採用マーケティングとは?手法やメリット・活用手順を解説

最終更新日: 2022/02/15 公開日: 2022/02/21

事業の発展には、自社が求める優秀な社員の獲得が欠かせません。

とはいえ、

  • 募集しても応募がない
  • 求める人材からの応募がない
  • 採用してもすぐに離職してしまう

など課題を抱える経営者も多いのではないでしょうか。解決策として、採用の成功には「採用マーケティング」が有効です。

本記事では、採用マーケティングが重要な理由やメリット、導入方法やポイントをわかりやすく解説します。経営者や採用担当者は、知っておきたい内容です。

採用マーケティングとは?

採用マーケティングについて、目的や採用に重要な要素を解説します。

採用マーケティングとは?定義や目的

「採用マーケティング」とは、言葉通り「採用活動においてマーケティングをおこなうこと」を指します。

マーケティングとは、「顧客が求めるニーズを深く理解し、ニーズに合った商品やサービスを届けるための営業活動や施策」です。

採用の場においても、自社の求める入社候補者のニーズを理解し、応募から入社までの施策が、採用の成功に重要だといわれています。

採用ブランディングとの違いは?

採用マーケティングと似た用語に「採用ブランディング」があります。両者とも採用を成功させるための施策ではありますが、目的に違いがあるのです。

採用ブランディングの目的は、「企業や事業イメージを作って発信し、採用の成功に導くこと」。つまり、企業や事業のブランド化を重視しているのです。

ブランド化により他社との差別化を図り、認知を広めて採用を成功させることを目指します。採用マーケティングよりも、前段階の活動のイメージです。

採用ブランディングの詳細は、以下の記事をご覧ください。

採用の成功に重要な「チャネル」と「ファネル」について

採用を成功に導くには、採用における「チャネル」と「ファネル」を理解し、上手くマッチングさせることが重要です。

各要素の特徴を見ていきましょう。

採用の「チャネル」とは

「チャネル」(英語:channel)は、日本語に訳すると「経路、水路」です。

マーケティングにおけるチャネルは「顧客へのアプローチ」を指します。

採用におけるチャネルとは、入社候補者へのアプローチ手段です。以下のような手段があります。

  • 広告
  • SNS
  • 求人情報サイト
  • 面接
  • リファラル採用
  • メール
  • インターンシップ

各チャネルの特徴を理解し、入社候補者の段階やニーズをふまえたアプローチがポイントです。

リファラル採用については、以下の記事もご覧ください。

採用の「ファネル」とは

「ファネル」(英語:funnel)とは、日本語に訳すると「漏斗」(じょうご)です。

マーケティング用語に「マーケティングファネル」があります。顧客が商品を購入するまでのプロセスを図にすると逆三角形になり、漏斗に似ていることから名付けられました。

採用においてのファネルは、応募者の行動・心理段階です。

入社候補者が実際に入社するまでには、以下のプロセスがあります。

①認知
②興味
③応募、選考
④入社、内定

上から順に人数を図にすると、逆三角形になります。

採用の成功には、入社候補者がどの段階にいるかを理解し、特徴やニーズを捉えることが重要です。

なぜ採用マーケティングが重要視されているのか?

