限は厳しく設けられています。

密な事務処理が必要

補助金・助成金は審査が通っても、取り組み結果を正確に報告しなければ受給できません。

したがって、正確に報告できるよう密な事務処理が必要です。

コストがかかる可能性もあり

従業員が働きやすい環境を整えるためには、コストがかかるケースも少なくありません。

コストに対して、補助金・助成金の支給額はいくらなのかをしっかりと理解したうえで、取り組む必要があるでしょう。

基本的に後払い

補助金・助成金は基本的に「後払い」です。

助成金は一律で決まった金額が、補助金は審査によって決まった金額が、後日支給されます。

条件と期間は順守する

補助金・助成金は種類によって、それぞれ条件と期間が異なります。

申請する補助金・助成金の要件・スケジュールを正確に把握し、ルールを守って申請しましょう。

補助金・助成金の採択を通すコツ

補助金・助成金の採択を通すためには、次のようなコツがあります。

  • 情報を幅広く集める
  • 内容に沿った申請書を書く
  • 事業計画で心を掴みつつわかりやすく
  • 客観的かつ具体的に
  • 根気強く申請を続ける

一つずつ詳しく説明します。

情報を幅広く集める

補助金・助成金の情報を幅広く集めることが、採択を通すための第一歩です。

補助金・助成金の情報は、積極的に開示されているわけではありません。

厚生労働省や経済産業省が大々的な広告を出したり、メディアで宣伝したりすることはほぼないのです。

常に申請する側から、積極的に情報を掴みにいく姿勢が大切です。

補助金・助成金の情報については、国や地方自治体のホームページだけでなく、次のような媒体で公開されているケースがあります。

・助成団体が発行しているポスター
・社会福祉協議会や市民活動センターの広報誌
・役所や社会福祉施設の掲示板

また最新の補助金・助成金情報がまとめられている、次のようなサイトをチェックするのもおすすめです。

内容に沿った申請書を書く

申請書は補助金・助成金の内容に沿って書くのが重要です。

補助金・助成金は国や地方自治体の目的に合わせて、さまざまな分野で募集されています。

中には似たようなものがあっても、補助金・助成金の種類だけ「目的・対象・仕組み」が存在します。そのため、目的に合わせた申請書を書くことがとても重要です。

たとえば、中小企業の課題やニーズにあったITツールの導入を支援する「IT導入補助金」の申請で、「女性が働きやすい環境を作ります」という方向性の申請書を書いても、ほぼ採択は通りません。

これは少々極端な例ではありますが、申請する補助金・助成金の内容をしっかりと把握したうえで、申請書を書きましょう。

事業計画書で心を掴みつつわかりやすく

事業計画書は審査する人の心を掴みつつ、できる限りわかりやすく作成するのがポイントです。

補助金や一部の助成金の審査では、事業計画書が判断基準の大半を占めます。

「どのような企業なのか」「綿密な計画性はあるのか」など、企業の魅力が最大限伝わるものでなければなりません。

また審査する人は特定の業界に精通しているわけではないので、専門用語はできるだけ使わずに、誰にでもわかりやすい文章で説明するのもポイントです。

採択を通すため、わかりやすく興味深い事業計画書を作成して、担当者の心を掴みましょう。

客観的かつ具体的に

提出する申請書・事業契約書は、客観的かつ具体的でなければなりません。

その理由は、補助金・助成金が国民の「税金」で運用されているからです。

税金の使途は国民に明確に示す必要があり、「やる気」や「情熱」など漠然とした申請に対しては、国民のお金を使うことは許されないのです。

では、漠然とした申請と客観的かつ具体的な申請を比べてみましょう。

【A社の申請】
「補助金を活用して大々的に広告を打つことで、毎月○円の売り上げ増加が見込めます。それに伴い、新規雇用が発生します」

【B社の申請】
「弊社はこれまで新聞折込でのチラシ配布に毎月○円の予算をかけて広告活動を行ってきました。今後は○○社のデジタル広告や、SNS広告に毎月○円の予算を投じます。競合のC社の事例では、同様の広告手法により売り上げはひと月○円増加し、新規顧客を○名獲得したそうです。補助金をこれらの広告費にあてることで、毎月○円の売り上げ増加が見込め、それに伴い○名の新規雇用が発生する見込みです」

A社とB社の申請を比較すると、B社の方が客観的かつ具体的に説明できています。採択が通りやすいのはB社の申請です。

根気強く申請を続ける

もし審査に落ちてしまっても、根気強く申請を続けることが補助金・助成金を受給できるコツです。

補助金・助成金の審査は、厚生労働省や経済産業省で働く人ではなく、委託を受けた外部の有識者(税理士や中小企業診断士など)が行っています。

審査を行う有識者は不特定多数存在し、一つの補助金に対して選ばれた3〜4名ほどが審査を担当します。

審査する有識者たちは性格も考え方も異なるため、同じ申請書・事業計画書を見ても感じる印象は人それぞれです。

つまり、今年の審査には落選しても、来年審査する人の心を掴めれば採択される可能性もあるのです。

また、審査は絶対評価ではなく「相対評価」で上位から順に選ばれます。

ほかの企業との兼ね合いで審査に落選してしまう年もあれば、たとえ同じ有識者の審査だとしても翌年は採択される可能性もあります。

一度落選したからといって諦めず、根気強く申請を続けることが採択される可能性を高めるでしょう。

地域に貢献する事業構築が大切

ほとんどの補助金や助成金は「税金」でまかなわれており、税金は地域の人や企業が納めています。

補助金・助成金によってさまざまな企業が円滑に回っていることを鑑みると、補助金・助成金を受給する企業はとくに、地域に貢献する事業構築を心がけることが大切です。

互いが助け合える社会を築く姿勢は、補助金・助成金の審査過程においても評価に値するでしょう。

従業員を守る制度であることを忘れない

そしてなによりも、補助金・助成金は企業のための制度ではなく、従業員を守るための制度であることを忘れてはいけません。

従業員がより働きやすい環境を整えるために、補助金・助成金を最大限活用しましょう。

まとめ

今回は、補助金・助成金を申請するときのコツやメリット・デメリットを解説しました。

補助金と助成金の違いや目的を理解しつつ、自社とマッチするものがあればどんどん活用しましょう。

必ずしも受給できるものではありませんが、補助金・助成金の仕組みを深く理解すれば、採択される可能性を高められるはずです。

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最終更新日: 2022/12/07 公開日: 2022/08/17
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