マーケティングオートメーションとMAツールの基本を解説

最終更新日: 2022/02/28 公開日: 2022/03/15

近年急速に浸透してきた感のあるマーケティングオートメーション(MA)という概念。MAツールの需要も拡大し、その活用方法にも注目が集まっています。

本記事ではマーケティングオートメーションの基本概念やMAツールで実現できること、MAツールの成功例や導入までの流れを解説します。

マーケティングオートメーション(MA)とは

マーケティングオートメーション(MA)とは新規顧客の獲得や見込み顧客の育成なども含めた企業のマーケティング施策をサポートするためのツール及び概念のことを指します。

言い換えるとマーケティングオートメーションとは顧客の開拓・育成を仕組み化することです。

本記事ではMAツールと呼ばれるマーケティングオートメーションを具現化してゆくシステムで、具体的にどのようなことが実現できて、どのような役割を果たせるかを解説していきます。

MAツールの需要が拡大した理由

MAツールの市場は2014年に米国Oracle社が「Oracle Cross-Channel Marketing(名称Eloqua)」の日本でのサービス提供を開始して以来、拡大の一途を辿っています。

2019年に402億円まで拡大し、2025年には737億円にまで成長すると予測されています。

需要が拡大している理由は下記の2点が挙げられます。

  1. 顧客一人一人のLTVが重要視されるようになった。
  2. 新規顧客の開拓より既存顧客を維持する活動が重要視されるようになった。

順に解説します。

①顧客一人一人のLTVが重要視されるようになった

LTVとは、Life Time Valueの頭文字を取ったもので、日本語では「顧客生涯価値」と呼ばれる指標です。1人(1社)の顧客が自社と取引を開始してから終わるまでの間にどれだけの利益をもたらしてくれるのか、顧客から得られる利益の総額を表します。

WEBマーケティングの領域においては新規顧客獲得に重点を置いたマーケティング活動が重要視されることが多かったが、近年はLTV強化前提でマーケティングを進める企業が増えました。

結果として、LTV強化のための支援ツールとしてMAツールの利用率が拡大しました。

既存顧客を維持する活動が重要視されるようになった

近年、日本国内の人口は減少が続いており、新規顧客開拓のハードルが上がっています。新規顧客を開拓するマーケティングと並行しながら既存顧客の維持及び発展が求められるようになりました。

「1:5の法則」と言って、新規顧客を獲得するには既存顧客に商品を販売する5倍ものコストがかかるという定説もあります。

顧客の属性や購入履歴などのデータを分析し、顧客一人一人に最適な情報を提供し、リピート購入の促進や購入単価向上という指標の元、マーケティング活動が行われ、それを具現化してゆくツールとしてMAツールの需要が拡大しました。

上記のようなマーケティング観念や社会環境の変化に伴い、MAツールの注目度は高まり、大企業を中心にMAツールの導入が進んでいる現状です。

MAツールの3つの役割

リードジェネレーション

リードジェネレーションとは、見込み客を獲得するための活動のことを指す言葉です。リード(Lead)はマーケティング用語で「見込み客」を指します。

例えばWEB上の広告・WEBセミナー、営業マンによる電話・FAXによる営業活動などはリードジェネレーションに該当します。

MAツールでは「リターゲティング広告」、「LP作成」、「レコメンドメール配信」などの機能をそなえ、リードジェネレーション活動を推進してゆく機能が備わっています。

リードナーチャリング

リードナーチャリングとは、見込み客の育成のことを指します。

獲得してきたリードの購買意欲を育成し、信頼獲得を促そうとする取り組みで、営業やマーケティングの効率化につながると考えられています。

MAツールでは顧客にとって有益な情報をドキュメント化できる機能が備わっており、ホワイトペーパーや継続的なメール配信を顧客に有益な情報として提供する機能があります。

