
チームの育成、構築に課題を抱えている経営者、リーダー層の方は多いのではないでしょうか。
チームビルディングとは、チームとして機能する状態を作ること。利益を生み出すチームは、社員1人ひとりのスキルが活かされ、チーム全体で最高のパフォーマンスを発揮するものです。
しかしメンバー同士のコミュニケーションが不足していると、情報の伝達がスムーズにいかず、チームとしての結果が出せません。
優秀な人材を揃えたチームだとしても、メンバーがバラバラな方向を向いていると、成果を挙げることは難しいでしょう。
そこで有効な方法が、チームビルディング研修にゲームを取り入れることです。
楽しみながら個人の特性をチーム内で共有することで、コミュニケーションが活性化します。結果的に、チームとしての大きな成果が期待できるでしょう。
この記事ではチームビルディングに活用されるタックマンモデルのフェーズごとに、おすすめのゲームを紹介します。ゲームの選び方、取り入れる際の注意点にも触れています。
チームの育成に課題を抱えている経営者、リーダー層の方はぜひ最後まで読んで、成果を挙げるチーム作りの参考にしてください。
チームビルディング研修のゲームをアイスブレイクに活用

チームビルディング研修におけるゲームは、アイスブレイクとして活用できます。アイスブレイクとは、張り詰めた空気を変え、メンバーの緊張をほぐすことを目的とする方法です。
そもそもチームビルディングとは、社員1人ひとりがスキルを発揮し、1つの目標を達成できるチームを作ること。個人のスキルを最大限に活かし、チームとして目標を達成するために行うものです。
チームとして成果を挙げるためには、協働関係を築く必要があります。メンバーが別々の方向に進まないように軌道修正を行い、1つの目標に向かう道筋を立てることが重要です。
この協働関係の構築に役立つものが、ゲームの実施。チームビルディングにゲームを取り入れることで、メンバーが同じ方向に進むために必要となるコミュニケーションが活性化するのです。
ゲームを通じてメンバー同士の緊張やわだかまりがなくなり、相互理解が深まります。コミュニケーションが円滑になれば、会話がスムーズになり、業務が捗るでしょう。
1つの目標に向けて進む団結したチームこそ、大きな成果もたらすのです。
チームビルディングの重要性、メリットに関しては、こちらの記事をご参照ください。
ゲーム選びのポイント

チームビルディング研修に取り入れるゲーム選びのポイントは、以下の4点です。
- 1人ひとりの意見・考え方が共有できること
- コミュニケーションが取れること
- メンバーが楽しめること
- チームの状態に適していること
これから紹介するポイントを押さえ、実務に活かせる学びが得られるゲームを選びましょう。
1人ひとりの意見・考え方が共有できること
チームビルディングの目的は、1人ひとりのスキル、特性を活かしチーム全体のパフォーマンスを向上すること。そのため各メンバーの特性を洗い出し、チーム内で共有することが大切です。
メンバーの特性は、以下のような項目から判断しましょう。
- 発言回数
- 発言の内容
- 考え方
ゲーム実施後に効果測定を行うことも重要です。チームビルディング研修には、実施前後の変化がわかるゲームを選ぶとよいでしょう。
しかし、ゲーム中にメンバーの様子を確認するのは困難です。ゲーム中の様子を動画撮影し、ゲーム後にメンバーの特性を確認することをおすすめします。
コミュニケーションが取れること
チームビルディングにゲームを取り入れるのは、メンバー同士のコミュニケーションを円滑にする目的があります。
メンバーがゲームを通じてお互いを知り合い、1つの目標に向けてともに歩める仲間として認め合うことが大切です。
情勢的な理由などから同じ場所に集まることが難しい場合は、オンラインで研修を行うことも有効。オンラインであれば、短時間で実施可能です。参加のために移動する必要がなく、交通費、移動時間をかけずに実施できます。
オンラインによるチームビルディング研修は、直接対面しないため、発言しやすいというメリットもあります。
オンラインでチームビルディング研修を行う場合は、こちらの記事を参考にしてください。
メンバーが楽しめること
チーム内のコミュニケーションを円滑にするには、メンバーが楽しんで参加することが大切です。そのため、誰でもわかりやすいゲームを選ぶとよいでしょう。
大人数、大規模なセットが必要なゲーム、ルールが複雑なゲームを取り入れる場合は、専門の企業に依頼することも手段の1つ。ルール説明から機材などの準備まで、代行してくれます。
チームビルディングに活用できるゲームを提供している企業には、以下のような会社があります。
- 株式会社ハートクエイク:多彩なビジネスゲームを提供
- 株式投資スマイルガーディアン:遊園地がテーマの経営シミュレーションゲームを提供
ビジネスゲームを提供している企業への依頼は主催者の負担軽減になります。ゲームの企画、準備を行う時間がない方は、検討してみてはいかがでしょうか。
チームの状態に適していること
チームビルディングのフレームワークとしてタックマンモデルを活用する企業は、各フェーズに応じてゲームを選ぶとよいでしょう。
タックマンモデルとは、チームの状態を5段階に分けた組織の成長を表すモデルのことです。チームの方向性、目標達成を可能にするために、チームビルディングに活用する企業は多いのではないでしょうか。
タックマンモデルにおける5段階のフェーズは以下のとおりです。
- 形成期:結成して間もない時期
- 混乱期:意見の対立によって衝突する時期
- 統一期:相互理解が深まる時期
- 機能期:結束力が最も高まり成果が見え始める時期
- 散会期:チームが解散する時期
リーダーはメンバーの様子を確認、チームの現在地を把握しながら、取り入れるゲームを決めるとよいでしょう。
タックマンモデルの詳細は、こちらの記事で紹介しています。ぜひご参照ください。
チームビルディングにおすすめのゲーム4選|チームの状態別

