マーケティング戦略とは?立案の方法と成功事例を紹介

最終更新日: 2021/12/10 公開日: 2021/12/10

商品やサービスを継続的に売るためには、顧客のニーズに応え、他社と差別化し、市場に独自の地位を築かなければなりません。

企業活動にとって、マーケティングは最重要項目であり、マーケティング戦略は最大の利益を生み出すために必要です。

しかし「マーケティング戦略で何をすればよいかわからない」「マーケティング戦略を考えたけど、うまくいかなかった」という悩みを持つ人も多くいます。

この記事では、そのように悩んでいる人のために、マーケティング戦略の考え方と立案の方法、および成功事例について解説しています。

マーケティング戦略とは?

marketing strategy

マーケティング戦略とは、「誰に」「何を」「どのように」提供するかを決めることです。

「誰に」とはターゲティングを指し、「何を」は自社の商品やサービス、「どのように」は対価はいくらか、どのような経路で顧客へ提供するのかを指します。

マーケティング戦略では、市場の調査を行い、消費者のニーズや動向、競合他社の強みなどを理解することが重要です。自社の強みなどを把握したうえで、商品やサービスを消費者にアピールしましょう。

消費者に商品やサービスを継続的に購入してもらえるようにするのがマーケティング戦略の最終目的となります。

マーケティング戦略立案のメリット

マーケティング戦略を立てることで得られるメリットは、自社の商品やサービス、自社の状況などを客観的に把握できることです。

把握することができれば、事業のどの部分に人員や予算を投入し強化していけば良いかがわかります。

逆に、何も調べず、何も計画を立てずにリソースを投入すれば徒労に終わってしまうことも少なくありません。

企業にとって不要な出費や時間はできる限り少なくしたいものですから、マーケティング戦略を立案することは必須となります。

マーケティング戦略と経営戦略の違い

マーケティング戦略と経営戦略は似た言葉なので、混同して使う人もいますが、両者には明確な違いがあります。

  • マーケティング戦略とは、自社の商品やサービスをターゲットとする消費者にどのように効率よく届けられるかを考え取り組むこと
  • 経営戦略とは、ヒト・モノ・カネの経営資源(リソース)をいかにうまく使って自社を継続的に発展できるかを考え取り組むこと

どちらも自社を発展させるために効率的に利益を生むことを目指している点は共通しています。

しかし、マーケティング戦略では、市場や消費者などに焦点をあてて分析しますが、経営戦略は、自社内のリソースを分析するという違いがあります。

分析視点が外向きなのか、内向きなのかの違いですね。

マーケティング戦略立案のための7ステップ

marketing

自社でマーケティング戦略を練るにはどのようにすれば良いのでしょうか。

ここではマーケティング戦略を立案する方法を7ステップにして解説します。

  1. 自社の内部環境を分析する
  2. 市場調査を行う(マーケティング・リサーチ)
  3. 市場を細分化する(マーケット・セグメンテーション)
  4. ターゲットを決める(ターゲティング)
  5. 自社の立ち位置を決める(ポジショニング)
  6. 提供する価値を決める(バリュー・プロポジション)
  7. 戦略を決定し、実行する

①自社の内部環境を分析する

内部環境とは、主に自社に関する情報のことです。

具体的には、自社の強みや弱み、ブランディング、資金力、売り上げなどで、自社でコントロールができるものです。

内部環境を分析することにより、自社の課題や強みを把握することができます。

内部環境を分析するフレームワーク

  • SWOT分析
  • 5フォース分析
  • バリューチェーン分析など

SWOT分析とは、自社にとっての「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の4点にわけて分析するフレームワークです。

5フォース分析は、自社の事業に影響を及ぼす可能性のある課題を「業界内の競合」「新規参入者の脅威」「代替品の脅威」「売り手の交渉力」「買い手の交渉力」という5つの要素に分けて分析するフレームワークです。

詳しくは「5フォース分析とは?環境分析から戦略立案までのロードマップ」で解説しています。

バリューチェーン分析は、自社の活動を主活動と支援活動に分け、どの活動がどのような利益を得ているかを分析するフレームワークです。

詳しくは「バリューチェーン分析とは?手順を知って企業活動の強みを見つける」をご覧ください。

②市場調査を行う(マーケティング・リサーチ)

