
チームビルディングとは、そのまま訳すと「チームを構成する」という意味になります。
つまり、組織全員が個人のスキル・経験値を最大限に活かし、最終ゴールに向かって進んでいくための『チームづくり』のことを指します。
チームビルディングは主に、プログラム研修やワークショップ、簡単なゲーム・社内大会などを取り入れています。
今回は、チームビルディングの成功事例をご紹介するとともに、チームを強くするためのコツを解説していきます。
もしもチームビルディングについて別の視点で知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
チームビルディングの目的は?

チームビルディングの目的は、社員全員が年齢・性別、能力、経験値など関係なく個人の能力を認め合い、目標達成できるチームをつくることです。
しかし、立場や部署によって目的は大きく変わってきます。
部下の能力を最大限に発揮しながら、目標達成できる組織づくり。
■ 中堅社員(課長や主任に就いていないクラス)
リーダーから新人社員の間をうまく繋げ、チーム全員の能力を向上させること。
■ 新人社員
仕事のやりがいや周囲との人間関係の構築、適切なコミュニケーションを学ぶ。
とくに、チームの中で経験が浅い社員は、「他のメンバーとの距離のとり方」「業務への取り組みの姿勢」など、協力関係のなかで自身の能力をどのように発揮していくのかを体感し学ぶことができます。
このように、対象となる人によって「なぜ、チームビルディングを行うのか?」といった目的が変わってきます。
具体的な手法も交え、お伝えしているチームビルディングの記事がありますので、ぜひこちらもご覧ください。
チームビルディングの成功事例

ここからは、チームビルディングの成功事例をご紹介していきます。
株式会社メルカリ|レゴ(R)を活用したチーム思考

フリマアプリを運用する「メルカリ」は、レゴ(R)を活用しチームビルディングを行なっていました。
「あなたが思い描く“Be Professional”をレゴ(R)で表現してみよう」
メルカリメンバーは、『常にプロフェッショナル(Professional)であれ!』というバリューを掲げ、業務に励んでいます。
レゴのような子供が使うおもちゃを活用することで、上下関係や経歴など関係なく仲を深めることができます。
チームビルディングを行う際に重要視したことは、完成したレゴを通してコミュニケーションを取ることです。
- 「ここに〇〇があるのは〜だから。」
- 「なぜここに縁を入れたかというと...」
このように、“どんな思いでおもちゃを作ったのか”を話すことで、仲が深まるだけではなく、自分の新たな一面にも気づくことができます。
さらに、レゴを通してコミュニケーションを取ることで、相手が“どういう思考をしているのか”など観察することができます。
お互いの思考をより深く知ることで、今後の人間関係の構築に役立てることにもつながりますので、おすすめしたい成功事例の一つです。
株式会社ぐるなび|ウォーキング・ミーティング

株式会社ぐるなびは、飲食店の情報を収集し掲載しているWEBサイト「ぐるなび」を運用しています。
チームビルディングの一環として、社長が社員と一緒に散歩をすることです。
社長は、健康のためにウォーキングを始めようと思い、習慣化するために何かいい方法はないか?と思い始めました。
「そうだ!若手の社員を誘って歩こう!」
このように考え、歩きながら気楽にミーティングができる環境を作りました。
さらに、ウォーキングを取り入れることで気分もスッキリし頭が冴え、新しいアイディアを生むきっかけにもなったといいます。
このようなチームビルディングは、「健康維持」だけでなく、新しいアイディアの発掘、さらにコミュニケーションで活発な意見交換をすることができます。
会議室でミーティングを行うよりも、開放的な空間でコミュニケーションを取ることで、部下の表情がリラックスし、オリジナルのアイディアを発掘しやすくなっています。
参考記事:日本経済新聞 連載『あすへの話題』
富国生命|被災地へボランティア活動

日本の生命保険会社「富国生命」は、チームビルディングの一環として、被災地へボランティア活動を行いました。
ボラエンティアを通して、『人とのつながりの大切さを学ぶ』ことを目的としてます。
2011年3月11日、東日本大震災が発生したことにより多くの人々、顧客や社員が膨大な被害に遭いました。
そのため、社長から『復興に向けて私たちができることは何か。』と社員たちに指示がありました。
ここで、先輩職員(メンター)と新入社員との合同研修(フォローアップ研究)と称し、2泊3日の研修プログラムが用意されました。
- 協働して被災地域の手伝い
- 施設の整備作業
- テント設営
- 2日間の振り返り(グループワーク)
- 現地の人との交流
このような活動を行うことで、ただ作業をするだけではなく“協力する大切さ”を仕事を通して理解することができます。
チームビルディングを行うことで、先輩・後輩など関係なく、お互いの絆が深まりチームワークが向上しています。
株式会社TANITA|「The 商社」ビジネスカードゲーム