ここではチームビルディングにタックマンモデルを採用している企業に向けて、チームの状態別に最適なゲームを紹介します。
- 形成期:マシュマロチャレンジ
- 混乱期:ワールドカフェ
- 統一期:サバイバルゲーム
- 機能期:ロングタイムドミノ
さっそく見ていきましょう。
形成期|関係性を構築する「マシュマロチャレンジ」
チームが結成されてまもない形成期は、お互いを知り、仲良くなるためのゲームがおすすめです。肩の力を抜いてゲームに参加してもらうことで、スムーズなコミュニケーションが取れるようになります。
ここではマシュマロチャレンジについて紹介します。マシュマロチャレンジとは、規定の材料を使用し、タワーを作るゲームです。問題解決スキル、コミュニケーションを高める効果が期待できます。
必要なもの
・所要時間:20~30分
- マシュマロ×1個
- スパゲティ(乾麺)×20本
- シールテープ×1メートル
- ヒモ×1メートル
- ハサミ×1個
- メジャー(計測に使用)
ルール・流れ
制限時間は18分。規定の材料を使用し、制限時間内に自立可能なタワーをつくります。
タワーの頂上には、マシュマロを置くことがルールです。タイムリミットとともにその場から離れ、タワーの高さを計測しましょう。
最も高いタワーを作ったチームが優勝となります。
ゲームの効果
「可能な限り高いタワーを作る」という共通の目標を持って協力する過程により、親睦が深まるでしょう。
ゲームを複数回行うことで、PDCAサイクルが回せるようになる効果も期待できます。課題解決のためにメンバー1人ひとりが考え、行動する力を養うことも可能です。
混乱期|対立を成長に変える「ワールドカフェ」
混乱期は、メンバーが対立するフェーズです。意見や価値観などの違いが見え、ギクシャクした雰囲気になりやすいでしょう。
チームがまとまらない混乱期には、ワールドカフェというゲームをおすすめします。ワールドカフェとは、テーマに対する意見、価値観を交換するゲームです。
他のゲームのような勝敗がなく、カフェのようにリラックスした状態で行うため、親近感、信頼感を抱くきっかけになるでしょう。
必要なもの
・所要時間:1時間~
- 4名がけのテーブル・椅子
- リラックスした状態で話し合える環境
ルール・流れ
ワールドカフェは4名1組でテーブルを囲み、決められたテーマについて話し合います。
以下の4段階のステップで行いましょう。
- テーマについて話し合う
- アイデアを交換する
- 意見を交換する
- 集合的な意見を共有する
基本的には、各テーブルにホストとして1名残し、段階ごとに3名が席を移動。制限時間ごとにメンバーをシャッフルし、チーム全員が会話できるようにしましょう。
ゲームの効果
ワールドカフェでは、メンバーがどのような感情、考えを持っているのか知ることが可能です。他者の話を聞くだけでなく、自分の意見や価値観を話す機会を設けることで、メンバー同士の理解が深まります。
お互いの価値観の違いを認識し、次のフェーズに進むことができるでしょう。
統一期|相互理解を深める「サバイバルゲーム」
統一期はメンバーの相互理解が深まり、一体感が増す時期です。よりよい関係性を持続するために、サバイバルゲームをおすすめします。
サバイバルゲームとは、2チームに分かれて行う戦闘ゲームです。特殊部隊になりきり、非日常的な時間を共有することで、チームに一体感が生まれます。
サバイバルゲームのフィールドは全国各地に点在しています。関東では、以下のような場所で実施可能です。
なかには、チームビルディング型サバイバルゲームを提供している企業もあります。
たとえば、株式会社IKUSAが主催するサバ研。OODA(ウーダ)ループというフレームワークを取り入れたルールを採用。OODAループとは、勝利のための意志決定プロセスを理論化した手法です。
激しい状況変化に素早く対応できる意志決定スキル、リーダーシップを高めることが可能です。
OODAに関しては、こちらの記事を参考にしてください。
必要なもの
・所要時間:20分~
エアソフトガンやBB弾など、特殊な道具が必要となるため、フィールドの装備レンタルサービスの利用をおすすめします。
ルール・流れ
サバイバルゲームの代表的なゲーム形態は、フラッグ戦です。
2つのチームがそれぞれの陣地に旗を立てます。
勝利の基準は以下の2点です。
- 相手チームの旗を取る
- 相手チーム全員に弾を当てる
制限時間以内に、上記の基準を満たしたチームの勝利となります。
ゲームの効果
サバイバルゲームで、仲間同士で役割分担を行い、動きを把握し合うゲームです。ゲーム中はアイコンタクトを取りながら「どのように動くべきなのか判断する」ことが求められます。
コミュニケーションを図るとともに、判断力や行動力も養うことが可能です。
機能期|結束力を高める「ロングタイムドミノ」
機能期は、チームに結束力が生まれるフェーズです。お互いの短所を補い合い、チームとしての成果が出始めるでしょう。
機能期のチームワークを維持するためにおすすめのゲームは、ロングタイムドミノ。これはチームごとに配られたドミノを並べ、より長く倒れ続けさせるというゲームです。
必要なもの
・所要時間:30分~
- ドミノ
- タイマー(時間の計測に使用)
ルール・流れ
ロングタイムドミノの流れは以下のとおりです。
- 3分間の戦略タイムを設ける
- 1組4~6名のチームに100ピースほどのドミノを配布する
- 7分間かけてドミノを並べる
- ドミノが倒れる時間を計測する
これを3回繰り返します。
ロングタイムドミノでは、最後の回でドミノを最も長く倒れ続けさせたチームが勝利となります。
ゲームの効果
ドミノを並べる前に戦略タイムを設けるため、コミュニケーションが増え、チームの一体感が維持できるでしょう。達成感、難しさを共有することでチームの結束力が継続されるのです。
さらにゲームを3回繰り返すことで、PDCAサイクルが回ります。
「2回目は、どのような工夫をすればよいだろうか?」
「改善すべき点はどこにあるのだろう?」
メンバーはより長くドミノを倒れ続けさせるために、意見を出し合い、仮説を立てるでしょう。これにより2回目、3回目の記録が伸びれば、PDCAサイクルの改善効果がわかりやすくなります。
チームビルディングにゲームを取り入れる際の注意点