採用マーケティングが効果的な背景や理由を解説します。

働き手が不足し「売り手市場」のため

現在は少子高齢化が進み、働き手が不足しています。そのため、採用市場は「売り手市場」で企業側が選ばれる立場にいるのです。

多くの競合他社と比較されるため、魅力的で条件の良い企業への応募が集中するでしょう。

そのような環境下で優秀な人材の獲得には、企業側のアプローチや施策は必須です。

価値観やニーズが多様化

現在の入社候補者は、価値観やニーズも多様化しています。

従来のように入社の理由が「大手企業」「収入が高い」だけではなく、「自分の価値観や生活スタイルにマッチした会社で働きたい」と考える方が増えているのです。

最近は「ワークライフバランス」という言葉も聞くようになり、仕事やプライベートのバランスを重要視する傾向にあります。

個人の価値観やニーズをふまえた施策やPRは、採用の成功に重要だといえるでしょう。

インターネットやITが普及し、採用活動が変化

現在はインターネットが普及し、IT技術が高まっています。

採用活動においても求職者の管理やオンライン面談の開催など、デジタルの活用が一般的になりました。

IT技術の導入は、入社候補者に対して迅速な対応やニーズに合った活動が可能です。

また現在は、SNSやインターネット上で簡単に情報が手に入ります。採用活動においても、企業情報も即座にネット上に発信でき、候補者にアピールできる状態です。

ITを駆使した効率的な活動や、デジタルマーケティングは差別化に繋がり、採用の成功に影響するでしょう。

採用マーケティングを導入する3つのメリット

採用マーケティングを導入するメリットを紹介します。

メリット1.自社が求める人材が確保できる

採用マーケティングでは、自社が求める人物像や入社候補者の心理状況などを深く分析します。

その後、入社候補者が応募するための施策やアプローチをおこなうため、自社が求める人物の応募確率が高まるのです。

ミスマッチを防ぎ、無駄な採用活動や早期離職の防止にもなります。

メリット2.自社への応募数の増加が見込める

採用マーケティングの過程で、入社候補者へのアプローチやPR活動にあたり、自社の魅力や強みを深掘りします。

そのため、企業や事業の魅力が入社候補者へ伝わりやすくなり、「魅力的な企業だ」と興味・関心を得られることに繋がるのです。

結果として、応募者の増加が見込まれるでしょう。

メリット3.採用コストが削減できる

採用活動では、より多くの応募者を得るために広告費や人材紹介料などのコストが発生します。

採用マーケティングは自社の採用力の向上を目的とするため、こうしたコストをかけずに応募者の増加が期待できます。

また、自社にマッチした人材の獲得を目指すため、内定辞退や早期離職の防止に。再度人材を募集するコストや業務も削減できるでしょう。

採用マーケティング戦略の成功事例

採用マーケティングをおこない、採用率を高めた株式会社小学館集英社プロダクションの事例を紹介します。

同社はMAツールを導入し、職員の応募後の面接率を20%から50%に向上させました。

MAとは「マーケティングオートメーション」の略で、マーケティングを自動化して効率化を図るツールを指します。サイトの閲覧情報やメルマガの開封率など、顧客の情報を分析・管理してマーケティングに活かすための仕組みです。

同社はMAを活用し、応募者の属性や住所を分析・分類。その後、興味のレベル感に対応した案内や情報提供をおこないました。

例えば興味のレベルが低めの応募者には、まずは会社の想いやビジョンを理解してもらえるコンテンツを送付するなどを実施したのです。

すると面接率20%程度だったのが、翌年は50%に向上。応募者一人ひとりに応じた施策で採用率をアップさせました。

採用マーケティングの導入ステップ

ここまで読み、「採用マーケティングを導入したい」と感じた経営者もいるでしょう。

具体的な導入5つのステップを紹介します。

①フレームワークにて採用の現状を分析

まずは、自社の採用活動を分析して現状を理解しましょう。

採用活動の分析には、以下のようなマーケティングのフレームワークを活用するとよいでしょう。

3C分析

「3C」は、以下の頭文字の略です。

  • Customer:入社候補者
  • Company:自社
  • Competitor:競合

3つの要素から、「入社候補者からどのように認知されているか?」などを分析するとよいでしょう。

SWOT分析

「SWOT」は、以下の頭文字の略です。

  • Strength(強み):内部環境
  • Weakness(弱み):内部環境
  • Opportunity(機会):外部環境
  • Threat(脅威):外部環境

