睡眠によい音楽とは?選ぶポイントや注意点を解説

最終更新日: 2022/12/07 公開日: 2022/09/12

「睡眠前にリラックスした音楽を聞きながら寝たい!」
「睡眠前に音楽を聞きたいけど、かえって目が覚める?」


睡眠前にリラックスした音楽を聞くと眠気がして、楽に入眠できた経験のある人も多いでしょう。

また、睡眠前に好きな音楽を聞いていたら、かえって目が覚めてしまったという経験のある方もいらっしゃると思います。

音楽で楽に入眠する、または睡眠の質を高めるには、脳波の構造について知って、睡眠に適した音楽を聞くのが大切です。

経営者の方は、睡眠が翌日のパフォーマンスに大きな影響を及ぼすため、ぜひ知っていただきたい項目です。音楽が好きでよく聞いている方はなおさらでしょう。

今回は、質のよい睡眠や自然に入眠するために適した音楽をご紹介しましょう。

この記事を読めば、以下のことが分かります。

  • 睡眠の質を高める方法が分かる
  • 睡眠によい脳波の種類が分かる
  • 睡眠に適した音楽と適さない音楽が分かる

音楽が睡眠によい理由とは

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適切な音楽を聞くことは、質の高い睡眠に大きな影響を及ぼします。

