採用ペルソナの作り方|注意点・設計後のアクションを解説

最終更新日: 2022/02/15 公開日: 2021/12/13

「書類選考、面接で求めている人材と巡り合えない」

「思っていた人材と違った」

このようなお悩みを抱える採用担当者、経営者の方は多いのではないでしょうか。

自社が求めている人材確保には、採用ペルソナの設計が有効です。ペルソナを作る仕組みそのものが、自社が理想とする人材の整理に役立ちます。

この記事では採用ペルソナの作り方、設計後のアクション、注意点について解説します。ぜひこの記事を最後まで読んで、自社にぴったりの人材採用にお役立てください。

採用活動にはペルソナ設計が重要!

求める人材を確保するために重要なことは、採用ペルソナを設計することです。

求人広告を出せば人材が集まる時代が過ぎ去った今、求職者が魅力を感じる求人でなければ、応募してもらえません

現在は、需要に対して供給側である求職者の数が減少傾向にあります。多くの企業が欲しがる優秀な人材は、すでに他社で働いている状態です。

そこで役立つのが、自社のニーズをもとに作り上げる採用ペルソナの設計です。具体的な人物像のイメージを作ることで、求職者に響きやすい採用活動につながります。

結果的に、自社と人材のミスマッチ、早期退職の予防が可能です。

採用ペルソナとは「架空の求職者」

ペルソナとは、マーケティング用語で商品・サービスを購入する架空の顧客像を指す言葉です。年齢や性別だけでなく、家族構成やライフスタイル、趣味嗜好などをこまかく設計していきます。

このマーケティングに活用されているペルソナを採用活動に取り入れ、応用したものが採用ペルソナです。

マーケティングにおけるペルソナの基本情報に関しては、こちらの記事を参考にしてください。

採用ペルソナが必要な理由

採用ペルソナの設計が必要な理由は、以下の3つが挙げられます。

  • 採用活動の効率化
  • 入社後のミスマッチを予防
  • 早期退職の予防

あらかじめ自社に必要な人物像を設計しておくと、効率的な採用活動ができます。これは、自社が求める条件にマッチしない人物を採用枠から除外できるからです。

配属先の担当者とも話し合い、求める人材の要件を定義することで、採用後の「思っていた人材と違う」という状況を避けられるでしょう。

また採用ペルソナの設計は、早期退職の予防にも役立ちます。

初職の離職理由の中でもっとも多いものが「自分に合う仕事ではなかった」という理由。これは全体の43.4%を占める数字です。

参考:内閣府|平成30年版子供・若者白書(特集 就労等に関する若者の意識)

離職率を低減させるためには、採用した人材に「自分にぴったりの仕事だ」と思ってもらうことが大切です。長く働いてもらうためにも、採用時に具体的な人物像を掲げ、該当者を絞る必要があります。

人材採用におけるペルソナとターゲットの違い

ペルソナとターゲットはよく似たマーケティング用語です。

2つの違いを簡単にまとめると、以下のようになります。

  • ターゲット:おおまかな人材層を絞り込む
  • ペルソナ:1人の人物像を作りあげる

ターゲットは性別や年齢、居住地域などの基本的な情報を収集し、人材層を絞り混んで設定します。おおまかな情報だけで設定するため、現場と採用担当者が互いにイメージしている人物像が食い違うことがあるのです。

一方ペルソナは、綿密な個性を設定するもの。基本情報に加えて、求職者の趣味や悩みなどを想定し、目的にぴったりのたった1人を作り上げます。

ターゲットよりもこまかく設計するペルソナなら、社内で採用したい人材の認識を合わせることが可能です。現場と採用担当者が同じイメージを持つことで、求めている人材がどのような人物なのか明確になり、認識の不一致を予防できます。

