
- 「カスタマーサクセスってそんなに重要なの?」
- 「カスタマーサポートとの違いってなに?」
- 「アップセル・クロスセルを実施すると顧客が離れていかないか不安になる...」
このように思われている方はいませんか?
現代では、SaaS企業といったサブスクリプションモデルの拡大によってカスタマーサクセスが重要視されています。
また、顧客の成功体験をつくっていくことで顧客ロイヤリティーや顧客満足度は向上するため、カスタマーサクセスの取り組みは重要といえます。
アップセル・クロスセルの販売手法を実施する際に「離れていくか不安」な状態ということは、カスタマーサクセス状態ができていないことが原因です。
今回の記事では、カスタマーサクセスについて解説しながら、アップセル・クロスセルを実施する際の3つのポイントを解説してきます。
カスタマーサクセスとは?

カスタマーサクセスとは、顧客の成功体験をつくっていくための活動のことをさします。
カスタマーサクセス(Customer Success)を直訳すると、「顧客の成功」です。
つまり、顧客の成功体験をつくっていくことで、LTV(ライフ タイム バリュー)の最大化を目標に、組織全体で取り組んでいくプロセス全てを指す概念です。
カスタマーサクセスは、主にSaaS企業などサブスクリプション型ビジネスの企業で多く活用されています。
LTVとは、Life Time Value(ライフ タイム バリュー)の略語で「顧客生涯価値」のことをさします。
➡︎1人または1企業(ブランド)の顧客が自社との取引開始から終わりまでの間に、どれくらいの利益をもたらしたのかを表す指標です。
なぜ注目されている?
カスタマーサクセスが注目されている理由は、4点あります。
- 市場の発展
- サブスクリプションモデルの拡大
- CRM(顧客管理ツール)など、IT化の普及
- 競合との差別化
近年グローバル化が進み、ビジネス業界や経済全体が速いスピードで進化を遂げているため、消費者側は簡単に情報が手に入る時代になっています。
そのため、買い手側は簡単に欲しい情報を入手できるようになりました。
一方、売り手側は同じような商品やサービスが溢れてしまっているため、市場競争が激しくなっています。
このことから、競合との差別化を図る取り組みが必要になっているため注目されています。
また、2000年以降からIT化の普及により、顧客の購買行動などの情報を集めた「顧客データ」を元に、顧客の購買予測や効率的なアプローチを行うシステム(CRM)を導入する企業が増え始めました。
そのため、商品やサービスの品質の提供だけでは経営戦略としては厳しい時代に、CRMを使用しながら顧客との関係性を最大限に高めることが重要視されています。
よって、現代ではカスタマーサクセスが注目されています。
カスタマーサクセスの目的
カスタマーサクセスの目的は、顧客が継続的に商品やサービスを利用してもらうことが目的です。
そして、自社の商品やサービスを継続的に利用してもらうことで、顧客が得ることができる成功を維持・増幅させるためにサポートをしていくための取り組みを行なっていきます。
このことから、カスタマーサクセスに取り組むことで顧客との信頼関係の構築や関係性の維持が期待できます。
また、カスタマーサクセスの目的として利益を向上させることができるため重要視されています。
カスタマーサポートとの違い
カスタマーサポートとの違いは、取り組む「体勢」「目的」「指標」「最終目標」に大きな違いがあります。
カスタマーサクセス | カスタマーサポート | |
体制 | 積極的・能動的 | 消極的・受動的 |
目的 | 顧客の成功体験 | 問題解決・クレーム対応 |
指標 | 利益・解約率 | 対応件数・解決数 |
最終目標 | 顧客の成功 | 悩みや問題解決 |
カスタマーサポートは、問題解決・クレーム対応などを目的としているオペレーターやコールセンターといった受け身の取り組みのことを指します。
顧客から問い合わせがあって初めて企業側からアクションを起こすため、体制として「消極的」となるところが大きな違いです。
カスタマーサクセスは、企業側が顧客を成功体験に導くための取り組みを指すため、「積極的」な取り組みを行う“攻め”のアクションを起こしていきます。
このように、体制起点が大きく変わってくるため最終目的や指標にも大きな違いがでてきます。
アップセルとクロスセルとは?

