
コピーライティングとは、文章で読者の心理を動かし、目的の動作をしてもらうためのスキルをいいます。
つまり、広告や宣伝のために文章を書くこと、もしくはそのスキルということです。
LPやメールマガジンなどの文章をコピーライティングで作成することで、読者に購入の後押しをしています。
ただ、「読者の心理を動かす文章を書くのは難しい」「LPやメールマガジンで広告文を書いているが、なかなか購入につながらない」と考えている人も多いのではないでしょうか。
今回は、コピーライティングで必須のフレームワークである神話の法則についてご紹介します。
神話の法則とは

神話の法則とは、ヒーローズ・ジャーニーとも呼ばれる、文章を書くためのフレームワークです。
神話の法則は、映画や小説などでもよく使われており、視聴者・読者を主人公に共感させ、惹きつける効果があります。
「スター・ウォーズ」や「ロード・オブ・ザ・リング」などの世界的なヒット作品も、「ONE PIECE」や「スラムダンク」などの漫画も、すべて神話の法則に当てはめることができます。
つまり、神話の法則を覚えておけば、商品・サービスを販売するためのコピーライティングが簡単にできるということです。
神話の法則は12の場面に分けられています。12の場面は大きく3つのパートに分類されます。
第1パート 「主人公の日常」 | ①日常世界 ②冒険への誘い ③冒険への拒否 ④賢者との出会い ⑤第一関門突破 |
第2パート 「主人公の挑戦」 | ⑥試練・仲間・敵との出会い ⑦もっとも危険な場所への接近 ⑧最大の試練 ⑨報酬 |
第3パート 「主人公の理想の世界」 | ⑩帰路 ⑪復活 ⑫宝をもって帰還 |
各パート・場面を「ハリー・ポッターと賢者の石」を例に説明します。
第1パート「主人公の日常」
第1パートは、主人公が暮らしている世界から冒険に出発するまでが描かれます。
- 日常世界
- 冒険への誘い
- 冒険への拒否
- 賢者との出会い
- 第一関門突破
「ハリー・ポッターと賢者の石」では、ダーズリーおじさんの家で暮らしている日常から、ホグワーツ魔法学校へ向かうシーンまでです。
①日常世界
「日常世界」は、主人公が暮らす一般的な世界が描かれています。
まだ問題は表面化しておらず、平凡な日常で主人公は暮らしています。
「ハリー・ポッターと賢者の石」では、ハリーがダーズリーおじさんの家で、いじめられながら暮らしている日常のシーンが「日常世界」です。
②冒険への誘い
「冒険への誘い」は、何かをきっかけに主人公が冒険をしなければならなくなる状況が発生する場面です。
主人公が望まなくても、第三者のすすめなどで、冒険が間近に迫っており、ここから物語が動き出します。
「ハリー・ポッターと賢者の石」では、ホグワーツ魔法学校からハリー宛に手紙が届くシーンです。
③冒険への拒否
「冒険への拒否」では、主人公は冒険に出かけるのを拒否する場面です。
主人公が行動を起こすことや環境の変化を嫌がったり、もともとの環境が冒険に出られないような状況であったりします。
「ハリー・ポッターと賢者の石」では、ダーズリーおじさんがハリーに手紙を読ませまい、魔法界に行かせまいとして、手紙を隠したり、灯台に一家そろって隠れたりするシーンです。
④賢者との出会い
「賢者との出会い」では、主人公が自分を冒険に導く存在に出会う場面です。
賢者は主人公に知恵やスキルを与えたり、予言をしたりして、ストーリーを前にすすめます。
「ハリー・ポッターと賢者の石」には、多くの賢者が現れますが、ここではハグリッドが賢者です。
ハリーをダイアゴン横丁に連れていき、魔法界について教える役目を果たします。
そして、ハリーの両親や額の傷の意味などを語り、ハリーを魔法界へと導いていきます。
⑤第一関門突破
「第一関門突破」で、主人公は日常世界から完全に離れてしまいます。
ファンタジーであれば、まったく別の世界に行くことが多いですが、主人公が今までとは異なる行動を起こすことなども当てはまります。
「ハリー・ポッターと賢者の石」では、ハリーがホグワーツ・エキスプレスに乗って、ホグワーツ魔法学校へと向かうシーンです。
第2パート「主人公の挑戦」
第2パートでは、主人公の挑戦とそれによって得られた報酬を語ります。
- 試練・仲間・敵との出会い
- もっとも危険な場所への接近
- 最大の試練
- 報酬
「ハリー・ポッターと賢者の石」では、ホグワーツ魔法学校の入学や学校生活での行動が描かれているのが、第2パートです。
⑥試練・仲間・敵との出会い