採用ペルソナの作り方|4つのステップ

採用ペルソナの設計は、求めている人物像をこまかく考えることで精度が高まります。作り方の順番は、下記を参考にしてください。

  1. 採用の目的を定義する
  2. 現場にヒアリングする
  3. 求めている人物像の条件を洗い出す
  4. 認識のズレを修正する

くわしく解説します。

採用の目的を定義する

採用ペルソナを設計するためには、まず採用の目的を定義しましょう。何のために人材採用を行うのか明確にすることが重要です。

たとえば新たな事業に向けて増員する場合は、即戦力になる人材としてスキルや適性を踏まえてペルソナを作成します。

欠員を補充したい場合なら、退職者のポジションを任せるために、同様のスキルを持つ人材確保を目的とすることがあるでしょう。また既存の社員が欠けたポジションにつき、新たな人材育成を予定しているケースもあります。

このように採用の目的を明確にすることで、求めている人物像をイメージすることが大切です。

現場にヒアリングする|人材要件の基準

どのような人材が必要なのか、採用する部署にヒアリングしましょう。

ヒアリングの際は具体的に聞くことが大切です。「どんな人材が欲しい?」のような抽象的な内容では、人材に対する理想が高くなりがち。これでは自社に適切なペルソナ設計ができません。

採用活動の骨組みとなるものは、人材要件の作成です。人材要件とは、自社が掲げるビジョン、目標達成のため必要とされる人材を定義した要件のこと。

ヒアリングには必要な人材に求める基準を設け、優先順位をつけることが重要です。

人材要件の基準は、以下の3つを参考にしてください。

  • MUST:絶対に必要なもの
  • WANT:あれば望ましいもの
  • NEGATIVE:不要なもの

採用する人数やスキル、課題解決能力などの人材要件を列挙し整理しましょう。

MUSTとNEGATIVEから決めていくと、円滑にヒアリングできますよ。WANTは研修や実務でサポートすることを前提にするとよいでしょう。

しかし、すべての条件を持ち合わせた人材と巡り合うことは低確率です。「一部の条件が合わない」という理由で不採用にすると、優秀な人材確保のチャンスを逃してしまうかもしれません。

この問題は、優先順位をつけることで回避できます。自社の理念、事業や部署の方向性を加味しながら、業務で活躍できるスキルを持っている人材イメージを固めましょう。

求めている人物像の条件を洗い出す

自社が人材に求める条件を洗い出しましょう。

洗い出された条件をまとめ、連想ゲームのように導き出された要素を繋ぎ合わせながら、人材のイメージを組み立てます。

たとえば求めている人物像の条件が、以下の内容だったとします。

  • 経理事務
  • 経験者
  • 有資格者

この場合のイメージは以下のようになります。

経理事務として3年以上の経験を積んでいるが、
資格や能力に見合う昇給が期待できず転職を考えている独身女性

基本のイメージができたら、趣味嗜好や性格、希望の通勤手段などの枝葉をつけ、綿密に人物像を設計しましょう。

認識のズレを修正する

仮のペルソナを設計したら、事前にヒアリングした人材要件と人物像の認識がズレていないか現場に確認しましょう。

このとき経営者、リーダー層が求めているペルソナと現場が考えている人物像が食い違うことがあるでしょう。

要望をすべて取り入れ理想を詰め込むと、リアリティに欠けるペルソナが仕上がります。これでは採用活動にペルソナを活かせません。

意見の相違が生じた場合は、改めて人材要件の優先順位をつけるとよいですよ。応募者の条件と似た社員にヒアリングすることも有効です。

各ポジションの意見を取り入れながら、求めている人材要件を絞っていきましょう。

採用ペルソナの例

ペルソナの一例を紹介します。以下を参考に要素を加え、自社にぴったりのペルソナ設計に役立ててくださいね。

名前○○ ○○
年齢22歳
性別女性
家族構成4人家族(両親・弟と同居)
最終学歴○○大学△△学部□□学科
部活・サークル陸上
趣味カフェ巡り・読書・裁縫
性格真面目・努力家・気遣い上手
働く環境に求めるもの資格を活かせる環境
保有資格日商簿記検定3級
給与計算実務能力検定2級

採用ペルソナを設計する際の注意点

採用ペルソナを設計する際は、以下の注意点を踏まえて作り上げましょう。

  • 定期的に見直す
  • 現実的な人物像に絞る
  • 複数のペルソナを設定する

面接時に複雑な質問をしていると、ペルソナから遠ざかっていくように感じたことはありませんか?