市場調査でわかることは、市場規模や市場の成長性、顧客のニーズや動向、競合他社のブランディングや資金力などです。

前述の内的要因は自社でコントロールできるものでしたが、市場や顧客、競合他社は外的要因となり、自社でコントロールできるものではありません。

市場調査を行うことで、市場に対する自社の課題を把握し、自社の優位性を保つ施策を打つことができます。

市場調査で有効なフレームワーク

  • 3C分析
  • PEST分析、
  • STP分析など

3C分析は、「Customer(顧客・市場)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3つの視点で分析するフレームワークです。

詳しくは「マーケティングの3C分析とは?目的や分析方法、活かし方を徹底解説!」で解説しています。

PEST分析とは、「Politics (政治)」「Economy (経済)」「Society (社会)」「Technology (技術)」の4つの要素を分析することで自社の置かれている状況を把握し、課題やチャンスを洗い出せます。

PEST分析については、「PEST分析とは?戦略立案に有効な外的要因の分析方法を解説」で詳しく述べています。

STP分析は自社に対する市場の「Segmentation(セグメンテーション)」「Targeting(ターゲティング)」「Positioning(ポジショニング)」の3点を分析するフレームワークです。

STP分析について詳しく知りたい方は「STP分析とは?見込顧客を明確化するマーケティング手法を知ろう」をご覧ください。

次の③から⑤までのステップがSTP分析のフレームワークを活用できます。

③市場を細分化する(マーケット・セグメンテーション)

市場の細分化(マーケット・セグメンテーション)は、自社の商品やサービスがどのような顧客に購入されているのか、ニーズや性格ごとに細かく分けることです。

ソーシャルメディアの普及やライフスタイルの変化、バラエティに富む商品開発などにより多様化した消費者のニーズに合わせて、市場を細分化する必要が出てきました。

細かなニーズに合わせることで、商品やサービスが消費者により届きやすくなります。

また、セグメンテーションをすることで、自社が優位に立ちやすい市場を選ぶことができます。よって、少ない投資で多くの利益を生むことが可能です。

④ターゲットを決める(ターゲティング)

ターゲティングは、マーケットセグメンテーションで細分化した市場の中で、自社がアプローチをする顧客層を決めることです。

商品のコンセプトや競合他社との差別化、自社の強みと弱みなどをもとに、具体的にターゲットとなる層を決めることで、コストを抑えつつ、商品やサービスを展開していくことができます。

ターゲティングをするときは、自社の競争力が最も強く、商品やサービスを販売しやすい市場を選びましょう。

⑤自社の立ち位置を決める(ポジショニング)

ポジショニングとは、顧客から見た自社の立ち位置を決めることです

つまり、自社の商品やサービスが顧客に魅力的だと認知してもらい、自社商品がオンリーワンのものであると感じてもらうことです。

自社商品を顧客に購入してもらうには、他社商品よりも価値があると思わせるのではなく、自社の商品こそが価値があると感じてもらわなければなりません。

ポジショニングが上手くなければ、他の商品と同じになってしまい、結果購入してもらえなくなります。

⑥提供する価値を決める(バリュー・プロポジション)

バリュー・プロポジションは競合には提供できず、自社の商品やサービスだけが提供できる価値のことです。

バリュー・プロポジションでも顧客の視点に立つことが重要で、顧客に求められている価値を提供できなければいけません。

よって顧客のニーズを正確に把握することが必要です。

顧客にとってバリュー・プレポジションは「選ぶ理由」であり、「選ぶ理由」が唯一のものであれば、ずっと自社の商品やサービスが選ばれ続けるでしょう。

⑦戦略を決定し、実行する

⑥で決めたバリュー・プロポジションをどのように顧客に届けるかを決めます。

どんなに顧客のニーズに合った素晴らしい価値でも、顧客に届かなければ意味がありません。顧客が試しやすく、価値を受けやすい提供方法を探りましょう。

なお、市場や顧客のニーズは日々変化していきます。よって、定期的に戦略を見直すことも必要です。

戦略を実行するために有効なフレームワーク

  • 4P分析
  • 4C分析

4P分析は、自社商品・サービスの「Product(商品)」「Price(価格)」「Place(販売場所・流通方法)」「Promotion(販売促進)」の4つの視点から分析する手法です。

