絆徳哲学が実現する「最強のチームビルディング」とは?

最終更新日: 2022/03/24 公開日: 2022/04/05

会社組織をどのように築いていくかは、経営者にとって非常に重要なテーマです。

組織のあり方しだいで、将来にわたり安定経営を持続できるか、ほころびが生じてしまうかが決まるといっても過言ではありません。

しかし、経営者の方の中には次のような悩みを抱えている方も大勢いるでしょう。

  • 社員の意欲が高まらず、生産性が低い
  • 離職者が絶えず人が定着しない
  • 時代に合ったチームの築き方が分からない

そこで今回は、絆徳経営が実現する最強のチームビルディングについて解説します。

従来の組織が抱えていた問題点と解決方法についても言及していますので、ぜひ参考にしてください。

従来の企業組織が抱える問題点とは?

企業活動の目的とは何か?と問われたら「利潤の追求」と答える方は多いはずです。

たしかに、民間企業にとって利潤の追求は事業の大きな目的の1つといえます。

従来の企業組織が抱える問題点を明らかにするには「企業活動=利潤の追求」という構図から見直す必要があるのです。

経済的合理性を追求してきた「ピラミッド型」組織

売上を伸ばし利益を確保することは、企業経営の最も原始的な目的といえます。

売上なくして事業は成立しないので、経済的合理性を追求することは必然の流れといえるでしょう。

では、経済的合理性を追求し続けていく先には、どのような組織のあり方が想定されるでしょうか。

  • 従業員が各自の売上目標を達成することを最優先する
  • 成果を出せない者は淘汰されていく
  • 理念なき利益の追求へと向かう

組織のトップである経営者を頂点として、売上をつくる・利益を上げることを至上の目的とする集団ができあがるのです。

自社にもたらす利益の大きさに応じて組織が序列化され、ピラミッド構造化していきます。

日本の企業の9割以上はピラミッド型組織であり、経済的合理性の追求に終始しているのが実情です。

従事する人々の意欲・生産性が低下しがち

ピラミッド型組織が抱える最大の問題点は、確固とした理念がないことです。

利潤の追求が目的化しており、なぜ利益を追い求めるのかという目的が置き去りにされています。

経営者が現状よりも高い目標を提示すれば、現場の従業員は目標の達成に向けて邁進せざるを得ません。

従業員にとって働く目的や意義は与えられるものであり、本質的な部分では「他人事」に過ぎないのです。

結果として従事する人々の意欲は下がり、生産性も低下していきます

ピラミッド型組織の利益率が低水準になりやすい主な原因は、従業員が当事者意識を持ちにくい点にあるのです。

理念重視型の組織はなぜ成功しないのか?

高い理想を掲げて事業を営む理念重視型の企業と聞いて、経営者の皆さんはどのようなイメージを持つでしょうか。

「うまくいかないのではないか?」と直感的に察する方が多いはずです。

なぜ理念重視型の組織が成功しにくいのか、本質的な原因を探ってみましょう。

理念を重視する「ダイヤ型」組織

理念重視型の組織では、経済的合理性よりも理念の浸透と実現が優先されます。

従業員は企業が掲げる理念に共感し、実現に向けて懸命に仕事に励むでしょう。

しかし、ここには3つの大きな問題があります。

  • 利益を生み出す仕組みが貧弱であるため、事業の継続が困難になりやすい
  • 理念や文化に共感できない人材が、組織に見切りをつけて流出しやすい
  • 掲げている理念が広く認知されるとは限らず、社会との絆が弱い