株式会社TANITAは、体重計や体脂肪計など計測器のメーカー会社です。
チームビルディングの一環として、「The 商社」を活用し、ビジネスゲームを行なっています。
株式会社TANITAは、「個々の長所を最大限に活かし、組織を活性化させたい」という思いがありました。
そのため研修において、次のようなテーマでコミュニケーションを大切にし、実施していました。
- 「自身の自信があること(得意)の認識」
- 「相互の認め合い、交流分析、ターゲットストローク」
- 「真の意味での“聴く”(傾聴)」
しかし、組織編成の拡大や転勤が増えたことにより、この価値観も徐々に変化していきました。今よりも“芯がある強固なチームにしたい”という思いになっていったのです。
チームビルディンをただ行うだけではなく「The 商社」を行うことで、ソリューション営業に必須となる次のような概念を取り入れていきました。
- 問題解決
- コミュニケーション能力
- Win-winの関係づくり
- リーダーシップ思考
このような、さまざまな要素を向上できることから、チームビルディングに取り入れていました。
① ひとりひとりが主体的にチームに関わり「自分自身の力で変えていこう」という姿勢が見られるようになった。
② 普段の交渉の場面で、「これは価格が合わないから無理」「会社が対応できないから断ろう」など、対応が難しく感じる案件も、どうにかして「YESに変える方法はないのか?」と考える力が身についた。
株式会社TANITAでは、実際の仕事に関係するゲームでメンバーの思考やリーダーシップの人を間近で感じることができるため、個人の能力の発揮や向上にも役立っています。
社員のモチベーションを向上させて、さらに個々の能力開花させるために、ぜひこちらの記事もご覧ください。
日清食品ホールディングス|無人島サバイバル研修

日清食品ホールディングス株式会社は、有名なチキンラーメンやどん兵衛など数々のヒット商品を販売しています。
チームビルディングの一環として、無人島サバイバル研修を実施しています。
無人島サバイバル研修を行うことになった経緯としては、もともと座学スタイルでの研修を行なっていましたが、社内研究によって、ただ座って行う研修では「5%」しか知識が身に付かないという結果が出ました。
このことから社長は「知っていること」と「できること」はまったく違うことであると思い無人島サバイバル研修を行うことを決断しました。
個人:チキンラーメン3袋・水・ブルーシート2枚・ヘッドライト等
チーム:小麦粉(1㎏)・火起こし棒・釣り針・釣り糸1セット・のこぎり等
支給されるたアイテムは上記のみです。
無人島で自然に触れながら五感をフル活用させるからこそ、次のようなメリットが強烈に社員に浸透するといえます。
- 礼儀作法
- ビジネスマナー
- 指示待ちではなく、自主的に動く
- メンバーの意外な一面を見れる
- メンバーの結束力をさらに強固にする
このような、学びや気付きを得ることができ、受動的だった人が自主的に意見などを発言することができるようになっています。
参考記事:サバイバル研修をする理由
チームビルディング成功のコツ

ここからは、チームビルディングの成功のコツをご紹介していきます。
上下関係なくラフに取り組める内容にする
チームビルディングの成功のコツは、上下関係なくラフに取り組める内容にすることです。
成功事例でご紹介したような『レゴ(R)のおもちゃ』『ウォーキング』といった、年齢や経歴など関係なく平等に取り組むことができるゲーム内容や研修・活動を選定していきましょう。
このような取り組みは、社員を自然な雰囲気にさせ堅苦しさがなくなるため、その人の本来の能力や思考を発揮させることができます。
ここまでお伝えしてきたチームビルディングの成功事例の他にも、新入社員が思いついたアイディアが会社を救う一手になることもあります。
- 「こんな素晴らしい考え方ができる人だったのか」
- 「ユーモアな思考を持っている社員だな」
このように、フィルターを介さない目をもって社員の新たな能力に気づくことができます。
社長や上司視点の方は、一致団結して乗り越えられるアクティビティを選定することでチームがより活性化します。
分かりやすい目標を設定する
チームビルディングの成功のコツは、分かりやすい目標を設定することです。
なぜ分かりやすい目標を設定するのかというと、明確なゴールへ切磋琢磨しチーム全体で向かうことの素晴らしさを体験することができるからです。
普段の業務の中で、目標設定やゴールは明確化されているはずです。
その目標を達成するためには、コミュニケーションや、チームの方向性を定め一丸となって向かっていくいことがどれだけ重要なのかと知ることができます。
成功事例でご紹介した「無人島サバイバル」のように、あえて苦労を積み、チームで突破口をみつけた先にある“達成感”を共有することができると、普段の業務の中でも組織の関係をさらに強固にすることができます。
また「なぜ、こんなゲームをしなければいけないのか?」といった疑問を解消することもできるため、目標やゴールの設定は最重要になります。
個人の能力を発揮することができる環境づくり
チームビルディングの成功のコツは、個人の能力を発揮することができる環境づくりです。
チームビルディングの内容自体が取り組みやすいものであっても「発言がしづらい」「誰かが一方的に仕切る(座学研修等)」といったものは、個人の能力を引き出しづらくなります。
- 強制的な行動や「これは絶対従え」といった指示は一切しない
- 絶対的な指揮官、威圧的な指導をしない
このような、ルール設定を行うことででチーム全体が発言・行動をしやすくなります。
チームビルディングでは、チーム同士で協力する楽しさを得られることは最大のメリットですが、自分の能力を知り組織やチームの目標達成に貢献したという喜びを体験することができます。
個人の意欲向上は、組織全体の能力の底上げになり創造性向上にも繋がります。
「自分の能力がチームの勝利に導くことができた」という小さな成功体験の積み重ねで、自己肯定感が上がりパフォーマンス力の向上にも役立ちます。
まとめ

チームビルディングの成功事例の共通点はチーム全体、メンバー同士の関わりの質の向上にあるといえます。
- コミュニケーションを円滑にすること
- 堅苦しい場所ではなく、開放感がある場所でアイディアを引き出す
- 個々の能力を発揮・引き出す環境づくり
- 自分も認識できていない個人の能力を気付かせる取り組み
- 自分の能力がチームに役立っているという“貢献感”を得る簡単な目標設定
このような取組みが非常に重要になります。
チームビルディンを成功させ、業績向上だけではなく新しいアイディアを発掘させ組織全体の創造性も向上させていきましょう。

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