オウンドメディアリクルーティング10社の成功事例を紹介

最終更新日: 2022/12/07 公開日: 2022/05/20

オウンドメディアリクルーティングを始めたい・改善したいと考えている経営者の方は多いのではないでしょうか。

一方で、次のように感じている方もいるはずです。

  • 成功している企業は具体的に何をやっているのだろう?
  • どんなコンテンツを掲載して発信すれば良いのだろう?
  • 情報を発信することでどんな効果が期待できるのだろう?

今回は、オウンドメディアリクルーティングの成功事例を10社紹介します。

ぜひオウンドメディアリクルーティングの企画や運用の参考にしてください。

オウンドメディアリクルーティングの目的

はじめに、なぜオウンドメディアリクルーティングが注目されているのかを整理しておきます。

企業がオウンドメディアリクルーティングを行う目的は、主に次の3点です。

自社の魅力を広く知ってもらう

オウンドメディアで自社に関する情報を発信することで、より多くの人に自社の魅力を知ってもらうことができます。

企業の文化や理念、扱っている商品・サービスに込めた思いなど、ホームページでは語り尽くせないメッセージを届けやすいです。

企業として大切にしたい価値観に共感した人材が応募する確率が高まり、ミスマッチを減らす効果も期待できます。

求人媒体では接点を持つのが容易ではない潜在的な転職検討者にも、自社メディアを見てもらうチャンスを得られるので、もしまだ持っていないようでしたら、制作しても高い費用対効果が期待できます。