リードナーチャリングについては他にご紹介している記事があるため、そちらもぜひご覧ください。

リードクオリフィケーション

リードクオリフィケーションとは獲得・育成した見込み顧客の中から有望な見込み顧客を絞り込むための施策です。

MAツールでは、スコアリングという手法を用いてリードクオリフィケーションを行います。

スコアリングとは、見込み顧客の属性と行動という2つのカテゴリーに属する情報に対して点数をつけていき、見込みの高い顧客を判断する方法です。

見込みの高い顧客をスコアリングして、優先付けを行うことで、マーケティング活動における効率化を促します。

SFA/CRMとMAの違い

MAと同じように企業における営業支援ツールで活用されるシステムとしてSFAとCRMがあります。SFAもCRMも営業支援ツールという意味合いではMAと共通していますが、これら3つは異なった概念です。

それぞれの概念を改めて説明します。

SFAとは

SFAはSales Force Automation(セールスフォースオートメーション)の略で、営業支援ツールのことです。

見込み顧客の属性情報やこれまでにどのような営業活動をしたか、その際の見込み顧客の反応はどうだったのか、次にどのようなアクションを想定しているのかなど、営業活動における進捗をデータベース化します。

SFAを導入することにより商談成立までの営業活動に必要な情報を、漏れなく追いかけることができるようになります。

部署内で情報共有、管理もできるようにもなるので、営業担当者間での円滑な引継ぎや、ノウハウが共有しやすくなるメリットがあります。

MAが集客から見込み顧客の育成・抽出まで全体的にカバーしているのに対して、SFAはあくまで営業における業務効率化に特化しているのが特徴です。

CRMとは

CRMはCustomer Relationship Management(カスタマーリレーションシップマネジメント)の略で、顧客情報の管理や分析に特化したツールのことをいいます。

  • アプローチ履歴
  • 他の商品の購入履歴
  • 決裁者/担当者情報
  • 要望

CRMでは上記のような情報を分析して、既存顧客のニーズに沿ったアプローチを図ります。加えて、営業担当のみではなく、全社でデータを共有することが可能になります。

また、有効にツールを使用することで顧客との関係の維持や顧客満足度の向上などが可能です。顧客の囲い込み・ファン化に繋がり、一人あたりの購買額の最大化や長期的な収益の向上にも効果が期待できます。

MAツールは上記でも述べたように、見込み客の獲得、育成や受注を目的としており、CRMは既存顧客をリピート化させることに特化しています。

MA/SFA/CRMの理想的な使い分け

MA/SFA/CRMのこの3つは概念から異なります。

MAツールはSFAやCRMと連動させられるものが多く、MAツールを新規で導入する企業は導入済みのSFAやCRMの顧客情報と紐づけて管理するケースが多いようです。

MAで獲得・育成した見込み客を営業支援ツールであるSFAで商談を進めて受注に至ったら、CRMでリピート化を促進させ、優良顧客に育ててゆくのが理想的な使い分けです。

MAツールの実例(バーガーキング)

MAツールを活用し、効果的に見込み客にアプローチし、獲得に成功したバーガーキング社の有名な成功事例を紹介します。

バーガーキング社はアメリカ合衆国フロリダ州マイアミ・デイド郡に本社を置くハンバーガーチェーンで、世界100カ国で17000以上の店舗を展開しています。

ハンバーガーチェーンの世界的シェアでは7位にランクインしています。

同社はバーガーキングのアプリをダウンロードしているユーザーに対して2019年にアメリカでWapper Detour(寄り道ワッパー)キャンペーンを実施しました。

キャンペーンの内容はアプリのユーザーがマクドナルドの店舗の180m圏内に近づいたタイミングでバーガーキングの看板メニューであるワッパーを1セントで(約1円)で提供するためのクーポンをアプリ内に配信するというものでした。

競合最大手であるマクドナルドへ流れそうなユーザーをターゲットペルソナに選定してバーガーキングへと誘導するためのキャンペーンをMAツールで実施したというわけです。

寄り道ワッパーキャンペーンの手順

  1. バーガーキングのアプリでキャンペーン告知
  2. 通知やロケーションを許可したユーザーがマクドナルドの180m圏内に入るとクーポンが利用可能になる
  3. ユーザーは1ワッパーを1セント(約1円)で注文可能
  4. ユーザーが現在地からバーガーキングへ移動する間に注文を選べるLPに誘導
  5. ワッパーに加え、ポテトやドリンクも選べる
  6. ユーザーから1番近いバーガーキングをマップに表示し、道順も提供
  7. ユーザーが店舗に入った瞬間にオーダーボタンをプッシュ、注文完了

