
本記事ではランディングページ(LP)を作成する流れや必要項目、作成後に必要なLPOについて具体的に解説します。LPの作り方や作成後のLPOの進め方について迷われている方にとって参考記事になれば幸いです。
LPとLPOとは

ランディングページ(以下LP)とは、ユーザーが検索エンジンやリスティング広告、バナー広告など外部のサイトから最初に訪れるページのことです。
ランディング(Landing)は「着地する」という意味で、LPはWEBマーケティングにおいては縦長にレイアウトされた1つのページを差します。
サービスや商品情報を網羅することで訴求力を強め、ユーザーに商品購入や問い合わせ、資料請求などのコンバージョンを誘導することを目的に制作されます。
LP作成後にページを最適化する取り組みをLPO(Landing Page Optimization)と言います。
LP制作の流れ

LPの企画制作を行うには下記の必要項目が存在し、事前に担当者を決めて、準備する必要があります。
- コンバージョン(成果)の選定
- ペルソナの選定
- 構成の立案
- ライティング
- ビジュアル要素の準備
- デザイン
- コーディング
順に一つずつ説明してゆきます。
コンバージョン(成果)の選定
最初にLPのコンバージョン(成果)を選定する必要があります。
- 問い合わせ
- 商品・サービスの申し込み(購入)
- 資料請求
- メルマガ登録
- SNSアカウントのフォロー
上記に挙げたものが一般的に設定されることが多いコンバージョンです。
オンラインショップでは10%OFFクーポンなどユーザーにとっての先行メリットを設定し、それの開封数やメールアドレスの登録をコンバージョンに設定するケースもあります。
ペルソナの選定
コンバージョンを決めたら次はペルソナを設定し、分析し、訴求する軸を決めます。ペルソナとは商品・サービスを利用する顧客の人物像のことを言います。
例えば女性用のリクルートスーツであれば性別は女性、年齢層は10代後半~20代前半、職業は会社または大学生など誰に対してこのLPで情報を届けて、コンバージョンへと誘導させたいかを決めます。
できるだけ具体的にペルソナを設定することで、ペルソナのコンバージョンに至るまでの思考傾向や価値観を明らかにして、企画を進めましょう。
構成の立案
成果地点となるコンバージョンとターゲットのペルソナが明確になったら、LPの構成を考えていきます。LPにおける構成とは、「何をどのような順番で伝えるか決める」ことです。
例えば商談では、相手が理解しやすいように順序立てて資料を作成し、プレゼンするのと同様に、LPでもユーザーが情報を理解し、商品・サービスへの興味と関心が高まるようにページを構成することで、成果に繋がりやすくなります。
構成がある程度固まったらワイヤーフレームを作成します。
ワイヤーフレームとは「ページの設計図」のことで、構成をより具体的にWEBページの形に落とし込んだもののことです。
ワイヤーフレームを作成することによってページ内のコンテンツ(テキスト・画像・CVボタンなど)の配置やレイアウトの設計ができるだけでなく、制作に係るメンバーやクライアントと擦り合せしやすくなります。
ライティング
構成を決めて、ワイヤーフレームでページ内のコンテンツの配置などを決めたらライティング(テキストやキャッチの作成)に取り掛かります。
特にLPにおいて主軸となるキャッチコピー(メインキャッチ)は複数案出して慎重に検討しましょう。キャッチコピーは、LPにおける訴求点を端的に表現したものです。
LP内には複数のキャッチコピーが必要です。ページのファーストビューに表示されるメインキャッチが大見出しだとしたら、その他のキャッチは中見出しに該当します。
構成に沿った上でコンテンツ内容の中身を端的に表現するキャッチでユーザーの興味と関心を引き、誘導するようにしましょう。
ビジュアル要素の準備
キャッチやテキストのライティングと並行して進めたいのが画像やイラストなどのビジュアル要素の準備です。
商品の販売を目的とするLPでしたら商品が魅力的に見える画像は必要ですし、販売する商品やサービスにイメージキャラクターなどが存在するようであれば、こちらの画像データも必要になります。
その他会社や商品のロゴ画像、商品の特徴を数値で表したデータをページ内で訴求するようであれば、データを視覚的に分かりやすく表したグラフが必要になります。
ページ内で訴求力を強めるために必要なクリエイティブを新たに作成、もしくは撮影する予定があるのであれば早めに準備をしましょう。
デザイン
ワイヤーフレームが固まり、コンテンツやビジュアル素材の配置が粗方決まったらデザインを行います。
デザイン作成ではユーザーがスマホやPCで閲覧する動線を意識して、コンバージョンに誘導しやすい設計にする必要があります。
また、ペルソナを意識したデザインにする必要もあります。
そのためには下記の点などに留意してデザインする必要があります。
- ファーストビューでユーザーを惹きつける
- セクションごとにイメージや画像を挿入する
- CTA(CVを促すボタン)は目につく場所に複数配置する
- 無駄に余白を入れない
- ペルソナが好みそうな配色・フォントを選択する
- 上記を意識しながら、商品のイメージやブランディングも意識した上で配色やフォントを選択する
- 適切な横幅サイズを把握する
デザインがある程度の状態まで完成したら、制作に関わるスタッフの意見を吸い寄せたり、協議して、極力不安要素のない仕上がりを目指しましょう。
コーディング
コーディングとは、デザインまで出来上がったものを、ブラウザ上で見える形にするためにソースコードを記述する作業のことです。
言語はHTMLやCSS、JavaScriptなどを主に使用します。
スマホだけでなく、PCやタブレットなど、様々な端末やブラウザで正しく表示されているかを確認しましょう。
LPOの進め方

