
2022年のマーケティングトレンドを知りたいと感じている経営者の方は少なくないはずです。
マーケティングの動向について、次の点が気になっていないでしょうか。
- 今後より重要になるマーケティング戦略とは?
- マーケティングの最新動向はどうなっている?
- 次に注力するべきマーケティング戦略とは?
今回は、2021年までのマーケティングの動向を振り返りながら、2022年のトレンドを予測していきます。
とくに重要と思われる5つのトレンドを紹介しますので、ぜひマーケティング戦略を立てる際に役立ててください。
マーケティング業界にとって2022年とは?

2021年は、マーケティング業界にとって既存の戦略を見直し、次の一手を探る1年間だったといえます。
2020年より続く新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、私たちの暮らしは一変しました。
多くの企業が多大な影響を受け、既存のマーケティング戦略を大きく見直すことを余儀なくされてきたはずです。
一方、長期化するコロナ禍を経て、消費者の行動は徐々に「ウィズコロナ」へと適応しつつあります。
2022年のマーケティング戦略は、2年にわたるコロナ禍での経験を織り込んだものとなっていくでしょう。
従来の発想に囚われない、現実に即したマーケティング戦略が求められているのです。
2022年に押さえておきたい5つのトレンド

2022年に押さえておきたいマーケティングのトレンドとして、次の5つが挙げられます。
・コンテンツ・エコシステム
・チャットEC
・AR/VR
・顧客エンゲージメント
それぞれ詳しく見ていきましょう。
トレンド1.ゼロパーティデータ
ゼロパーティデータとは、顧客の同意を得た上で直接取得するデータを指します。
従来のマーケティング戦略では、いかにサードパーティデータから顧客の情報を収集するかが問われてきました。
2022年以降はサードパーティデータから脱却することが重要なテーマとなるはずです。
背景
2022年4月、改正個人情報保護法が施行されます。個人を識別可能なデータを取得・利用する場合、消費者から同意を得ることが義務づけられるのです。
ChromeやSafariといった主要なブラウザは、すでにサードパーティCookiesを規制する機能を実装しています。
リターゲティング広告のようなCookieを前提に成り立ってきた広告戦略を中心に、見直しを余儀なくされるでしょう。
ポイント
顧客データは「気づかないうちに収集されてしまう」ものではなく、顧客の同意を得て取得するものへと変わっていくはずです。
顧客が抵抗なく自然な形でデータを提供するには、「この企業とならつながってもいい」と感じてもらうことが欠かせません。
データを提供することが顧客にとってメリットとなり、リスクを上回る利益が得られることを明示していく必要があるでしょう。
トレンド2.コンテンツ・エコシステム
さまざまな目的で制作されたコンテンツが有機的に結びつき、相乗効果を発揮する仕組みをコンテンツ・エコシステムといいます。
各コンテンツが単発の情報提供を目的とするのではなく、互いに補完し合うことで持続的なコンテンツ提供が可能となるのです。
背景
マーケティングにおいてコンテンツの重要性が高まっていることは、以前から指摘されていました。
訴求を意図したシンプルな広告に慣れた消費者にとって、有益な情報を得られるかどうかが購買行動につながっているからです。
ただし、有益なコンテンツを提供し続けるには膨大なリソースが必要となります。
コンテンツを使い捨てるのではなく、再利用することを前提に設計していくことが大切です。
ポイント
コンテンツを目的別に分けた場合、次のように分類できます。
種別 | 目的 |
サーチ・コンテンツ | 顧客が検索して解決したいと考えている疑問に答える |
プロダクト・コンテンツ | 自社の製品・サービスについて説明する |
ファウンデーショナル・コンテンツ | 自社の理念や企業哲学を伝える |
ソート・リーダーシップ・コンテンツ | 自社独自の視点を伝える |
カスタマー・コンテンツ | 顧客にとって役立つアドバイスなどを提供する |
上記のコンテンツをバランスよく継続的に提供することにより、顧客にとって有益な情報を提供していることを印象づけられます。
