イノベーター理論とは?自社商品の普及に必須の考え方を解説

最終更新日: 2022/02/09 公開日: 2022/02/09

世の中に自社商品を普及させるには、市場全体の普及率を分析し、正しい施策をとる必要があります。

その新しい商品やサービスがどのように普及していくのかを分析した理論がイノベーター理論です。

今では当たり前のように使用している製品やサービスがどのように普及していったのかが、イノベーター理論を基に分析すると自社の商品普及に役立つでしょう。

この記事では、イノベーター理論の5つの分類と、キャズム理論、市場にうまく普及していった成功事例を解説していきます。

自社製品をこれから広めようとしている人、自社製品の普及率を向上させたいと思っている人はぜひ読み進めてみてください。

イノベーター理論とは?

イノベーター理論とは、スタンフォード大学のエベレット・M・ロジャーズ教授が1962年に提唱した、商品やサービスの普及率をユーザー層に合わせて5つに分類した理論です。

「イノベーター(革新者)」「アーリー・アダプター(初期採用者)」「アーリー・マジョリティー(前期追随者)」「レイト・マジョリティー(後期追随者)」「ラガード(遅滞者)」の5つにわけられ、ユーザー層ごとの特徴や対応方法が異なります。

それでは、各ユーザー層の特徴などを解説していきます。

イノベーター(革新者)

イノベーターは新商品が発売されたら最初に購入する層です。

「新しい」ことに価値を感じるため、購入した後のベネフィットなどをあまり気にしません。

市場の2.5%がイノベーターだと言われています。

イノベーターに商品を宣伝する場合、最新技術の導入や、最先端のシステムなどの「新しさ」をアピールするのが大事です。

アーリー・アダプター(初期採用者)

アーリー・アダプターは市場の13.5%ほどを占めています。

アーリー・アダプターも最初に商品を購入する層ですが、イノベーターとは異なり、商品の新しさよりも新しいベネフィットの有無で購入を決めます。

アーリー・アダプターはSNSなどで情報を積極的に発信しており、アーリー・マジョリティーへの影響力が強いため、商品やサービスを拡散させるためにはアーリー・アダプターをうまく利用する必要があります。

アーリー・アダプターの中にはオピニオン・リーダーやインフルエンサーと呼ばれている人もいます。

アーリー・アダプターに受け入れられるには、技術などの新しさに加え、使った時のメリットをアピールする必要があります。

そのためには、従来品と比較してより品質やサービスなどが良い点は何かを訴求すると良いでしょう。

また、今後流行するかどうかも重要なポイントです。

アーリー・マジョリティー(前期追随者)

アーリー・マジョリティーは新しい商品やサービスを購入することに慎重な層です。

アーリー・アダプターの影響を強く受け、流行を先取りしたいとも思っているので、比較的購入は早いですが、商品やサービスに安心感を求めます。

アーリー・マジョリティーは市場全体で34%いると言われています。

アーリー・マジョリティーに普及させるには、既にアーリー・アダプターによって流行が始まっていなければなりません。

商品やサービスを購入しなければ流行に乗り遅れてしまうかもしれないという訴求方法が有効です。

商品やサービスの新しさだけでなく、それを購入した後の未来はどうなっているのか、メリットを深くアピールしていきましょう。

レイト・マジョリティー(後期追随者)

レイト・マジョリティーは市場全体の半数くらいまで商品やサービスが行き渡ってから購入する層です。

新しい商品に懐疑的で、周りの人が持っていて、便利なものだとわかってから購入します。全体の34%を占める層です。

レイト・マジョリティーへは周りのほとんどの人が商品やサービスを利用しており、持っていない方が少数派であることを伝える必要があります。

購入しても失敗しないと安心させるとレイト・マジョリティーの懐疑的な心を開かせることができます。

ラガード(遅滞者)

ラガードは全体の16%を占める、もっとも保守的な層です。

新しい商品やサービスに興味がなく、文化や伝統として根付くまで購入しません。

ラガードへは新しさより、商品やサービスに歴史があり、定番であるという訴求が必要です。

そして、他の商品などよりも安心感があることを全面にアピールしていきます。

普及率16%の論理

イノベーター理論では、新しい商品やサービスが市場に普及するには、イノベーターとアーリー・アダプターの攻略がカギとなる「普及率16%の論理」も提唱されました。

イノベーターとアーリー・アダプターを合わせて16%ですが、ほぼアーリー・アダプターが占めているので、アーリー・アダプターに商品やサービスを購入してもらわなければなりません。

アーリー・アダプターにまで商品が普及し、オピニオンリーダーとして商品の良さやベネフィットを発信してもらえれば、他の層にも商品が普及するという考えです。

キャズム理論とは?