チームビルディングにゲームを取り入れる際の注意点は、以下の3点です。
- ゲーム実施後の効果測定を欠かさない
- 定期的に実施する
- 勝つことを目的にしない
ゲームはあくまでもチームビルディングの一環です。ゲーム終了後は実施前後の効果を比較し、メンバーが気づきや感想を述べる機会を設けましょう。
チームビルディングの効果を高めるためには、継続的にゲームを開催しましょう。1回限りのゲームでは、大きな効果が見込めません。
その場限りで終わらせるのではなく、継続的に実施し、その都度リフレクションを行うことが重要です。
またゲームには勝敗が存在するため、順位が生じるものです。ゲームに勝利したチームやメンバーは、勝つことが目的になる傾向があります。
ゲームの目的は勝つことではなく、「チームになること」です。この認識をメンバーに持ってもらうように心掛けましょう。
コミュニケーションを活性化!成果を挙げるチームを作ろう

チームビルディングの効果を高めるためには、チームの状態に適したゲームを選ぶことが大切です。
タックマンモデルを採用している場合は、メンバーの意識やモチベーションを見極め、チームの状態を把握することが重要。
チームビルディングによるゲームの実施は、メンバー同士が打ち解けるきっかけになります。団結力を高め、成果を挙げるチームを作りましょう。
しかし、ゲームはあくまでもチームビルディングの手法の1つ。ゲーム取り入れるだけで、成果を挙げるチーム作りが成功するとは限りません。
「社員のモチベーションが上がらない」
「業務に対する意欲にバラつきがある」
このようなお悩みを抱えている経営者、人事担当者の方もいるのではないでしょうか。
自社の利益は、社員によって作られるもの。社員が気持ちよく働ける環境が、結果的に利益をもたらすのです。
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