また、ほかにオウンドメディアについて構築した記事がありますので、ぜひこちらもご覧ください。

社員の声や現場の雰囲気を身近に感じてもらう

オウンドメディアは自由度が高いため、実際に働いている社員の声や現場の雰囲気を届けることができます。

社員インタビューの記事や動画を掲載することで、職場の雰囲気をより身近に感じてもらうのも重要な目的の1つです。

従来、就職・転職希望者にとって「どんな人が働いているのか」は入社するまで分からないことでした。

社員や職場の様子を伝え、求職者に安心して応募してもらうのもオウンドメディアリクルーティングの目的の1つです。

採用ページへの検索流入を促す

採用ページへの検索流入を促し、応募者の増加に繋げることもオウンドメディアリクルーティングの重要な目的です。

従来、採用ページを訪れるのはすでに当該企業への応募を検討している層が中心でした。

採用ページのアクセス数は企業の知名度に依存しやすく、採用ページをほとんど見てもらえないこともあったのです。

しかし、オウンドメディアであれば特定のキーワードに関心を持っている人材が検索してたどり着くことが十分に期待できます。

結果的に、自社について知ってもらう機会の創出へとつながっていきます。

オウンドメディアのアクセス数が十分に確保できれば、自社メディアで採用活動を完結させることも決して不可能ではありません。

成功事例「採用ページ拡張型」

オウンドメディアリクルーティングの成功事例のうち、採用ページを拡張させてオウンドメディア化した事例を紹介します。

知名度の高い企業の場合はとくに、自社ホームページ内に採用ページを併設したほうが効果的なことはよくあります。

自社のカラーを前面に出した、ユニークなオウンドメディアの3事例を見ていきましょう。

Amazon Japan

Amazon Japanでは、顧客向けのサイトデザインを模した特徴的な「キャリアサイト」を設けています。

Amazonでショッピングをするときと同じような感覚で、部門ごとの仕事内容や求人情報をチェックできるのです。

社員インタビューを部門別に掲載するなど、実際に働いている方々の声が伝わるオウンドメディアとなっています。

また、ダイバーシティへの取り組みを前面に打ち出しているのも大きな特徴です。

多様性を尊重するAmazonの理念を伝えており、同社に対する応募者の信頼向上を重視していることが分かります。

Amazon Japanコーポレート部門キャリア採用サイト

日本マクドナルド

全国に2,800店舗以上を構えるマクドナルドのクルー募集サイトです。

お笑い芸人によるクルー体験動画やバイトスタッフへのインタビュー動画など、親しみやすいコンテンツが多数掲載されています。

クルーの仕事内容から募集要項、自宅近隣の募集店舗まで、応募者にとって必要な情報が網羅されているのが大きな特徴です。

応募に関する相談ができる「応募コンシェルジュ」やLINEトーク上での応募など、応募のハードルを下げる工夫が見られます。

とくにアルバイトスタッフの募集において、応募者が求めている情報を知りたい場合に参考になるサイトといえるでしょう。

マクドナルドアルバイト情報

パナソニック

パナソニックの採用オウンドメディアは「人」にスポットライトを当てているのが大きな特徴です。

「パナソニックの人」ページでは、100名近くに及ぶ社員の入社から現在に至るストーリーを紹介しています。

各社員が携わっている分野や製品別にタグ検索ができ、応募者の興味関心に合わせて記事を探せる仕組みになっているのです。

応募者にとって、入社後にどんな方々と働くことになるのかは大きな関心事の1つといえます。

自分自身と共通点のある社員や思いに共感できる社員がいれば、応募を検討する動機の1つとなるでしょう。

社員インタビューに留まらない「声」を届けるメディアの事例として、非常に参考になるはずです。

パナソニック採用情報

成功事例「自社情報媒体型」

採用情報に限らず、自社に関する幅広い情報を届けることを目的とするオウンドメディアの事例を紹介します。

一見すると採用メディアには見えないものも多く含まれており、各社がユニークな情報を発信しているのが特徴です。

ナイルのかだん(ナイル)

オウンドメディアマーケティングの成功事例としてよく知られているのが、マーケティングやメディア事業を手がけるナイルです。

サイトカテゴリは「人」「事業」「組織」「カルチャー」に分かれており、幅広い情報を発信していることが分かります。

企業として現在どのような事業に取り組んでいるのかをオープンにし、鮮度の高い情報を届けています。

会社のカルチャーをより深く知ってもらうことは、採用後のミスマッチを防ぐ上で非常に効果的な施策といえます。

求職者と企業の距離を縮める採用オウンドメディアの成功事例として、必ずチェックしておきたいサイトの1つです。

ナイルのかだん

OnLINE(LINE)

「LINEでは、こうしてます」というサブタイトルの通り、LINEでの取り組みや社員の雰囲気がよく分かる採用メディアです。

インタビュー形式で社員を紹介する記事からブログテイストの記事まで、親しみやすいコンテンツが多数掲載されています。

採用メディアを訪れる求職者にとって、サイト全体から感じられる雰囲気やテイストも非常に重要な要素です。

社員が明るくいきいきと働いていることが伝わることで、企業に対するイメージをより良くすることができます。

社員を「LINER」と呼ぶなど、社風を伝える役割を担っているのも注目ポイントの1つといえるでしょう。

OnLINE

mercan(メルカリ)

メルカリが運営するmercanは、求職者だけでなく社員も読むことを想定して作られているオウンドメディアです。

新企画のお披露目や新人事評価制度など、社員が読んでも参考になる情報が掲載されています。

社員向けの情報も積極的に公開することで、社員全員にとってのオウンドメディアとして認知されているのです。

オウンドメディアを立ち上げたものの、社内ではメディア担当者だけが熱心に運営しているケースは少なくありません。

社員全員でメディアを作り上げていくことで一体感や統一感が醸成されるとともに、社内の活気を効果的に伝えています。

広く認知されるメディアを作るにあたって、参考にしておきたい事例の1つとなるはずです。

mercan

mimi(Sansan)

名刺管理アプリEightで知られるSansanでは、公式メディアmimiで自社の情報を発信しています。

Culture・Members・News・Columnsで構成されており、プレスリリースもチェックできるのがポイントです。

Membersではベテラン社員だけでなく、新卒1年目の社員による対談も紹介されています。

新卒者と年齢の近い社員を紹介することで、入社後の働き方をイメージしやすくしているのです。

採用ページでは自社のビジョンがイメージ動画で紹介されており、視覚的に印象に残りやすくなっています。

「情報を届ける」以上の効果をオウンドメディアで実現したい企業にとって、必見の事例といえるでしょう。

mimi

UB Journal(ユーザーベース)

