
「孫子の兵法がマーケティングに役立つって本当?」
「経営者の人はなぜ孫子の兵法を読んでいるの?」
孫子の兵法は、春秋戦国時代に戦争に勝つためのノウハウとして、書かれた本。
今回は、孫子について知りマーケティングに生かせるポイントについてご紹介します。
この記事を読めば、以下のことが分かります。
- 孫子の兵法がマーケティングに役立つ理由が分かる
- 孫子の兵法を読むべき理由が分かる
- 孫子の兵法をマーケティングに生かす具体的なポイントが分かる
孫子の兵法をマーケティングに生かすポイントについて知りたい方はぜひ読んでみてください。
孫子の兵法とは?

孫子の兵法は、春秋戦国時代に書かれた本です。もともと敵に勝つための軍事の書として書かれました。
- リーダーの心構え
- チームの士気の上げ方
- 周りの敵軍との接し方
- 敵軍への攻め込み方
などさまざまな観点から軍としてあるべき姿の心得が書かれています。
この心得は、現代の私たちの生きるヒントになることも多く、特にビジネスやマーケティングでも役立ちます。
また、世界中の経営者で、孫子の兵法を愛読書として上げている人も多いです。大事なエッセンスが溢れていて、何度でも読み返したい古典でしょう。
孫子の兵法の愛読者や、孫子の兵法についてさらに詳細に知りたい方は以下の記事もご覧ください。
孫子の兵法がマーケティングに役立つ理由

春秋戦国時代の大昔に書かれた戦いに勝つための書がなぜ、マーケティングに役立つのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
孫子の兵法がマーケティングに役立つ理由をご紹介します。
変化の早い時代でも不変の成功法則が分かる
現代社会の変化が早い時代でも通用する、不変の成功法則が分かるからです。
今の時代まで読み継がれ、現代の経営者にも愛読者が多い孫子の兵法はそれだけ現代にも生かせる事柄が多いことが分かるでしょう。
テクノロジーが著しい速さで発展を続ける時代でも、私たちの感情や感情にともなう行動は変化していません。
組織の中でのリーダーとしての在り方、競合他社との関係を吟味し、より優位に立つための戦略は非常にためになります。
時代を経ても変わらない大衆心理が分かる
長い時代を経ても、私たちの心理状態は変化していません。古典を読むと、昔の人が考えていることと、現代の私たちが考えていることは変化していないことがよく分かります。
引き付けるための軍の士気の上げ方、大衆心理をよく理解した敵軍を操る手法など、人の心理の核心をついた記載が多いです。
孫子の兵法には、人の考え方、あるべき姿の言葉が多く残されていて、大変勉強になります。
昔から変わらない人間の心理を知ることによって、現代社会でも人をひきつけるための手法やノウハウが学べるでしょう。
マーケティングで使用したい孫子の言葉
マーケティングで生かしたい孫子の言葉について確認しましょう。