4C分析は「Customer Value(顧客価値)」「Cost(経費)」「Convenience(顧客利便性)」「Communication(コミュニケーション)」という顧客側の4つの視点から分析します。

マーケティング戦略の成功事例

business targeting

実際にマーケティング戦略で成功している企業の例を見てみましょう。

  • ハーゲンダッツ・ジャパン株式会社
  • RIZAP株式会社
  • H&M へネス・アンド・マウリッツ・ジャパン株式会社
  • イケア・ジャパン株式会社

どの企業も、他の企業が参入していないブルーオーシャンを獲り、成功を収めていることがわかります。

消費者のニーズと、市場に何が足りないのかを徹底的に分析した結果、消費者から支持されているのですね。

ハーゲンダッツ・ジャパン株式会社

ハーゲンダッツはアメリカ生まれの高級アイスクリームブランドです。

一般的なアイスクリームより価格が高いのに人気があるのは、マーケティング戦略に成功した結果です。

ハーゲンダッツが日本で販売された当時は、アイスクリームは子供が食べるお菓子と考えられていました。

ハーゲンダッツは大人が食べるアイスクリームというブランディングと、高級素材の使用や徹底した品質管理と高級感のあるCMで、高級アイスクリームというポジショニングを確立しました。

ミニカップやクリスピーサンドなどのおひとり様用アイスは「会社で頑張ったから少し贅沢をするためのアイス」というバリュー・プロポジションにも応えています。

RIZAP株式会社

RIZAP株式会社はパーソナルトレーニングジムを運営している会社です。結果にコミットするCMで一躍有名になりました。

それまでのフィットネス業界では、運動内容や運動期間で差別化をするのが大半でした。

ライザップはダイエットの結果にフォーカスしたCM、高額設定と返金保証で、消費者に「ライザップならやせられる」という気持ちを抱かせています。

このように、バリュー・プロポジションを明確にした結果、他社に追随を許さない独自性を発揮し、ダイエットをしていない人でも「トレーニングジムと言えばライザップ」と印象づけることに成功しています。

H&M へネス・アンド・マウリッツ・ジャパン株式会社

H&Mはスウェーデンが本社のアパレルブランドです。

高級ブランドに似ている洋服を低価格で提供するコンセプトで、高級ブランドに手が出せないけれどもファッション性を求める顧客から支持を集めています。

高級ブランドに似ている洋服が商品となるため、独自にデザインをする必要がなく、デザインや開発費用の削減ができています。

また、世界中の工場で製品を作り、海運で輸送することにより輸送費用や生産費用も抑えています。

H&Mのマーケティング戦略は、様々なコストを削減することで、消費者の「安くファッションを楽しみたい」というニーズを叶えています。

イケア・ジャパン株式会社

IKEAはスウェーデンの家具販売店です。低価格なのに北欧のデザインの良さが相まって日本でも人気が高いです。

従来の家具販売店は種類の同じ家具を1つに集めて販売するスタイルでしたが、IKEAはモデルルームをいくつも作り、自分の部屋に置いたらどうなるかのイメージを顧客に持ってもらいやすくしています。

また、ターゲットであるファミリー向けの施策も多く、キッズルームや無料の離乳食といったサービスにより、家族で買い物できる場所というポジショニングを確立しています。

マーケティング戦略で他にはない自社の価値を探ろう

この記事ではマーケティング戦略の立案方法や成功事例を紹介しました。

マーケティング戦略は分析が多く、気が引ける人もいるかもしれませんが、フレームワークを使えば分析もしやすくなります。

マーケティング戦略とは「誰に」「何を」「どのように」提供するかを考えることです。

それを忘れず、顧客のための価値提供と、自社のための利益増加を目指し、丁寧に戦略の立案を行いましょう。

最終更新日: 2021/12/10 公開日: 2021/12/10
社長の教養
朝ライブ
社長の教養
朝ライブ