自社のコンテンツで不足している点を補い、戦略的に情報提供を行う必要があるでしょう。
トレンド3.チャットEC
チャットECとは、友人同士や店員とチャットをしながらオンラインショッピングを楽しめる仕組みです。
リアルの買い物で会話をしながら商品を選ぶのと同じように、ECにおいても人とのつながりを実感できるのです。
LINEなどのチャットツールが浸透したことで、Z世代だけでなく幅広い年代に受け入れられる可能性を秘めた仕組みといえます。
背景
コロナ禍において顕著になったのが「人とのつながり」へのニーズです。
従来、ECは顧客が一人で商品を選び、自分の意思で購入するものと考えられてきました。
しかし、ECチャットによってECはリアルなショッピングにより近づいていくはずです。
中国を中心にライブコマースが注目される中、インフルエンサーによる一方的な情報提供に違和感を覚える人も少なくありません。
リアルタイムで双方向のやりとりができるチャットの特性は、マーケティングにおいて重要な位置を占めていく可能性があります。
ポイント
チャットは個別性の高いツールのため、マスに向けて情報を発信するよりも高い確率で顧客エンゲージメントを獲得できます。
コロナ禍の影響で客足が遠のいていたリアル店舗にとって、販路を確保するための重要なツールとなるでしょう。
定型的なやりとりはチャットボットとし、クロージングのみ人がチャットで対応するなど、オペレーション面が課題となるはずです。
トレンド4.AR/VR
AR(拡張現実)やVR(仮想現実)を活用したマーケティングが注目を集めています。
AR/VRを活用したサービスとして、次のような事例が挙げられます。
- メイクの完成イメージをARフィルターで提供する「TeleBeauty」(資生堂)
- 家具を自宅に配置したイメージをARで提供(ニトリ・IKEA)
- 仮想空間で店舗を運営するVRアプリ「REV WORLD」(三越伊勢丹)
背景
非接触やソーシャルディスタンスが定着しつつある今、顧客体験の向上をどのように実現するかは喫緊の課題といえます。
顧客は万人向けのサービスを望んでいるのではなく、パーソナライズされた体験を求めているからです。
地理的・空間的な制約を超えて顧客体験の向上を実現することは、マーケティングにおいて重要なトピックとなっていくでしょう。
ポイント
AR/VRはテクノロジー領域のトピックと思われがちです。
新たな技術が台頭したとき、はじめは「テクノロジーありき」で産業への活用が検討される傾向があります。
しかし、前述のような実用化の事例が増えるにつれて、今後はマーケティング領域でいかに有効活用するかが問われていくでしょう。
AR/VRは、2022年のマーケティング領域において注視が必要な分野の1つといえます。
トレンド5.顧客エンゲージメント
トレンド1〜4に共通する要素として、いかに顧客エンゲージメントを実現するかがいっそう重要な課題となるでしょう。
企業側の視点による「エンゲージメントを高めるための施策」ではなく、顧客に利益をもたらす施策を講じる必要があります。
2022年以降のマーケティング戦略を考える上で、顧客エンゲージメントは中心的な位置を占める課題となっていくでしょう。
背景
従来から顧客エンゲージメントの重要性は指摘されていましたが、コロナ禍を経て必要性がさらに顕在化しました。
顧客の価値観やライフスタイルに寄り添うためにも、ストーリーテリングの要素があらゆるコンテンツで求められていくはずです。
ポイント
顧客への情報提供や顧客接点の強化といった課題は、すべて顧客エンゲージメントに通じるテーマといえます。
顧客がストーリーに共感し、自身の生活に取り入れる選択をすることで新たなニーズが生まれるのです。
2022年のマーケティング戦略を講じる上で、顧客エンゲージメントは出発点であり、到達点にもなり得るでしょう。
まとめ
2022年のマーケティングトレンドを、2021年までの動向を振り返りながら解説してきました。
1つ1つのトレンドを注視しつつ、大きな潮流を捉える視点を持つことが大切です。
ぜひ今回の記事を参考に、今後のマーケティング戦略を講じてみてください。
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