ここからは、カスタマーサクセスと大きく関係しているアップセルとクロスセルについて解説していきます。
アップセルとは
アップセルとは、顧客が自社の商品やサービスを購入・利用したものよりも「上位( = より単価が高いもの、ランク・モデルアップ)」を提案し、購入してもらう手法のことをさします。
例えば、年会費無料のクレジットカードからゴールドカードへおすすめしたり、サブスクリプションモデルでの音楽サイトでは、曲とMVを同時にダウンロードが可能、聴き放題のランクアップのプランをおすすめしたりすることです。
アップセルを顧客から応じてもらうためには、商品やサービスに満足していることはもちろん、顧客がその商品やサービスを通じて「成功体験を積んでいる」(カスタマーサクセス)状態でなければ実現しません。
クロスセルとは
クロスセルとは、顧客が自社商品やサービスを購入・利用する際に、他の関連性のある商品と同時に購入・利用してもらう手法のことです。
例えば、携帯会社でスマートフォンやiPadを購入する際に、カバーケースや画面の強化シールをおすすめしたり、ファッションや食品のECサイトで1点購入よりも3点同時購入すると「◯%オフ」などをおすすめしたりすることです。
クロスセルに応じてもらうためには、顧客にとって現在利用・購入検討している商品やサービスが「より便利」「より快適」になると思ってもらえないと実現ができません。
クロスセルの場合も、顧客は商品やサービスに満足していることが前提で、購入検討しようと思っている顧客に、「今よりも大きな成功体験」のイメージや「望んでいる状態」がイメージできるカスタマーサクセス状態にする必要があります。
アップセルとクロスセルの3つのポイント

ここからは、アップセルとクロスセルを実施する際の3つのポイントを解説していきます。
顧客ごとに最適な提案
アップセルとクロスセルのポイント1つ目は、顧客ごとに最適な提案をすることです。
これは、どんなにカスタマーサクセス状態であっても顧客にとって必要のない商品やサービスの提案をしてしまうと、「いらない営業」「押し付け販売」などネガティブなイメージを植え付けてしまう可能性があるため見極めが重要です。
顧客ごとに最適なタイミング
アップセルとクロスセルのポイント2つ目は、顧客ごとに最適なタイミングで提供することです。
toCの場合 |
・新規顧客の場合:購入の決断をする直前や決断した瞬間がタイミング(購買意欲が1番高いため) |
toBの場合 | ・契約更新のタイミング ・予算を算出するタイミング ・課題を抽出し、解決に向けて取り組もうとしているタイミング |
上記のように、顧客が「toCの場合」と「toBの場合」で最適なタイミングが変わってきます。
toCの場合
toCの場合は、新規顧客が購入をしようとする直前は購買意欲が1番高く、財布の紐がかなり緩い状態になっているタイミングがベストです。
購入しようとする、またはその直前の時は、自社商品やサービスに最も高い興味や関心を示しています。
そのため、より良いカスタマーサクセス状態に近づけるようなイメージをしてもらえるように、上位の商品やサービスの提供(アップセル・クロスセル)のタイミングに向いています。
toBの場合
toBの場合は、「契約更新」をするタイミングがベストの状態です。
しかし、ここだけに注力するのではなく「契約予算の算出」をするタイミングで、より最適なカスタマーサクセス状態にできるようにアップセル・クロスセルを実施していきましょう。
また、企業が顧客とのコミュニケーションの中で課題が判明し、その課題解決をする取り組みを行おうとしているタイミングで、最適な商品やサービスの提供する、また契約プランのアップグレードをおすすめしていきましょう。
アップセル・クロスセルの販売手法を実施する際の注意点は、どんな相手であってもカスタマーサクセス状態になってもらうことを軸に実施していきましょう。
➡︎売上拡大や単価アップしたい気持ちが前に出ないようにしましょう。(押し売りだと思われてしまうため)
アップグレード機能の1部を常に表示
アップセルとクロスセルのポイント3つ目は、アップグレード機能の一部を常に表示することです。
SaaS企業でよくある例ですが、もしもアップグレードを積極的に提案していきたいのであれば、
- 「この先が気になる...」
- 「見たいけど今の契約プランでは見れない」
といった、【少し気になる状態】を作ることも有効な手法です。

画像のように、「もっと〇〇したい」「これ気になる」といった画面をあえて表示をさせて興味を惹きつけつつ、「聴きたい方はこちら」というボタンなどを設置してアップグレードを促していきましょう。
顧客側にとって、プランなど“少し見せられる”ことで基本プランよりもいい成功体験をイメージすることができます。
よって、「今よりも便利になる」といった成功イメージができる(カスタマーサクセス)状態に近づけることが可能になるため、とても有効です。
まとめ
カスタマーサクセスとは、顧客の成功体験をつくっていくための活動のことをさします。
顧客の成功体験をつくっていくことで、LTV(顧客生涯価値)の最大化を目標に、組織全体で取り組んでいくプロセス全てがカスタマーサクセス。顧客との信頼関係の構築や関係性の維持が期待できるためカスタマーサクセスは重要視されています。
また、カスタマーサクセス状態をつくっていくことで、アップセル・クロスセルを実現することが可能になります。
現代では、商品やサービスの品質だけで顧客ロイヤリティーの向上が難しいため、カスタマーサクセスの取り組みは欠かせません。
ぜひ今回のポイントなどを抑えながら、顧客から求められているカスタマーサクセス状態をイメージできる体験を提供していきましょう。
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