キャズム理論は、キャズム理論のキャズムとは「溝」のことです。

キャズム理論では、イノベーターとアーリー・アダプターを初期市場、アーリー・マジョリティーからラガードまでをメインストリーム市場に分けて、アーリー・アダプターとアーリー・マジョリティーの間には溝があり、その溝を越えなければ新しい商品やサービスは市場に浸透しないというものです。

キャズムを超えるためのポイント

初期市場が新しさを求めるのに対し、メインストリーム市場が求めるものは安心感です。

そのため、商品やサービスの品質や実績などを訴求していく必要があります。

ここでは、具体的なポイントを説明していきます。

使いやすさや品質の追求

イノベーターやアーリー・アダプターは先進技術や知識を持っているため、使い勝手があまり良くなくても使いこなせてしまいますが、メインストリーム市場の人々には、先進技術などの知識がありません。

よって、アーリー・マジョリティー以降の人々には、取扱説明書がなくても直感的に操作できるものや、高パフォーマンス性などから来る満足度の高いものを提供する必要があります。

アーリー・マジョリティーへのアピール

キャズムを超えた先の層がアーリー・マジョリティーですので、まず彼らに商品を選んでもらわなければなりません。

実績を明示や口コミなどがアーリー・マジョリティーへのアピールには効果的で、インフルエンサー・マーケティングやアンバサダー・マーケティングは良いマーケティング施策と言えるでしょう。

インフルエンサー・マーケティングとは、その業界のインフルエンサーがSNSなどで商品やサービスを紹介してもらい認知をはかる戦略です。

アンバサダー・マーケティングは、企業が任命したアンバサダーに商品をSNSなどで紹介してもらう方法です。

キャズムを超えた事例

キャズムを越えて市場に商品やサービスが普及した事例を紹介します。

どれもよく知られているものですが、その「よく知られている状態」が既にキャズムを越えていると言えますね。

iPhone

iPhoneはアメリカで生まれたスマートフォンですが、最初日本ではガラケーが主流で見向きもされていませんでした。

iPhoneのデザイン性やガラケーだった時代にタッチパネルを使った簡単な操作性などがアーリー・アダプターに受け入れられ、口コミなどからアーリー・マジョリティーに広まりました。

それだけではなく、iPhone発売日に店の前に行列ができる様子が何度もテレビに映されたことも大きな宣伝要因で、流行しているように見えるのもアーリー・マジョリティーに受け入れられています。

LINE

LINEは東日本大震災で電波障害などが発生した時にサービスを開始したSNSの一種です。

サービスの開始時期とスマートフォンの普及が重なり、広まっていきました。

今では最も利用されている連絡手段となり、その普及率は80%を越えています。

無料通話やトークのスムーズさ、スタンプの豊富さなど、便利な機能が多く、家族や友人が使っているから、自分も使ってみようと思うレイト・マジョリティーにまで広まっています。

もしLINEをビジネスに活用するなら、こちらの記事もご覧ください。

ネスカフェ・ゴールドブレンド・バリスタ

ネスカフェ・ゴールドブレンド・バリスタとは、ネスレ株式会社が販売しているコーヒーメーカーです。

ネスカフェ・ゴールドブレンド・バリスタの普及は、アンバサダーマーケティングの成功事例としてよく取り上げられています。

今ではテレビCMも広く知られていますが、最初はアーリー・アダプターである個人や企業へネスカフェ・ゴールドブレンド・バリスタの本体を無料で貸し出し、使用した感想をSNSなどで発信してもらっていました。

企業ではオフィスに置かれることにより、多くの人の目に触れ、認知を広げることに成功しています。

また、本体は無料でもコーヒーカートリッジは有料のため、ネスレも利益を得ており、一挙両得の施策です。

メルカリ

メルカリはフリーマーケットのサービスを展開しているアプリです。

フリマアプリが提供されるまでは、個人間の売買はネットオークションが主流でした。

ネットオークションでは、落札するまで売買金額が決まらず、簡単に手に入れることができないと感じるユーザーが多いのが課題でした。

フリマアプリは、オフラインでのフリーマーケットの仕組みをオンラインに取り入れ、販売者が価格を決めることができ、また、商品発送の簡略化と匿名性を突き詰めていったことで、ネットオークションの煩雑さを削減していきました。

このような利用の便利さや安全性がアーリー・マジョリティーにも受け入れられています。

またメルカリは人材採用においても独自の見解を確立しています。こちらの記事もご覧ください。

イノベーター理論を理解して自社商品の普及に役立てよう

この記事では、新しい商品やサービスを普及するための考え方である「イノベーター理論」を解説しました。

イノベーター理論は消費者を5つに分類し、商品などが市場のどこまで普及しているかをわかりやすく示し、どのように各消費者へアピールすれば良いかがわかります。

イノベーター理論を理解し、自社商品の普及に必要な施策は何かを考え実行することで、新商品の普及、拡大に繋げられるでしょう。

最終更新日: 2022/02/09 公開日: 2022/02/09
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