NewPicksやSPEEDAといったサービスで知られるユーザーベース。

オウンドメディアUBジャーナルでは、ミッションやバリューを中心に事業領域ごとに情報発信をしています。

各コンテンツにコアバリューである「The 7 Values」がたびたび登場することから、現場に浸透していることが分かるのです。

ひときわ特徴的なカテゴリの1つに「U-25」があります。

インターン生に同社のカルチャーを語り合ってもらうなど、就活生が当事者意識を持ちやすいコンテンツが掲載されているのです。

自社の理念や価値観を採用オウンドメディアで打ち出したいと考えている企業にとって、参考にしておきたい事例といえます。

UB Journal

サイボウズ式(サイボウズ)

自社に関する情報に留まらず「組織」「働き方・生き方」「家族と仕事」といったテーマを取り上げているサイボウズ式。

一見すると読み物のようですが、まずはサイボウズを好きになってもらうことを目的に運営されているのです。

チームのあり方や働き方を取り上げることで、社内での結束の固さや従業員エンゲージメントの高さを効果的に伝えています。

採用オウンドメディアであることを感じさせない、コンテンツの興味深さで読者を引きつける魅力を持ったメディアです。

読み物が中心の採用オウンドメディアをイメージしている企業にとって、チェックしておきたい事例といえるでしょう。

サイボウズ式

ドーミーインこぼれ話(共立メンテナンス)

ホテルスタッフの舞台裏という位置づけで運営されているオウンドメディアです。

「ホテルスタッフの24時間」など、楽しんで読んでいるうちにホテルの仕事内容への理解が深まる仕組みになっています。

採用オウンドメディアを特徴づけているのが、ゆるキャラ風の「ドーミーいんこ」です。

独特なマスコットキャラクターを随所に登場させることにより、印象に残りやすいメディアに仕上がっています。

親しみやすい採用オウンドメディアを作りたい企業にとって、要チェックのメディアの1つとなるはずです。

ドーミーインこぼれ話

オウンドメディアリクルーティングの注意点

オウンドメディアリクルーティングを推進する際、いくつか注意しておきたいポイントがあります。

紹介してきた10社の成功事例を踏まえ、オウンドメディアリクルーティングにおける注意点を確認しておきましょう。

発信する情報の方向性を決めておく

成功している採用オウンドメディアは、発信する情報の方向性が定まっています。

一例として、次のような方向性で情報を発信しているメディアが多く見られます。

  • 自社の理念、カルチャー、価値観
  • 社員の人となり、働く上で大切にしていること
  • 社内で注目度の高いトピック

採用オウンドメディアを訪れる求職者は、当該企業に応募を検討しているとは限りません。

まずは汎用性の高いトピックを用意し、興味を持ってもらう必要があるでしょう。

共感を得たいメッセージを絞り込む

採用オウンドメディアは採用ページと比べて自由度が高いため、盛り込めるメッセージにも制約がありません。

自社について詳しく伝えたいあまり、さまざまな情報を取り入れると伝えたいメッセージがぼやけてしまいます。

求職者の共感を得たいメッセージはできるだけ絞り込み、メディアの軸を決めておきましょう。

軸となるメッセージが企業理念やコアバリューと連動していることも非常に重要です。

求める人物像を改めて確認し、共感を得るにはどのようなメッセージを盛り込めば良いのかを決めておく必要があります。

共感とはかなり深い価値観でもあるので、もし自社の方向性を見直されたい場合などは、こちらの記事をご覧ください。

運営体制・更新頻度を決めておく

採用オウンドメディアを継続的に運営していくには、多くの時間と労力を必要とします。

継続的に更新することで訪問者も増えていくため、運営体制更新頻度をあらかじめきちんと決めておくことが大切です。

採用オウンドメディア専属の部署を立ち上げるのが理想ですが、現実的には他の仕事と兼務する社員も出てくるでしょう。

メディア運営のために使える時間を確保し、他の担当業務を圧迫することのないよう配慮する必要があります。

まとめ

今回紹介した10社は、いずれもとくに成功しているオウンドメディアリクルーティングの事例です。

短期間で同じ水準の採用オウンドメディアを築くことは難しくても、自社に合った方向性やテイストを取り入れることはできます。

本記事の事例を参考に、ぜひオウンドメディアリクルーティングに挑戦してみてください。

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最終更新日: 2022/12/07 公開日: 2022/05/20