バイラル・マーケティングの起源・事例・具体的な手法を解説

最終更新日: 2022/05/13 公開日: 2022/04/22

マーケティングの手法を学ぶ中で「バイラル・マーケティング」という言葉を目にすることがあります。

経営者の皆さんは、次のような疑問を感じたことはないでしょうか。

  • バイラル・マーケティングとはそもそもどんな手法?
  • バイラル・マーケティングの起源は?
  • バズマーケティングとどう違うのだろう?
  • バイラル・マーケティングの成功事例を知りたい

今回は、バイラル・マーケティングについて、基礎知識から具体的な事例まで詳しく解説していきます。

記事を読めば、バイラル・マーケティングの基本がしっかり理解できるでしょう。

マーケティングの手法について理解を深めたい経営者の方は、ぜひ参考にしてください。

バイラル・マーケティングとは

はじめに、バイラル・マーケティングとはどのような手法なのか、基礎知識や起源について確認しておきましょう。

よく似た手法である「バズマーケティング」との違いについても解説していきます。

バイラル・マーケティングの基礎知識

バイラル・マーケティングの「バイラル」とは「ウイルス性の」という意味です。

まるでウイルスが人から人へと感染していくように、情報が人から人へと伝わっていく様子を表しています。

最も原始的なバイラル・マーケティングが「口コミ」です。

製品やサービスに対する良い評判を人から人へと口コミで広めていくのは、まさしくバイラル・マーケティングといえます。

バイラル・マーケティングの起源

バイラル・マーケティングの顕著な成功事例であり、起源ともといわれているのがWebメールサービス「Hotmail」です。

Hotmailが用いた手法は極めてシンプルなものでした。

Hotmailで送信されたメールには「無料メールアドレスを入手しよう」という言葉とURLが署名に追記されていたのです。

当時、無料で利用できるWebメール自体がめずらしかったため、Hotmailユーザーはまたたく間に数十万人増加しました。

Hotmailはサービス開始からわずか18ヶ月後にマイクロソフト社へ事業を売却。

売却額は4億ドル(約520億円)にのぼりました。

人為的に勧めたわけではなく、自然発生的に評判が広まっていった好例といえるでしょう。

バズマーケティングとの違い

バイラル・マーケティングとよく似た手法として、バズマーケティングが挙げられます。

バズマーケティングも口コミを利用する点ではバイラル・マーケティングと同じです。

しかし、バズマーケティングでは影響力のある人物に商材の宣伝を依頼し、「人為的に」注目を集めようとします

バイラル・マーケティングのように「自然に」口コミが広まっていくのとは大きく異なるのです。  

手法 情報の広まり方 カギを握る人物
バズマーケティング 人為的 著名人・インフルエンサーなど
バイラル・マーケティング 自然発生的 一般消費者
バズマーケティングとバイラル・マーケティングの違い