それは、音楽を聞くことによって気分がリラックスし、入眠に入る準備が整うため。

「音楽を聞いていたら、気づいたら寝てしまっていた!」
「音楽を聴いていたらいつの間にか心が癒されて、深い眠りにつけた!」

などの経験のある方も多いと思います。

では、なぜ音楽を聴くと眠くなることがあるのでしょうか。

音楽を聴くと眠くなる原理には、リラックスした状態に出る際の脳波の状態が関連しています。

入眠をする際に出る脳波について見ていきましょう。

睡眠に効く音楽は脳波で分かる

睡眠に効く音楽をつかむことは、私たちの脳波の構造を知ることが重要。

私たちは寝るときや普段の生活である一定の脳波を出しています。

脳波は、一般的に単位Hz(1秒あたりにおける周波数)で表されます。

脳波には大きく分けて4つの種類があります。

  • ベータ波(β波)15~40Hz
  • アルファ波(α波)9~14Hz
  • シータ波(Θ波)4~8Hz
  • デルタ波(δ波)1~3Hz

ひとつひとつの特徴や、自身の行動との関連性について見ていきましょう。

なおこの章については、『SLEEP』(著者:ショーン・スティーブンソン 翻訳者:花塚 恵 )を参考にしています。快適な睡眠をとりたい方はぜひ読んでみてください。

『SLEEP』については、こちらの記事でも詳しく説明していますので、ご覧ください。

ベータ波(β波)15~40Hz

ベータ波は、目を覚ましているときの自然な状態のこと。

ベータ波は、日常で家事をやっている時や仕事で何かを考えているときなど、意識を外側に向けているときに出ます。

ベータ波(β波)15~40Hz

目覚めているときに自然になる脳波で普通に意識がある状態

SLEEP (著者:ショーン・スティーブンソン 翻訳者:花塚 恵 )P243より引用

アルファ波(α波)9~14Hz

アルファ波とは、リラックス状態にあるときに出される周波数のこと。

心身ともにリラックスしていることが重要で、心と身体のどちらか一方がひどく気を張っていて、興奮状態にあるときには出ません。

アルファ波の状態になると、

  • 想像力
  • 可視化
  • 記憶力
  • 学習力
  • 集中力

の質が高まると言います。

また、瞑想やマインドフルネスに入ったときにもアルファ波がでます。瞑想・マインドフルネスについて気になる方は以下の記事もご覧ください。

アルファ波(α波)9~14Hz

リラックスして穏やかな状態では、頭は冴えているが思考は使っていない

SLEEP (著者:ショーン・スティーブンソン 翻訳者:花塚 恵 )P243より引用

シータ波(Θ波)4~8Hz

シータ波とは、眠りが浅いときや、レム睡眠時、深く瞑想状態に入り込んでいるときに出る周波数のこと。

シータ波は、以下の時に経験すると言います。

  • リラックス状態であるアルファ波の状態から、眠りに落ちるとき
  • 深い睡眠から目覚めようとするとき

シータ波(Θ波)4~8Hz

深いリラックス状態や瞑想状態で、無意識からイメージが浮かび上がる

SLEEP (著者:ショーン・スティーブンソン 翻訳者:花塚 恵 )P243より引用

デルタ波(δ波)1~3Hz

デルタ波は、深い睡眠状態のときに出る周波数のこと。

デルタ波で、ノンレム睡眠の際に出る脳波であり、夢を見ることもありません。

細胞の修復や、体の疲れをとり癒すサイクルは以下のもので行われます。

デルタ波(δ波)1~3Hz

夢も見ずに深く眠っている状態

SLEEP (著者:ショーン・スティーブンソン 翻訳者:花塚 恵 )P243より引用

睡眠を促すためにはα波を出そう

4つの周波数を確認すると、睡眠に入る段階ではアルファ波からシータ波に移り変わることが分かりました。

私たちが、眠りにつく際は、必ずアルファ波の周波数が出てからではないと、眠りにつくことはできません。

よって脳を興奮状態に置くのではなく、リラックスをさせることに意識をおくことが大切。

睡眠にスムーズに入り、質のよい睡眠をとりたい方は、リラックス状態になるアルファ波を出す音楽を聞くことをおすすめします。

睡眠によい音楽とは?

睡眠によい脳波とは、アルファ波を出すものが睡眠によい音楽であると分かりました。では、リラックスに適した睡眠によい音楽はどのようなものがあるでしょうか。

睡眠前に聞きたい音楽について詳しく見ていきましょう。睡眠前に聞く音楽でおすすめのポイントは以下の4つです。

  • 声のない音楽(もしくは言語を理解できない洋楽など)
  • テンポの遅い音楽
  • 自然音やリラックスできる生活音
  • 高い周波数で構成される音楽

声のない音楽(もしくは言語を理解できない洋楽など)