「試練・仲間・敵との出会い」では、数々の試練が起こり、それを一緒に乗り越える仲間や立ちはだかる敵について描きます。
「ハリー・ポッターと賢者の石」での仲間は、ロンとハーマイオニーを筆頭としたグリフィンドールの寮生たちです。
それに対して、マルフォイやスリザリンの寮生、スネイプ先生が敵として描かれています。
試練については、トロールを倒したり、クィディッチの試合に出場したり、暗黒の森に入ったりと、ハリーはいくつもの試練に挑戦しています。
⑦もっとも危険な場所への接近
「もっとも危険な場所への接近」は、クライマックスの前段階です。
「ハリー・ポッターと賢者の石」では、ハリー・ロン・ハーマイオニーの3人が、凶暴な番犬のフラッフィーをやり過ごして、隠し扉に入るところから、魔法使いのチェスでロンが倒れるまでが描かれています。
「もっとも危険な場所への接近」では、大きなリスクを背負って挑む場面や、何かを犠牲にして挑戦するストーリーが盛り上がります。
同じように、ハリーはロンとハーマイオニーを置いて、1人で最大の試練に挑むことになります。
⑧最大の試練
「最大の試練」は、物語のクライマックスです。主人公が最大の敵に出会います。
敵は人物でなくてもよく、主人公が乗り越えなければならない大きな壁というように抽象的なものもあります。
「ハリー・ポッターと賢者の石」では、ヴォルデモートに寄生されたクィレル先生とハリーが出会うシーンです。
⑨報酬
「報酬」は、最大のシーンを乗り越えて得られる報酬を描く場面です。挑戦に対して、どのような成果が得られたのかを書きます。
「ハリー・ポッターと賢者の石」では、ハリーが賢者の石を手に入れるシーンが「報酬」に当たります。
第3パート「主人公の理想の世界」
第3パートは主人公が最大の試練を乗り越えて、日常の世界に戻っていく場面を描きます。
- 帰路
- 復活
- 宝をもって帰還
主人公は日常に戻りはしますが、第1パートの日常生活とは異なります。
主人公が帰っていく日常は、主人公が成長した後の理想の世界として描かれます。
「ハリー・ポッターと賢者の石」では、ヴォルデモートとの対決から1年生の終わりまでのシーンが第3パートです。
⑩帰路
「帰路」は敵から勝利し、報酬を手に帰るシーンとなりますが、まだ「最大の試練」から完全に逃れてはいません。
報酬を手にした主人公が、絶体絶命のピンチに陥ることもあります。
「ハリー・ポッターと賢者の石」では、体を失ったヴォルデモートがハリーの体を通り抜け、ハリーが気絶するシーンが「帰路」に当たります。
⑪復活
「復活」は、主人公が奇跡的に生き返る場面が描かれます。
失敗と思っていたものが大成功に終わったなど、大逆転で盛り上がります。
「ハリー・ポッターと賢者の石」では、ハリーが医務室で目覚めるシーンです。
⑫宝をもって帰還
「宝をもって帰還」は大団円とも言います。主人公が宝を持って、日常の世界に帰っていくシーンです。
物語の締めとして、第1パートの「日常生活」との対比を持たせると、冒険の意義を描きやすくなります。
冒険によって主人公が成長したことがわかるような記述がされることが多いです。
「ハリー・ポッターと賢者の石」では、修了式の際に、グリフィンドールが最優秀寮として表彰されるシーンです。
神話の法則を使用したライティングをするための5ポイント

神話の法則に即したコピーライティングをするために大切なポイントを5つ解説します。
- 文章の目的を決める
- エピソードや体験談を集める
- 文章の登場人物を決める
- 神話の法則にあてはめて執筆する
- 反応を見て改善していく
神話の法則は身の回りでよく見るものなので、見よう見まねで書くことも可能ではありますが、自社の目標に沿ってライティングする必要があります。
1. 文章の目的を決める
何のために文章を書くのか、目的をまず決めます。
商品・サービスの販売、SNSのフォロワー増加、メルマガ登録など、様々な場面で神話の法則は効果があります。
目的が決まらないと、読者に刺さる文章を書くことができません。
2. エピソードや体験談を集める
文章の目的を決めれば、どのようなストーリーを語るのか、おおよそ見えてきます。
例えば、自社商品の販売が目的であれば、商品ができるまでの苦労を語るストーリー。SNSのフォロワーを増やすためなら、自社の成長ストーリーなどです。
ストーリーに合わせて、どのようなエピソードや体験談などがあるのかを書き出していきましょう。