ABテスト
LPOを進める上で、最初に理解しておきたい概念がABテストです。
ABテストとは、異なる2パターン以上のLP、バナー、広告文などを用意し、効果を比較するテストのことを言います。
テスト対象となるのは、LPやバナーのデザイン、商品のUSPを伝えるコンテンツ(イラスト・図など)、広告文などです。効果の物差しとなる指標は広告のCTR(クリック率)やLPのCVR(コンバージョン率)などです。
各要素のABテストを繰り返すことで、最もCVRを最適化できるパターンを検証することができます。
ABテストを実施する流れ
LPにおけるABテストは具体的には下記のような流れで検証まで進めます。
- アクセス解析ツール(Googleアナリティクスなど)やヒートマップツールにおける分析結果を基に、ABテストの対象ポイント(LPのファーストビューやCTAなど)を選定
- ターゲットペルソナの心理的な面を分析し、改善ポイントの仮説を立てる
- 検証するポイントの優先順位をつける
- 優先度の高いポイントからABテストを行うための準備を行う(例:LPのファーストビューを替えるための修正作業)
- ABテストの実施
- 再度アクセス解析ツールやヒートマップで分析、テスト結果を確認する
上記が大まかなABテスト実施の流れですが、5を補足すると余りにも比較する数字が少ないと検証結果としては精度が欠けるので最低でも1000PV以上のボリュームで検証するようにしましょう。
LPOにおけるGoogleアナリティクスのチェック項目

Googleアナリティクスはアクセス解析ツールとして最もポピュラーなツールであり、WEBマーケティングに携わる方であれば殆どの方がGoogleアナリティクスで数値の検証をしたことがあるでしょう。
LPOを実施するにあたり、Googleアナリティクスで押さえておきたいチェック項目をお伝えします。
ユーザー属性
実際にLPを運用していくとLPに辿り着いているユーザー、LP内でCVに至ったユーザーが最初に設定したペルソナとは異なっていることはよくあります。
例えば証券会社のLPでiDeCo(個人型確定拠出年金)を40代以上の男性ユーザーに向けて作成しても、実際は30代の女性ユーザーの方が男性ユーザーよりLPを訪れていたりします。
このように性別や年齢、地域などはGoogleアナリティクスで直ぐに確認することができます。
現状の客観的な数値を確認し、ペルソナとずれていないか?、ずれていたならば、現在よく訪れているユーザー層に向けてどのような情報を配信すべきか?を検証し、改善する必要があります。
曜日/時間
Googleアナリティクスではユーザーが対象LPに訪れる時間帯や曜日も調べることができます。どのようなタイミングでLPのアクセスやコンバージョン率が増減するのかを確認することができます。
例えば、平日の昼12時〜13時の時間帯で、スマートフォンからの流入が多ければ、「ランチタイム中にスマートフォンでLPを閲覧しているかもしれない」といった仮説を構築できます。
それを踏まえたCTAやLP内におけるデザインや訴求キャッチの改善を行うことができます。
流入経路
複数の広告媒体からLPに向けて誘導していたり、自然検索やSNSなどを含めた、複数の経路からの流入が想定される場合はGoogleアナリティクスでどの流入経路からどれだけのユーザーがLPに流入しているかを確認することができます。
流入比率を常日頃から検証することにより、商品(サービス)及びLPがどの経路との相性が良いのかを把握することができます。
広告費が発生する媒体を複数使用している場合は、費用対効果を図る上でもGoogleアナリティクスで流入経路を把握するのは必須です。
遷移先
GoogleアナリティクスではLPに訪れたユーザーが次に遷移したページを確認することができます。
例えば申し込みフォームへの遷移率だったり、別ページへのリンクを設定している場合は、設定したリンク先への遷移率や遷移数を確認することができます。
上記を確認することにより、例えばCVRが低いと思われていたLPが、実はフォームへの遷移率が高く、フォームの入力に手間取り、離脱しているユーザーが多いという事実が確認できたりすることもあります。
上記のようなデータはGoogleアナリティクスで下記手順から確認することができます。
- 左のサイドバーから「行動」を選択
- 行動を選択すると「サイトコンテンツ」が表示されるのでクリック。
- 「ランディングページ」が表示されるのでクリック
- 「セカンダリ ディメンション」というプルダウンメニューが表示されます。
- それをクリックすると様々なデータの一覧が表示されるのでチェックしたい項目を選択
Googleアナリティクスは無料のアクセス解析ツールですが、機能は豊富で、上記で挙げた項目以外も分析が可能ですので、LPOを行う上では必須ツールと言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事ではLP制作の流れ、制作後のLPOの流れや、具体的な方法を解説しました。LPページ公開後も効果測定をきっちり行いながら、商品や会社の魅力を最大限伝えられるようにLPOを進めてゆくことをお勧めします。