弱点と美点を見極める
攻めて必ず取る者は、其の守らざる所を攻むればなり
(漢文省略)敵がしっかりと守っていない場所を攻めるからこそ、勝つことができる。また、容易に敵が攻められない場所だからこそ、固く守ることができる、と孫子は述べています。これは、相手の弱みを見極めること、自分の強みを作ることと言い換えることができます。
くり返し読みたい孫子の兵法(監修:渡邉義浩)P76より引用
マーケティングでも競合他社の商品と自社の商品を見比べて、自社商品の強みを研究し、強みを前面に出して宣伝されます。
競合他社の弱い部分を狙って、他社の未開拓な部分や強みが確立されていない商品を自社で作り、売り出すこともできるでしょう。
競合他社の弱い部分・強い部分はどこか、自社の弱い部分・強い部分は何かをそれぞれ明確にしてみてください。
そして次のような対策を立ててみましょう。
- 自社の強みの部分で他社に侵入されない参入障壁をつくること
- 他社の弱みを把握し、自社の強みを売り出す製品や他社にとって未開拓の製品を開発する
変化をし続ける
夫れ兵の形は水に象る
(漢文省略)
孫子は、兵の動きを水の流れに例えています。水は形がなく、高いところから低いところへ、あるいは地形に沿って流れます。同様に、兵も形を作らず、敵軍の状態や時機を見て臨機応変に攻撃することが、勝利を得るカギになると言うのです。(中略)
周囲の状況が変化したと感じたときは、いったん立ち止まって現状を整理してみましょう。そして時には変化に合わせ、自分のやり方や進む方向を見直すことで、新たな道が拓けるのです。
くり返し読みたい孫子の兵法(監修:渡邉義浩)P76より引用
時代の流れにあわせて、私たちは新しい製品やサービス開発に取り組んでいかなければなりません。または、既存の製品やサービスを時代の流れにそって、新しい機能を追加することも有効です。
市場の流れが変わったときは市場や競合他社の様子を観察し、変化にそって自社の方針や戦略を見直し、変化させることが大切です。
時代が変わっても商品の既存の機能やサービスに固着し続けると、あっという間に変化に乗り遅れてしまうこともあります。
現代に求められる価値観や経営の仕方のポイントを知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
物事の良い面と悪い面を把握する
智者の慮は、必ず利害に雑う
くり返し読みたい孫子の兵法(監修:渡邉義浩)P100より引用
(漢文省略)
物事の良い面と悪い面を把握することは重要です。例えば、新たに投資を検討する際でも、利益だけにつられるとリスクを見落としますし、反対に損失のことばかりを考えていては利益を得ることができません。孫子は「知恵のある者は、利と害を混ぜ合わせて考える」と言います。つまり、利益の中に損害となり得る要素が含まれていないか、また、損害の中に利益となり得る要素が含まれていないか考えるべきである、ということなのです。
自社の売り上げを高めるために、例えばオウンドメディアを運営するとしましょう。オウンドメディアを構築した際の利益と損失について考えてみてください。
例えば利益は、次のようなものが考えられます。
- うまくいけば多くの人に見てもらえ、企業の認知につながる
- 月に何人に見てもらえれば、そのうちの何パーセントの人が商品の購入につながるだろう
また損失は次のようなものになります。
- 時間と料金のコストがかかる
- また成功しなかった場合には、損失が大きい
しかし、損失となったとしてもスキルやノウハウは身に付きます。
簡単な例を出させていただきましたが、企業内で施策をおこなう際にも利益と損失を確認してみてください。また、利益の中の損失、損失の中の利益などそれぞれを考えられるとよいでしょう。
オウンドメディアのマーケティングに興味のある方はこちらの記事もご覧ください。
慣れないことは専門家や詳しい人に頼る
郷導を用いざる者は、地の利を得ること能わず
くり返し読みたい孫子の兵法(監修:渡邉義浩)P138より引用
(漢文省略)
敵地に入っても、地形を知らなければ、軍をうまく進めることはできません。ひとくちに地形を知ると言っても、詳細な地図などないに等しい時代ですから、大変難しいことだったでしょう。斥候を出して調べたとして限度があります。勝利を確実にするには、土地をよくわかっている地元の住民の協力を得ることが重要だったのです。
知らないことは、詳しい人や専門家の人に話を聞くことが大切。その道に詳しくなるためには、よく知っている人に話を聞いて進めることが最善の道でしょう。
例えば、マーケティングの手法を知りたいと思ったとき、基礎から独学で勉強するより、セミナーに参加して、その道に詳しい専門家に直接話を聞く方が効果的です。
なぜなら、すぐに実践に移せて、短い時間でノウハウを習得できるから。また、その方たちの協力を得れば、高い確率で効果が出るでしょう。
強すぎるものからは自ら身を引く
彼れを知り己れを知れば、百戦して殆うからず
くり返し読みたい孫子の兵法(監修:渡邉義浩)P40より引用
(漢文省略)
相手と自分を深く理解していることが、戦いに勝つための要であると孫子は言います。まず、対立する敵や、敵を取り巻く状況を知り、情報を得ること。そして同様に、自分自身の状況もしっかりと把握すること。その上で、勝つための要員を見定めなければなりません。自国の利にならないのであれば戦うべきではないという孫氏の考えは、裏を返せば、戦うと決めた以上は絶対に勝って利を得るという考えでもあります。その判断のもととなる洞察力を深めていくことで、日常生活における衝突を回避することができるのです。
孫子の兵法では、とても有名な一説。
自分の競合他社と比較して、強すぎる相手と競合をすべきではないでしょう。体力と時間を消耗するだけとも言えます。
競合他社や時代の流れをよく理解して、確実に勝利を収める必要があります。確実に勝てる市場や競合他社を相手にしたマーケティングを考えましょう。
小さな部分に目を付ける
善く戦う者は、不敗の地に立ち、而して敵の敗を失わざるなり
(漢文省略)他者が軽視するものに着目し、価値を見出す。この能力は、相手の態勢が崩れるのを待つときに非常に強く発揮されます。崩れるのを待つと言っても、何も考えずにただ待っているだけでは勝利することはできません。敵軍の様子を注意深く観察し、こちらの有利になる要素がないかを探す必要があります。そのときに、大多数が見逃してしまうような、相手の小さなほころびに気づくことができれば、大いに勝利へと近づきます。
くり返し読みたい孫子の兵法(監修:渡邉義浩)P50より引用
他の人が気づかない小さな部分や、世間が必要としている小さなほころびに気づくことが大切です。
- 世間が求めているけれども、まだ気づかれていない新しいことはないか
- ニッチな部分ではあるが、少数の人に熱狂的に指示されていることはなにか
世間のニーズはさまざまなところに溢れているでしょう。
皆が目をつけるような部分ではなく、小さな部分にも目を向けることが思わぬ発見につながるかもしれません。
孫子のおすすめ本の紹介