バズマーケティングでは、商材を紹介する人物の影響力が重要なカギを握ります。

一方、バイラル・マーケティングは「身近な人に教えたい」という一般の人々の心理を突いた手法といえるでしょう。

バイラル・マーケティングの具体的な手法

バイラル・マーケティングには、大きく分けて3つの手法があります。

具体的にどのような手法なのか確認しておきましょう。

一次的バイラル・マーケティング

コンテンツを見たユーザーが、自ら知人・友人にシェアすることで情報を広める手法です。

画像や動画などインパクトのあるコンテンツを用意し、ユーザーの感情に訴えかけます。

ユーザー側は、特定の商材を紹介するためのコンテンツとは認識していません。

素朴に「面白いので、誰かに教えてあげたい」という思いで情報がシェアされ、広まっていくのです。

二次的バイラル・マーケティング

情報をシェアする行動に対し、報酬を付与する手法です。

お得なクーポンや割引キャンペーンなどが典型的な事例として知られています。

ユーザー・企業の双方にとって利益があると明示しているのが、一次的バイラル・マーケティングと異なる点です。

報酬がユーザーにとって魅力的でなければシェアされないので、報酬の内容やお得感によって効果が変動します。

紹介埋め込み

サービスを利用すると広告が自動的に表示・挿入される手法です。

先に紹介したHotmailでも用いられたように、メールやWebアプリなどでよく使われています。

広告が表示される頻度が、ユーザーがサービスを利用する頻度と一致するのが特徴です。

つまり、ユーザーにとって日常的に活用するサービスであることが前提条件となります。

サービス自体があまり利用されていないと、広告の効果が期待できない点に注意が必要です。

バイラル・マーケティングのメリット

バイラル・マーケティングを取り入れることで、どのようなメリットを得られるのでしょうか。

主なメリットとして、次の2点が挙げられます。

  • ターゲットと類似する属性のユーザーにリーチしやすい
  • 広告費用を抑えられる

それぞれ具体的に見ていきましょう。

ターゲットと類似する属性のユーザーにリーチしやすい

コンテンツを見て知人・友人にシェアする場合、ユーザーとつながりのある相手に情報が届くことになります。

SNSなどでつながりのある人物の多くは、ユーザー自身と年齢や価値観・生活スタイルなどが似ているでしょう。

よって、ターゲットと類似する属性のユーザーに情報を届けやすいというメリットがあります。

一般的な広告が不特定多数に向けたものであるのに対して、ターゲットを絞ってアプローチしやすいのが特徴です。

広告費用を抑えられる

バイラル・マーケティングでは、コンテンツさえ用意してしまえば情報がひとりでにシェアされ広がっていきます。

コンテンツ自体が大きな話題となり、ブームを作ることができれば、爆発的に拡散されることもあるでしょう。

1つのコンテンツによって、多額の広告費用をかけることなく高い広告効果を得られるのです。

結果的に商材や提供する企業が広く認知され、売上が伸びていくことになります。

低コストで高い広告効果が期待できるのは、バイラル・マーケティングのメリットといえるでしょう。

バイラル・マーケティングのデメリット

魅力的なメリットがある一方で、バイラル・マーケティングにはデメリットとなりかねない側面もあります。

デメリットを理解した上でバイラル・マーケティングを導入するべきか判断することが大切です。

主なデメリットとして次の3点が挙げられます。

  • 拡散される期間や量を調整できない
  • ステルスマーケティングと見なされる恐れがある
  • 誤った情報が拡散される場合がある

それぞれ順に見ていきましょう。

拡散される期間や量を調整できない

バイラル・マーケティングは、情報をシェアするかどうかはユーザーの判断に委ねられています。

拡散され続ける期間やシェア数は、ユーザーの反応しだいの面があるのです。

バイラル効果が起こりやすいよう、コンテンツに仕掛けや工夫が求められるでしょう。

どれほど趣向を凝らしても、予測よりシェア数が伸びなかったり、ブームが短命で終わったりすることもあり得ます。

広告の効果を意図的に調整しにくい点は、バイラル・マーケティングのデメリットといえるのです。

ステルスマーケティングと見なされる恐れがある

バイラル・マーケティングによる宣伝活動では、ステルスマーケティングと誤解されないよう注意しておく必要があります。

ステルスマーケティング(ステマ)とは、一般消費者を装った「やらせ広告」のことです。

バイラル・マーケティングでは宣伝の意図を前面に打ち出さないため、ステルスマーケティングと見なされる恐れがあります

ステルスマーケティングと認識された途端、消費者の信頼は失墜し、企業イメージに悪影響を及ぼす可能性があるのです。

場合によっては景品表示法に抵触する恐れもありますので、ステルスマーケティングと思われないよう注意する必要があります。

誤った情報が拡散される場合がある

バイラル・マーケティングでは、一人一人のユーザーが情報をシェアする意図をコントロールできません。

ユーザーによっては誤読や誤解が生じ、誤った情報が拡散されていく恐れがあるのです。

誤った情報が一度拡散されてしまったら、広告を見た全てのユーザーに対して情報を訂正するのは現実的に不可能でしょう。

また、報酬が目的の不正な申し込みが多発することもあり得ます。