自社商品のストーリーであれば、以下のようなエピソードがあれば、神話の法則にそってストーリーを作りやすくなります。
- 商品が完成するまでの苦労話
- 商品が完成したきっかけ
- 商品を開発しようと考えた理由
- 商品が完成するまでに関わった人々
- 関わった人々の思いや心境
自社には、人が感動するようなエピソードはないと思うかもしれませんが、小さなエピソードでも共感する人は必ずいると考えて、たくさん集めるのが肝心です。
3. 文章の登場人物を決める
次に、登場人物を決めます。
神話の法則には、主人公・賢者・仲間・敵が出てきます。最低限、これら4つの役割を果たす人々をピックアップすると、ストーリーが盛り上がります。
自社商品のストーリーであれば、登場人物には以下のような人々が考えられます。
- 商品を開発しようと考えた開発責任者
- 開発資金を与えてくれた銀行担当者
- 開発にゴーサインを出してくれた社長
- 一緒に開発をしてきた同僚
- 自分を支えてくれた家族
- 他社で同じ商品を開発しているライバル
登場人物が多すぎると、読者がストーリーを理解しづらくなることがありますので、気を付けてください。
4. 神話の法則にあてはめて執筆する
集めた神話の法則にそって、エピソードや登場人物をあてはめていきます。
神話の法則にあてはめる際は、神話の法則を逆行しないように「①日常世界」から順番にストーリーを組んでいきます。
ただし、神話の法則には12のパートがありますが、必要なものだけを使ってください。
12のパートをすべて使うと、しつこい印象になる可能性があります。
ビジネスで神話の法則を使う場合、自社は現在進行形で成長しているので、第3パートが書けないことが多いです。
神話の法則の順番は守りつつ、自社のストーリーに合うパートを使いましょう。
5. 反応を見て改善していく
神話の法則でスト-リーを作成し、公開した後は、目的通りの役割を果たすか分析を行います。
自社商品の販売が目的であれば、ストーリーを読んだ顧客が商品を買ってくれているかを分析します。
もし商品購入が少なければ、改善が必要です。
商品と神話の法則のテーマがずれていないか、顧客に共感を得られないストーリーになっていないか、LPの場合はリンクが適切なところに配置されているかなどを見直しましょう。
神話の法則を使用するメリット

神話の法則を使ったコピーライティングには、読者の共感や感動を生むという特徴があります。
- ファンが増える
- 商品購入に導ける
- SEO上位を狙える
その特徴によって得られるメリットを3つ解説していきます。
1. ファンが増える
神話の法則を含んだコピーライティングでは、読者がファンになりやすいです。
なぜなら、神話の法則は主人公が成長する物語や、逆転ストーリーであることが多いため、感情移入しやすいためです。
普通の女の子だったアイドルが、ステージの中央に立つために努力する姿にファンは感情移入し、応援することでますますファンになっていくのも、神話の法則を踏襲しています。
2. 商品購入に導ける
読者の心を動かすと、主人公やテーマについて興味がわき、もっと知りたいと思ってもらえます。
つまり、商品販売が目的の場合は、読者は商品について興味関心が高まっているということです。
興味関心度が高い時に、セールスページへのリンクがあれば、クリックする可能性は高くなります。
3. SEO上位を狙える
LPやブログなどで神話の法則を使うと、読者は最後まで読みたくなり、サイトの滞在率が高まります。
また、リンクをクリックしてくれる可能性も高くなるため、サイトの回遊率も上がります。
他にもSEOが上位になる要因は多々あり、神話の法則だけで検索順位が決まるわけではありませんが、読者が長い時間をかけて読み、他のページに移動していることは、SEOに優位に働きます。
神話の法則を利用したコピーライティングで、顧客からの共感を得よう
この記事では、神話の法則について説明しました。
突然「この商品を買ってください!」と言われて、すぐに買う人はいません。
人間は無意識に感情で行動しています。
商品の裏にあるストーリーに惹きつけられ、ファンになり、購入を検討する経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
神話の法則を使い、自社のLPやメールマガジンのクリック率向上、販売数向上を目指しましょう。
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