入眠前には、声のない音楽、もしくは声が入っていたとしても言語の意味を理解できない洋楽をおすすめします。

睡眠前に、自分のお気に入りの声がある音楽を聞きたい方も多いと思いでしょう。

しかし、自分の思い入れのある声の入った曲であると、歌詞に頭が集中してしまいます。物事を処理するモードに入り眠気が覚めてしまう可能性があるでしょう。

洋楽でも歌詞の意味が分からないものであれば、歌詞が頭に残らないため適切です。

テンポの遅い音楽

テンポの遅い音楽は、人をリラックス状態へと導いてくれるでしょう。ゆったりと安定した音楽は人をリラックスさせます。

人は、音楽と自身の呼吸の早さを同調させる性質があります。

ゆっくりとしたテンポの音楽を聴くことで、呼吸もゆっくりとしたペースとなり、副交感神経が優位になるでしょう。落ち着いた安心した気分を覚えるはずです。

自然音や街中の音

自然音や街の生活音は、人をリラックスした気持ちにさせてくれます。

自然音には「f分の1ゆらぎ」といった独特のゆらぎがあります。

波の音や川が流れる音は、規則性があるように思えますが、少しずつ異なっていて同じ音はありません。

私たちは、このf分の1ゆらぎを見聞きすると、リラックスした気持ちになることが分かっています。

自然音や生活音には例えば以下のようなものがあります。

自然音

  • 鳥や虫の鳴き声
  • 海の波が立つ音や川が流れる音
  • 山に吹く静かな風や木々が揺れる音

リラックスできる生活音

  • 暖炉で薪が燃えるぱちぱちとした音
  • アンティークな時計の針を刻む音
  • パソコンのキーボードの音

生活音は人によって雑音になることもありますが、リラックスできる音になることもあるでしょう。

自分が好きな落ち着くと感じる、自然音や生活音を出せるアプリもあります。

睡眠を解析したり、睡眠前にリラックスできる音楽や、瞑想を楽しみたい方には以下の記事をおすすめします。ぜひあわせてご覧ください。

■ 関連記事

高い周波数で構成される音楽

一定の周波数の高い音楽を聴くと、人はリラックス状態に入ると言います。特に4000Hzを超える高周波音楽に深いリラックス効果が得られるそう。

モーツァルトが作成した曲は、特に高周波のものが多いです。クラシックは普段聞かない方も、睡眠前に一度聞いてみてはいかがでしょうか。

睡眠前に聞くべきでない音楽とは

睡眠前に聞くべきでない音楽は、アルファ波を出さない音楽です。

睡眠に聴くべきでない音楽を知り音楽を選ぶ際の注意点としてください。

激しい音楽

テンポが速く、ベースやドラムの音などが多く入った音楽は、脳を覚醒させてしまいます。

激しいロックやポップスなどは、気分を切り替えるのに役立ちますが、睡眠前に聞くのには適していません。

また、いったん脳を覚醒させると、再びリラックス状態にうつすのに時間がかかる点でもおすすめしません。

大きい音で音楽を聴く

自分の好きな音楽を大音量で聞くのが好きだという方もいるかもしれませんが、入眠時には役立ちません。

大きい音は、交感神経を優位にさせてしまうため、睡眠前には適していません。

うるさく感じない小さな適切な音で音楽を聴くことをおすすめします。

睡眠前に音楽を聞くときの注意点

睡眠前に音楽を聴く際の注意点は、長時間聞くことを避けることです。

音楽を聴く際は、あらかじめ時間を決めておくまたはタイマー機能で自然に音が止まるようにするなど工夫しましょう。

長時間聞いてしまうと、かえって寝付けなくなり、脳が覚醒してしまう場合があることに注意が必要です。


眠気を感じたら、音楽を止めベッドに入るとよいでしょう。

また、イヤホンやヘッドフォンで音楽を聴く方もいらっしゃると思います。

長時間のイヤホン・ヘッドフォンの使用は耳に悪影響を与える場合がありますので、注意して利用しましょう。

音楽は睡眠にさまざまな効果をもたらす

睡眠前の音楽はさまざまな効果をもたらします。睡眠と音楽が効果をもたらす論文について見ていきましょう。

昼寝前にも音楽は役立つ

マレンジャスミンコーディ、 サンドラ・アッカーマン 、 ビョルン・ラッシュ による論文では、リラックス音楽が健康的な睡眠に及ぼす影響について研究しました。(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31235748/

27人の女性被験者に対して実験をおこなっています。概要は、昼寝をする前に90分間それぞれ二つのいずれかをおこなってもらいました。
  • 音楽を聴く
  • コントロールテキストを聴く
その結果、コントロールテキストを聞いたい人と比較して、音楽が主観的な睡眠の質を改善したそうです。

4週間以上の音楽で睡眠の質が向上

佳徳鳳 、 Heng-Hsin Tung 、 Ching-Ju Fang 、 ジウン・リング・ワング 、 Nai-Ying Ko 、 Ying-Ju Chang 、 イェン・チン・チェン による研究では、60歳以上の高齢者を対象に音楽の睡眠の質への影響を研究しました。(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33880759/

音楽を聴いた高齢者は音楽を聴かなかった人よりも、睡眠の質が上がりました。
また、さらに鎮静音楽を聴いた人は、リズム音楽を聴いた人よりも睡眠の質が高かったということが分かりました。また、4週間以上音楽を聴くことは、睡眠の質を上げることに効果的であったそうです。
リラックスするゆったりとする音楽を選ぶのがよいことが分かります。
この研究では、60歳以上の人を対象としているため、それ以下の年代の方にも同じような結果が出るとは限りません。しかし、60才以下の人にもある程度の効果が見られるのではないでしょうか。

まとめ

睡眠前に音楽を聴くことは入眠を促すこと、睡眠の質を上げることにつながります。

脳には大方4種類があります。

  • ベータ波(β波)15~40Hz
  • アルファ波(α波)9~14Hz
  • シータ波(Θ波)4~8Hz
  • デルタ波(δ波)1~3Hz

アルファ波は、リラックスした状態をさします。そして、シータ波は、眠りが浅いときや、ノンレム睡眠時に出るものです。また、アルファ波から眠りに落ちる際にも出ます。

眠気を促すには、アルファ波を出すために、自分がリラックスできる音楽を聴くことが大切です。

睡眠には、以下のような音楽が適しています。

  • 声のない音楽(もしくは言語を理解できない洋楽など)
  • テンポの遅い音楽
  • 自然音やリラックスできる生活音
  • 高い周波数で構成される音楽

また、以下の音楽や聴き方は適していません。

  • 激しい音楽
  • 大きい音で音楽を聴く

睡眠前に音楽を取り入れることは入眠をうながし、睡眠の質を上げられます。

ぜひ睡眠前に音楽を取り入れてみてください。

セミナーズ通信

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最終更新日: 2022/12/07 公開日: 2022/09/12