不正行為が可能といった情報が拡散された結果、キャンペーンを休止せざるを得ない事態に追い込まれることもあるはずです。

情報の伝わり方をコントロールしにくく、誤った情報が広まるリスクがあるのはバイラル・マーケティングのデメリットといえます。

バイラル・マーケティングを成功させるポイント

バイラル・マーケティングを成功させるには、いくつかクリアしておくべきポイントがあります。

コンテンツが「ほとんどシェアされなかった」「話題にならなかった」といったことのないよう、次の点を押さえておきましょう。

共有したいと感じてもらえるコンテンツを制作する

バイラル・マーケティングでは、ユーザーが自発的に共有したくなるコンテンツを用意することが非常に重要です。

単に面白い・インパクトが強いというだけなく、次のような特徴を備えたコンテンツを企画・制作しましょう。

  • 独創的なメッセージを込めたコンテンツ
  • 手が込んでいて簡単に真似ができない制作物
  • 真似をしてみたくなるパフォーマンス

ユーザーは、自分自身がコンテンツを目にしたときの驚きや感動を誰かと共有したいと考えます。

ターゲットが興味を持っているものやトレンドを研究し、ヒントを得るのも1つの方法です。

ターゲットに合うメディアを選定する

コンテンツを紹介するメディア選定にも細心の注意を払いましょう。

ターゲットの年齢・性別・生活スタイル・価値観に合ったメディアを選ぶことが大切です。

たとえば視覚に訴えるコンテンツで、かつターゲットが若年層であれば、InstagramやTikTokなどが適しています。

ビジネスパーソン向けに制作したテキスト中心のコンテンツであれば、FacebookやTwitterが向いているでしょう。

過去に成功したバイラル・マーケティングの事例を参考にしつつ、ターゲットに合ったメディアを選定することが大切です。

ユーザーがシェアしやすい仕組みにする

ユーザーがコンテンツに共感・感動し、誰かに教えたいと感じても、シェアする仕組みが分かりづらいと効果は見込めません。

コンテンツを手軽にシェアできる仕組みを用意しておくことで、拡散される確率を高めることが重要です。

代表的な施策として、SNSの共有ボタンを設置する方法が挙げられます。

ボタンをタップするだけで簡単に共有できれば、知人・友人に教えたいと感じる人もいるでしょう。

ユーザーがシェアする際の負担を減らす仕組みを用意しておき、拡散を促すことが大切です。

バイラル・マーケティングの成功事例

バイラル・マーケティングの成功事例として、とくに有名なものを3つ紹介します。

ブームになった事例も含まれているので、実際の広告を目にした人も多いことでしょう。

ぜひバイラル・マーケティングの施策を考える際の参考にしてください。

Fit'sダンス(ロッテ)

お菓子メーカーのロッテがガムの「Fit's」で展開した施策は、バイラル・マーケティングの成功事例として有名です。

もともとテレビCMで知られていた「Fit'sダンス」をYouTubeやTwitterでも公開。

人気アイドルグループや俳優を起用したことで若者の心をつかみ、「踊ってみた」動画が次々とアップされました

さらに、YouTubeで再生回数を競う「Fit'sダンスコンテスト」を開催。

CMの楽曲ダウンロードやダンスのレクチャー動画、振り付け説明図を公開することで、参加のハードルを下げたのです。

コンテスト参加者の全動画を合わせると総再生回数は2,100万回を超え、半年間で5,000万個の出荷につながりました。

10%オフキャンペーン(良品計画)

無印良品を展開する良品計画では、定期的に消費者のアンケートキャンペーンを実施しています。

指定されたキーワードをSNSに投稿すると、店頭での購入額が10%オフになるキャンペーンが有名です。

店舗限定キャンペンなどレア感やお得感を強調することで、キャンペーン期間中の売上が通常の2倍以上になった事例もあります。

店舗・消費者ともにメリットを得られる、二次的バイラル・マーケティングの好例といえるでしょう。

iPhoneから送信(アップル)

今やアップルの主力商品の1つとなったiPhone。

プリインストールアプリからメールを送信すると「iPhoneから送信」という署名が自動的に入る初期設定になっています。

iPhoneが日本で発売された当初、iPhoneユーザーは一部のアーリーアダプターに限られていました。

しかし、徐々に「iPhoneから送信」の署名入りメールを目にする機会が増え、iPhoneの認知度が一気に高まったのです。

現在、「iPhoneから送信」の文字は削除できる仕様になっていますが、初期設定のまま使い続けている人も少なくありません。

Hotmailと同様、自動的に付与されるメッセージによって商品の認知度を高めた事例といえるでしょう。

まとめ

今回はバイラル・マーケティングについて解説しました。

紹介した事例の中には、自分自身もいつの間にか情報を拡散する側に回っていたと思えるものもあったのではないでしょうか。

消費者に「広告臭」を感じさせず、低コストで爆発的に情報を拡散できるのがバイラル・マーケティングの強みです。

ぜひ今回の記事を参考に、バイラル・マーケティングを自社の広告戦略に取り入れてみてください。

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最終更新日: 2022/05/13 公開日: 2022/04/22
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