
「自社に最適な人材を採用したい」「即戦力を採用したい!」と考えている採用担当者も多いでしょう。
少子高齢化によって人材不足が進むなか、優秀な人材の採用は企業にとってもっとも大きな課題とも言えます。
そこで今回は、採用活動において大切な「ファネル分析」の5つのプロセスを詳しく解説!
採用活動に欠かせないポイントもあわせて紹介しているので、ぜひ効率的に採用活動を行うための参考にしてみてください。
採用ファネルとは?
採用ファネルとは、通常、消費者が購買に至るまでの人数を図式化したものを、採用活動に当てはめてアレンジしたものです。
「ファネル」は英語で「漏斗(ろうと)」を意味しており、採用活動が進むにつれて人数が絞り込まれていく様子を表現。
採用ファネルは認知、興味、応募、選考、入社という5つのフェーズに分けられます。
採用活動を段階に分けて洗い出した課題を改善すれば、効率的な採用活動を行うことができるでしょう。
ファネルの種類と特徴
採用におけるファネル分析の種類は大きく分けて3種類です。
パーチェスファネル、インフルエンスファネルのほか、この2種類のファネルを組み合わせたものをダブルファネルと呼びます。
では、それぞれのファネルについて詳しく解説していきましょう。
パーチェスファネル
パーチェスファネルは、マーケティングにおいてもっとも一般的とも言えるファネルで、消費者が商品やサービスを購入するまでのステップであるAIDMAモデルを発展させたものです。
AIDMAモデルは「注目(Attention)」「興味・関心(Interest)」「欲求(Desire)」「記憶(Memory)」「行動(Action)」という5つのステップですが、採用活動では次のように置き換えます。
- 認知
- 興味
- 応募
- 選考・内定
- 入社
企業の認知がもっとも対象者が多いフェーズであり、入社のフェーズに至るまで人数が絞り込まれていくのを、漏斗の形で表現しています。
インフルエンスファネル
インフルエンスファネルは、商品やサービスを購入した消費者が満足感を得て、周囲に紹介したり情報を発信したりする流れをファネルで表現したものです。
パーチェスファネルのゴールが「購入」であることに対し、インフルエンスファネルは購入後のフェーズであり、次のような項目で表現されます。
- 購入
- 紹介
- 発信
このファネルを採用マーケティングに置き換えると、購入は「入社」と考えられます。
入社した社員へのフォローやサポート、環境づくりを行い、満足感を得ながら働いてもらうことで、企業のイメージアップにつながるでしょう。
ダブルファネル
ダブルファネルは、パーチェスファネルとインフルエンスファネルを組み合わせて活用することです。
自社の商品やサービスを購入してもらうだけでなく、満足度を高めて消費者が情報を発信することで、次のようなメリットが期待できます。
- 認知度を高める
- イメージアップ
- 購買率アップ
これは採用活動においても同じことが言えます。
採用活動のゴールを「入社」に設定せず、「入社した社員が充実して働けるようにサポートすること」をゴールと考えれば、今後の採用活動がスムーズになるでしょう。
また、入社した社員の離職防止にもつながります。
採用マーケティングにおけるファネルの5つのプロセス
採用マーケティングにおけるファネル分析は5つのプロセスに分かれており、1〜5にかけて漏斗のように人数が絞られていきます。
では、それぞれの段階ごとに解説していきましょう。
認知
採用マーケティングにおけるファネルの最初のフェーズは「認知」です。
まずは希望する人材に自社のことを知ってもらわなければ、スタート地点にも立てません。
認知のフェーズでは、あまりターゲットの範囲を絞り込みすぎないことが重要。
というのも、ターゲットのみに向けたPR活動では、ターゲットに認知してもらえる確率が低くなるからです。
ターゲットの人物像や生活環境を考慮し、やや広い範囲に向けてPR活動を行いましょう。
興味
広い範囲に認知されたら、次は興味を持ってもらうフェーズです。
より興味を持つ対象者を増やすために大切なのは採用戦略を策定すること。
採用戦略とは、自社に最適な人材をスムーズに採用するために立てる戦略です。
自社や競合の現状を把握・分析し、他社に負けない価値を創出します。
自社の魅力を武器に施策を行い、認知の状態から興味まで引き上げていきましょう。
応募
企業を認知した対象者は、興味が高まれば応募というフェーズに至ります。
ここで認識しておきたいのが、興味を持った対象者が必ずしも応募に至るわけではないという点です。