もし書類選考、面接で「ペルソナのような人材が見つからない」という場合は、理想が高い可能性があります。採用ペルソナは、状況に応じて見直しが必要です。必要に応じて、柔軟に変更することも視野に入れましょう。

結果につながらなかったなら、現状を踏まえて再度ペルソナを見直すとよいですよ。

業務とは無関係なことを項目に含めると、採用が非効率になります。実在しなさそうな人物像では、成果が出にくいでしょう。

要件がこまかすぎるペルソナも要注意。あまりにもこだわりすぎると、該当する人材がなかなか見つかりません。

採用する人員が多い場合は、業務、タイプ別に複数のパターンに分けてペルソナを作りましょう。1つのペルソナに固執するのではなく、複数のペルソナを設計することが有効です。

ペルソナを設計した後が大切!取るべきアクション

ペルソナは作って終わりにしないことが大切です。

  • ペルソナに合わせた求人媒体を選ぶ
  • 求職者に響く募集要項を作成する
  • 求職者との相互理解を深める

ペルソナ設計後に取るべきアクションを紹介します。

ペルソナに合わせた媒体を選ぶ

ペルソナに近い人材を募集する媒体を選定しましょう。

以下の2つは、求人媒体選びで重視するポイントです。

  • 現状の新卒・転職市場に合わせて見直す
  • 自社の魅力をアプローチする

求人媒体は人材紹介、転職サイトなどさまざま。現状の新卒・転職市場、求職者の状況を見極めることが大切です。ペルソナに近い条件の求職者が使う媒体を選ばなければ、応募してもらえません。

また応募を待つだけでなく、ペルソナに直接アプローチすることも検討しましょう。

たとえばWantedlyビズリーチなどのダイレクトスカウトサービスなら、自社が必要とする人材のスカウトが可能。年齢やスキルに加えて、求職者が企業に求めている待遇などの志向性も確認できます。

求人情報・面接に反映する

掲載する求人媒体が決まったら、次は募集要項を作成します。求職者が魅力を感じる自社の情報を伝えましょう。

募集要項を作成する際は、以下の内容を求職者にわかりやすく提示することがポイントです。

  • 求めている人材の特徴
  • 入社後に提供できるスキル

募集要項を見たペルソナが「この企業が求めているのは自分だ!」「この企業で働きたい!」と思うような文面を記載しましょう。

消費者向けのマス広告のような月並みの言葉を並べても、他社と似た文面では差別化ができません。これはスカウトの場合も同様です。どのようなメッセージもらったら嬉しいのか、ペルソナの立場で考えてみましょう。

求職者に響く募集要項の作成は、面接を円滑に進めるメリットもあります。ペルソナに寄せた募集要項を固めると、面接時の選考基準が明確になるため、面接官による評価のズレを予防できますよ。

求職者との相互理解を深める

募集、スカウト後は選考体験を実施し、求職者に自社で活躍するイメージを持ってもらいましょう。内定承諾までの道筋を立てることで、自社への関心が高まり、ミスマッチを予防できます。

採用活動では、自社と求職者の相互理解を深めることが大切です。募集やスカウトによって自社の魅力を発信できたとしても、面接で志望度が低下すると内定辞退の可能性が高まります

入社後のミスマッチを防ぐために、求職者との理解を深め合いましょう。

採用ペルソナで自社にぴったりの人材を確保しよう

採用ペルソナの設計は、自社が求める人材を明確にすることができます。これはペルソナ設計に取り組むことで、理想の人物像を整理するからです。

ただ自社の理想に適う要件が、すべて一致する人材を確保するのは難しいこと。だからこそ人材要件の変更を視野に入れ、状況に合わせて採用ペルソナをブラッシュアップしていくことが大切です。

採用ペルソナの設計を通して、社内のコミュニケーションを深めることにも役立ちます。

もし求めている人材確保が難しい場合は、社内で育成することも検討してみてはいかがでしょう?外部から調達することだけにこだわらず、社内に目を向けることも大切です。

適切なペルソナを設計し、自社に合った人材を確保しましょう。

最終更新日: 2022/02/15 公開日: 2021/12/13
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