経済的合理性よりも理念の追求を重視する企業は、ダイヤ型組織といえます。

内部充実を図るために社員教育に注力した結果、リーダーやマネージャーといった中間層は増加していくでしょう。

低層から中間層へと移行する人が増えていくにつれて、従業員の満足度は向上します。

一方で、ダイヤ型の頂点に君臨しているのが経営者であるという点で、ピラミッド型組織の延長線上に留まっているのです。

絆が組織内に留まり社会との絆は希薄になりがち

ダイヤ型組織は理念に共感した者同士が集まるため、内部のつながりは強いものの、絆が内部に限定されがちになります。

仲間意識が芽生えやすい反面、いわゆる「内輪」「身内」のレベルに留まりかねないのです。

とくに下層に位置する従業員にとっては、指示や目標を与える当事者が経営者から上長へと移行したに過ぎません。

結果的に、組織の理念に共感できない者は淘汰されていく閉鎖的・排他的な組織にもなり得ます。

「社員にとっては居心地の良い職場だが、取引先から見れば無理難題を要求してくる企業」といった組織が顕著な例です。

事業の持続性という観点において、将来性に不安が残る組織のあり方といえるでしょう。

理念と経済合理性を両立する組織構造

理念と経済合理性を両立させる経営は、長らく実現が難しいと考えられてきました。

しかし、従来のピラミッド型組織やダイヤ型組織に限界を感じ、組織変革を図りたいと考える経営者の方は多いはずです。

理念と経済合理性を両立させるチームビルディングを実現するなら、丸ダイヤ型組織こそが理想形といえるでしょう。

三方よしを実現する「丸ダイヤ型」組織

内部充実を目指して社員教育に注力するダイヤ型組織は、一見するとピラミッド型組織の問題点を解消しているように思えます。

実は、ダイヤ型組織には致命的な欠陥がありました。

組織が掲げている理念が、必ずしも社員一人ひとりの理想と一致しているとは限らないという点です。

ダイヤ型組織の問題点を解消するには、次の施策を推進する必要があります。

  • 理念と経済合理性を両立させることを強く打ち出す
  • 技術の教育と理念の教育を両輪で社員教育を進める
  • 組織・社員の双方で顧客・社員・社会の「三方よし」を目指す