寄り道ワッパーキャンペーンの成果

結果的にこのキャンペーンは大きな成果を獲得しました。

キャンペーン実施後150万人の新規ユーザーがアプリをダウンロードし、アプリの月間ユーザー数が53.7%増加、アプリからのモバイルオーダー売上がキャンペーン開始後に2倍になりました。

キャンペーンがここまで大きな成果を挙げた理由として、リアルタイムで今まさにハンバーガーを食べたいと思っているユーザーに接触したことが挙げられます。

マクドナルドの店舗180m圏内に入った瞬間にキャンペーンに導き、そこからのユーザーの行動フローも事前に策定し、離脱させることなく、1セントでワッパーを提供できるスムーズなシナリオを描いたのです。

バーガーキング社はMAツールを使用して、日々刻々と変わるユーザーの心理状態に応じて、最適なメッセージを最適なタイミングで送ることを実現し、それによって大きな成果を生みました。

MAツール導入の流れと準備事項

では、バーガーキングのように自社にMAツールを導入し、運用する上でどのような準備を行い、実践してゆくべきでしょうか?下記のことを最初に定める必要があります。

自社のMAツール運用目的を明確にする

最も重要なことは、自社がMAツールを導入する目的を明確に定義することです。前述したようにMAツールは導入するだけでマーケティング活動が自動化できるだけではなく、営業活動を支援したり、効率化を促進できるシステムです。

しかし、自社がMAツールを使って実現したいことと、優先順位を明確に定めておかなければ、せっかくMAツールを導入してもその利便性を十分に活かせず宝の持ち腐れになってしまう危険性もあります。

自社の施策の目的や成し遂げたいKPIの優先順位の優先順位を明確にしましょう。例えばリード数が十分でなければリードジェネレーション機能を存分に活用してリードの母数を拡大しましょう。

リード数が十分であり、リードとの商談設定数向上が重要指標であればMAツールのリードナーチャリングに注力し、ステップメールのシナリオ作成やその開封率の向上などに注力しましょう。

商談の成功率向上が重要指標であればリードクオリフィケーション機能で見込み客の選別や属性理解に努める事が重要になってきます。

上記のようにまずは拡大と育成と絞込みの優先順位を決めて、MAツールを導入する目的を明確に設定する必要があります。

運用フローを策定する

MAツールを導入する目的が明確に定まったら運用フローを策定しましょう。

MAツールは既にあるリードのデータを活用するためにマーケティング部署以外にも、営業や商品企画など様々な部署が関わる必要があるため、各部署との調整には時間がかかります。

大切なことは、スタートから完成された運用フローを作ろうとするのではなく、速やかに仮説、運用方針、シナリオを作成し、運用結果を反映しながら、フローを更新していくことです。

予算も工数も最初は必要最低限で済み、運用しながら適切な予算や工数が見えてくることがほとんどです。

適切なMAツールを選定する

MAツールは、様々な種類のものが存在します。

  • BtoBに特化したもの
  • BroCに特化したもの
  • 高機能だけど使いこなすために人数が必要なもの
  • 機能は限られているけど、導入費用が安くて、少人数でも運用できるもの

前述したようなMAツール導入の目的と、自社の状況(工数・予算・ノウハウの有無など)によって、選ぶべきツールが異なることを理解し、適切なツールを選定することが重要です。

同業他社での導入実績があるか否か、自社に合っているかどうかを押し測る良い指標になるでしょう。

各社のツールの特徴を踏まえた上で、最適なツールを選定できるようにしましょう。

まとめ

マーケティングオートメーション及びMAツールの概要について紹介いたしました。

MAツールの需要は更に拡大し、大小規模を問わず企業のマーケティングや営業活動に欠かせぬものになる将来が予測されています。

まずは自社の体制やマーケティング戦略、優先すべき経営指標を整理して、どのようなMAツールが必要か、検討してみてはいかがでしょうか。

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