経営者の方におすすめしたい孫子に関する書籍をご紹介しましょう。今回ご紹介するのは、以下の2記事です。
- 世界最高の人生戦略書 孫子(著者:守屋洋)
- くり返し読みたい孫子の兵法(監修:渡邉義浩)
世界最高の人生戦略書 孫子(著者:守屋洋)

- 「戦わずして勝つ」
- 「戦況を見極める」
- 「知略で優位に勝つ」
- 「逆転を狙う」
- 「将たる者の心得」
これらのテーマに沿って、孫子のキーワードとなる文を拾いあげながら解説されています。
また、この本の特徴は「孫子の兵法」にまつわるエピソードのみでなく、さまざまな古典からも名言や解説を拾いあげていること。それらが孫子の関連キーワードとともに掲載されています。
孫子の兵法のみでなく他の古典のキーワードや、解説も合わせてみることで、より孫子の兵法の文の深い理解に役立つでしょう。
また、実際の漢文とともに、単語の意味を添えながら分かりやすく訳が記載されているので、詳細に理解できます。
くり返し読みたい孫子(監修:渡邉義浩)

孫子の残した言葉と解説が、美しく繊細な日本画とともに掲載されています。
見開きで一つのテーマが完結するので、パラパラめくりながら気になったテーマを軽く読むことが可能です。
一全部で5つの章からなり、「本質を捉え、最善を考える」「手はずを整え、勝機を掴む」「自らをたのみ、主導権を握る」などテーマごとに注目したい言葉がピックアップされています。
ビジネスやマーケティングで使用できる考え方が掲載されているとともに、日常生活でも役立つ文章が多いです。優しい日本画とともに知識を学べるので癒されたい方にもおすすめします。
まとめ
孫子の兵法は、変化の早い時代競争社会や、情報社会で本当に大事なものを見つけるために読んでいただきたい古典です。
戦いに勝つための書ということから、他社を追い越す、抜きんでる、差別化を図るという意味で大変役立ちます。
孫子の兵法について、ぜひ関連書籍も手にとって読んでいただけたら幸いです。
セミナーズでは、マーケティングに役立つ無料セミナーをおこなっています。
すぐに実践できるものばかりですので、ぜひ一度ご参加いただけたら幸いです。

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