会社と社員が目指す方向を一致させることで、自社の利益は社員・社会の利益にもなっていきます。

個々の社員の技量にばらつきがあったとしても、互いの弱点をカバーし合い、組織として成長していく目標を共有できるでしょう。

経営者が富を独占するのではなく、利益を社員、さらには社会へとごく自然に還元する組織が完成します。

ダイヤ型組織の「角」の部分が丸くなり、丸ダイヤ型組織へと発展することで、理念と経済合理性の両立を実現していくのです。

理念と経済合理性を高レベルで達成可能

ダイヤ型から丸ダイヤ型への脱却に成功した組織は、理念と経済合理性を高レベルで実現できるようになります。

自社のためだけの理念ではなく、社会全体をより良くしていくための理念でもあるので、共感できない社員が減っていくのです。

三方よしの実現に向けて、社員同士や取引先との間で互いをサポートし合う風土が根づいていくでしょう。

「絆」と「徳」によって結ばれた信頼関係は、容易に壊れるものではありません。

絆徳哲学に基づくチームビルディングによって、100年先まで愛される企業経営が実現するのです。

絆徳哲学をビジネスに活かす「絆徳経営」については、下記の記事で詳しく解説しています。

ぜひ併せて読んでみてください。

絆徳哲学に基づくチームビルディングの優位性

絆徳哲学に基づく「丸ダイヤ型」組織には、他の組織構造と比べて大きな優位性があります。

具体的には、次に挙げる3つの優位性を併せ持つ企業経営が実現可能です。

  • 成功哲学が抱える根深い問題から脱却できる
  • 真の意味で持続可能な組織が体現できる
  • 日本社会との親和性が高い

成功哲学が抱える根深い問題から脱却できる

ピラミッド型組織が抱えてきた問題として、欧米式の成功哲学に帰結しやすい点が挙げられます。

「自分さえ良ければいい」「能力不足は努力不足・自己責任」といった考えを持つ人を量産することにつながりやすいのです。

スキルや成果を偏重した社員教育・評価体系は、利己的な利潤追求型の組織を作り上げる結果を招きかねません。

絆徳哲学は「三方よし」を志向するため、そもそも社員個人が成功しさえすれば良いという発想にはなり得ないでしょう。

従来の成功哲学が抱えてきた根深い問題から脱却し、利他を志向する人材を無理なく育てることができるのです。

真の意味で持続可能な組織が体現できる

ダイヤ型組織へと成長した企業においては、事業の持続性が課題として浮上する傾向があります。

自社内での人材育成にある程度は成功しても、社会全体から見て「なくてはならない企業」になれるとは限らないからです。

真の意味で必要とされ続けるには、社外を含めたあらゆるステークホルダーから必要とされる企業になる必要があります。

社会から必要とされる企業とは、端的にいえば「社会貢献度の高い企業」でしょう。

「三方よし」を体現している企業は、社会にとってなくてはならない存在として認知されていきます。

絆徳哲学に基づくチームビルディングは、真の意味で持続可能な組織の体現へとつながるのです。

日本社会との親和性が高い

絆徳哲学の根底にある「三方よし」の思想は、日本で古くから親しまれてきました。

江戸時代、近江商人が「売り手によし・買い手によし・世間によし」を行商の理想的な姿としたことに由来します。

一方、現存する成功哲学の大半は、戦後になって欧米からもたらされたものです。

個人主義に基づく欧米の成功哲学は、日本社会との親和性が高いとは言いがたい面がありました。

ブラック企業問題をはじめとする社会の歪みは、利己的な利潤追求の果てに表面化してきたとも考えられるのです。

日本社会で親しまれたきた「三方よし」を目指す絆徳哲学は、令和時代のチームビルディングにふさわしい思想といえるでしょう。

絆徳哲学を実現してきた経営者の足跡

絆徳哲学に基づく「丸ダイヤ型組織」を体現できている企業は、残念ながら現状多くはありません。

しかし、かつて日本には絆徳経営の源流ともいえるチームビルディングを実践してきた経営者が存在しました。

2人の偉大な経営者の足跡をたどりつつ、絆徳経営を実現するイメージをより具体化してください。

鮎川義介氏(日産コンツェルン創業者)

日本産業の父と称される鮎川義介氏は、絆徳哲学に基づく日本的経営の原点ともいえる存在です。

鮎川哲学を象徴する金言の1つに「企業とは学校であり、社会の救済装置」があります。

教育機会を得られなかった人々を中間層に押し上げることを、当初から自社の使命と位置づけていたのです。

鮎川哲学は、彼が立ち上げに関わった日立グループにも脈々と受け継がれています。

2020年に日立グループで実施されたDX基礎教育では、グループ企業の従業員約16万人が対象となりました。

一部の社員に限定せず、全員に成長機会を与えたのです。

目先の利益よりも「社会の救済装置」としての役割を重視する、まさに絆徳経営が実現した事例といえます。

出光佐三氏(出光興産創業者)

小説『海賊とよばれた男』のモデルとなった出光佐三氏は、「人間尊重」の理念を貫いた人物として知られています。

太平洋戦争終結後、出光興産の社員約1,000名のうち、約800名は戦地からの復員者でした。

復員者の人員整理を推進する企業が続出する中、出光氏は「誰一人として解雇しない」と宣言します。

消息不明の社員にさえ、家族に給料を送り続けたのです。

帰還した社員は会社が家族に給料が送られていた事実を知り、熱烈に感謝して出光興産に尽くしたという逸話が残っています。

「我々は、大家族主義、人間尊重でいく」という出光氏の名言は、まさしく絆徳経営を貫いた経営者の言葉そのものなのです。

まとめ

今回は、絆徳経営の中でもとくに「チームビルディング」に焦点を絞って解説してきました。

従来の組織構造が孕んできた問題点と、解決方法をよりイメージしやすくなったのではないでしょうか。

絆徳経営は、令和時代に組織を率いる経営者の皆さんにこそ知っておいてほしい経営哲学です。

日本が古くから大切にしてきた「絆」を経営に活かすことで、盤石な組織を築くことにつながるでしょう。

絆徳経営についてさらに詳しく学びたい方は、『絆徳経営のすゝめ』を読んでおくことをおすすめします。

現代において絆徳経営がなぜ必要とされるのか、具体的にどうすれば実現できるのかが分かるはずです。

序章 「きれいごと」が経済合理性を生む時代になった
第1章 これからの最強の資産は「絆」である
第2章 絆徳経営でピラミッド型から「丸ダイヤ型」を目指しなさい
第3章 分断を生み出す「7つの罠」とは?
第4章 絆がどんどん強くなる「5Kマーケティング」
第5章 社員との絆が勝手に強くなる「絆徳の人事」
第6章 世界と絆を結べば、いつまでも幸せになる

ぜひ本書を手に取って、絆徳経営への理解をより深めてください。

一人でも多くの経営者の方が絆徳経営を学び、「三方よし」を体現する企業が増えていくことを願ってやみません。

最終更新日: 2022/03/24 公開日: 2022/04/05
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