上記の4つの視点から、採用活動を分析すると客観的に現状が把握できます。

②採用におけるペルソナを設定

「採用ペルソナ」を設定しましょう。採用ペルソナとは、「具体的な一人の応募者像」です。

設定することにより、応募者の具体的な人物像やニーズなどが理解できます。すると、課題や施策がイメージしやすくなるのです。

採用ペルソナの設定方法については、以下の記事をご覧ください。

③カスタマージャーニーを設計し採用過程を分析

アプローチの前に、入社候補者がどの段階にいるのかを分析し、理解することが重要。

行動段階の分析には、「カスタマージャーニー」を設計するとよいでしょう。

採用におけるカスタマージャーニーは、「入社候補者が自社を認知して入社するまでの過程」です。採用ペルソナを基準に、各段階の入社候補者の行動や心理を時系列で書き出し、分析しましょう。

図にして可視化した「カスタマージャーニーマップ」を作成するのもおすすめです。

④採用活動のアプローチ手段を検討

入社候補者へのアプローチ手段(採用チャネル)を考えましょう。

前の工程で分析した採用の各段階に対し、アプローチ手段を検討していくことが重要です。

各段階の特徴や入社候補者の心理状態を理解し、発信手段や直接のコンタクト手段などを考えてみましょう。

⑤採用マーケティングの実施・振り返り

各アプローチ後は、振り返りや改善が重要。

「施策の効果はどうだったのか?」を定期的に分析・検証しましょう。

PDCAサイクルを継続的に回すことが、採用力を高めることに繋がります。

採用マーケティングを成功に導く!活用ポイント

採用マーケティングを成功させるポイントを紹介します。

採用データの効率的な管理・分析をおこなう

採用活動をおこなっていると、多数のデータが発生します。

これらのデータをいかに適切かつ効率的に処理し、活かすのかが重要。応募者へのスピーディーな対応や施策に活用でき、採用の成功に影響するといえます。

各データの処理担当を決めたり、採用管理システム(ATS)を導入したりするなどで効率化を図りましょう。

採用プロセスのペルソナに合った手段を実施する

「採用ペルソナに合ったアプローチができているか?」は重要です。

もし施策の効果が出ていないなら、ペルソナの行動やニーズとアプローチにズレがあるのかもしれません。

採用データを分析し、もう一度ペルソナを見直したりアプローチ方法を検討したりすると効果的です。

ファネルとチャネルがマッチングした施策を目指しましょう。

潜在的なターゲット層も意識・理解する

潜在的なターゲット層を意識・理解した施策も考えてみましょう。

「入社候補者」といっても、以下のような段階の候補者がいます。

【顕在的な候補者】

転職希望で、活動中の人

【潜在的な候補者】

  • 転職希望だけど、転職できていない人
  • 転職に興味はあるが、活動はしていない人
  • 良い企業があれば転職したいと思い、情報収集中の人

【一度接点がある候補者】

  • 自社の退職者
  • 自社へ応募したが不採用になった人
  • 自社への内定辞退者

応募率や採用率を高めるには、潜在的な候補者も意識した施策も効果的です。

各候補者の特徴やニーズを理解し、それぞれに合ったアプローチを検討してみましょう。

強みや魅力のある企業・事業を目指す

多くの企業の中から自社を選んでもらうには、「魅力的だ」と感じてもらうことが必須。企業としての強みや魅力がなければ、施策の効果は見込めません。

自社ならではの強みや魅力を社内で言語化したり、外部の方にアンケートを実施したりするとよいでしょう。

もし客観的な強みや魅力が少ないのならば、社内の改善からスタートすることが必要かもしれません。

そのうえで、自社の魅力が市場に伝わるような活動をしましょう。

まとめ

採用マーケティングとは、「採用活動においてマーケティングをおこなうこと」です。

具体的な候補者像を理解し、ニーズに合ったアプローチにより求める人材を獲得することを目的とします。

現代は応募者の価値観やニーズもさまざま。その中から選ばれる企業になるには、時代に合った採用の施策が必要なのです。

今回紹介した内容を参考にして、採用の成功を目指しましょう!

弊社(ラーニングエッジ株式会社)では、経営者向けのマーケティングセミナーを開催しています。今回紹介したような、マーケティングや施策を知ることは事業の成功には重要です。

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最終更新日: 2022/02/15 公開日: 2022/02/21
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