応募に至るまでのフェーズで重要なのは、自社の魅力を知ってもらうのはもちろん、入社後の環境や体制を整えておくこと。
社内の体制を整えることは、内定者が入社後に早期離職する可能性の低下にもつながります。
選考・内定
応募者が集まったら選考・内定のフェーズに移ります。
ここで重要なのが、面接に立ち会う人に正しい情報が共有されていることです。
採用戦略をはじめ、どのようなスキルを持った人材を求めているのかなど、事前に必要な情報を共有しておくと、適切な質問をしながら面談を進められます。
また、人材を必要としている部署の社員を同席させると、現場にとって即戦力となる人材を採用できるでしょう。
ただし、魅力的な人材を採用できたからといって、安心してはいけません。
自社の魅力や働くイメージがきちんと伝わっていないと、内定を辞退されるケースもあるので気をつけましょう。
応募者が面談を受けた後に、会社のイメージがアップするような面談が理想的です。
入社
いよいよ内定者の入社したら、パーチェスファネルからインフルエンスファネルへと移行します。
社員が入社後に継続して働けるような環境づくりを行い、離職率低下を目指しましょう。
努力が適切に評価されるような体制づくりはもちろん、社員同士のコミュニケーションを活発化し、不安や悩みを解消できるような環境を作るのもおすすめです。
社員が満足感を持って継続的に働くことは、自社のイメージアップにもつながります。
このようにファネルを分析して適切な施策を行っていけば、競争が激化する採用活動を勝ち抜いていけるでしょう。
採用活動に欠かせない3つのポイント
採用活動を行うときは、大切なポイントが3つあります。
採用戦略をより効果的なものにするためにも、ぜひ気をつけてみてください。
採用活動の目的を決めておく
採用活動のゴールは人材の採用ではありません。
求める人物像を明確にする前に、「なぜ新たな人材を採用する必要があるのか」という目的を決めておきましょう。
そのためには、人材を求めている部署の課題を把握する必要があります。
たとえば、「管理者がいないため、業務効率が悪い」「自主性がないため、新しいアイデアが生まれない」など、現場に不足している部分を洗い出しましょう。
課題解決に直結する人材を採用すれば、部署の業務効率や会社の生産性を高めることにつながります。
ペルソナを明確にする
即戦力を採用するためには、自社が求める人物のイメージである「ペルソナ」を明確にしておく必要があります。
スキルや経験はもちろん、必要とする人材がどのような生活環境にあるのか、どんな性格なのかまでイメージできると、ターゲットに向けて適切なPR活動を行うことができるでしょう。
ペルソナを設定する際は、人事や経営陣だけで意見を出し合うのではなく、必ず人材を求めている部署の声を取り入れるようにしてください。
現場の声を採用活動に活かすことで、採用後の認識のズレや早期退職を防止できます。
ペルソナの項目が多い場合は、優先順位を決めるとスムーズに採用活動を進められるでしょう。
面接官のトレーニングを行う
内定後の辞退や採用後の認識のズレを生まないためにも、面接官のトレーニングは欠かせません。
的確な質問ができるのはもちろん、応募者から良いイメージを持たれるような姿勢づくりも大切です。
とくに昨今問題となっているような圧迫面接をしてしまうと、面接官だけでなく企業全体のイメージダウンにつながります。
話し方など、コミュニケーションにおけるトレーニングや、NGな質問集の共有を行うと面接のクオリティを一定に保てるでしょう。
採用活動において大事なのはマーケティングの知識を身につけること!
採用マーケティングにおけるファネル分析を行う際、身につけておきたいのがマーケティングの知識です。
マーケティングは商品やサービスを販売してビジネスを発展させるだけでなく、現状を正しく分析し、適切な施策を行うために役立ちます。
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まとめ
人材が企業の求人に応募し、入社するまでにはファネルと呼ばれるステップがあります。
ファネル分析の結果を元に採用活動を行うことで、即戦力の採用を目指せるでしょう。
ただし、採用活動を行うときは、現場の声を聞いたり、面接官のトレーニングを行ったりなど、自社の体制を整えておく必要があります。
また採用した人材の早期離職を防ぐため、入社後の環境づくりにも力を入れるのが大切です。
適切な分析、対策を行い、自社に最適な人材採用を目指していきましょう!